検索順位とトラフィックを獲得できる、title要素のハック7選
title要素なんて、ごく当たり前の存在だ。それが最新のSEOでもまだ重要なのかと疑問に思う人がいるかもしれない。だが、クリックスルー率に関して言えば、その答えは間違いなくイエスだ。
今回のホワイトボード・フライデーでは、われわれの良き友人であるサイラス・シェパードが、title要素を改良してサイトのトラフィックと検索順位を向上させる7つの方法を紹介する。
Mozファンのみんな、こんにちは。僕の名前はサイラス。Mozのアソシエートを務めている。
今日はtitle要素について話をしたいと思っている。特に、title要素を使ってトラフィックと検索順位を向上させる方法を紹介したい。
「title要素はSEOでいまなお重要なのか」と自問する人がいるかもしれないが、もちろん重要だ。これまで僕たちは、相関関係の調査をたくさん行ってきた。こういった相関関係調査では、この数年間の低減ということに関してさまざまな調査結果が示されている。しかし、title要素に変更を加えて行った最近の実験では、検索順位が明らかに大きく上昇したというケースが数多く見られている。
title要素で忘れられがちなもう1つの側面は、検索結果ページにおけるクリックスルー率の向上だ。title要素を適切なものにすれば、トラフィックを確実に増やせる。クリックスルー率を高めてトラフィックを増やすことには、素晴らしい点がある。これまでに見られた多くの実験やランドが行ったたくさんの実験からわかるように、クリックスルー率を高められれば、トラフィックを目に見えて増やせるということだ。
しかも、クリック数を増やしてトラフィックを伸ばせば、場合によっては検索順位も上昇する。つまり、二重のメリットがあるというわけだ。
僕が今日話したいのは、ユーザーがSERPで最初に目にする内容を変えることで、トラフィックを増やし、検索順位を上げる方法だ。
ただし、こうした手法は実験的なものだということを覚えておいてほしい。すべての手法が誰にとってもうまくいくとは限らない。SEOはベストプラクティスの積み重ねだが、本当の成功は、実験を行い、さまざまな手法を試すことによってもたらされる。だからこそ、ここで述べる手法のいくつかを試してほしい。そうすれば、title要素の実験をどこから始めればいいのかわかるようになるだろう。
1.数字
数字は強い印象を与える。たとえば、「ゾンビによる世界の終末が起こる5つの兆候」とか「ミュータントが自動車保険を22%節約できるわけ」といった具合だ。
認知バイアス(目を引く具体的な情報) ―― SERPの表示に数字が入っていると、クリックスルー率がわずかながら高くなる傾向がある。これは認知バイアスのしわざだ。
人間の脳は目を引く具体的な情報を見つけるように訓練されている。検索結果を見ていくと、そこにはたくさんの情報があるが、脳はすぐに理解できる情報を見つけようとする。そして、具体的で目立つという点で、数字に勝るものはない。
そのため、状況によっては、title要素に数字を入れることでクリックスルー率を高められる。
2.日付
これはたとえば、「2017年のアカデミー主演女優賞の候補者」といったものだ。あるいは、月を含めてさらに細かくすることもできる。「2017年9月時点で有望なNFLドラフト指名選手」のようなものだ。
さて、これについてはランドが、キーワード調査で日付を見出す方法を詳しく説明している。この調査で重要なのは、Keyword ExplorerやGoogle AdWords、SEMrushといったツールを使う場合に、過去数年を対象にしなければならない点だ。今年の情報を探そうとしても、2017年分のデータはまだ十分に揃っていない。そのため、探すのは「2016年のアカデミー主演女優賞の候補者」になる。
CMS(コンテンツ管理システム)の活用 ―― WordPressのユーザーでYoast SEOプラグインを使っているのなら、title要素を毎年、さらには毎月でも、自動的に更新できる。どんな状況にも適するとはいえないが、ある種のキーワードクエリではきわめてうまく機能する。
3.適度な長さ
これは最も議論を呼ぶテーマの1つであり、SEOで監査を行ったりtitle要素を調べたりしているときに大きな悩みをもたらすものだ。
SEO監査を行えば、2種類のtitle要素が必ず見つかるはずだ。
あまりにも短いtitle要素。
例:「Pantsuit」(パンツスーツ)
あらゆるキーワードを詰め込もうとして驚くほど長くなったtitle要素。
例:「Tahari ASL Red Pantsuit with Line Color, Midrise Belt, Hook-eye Zipper, Herringbone Knit at Macy's」
(メイシーズのTahari ASLブランドのラインカラー入りレッドパンツスーツ, ミッドライズベルト, カギホックつきファスナー, ヘリンボーンニット)
この2つはどちらも素晴らしいtitle要素だが、2つの問題がある。
短い方の問題は、意味が曖昧になりすぎる点だ。「パンツスーツ」ではいろいろな解釈ができてしまうのだ。
長い方の問題は、あまりにも冗長で、何を言いたいのか把握しにくい点だ。きちんと目を通して、意味を読み取ろうとしなければならない。検索エンジンも、同じように調べることになる。これはパンツスーツのことなのだろうか。それともヘリンボーンニットのことだろうか。わかりにくい。
Etsyの調査 ―― Etsyは、先ごろ実施したある調査で、膨大な数のURLを計測したうえで、title要素を短くした。
その背景にあるのは、長いtitle要素が問題を引き起こすことがしばしばあることだ。短かいtitle要素ではそれほど問題は起こらない。
だが、一般には長いtitle要素のほうが多い。そこで長かったtitle要素を短くしたところ、はっきりと検索順位が上昇したという。
50~60字 ―― この調査は、ベストプラクティスがたいてい最も適切な方法であることを示す例の1つだ。一般に50~60字が最適の長さとされているのだから。
トップキーワードを使用 ―― 短縮したtitle要素に盛り込むキーワードを決めるにあたっては、キーワード調査をして、ユーザーが実際に使用しているキーワードを見つけよう。
GoogleアナリティクスやGoogle Search Consoleを見れば、人々は実際には「pantsuit」や「Macy's」などといったキーワードで検索していることがわかる。そうなれば、この条件に合ったtitle要素を考え出せばいい。たとえば、「Tahari ASL Red Pantsuit」として、「Pantsuits」というカテゴリーと「Macy's」という言葉を組み合わせる。
こうして効果的なtitle要素ができれば、検索順位はおそらく上昇するだろう。
4.同義語や類義語
いま例に挙げたtitle要素で、カテゴリーが「pantsuit」の複数形になっていたことに気づいただろうか。状況によっては、これが役に立つことがある。ただし、こちらが想定する検索方法とユーザーが実際に行う検索方法が異なる可能性があることを頭に入れておくことが重要になる。
たとえば、キーワード調査を行った結果、トップキーワードが「cheap taxis」(安いタクシー)だったとしよう。この場合、「cheap taxis」に合わせて最適化したいと考えるだろう。
だが、人々が異なったキーワードで検索を行う可能性がある。たとえば次のようなものだ。
- 「affordable cabs」(手頃な料金のタクシー)
- 「low cost」(低料金)
- 「cheap Ubers」(安いウーバー)
このような種々の表現を活用するには、同義語や類義語を探し出し、title要素に含める必要がある。その結果、「Fast Affordable Cabs, Quick Taxi - Your Cheap Ride」(速くて手頃なタクシー、速いタクシー、安い相乗り)といったtitle要素にするかもしれない。3つの異なるキーワードを使って50~60字の範囲で最適化すれば、どんな言い方にもヒットするようになり、検索順位が多少上がるだろう。
SERPツールやキーワードツールの使用 ―― このような同義語や類義語を見つけるには、SERPを調べればよい。SERPに、つまりグーグルにキーワードを入力して、検索結果に太字で強調表示される言葉を確認するのだ。
また、こうすれば、たいていの場合、人々が探したり尋ねたりしているさまざまな表現がページの下部に表示される。Keyword ExplorerやSEMrushなどお好みのキーワードツールを使ったり、Googleアナリティクスを使ったりしてもよい。
Google Search Consoleは、こうした同義語や類義語に関する情報を得られる優れたソースだ。
5.行動喚起(CTA)
行動喚起につながる言葉は、キーワード調査を行っても見つからないことが多いのだが、人々にクリックを促すのに役立つ。具体的には動作を表す動詞だ。
動作を示す語 ―― 次のような語を使用すると、ちょっとした驚きを与えることができる。キーワードに含まれていない何かができることをユーザーに示すことになるからだ。
- 買う
- 見つける
- ダウンロードする
- 検索する
- 聴く
- 観る
- 学ぶ
- アクセスする
ユーザーがこうした言葉を検索ボックスに入力する必要は必ずしもない。検索結果に表示されれば、「
ダウンロードできるんだ
」とユーザーに驚きを与える。期待以上のものをユーザーに提供できるため、クリックスルー率を上げられるのだ。
6.上位の参照キーワード
これはやや見落としがちだが、高度な手法だと言える。
ある組み合わせのキーワード向けにページを最適化しているのに、別の組み合わせのキーワードからトラフィックが呼び込まれていたということはよくあるだろう。それでも、きわめて効果が高いのは、人々が検索ボックスに入力した言葉とまったく同じ言葉がtitle要素に表示される場合だ。そうなれば、クリックスルー率は上昇する。
たとえば、僕があるとき、Mozで分析を行ってFollowerwonkを調べたところ、Google Search Consoleで上位の参照キーワードが次のようなものであることがわかった。
- 「Twitter search」(ツイッター 検索)
- 「search Twitter bios」(ツイッターのプロフを検索)
- 「Twitter analytics」(ツイッター 分析)
こうした言葉は、人々がグーグルに表示されたFollowerwonkのリンクをクリックする直前に、何をどのように探していたのかを示している。
この情報を利用すれば、次のようなtitle要素を作成できる。
「Search Twitter Bios with Followerwonk - The Twitter Analytics Tool」
(ツイッターのプロフをFollowerwonkで検索, ツイッター分析ツール)
このtitle要素は、われながら素晴らしい出来栄えだが、ここで確認してほしいのは、この要素が人々の使用しているすべての主要なキーワードに合致していることだ。「Twitter analytics」と入力すれば、「The Twitter Analytics Tool」と表示されるため、クリックされる可能性は高くなる。
これは僕が以前の記事で説明したことだが、ページの最適化する場合、獲得しようとしているトラフィックだけでなく、実際に獲得しているトラフィックにも合わせることが非常に重要だ。この2つを組み合わせられれば、あらゆる面を強化できる。
7.質問文
質問文は、title要素で使用できる優れたツールだ。たとえば、次のようなものだ。
- 「Where Do Butterflies Migrate?」(蝶はどこに渡るのか?)
「butterflies migrate」(蝶の渡り)といったシンプルなキーワードを使っているのなら、これを質問の形にすると、人々の好奇心をかきたて、クリックしたいという気持ちを起こさせることができる。
「What is PageRank?」(PageRankって何?)というtitle要素は、Mozが実際に使っているものだ。このような文章が、好奇心のギャップを生み出すことになる。
また、質問形式にすれば、強調スニペットの獲得というボーナスを得られることも多い。この点については、ブリトニー・ミュラー氏が少し前にとても素晴らしい記事を書いている。ここに述べられているのは、人々が尋ねる質問、そうした質問をキーワード調査で見つける方法、強調スニペットを獲得する方法、「People also ask」ボックスに表示される方法などだ。
これらは、トラフィックを増やすための非常に優れたやり方と言える。
これで7つの方法の説明は終わりだ。
title要素を活用する他の方法があれば、下のコメント欄で教えてほしい。また、この動画が気に入ったなら、「いいね」ボタンを押したり、ソーシャルメディアで友人とシェアしたりしてもらえるとうれしい。
では、次に会えるのを楽しみにしているよ。読んでくれてありがとう。
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