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オウンドメディアの文章作成で押さえておくべき基本5ステップ

「読みにくい」を解消! オウンドメディアの記事作りで大切な5つのステップ

「記事を作る」というと、文章を書くことばかりを考えていませんか? オウンドメディアの記事作成では、文章を書くだけでなくネタ決めやタイトル作り、そして第三者チェックも大切なステップです。今回は、オウンドメディアの記事を作る際の5つのステップを紹介します。

オウンドメディアの文書作成に必要な5つのステップ
  1. ネタ決め
  2. タイトル作り
  3. コンテンツSEO
  4. 文章のライティング
  5. 第三者チェック

普段から記事を書き慣れていないと、「どう書けばいいのか」と悩む人もいるでしょう。このステップに従って進めれば、読みやすい記事を作るために大事なポイントを漏れなくチェックできます。今回は簡単なチェックシートも用意しました。記事の最後でダウンロードできます。

チェックシート
オウンドメディアの記事作成チェックシート

ステップ1. ネタ決め
「誰に」「何を」伝える? ペルソナを意識したネタ決め

1つ目のステップは「オウンドメディアのテーマとペルソナ設定」です。オウンドメディアの記事は、一般的に次の図1のような流れで読者に届きます。この流れをイメージしておいてください。

図:読者がオウンドメディアを読む流れ
図1:読者がオウンドメディアを読む流れ

記事のネタを決めるときは、ペルソナを意識して「誰に向けた内容か」「何を伝えるか」を考えます。ペルソナとは、企業が提供する製品・サービスにとって一番重要で象徴的なユーザーモデルのことです。

たとえば、次のような人があなたのオウンドメディアに訪れると想像してみてください。その人は、会社からあるミッションを与えられました。

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nikoniko_happy/istock/thinkstock

鈴木有海さん(25歳)
新卒入社3年目。趣味はテニスとカフェ巡り。SNSはたまに閲覧はするが、ほとんど投稿はしない。BtoB向け営業支援サービス提供会社所属。新規開拓営業を2年経験し、マーケティング担当になり1年弱。Webはあまり詳しくないが、SEOやSEMの概念は知っている。

与えられたミッション
今期はWeb経由でのリードを昨年比200%にする(月間15件から30件にアップ)

さて、鈴木さんは何から始めたらいいでしょうか? まずは自分で課題の解決法を調べることが第1ステップです。鈴木さんも、グーグルで「Web集客」「Web リード獲得」「Webで集客する方法」「Web 成功事例」「Webサイト 集客 BtoB」などのキーワードで検索し、表示されたタイトルを確認して気になったWebサイトを訪問します。

あなたがオウンドメディアの担当者で、鈴木さんのような人が重要なターゲットユーザーだったなら、どんなページを準備しておくべきでしょうか?

このようにペルソナを分析してオウンドメディアの記事を作成すれば、読者が求めている記事を制作できます。「どんな読者が」「どんな課題を解決できる」コンテンツを作るのかを意識してネタを考えましょう。ネタ決めとSEOについては、連載の記事「オウンドメディアのSEOは『想定質問』に答える『プル型』がカギ」も参照してください。

ステップ2. タイトル作り
読んでもらえるかはここで決まる! 読みたくなるタイトル作り

読者は、タイトルを見てその記事を読むかどうかを判断します。そのため、「この記事を読めば自分の課題が解決できる」と判断してもらえるタイトルにしなければなりません。ただし、あおりすぎなタイトルは禁物。タイトルと内容はきちんと合致していなければなりません。タイトルを付けるときは、次のポイントを参考にしてください。

1. 具体的な数値を入れる(「○割」や「○○.○%」など)

  • 良い例: スマホ向け広告の盲点!? 接触者の55.7%がPCでコンバージョン
  • 悪い例: スマホ向け広告の盲点!? 接触者の多くがPCでコンバージョン
「多くが」よりも具体的な数値「55.7%」を入れた方が引きが強い

2. 対象読者が知っているキーワードを使う

  • 良い例: データに基づけばマーケティング効果は必ず上がる! その施策とは
  • 悪い例: マーケティング担当者がすぐに対応すべき「データドリブン」を解説
対象読者が「データドリブン」という言葉がわからない可能性があるので、別の言葉に言い換える

3. 何の課題を解決できそうかがわかる

  • 良い例: 新人Webマーケティング社員が最初に読むべき書籍5選
  • 悪い例: 今すぐ読むべきマーケティング書籍を紹介
「新人」が「最初に読むべき書籍5選」と具体的に書かれており、「誰が」「何の課題を解決するか」がわかりやすい

4. タイトルは30文字以内(25~30文字が最適)

  • 良い例: パンダアップデート緊急対策! 今すぐ読まないとヤバイ!
  • 悪い例: 今すぐ読まないとヤバイ! 最近実装されたGoogleのパンダアップデートへの必ず行うべき対策
タイトルが長く、一番見せたい「パンダアップデート」というキーワードが後ろに隠れてしまうともったいない

いくつかタイトルを書き出して上記を参考に選んでいけば、クリックしてもらえるタイトルを作れるでしょう。タイトルで興味を引いてクリックしてもらわなければ、どんなに良い本文を準備していても読んでもらえません。

ステップ3. コンテンツSEO
検索されるキーワードを意識して見出しと文章を整理する

前回の記事でも解説したように、オウンドメディアは「プル型のコンテンツ」で、情報伝達の方法は検索エンジン経由です。「検索されて読まれる文章である」ことを意識し、キーワードがきちんと入っているかどうかがポイントになります。本文は、コンテンツSEOも意識して文章を書いていきましょう。

コンテンツSEOのポイント
  • キーワードをタイトルに入れ、見出し(h1/h2/h3)にもできるだけ入れる
  • 1ページの内容を1つのテーマに絞る
  • オリジナルの文章である

基本的なことですが、タイトルには必ずキーワードを入れましょう。また、検索エンジンでは1ページのテーマを絞った方が評価されやすくなります。「1ページに1テーマ・1キーワード」に絞りましょう。もし複数のトピックがある場合は、別のページに分けるのも手です。

とはいえ、SEOを意識しすぎて読者が読みにくい文章になっては意味がありません。SEO要素を盛り込みつつも、読者に有益な情報を提供することが第一であることを忘れないようにしましょう。

また、当たり前ですが、他のサイトからコピーした文章はNGです。コピー文章はSEOの観点からも絶対に避けましょう。コピー文章については、ステップ5の「第三者チェック」でも解説します。

ステップ4. 文章のライティング
読みやすく、好かれる文章を書くための6つのルール

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Vasily Litvishko/Hemera/thinkstock

ステップ4は、いよいよ文章の書き方です。Webの文章は、紙と比べると読みづらく、読みづらさを感じるとわずか数秒で離脱するといわれています。いくら内容が良くても、読んでもらえないと意味がありません。読みやすく、好かれる文章にするためには6つのルールがあります

1. 余計な文字は削る

「てにをは」を整えるのは当然として、何度も繰り返し出ている同じ単語や、なくても通じる表現は削ってすっきりさせましょう。たとえば、次のような具合です。同じ意味でも、校正後の方がすっきりとして読みやすい文章になっています。

原文

コストさえかければ、セミナー集客はさほど難しくないというのが現実です。ただ、そのセミナーの成果などが見えてくる段階までは、いろいろなコストをなるべく抑えたいという気持ちもあるのではないでしょうか。今回はコストを抑えて、セミナー集客を行うための方法をお伝えいたします。

校正後の文章

コストさえかければ、セミナー集客は難しくありません。ただ、成果が見えるまではコストをなるべく抑えたいもの。今回は、そんなセミナー集客方法をお伝えします。

2. 段落を適度な長さに整える

段落が長すぎても短すぎても、読みにくさの原因になります。適度な長さで段落を分けることもテクニックの1つです。Webサイトにもよりますが、長くても200文字くらいを目安に段落を区切るといいでしょう。また、1つの文が長い文章も主語と述語の関係がわかりにくく、読んでいて理解しづらくなります。読みやすい長さに短く分割しましょう。

3. 抽象的な書き方を避けて具体的にする

伝えたい要点はできるだけ具体的にして、説得力のある文章にしましょう。抽象的な文章だと、たとえば「~さまざまな場合に応じて適切に対応します」のように、読んでみると当たり前で内容が薄くなってしまいがちです。「これ」「それ」などの指示語も避けて、具体的な言い方をするように心がけましょう。

4. 専門用語と漢字は減らす

ターゲット層にもよりますが、専門用語や漢字を多用することは避けて、伝わりやすい表現にすることも大切です。対象読者が普段利用していない専門的な用語を使うと、ストレスを感じさせてしまいます。また、漢字の割合を意識的に少なくしてひらがなを多めにする方が読みやすい文章になります。

5. タイトルと本文の内容を一致させる

本文を書いていると、だんだん話が膨らんできて多くのことを書いてしまいがちです。ステップ2で決めたタイトルと本文にずれがないか気を付けて、両者に不一致が起きないようにしましょう。

そのとき、キーワードが文章の中に盛り込まれているかもチェックします。タイトルと本文が一致していれば、自然と盛り込まれているはずです。

6. 語調・表記を統一する

表記の統一で普段気を付けていることがあれば、オウンドメディアの文章でも統一します。たとえば、次のような具合です。

  • ドキュメント → 文書
  • 会社 → 企業
  • 顧客 → クライアント
  • お店 → 店舗
  • 業務提携 → アライアンス

統一したあとに、文章が読みやすいかを確認してみることも重要です。また、「です・ます」「だ・である」調がそろっていないと、読みづらさを感じます。こちらは、1つの記事内だけでなく、サイト全体をそろえるようにしましょう。

ステップ5. 第三者チェック
ユーザー視点でチェックすべきポイント

記事ができたら、必ず第三者に客観的な目でチェックしてもらいましょう。記事を書いた本人は、ミスになかなか気付きづらいものです。対象読者と近いポジションの人にチェックしてもらえると理想的です

見てもらう前にWordの校正機能でチェックしておくと、誤字や脱字の最低限のミスを防ぐことができます。そのあとに第三者にチェックしてもらうと効率的です。Wordの校正機能を使うには、キーボードの上部にある「F7」キーを押します。

Wordの校正機能を使った例。間違っている可能性のある部分に波線が表示される
Wordの校正機能を使った例。間違っている可能性のある部分に波線が表示される

1. タイトルが適切か?

タイトルにSEOのキーワードが入っているか、読者が「課題を解決できる」と判断できるかを客観的な視点で確認します。また、タイトルと内容が合致しているかも重要です。あおりすぎているタイトルはNGです。

2. 著作権に抵触していないか?

著作権に違反するような画像や文面がないかを確認します。たとえば、Webサイトや書籍の文章が引用の範囲を超えてそのまま掲載されていたり、本来必要な引用元の明記がなかったり、また無断で利用している画像があったりしないかを確認します。著作権の侵害はオウンドメディアの存続にかかわるので、大事なチェックポイントです。正しい引用については、以下の記事も参考にしてください。

3. コピー文章ではないか?

コピー文章は、企業の社会的信頼性を損ないます。特に外部ライターに依頼した場合は、文章の一部を検索してみるなどして、他サイトや他人の発言の引用でないかを念のためにチェックすることを推奨します。

Twitterなどのソーシャルメディアの検索は、通常の検索ではなく「Yahoo!リアルタイム検索」などのツールを利用しましょう。検索エンジンにまだインデックスされていない最近の投稿も、瞬時に検索できます。

4. 過去に類似の記事投稿があるか?

もし過去に類似記事や関連する記事がある場合は、関連記事としてお互いにリンクを設定しましょう。両方の記事で相乗効果が期待できます。

5. 商品ページがリンク切れになっていないか? リンク先の商品説明は適切か?

オウンドメディアの多くは、問い合わせ増やサービスの利用開始などが目的です。肝心のリンクが切れていないか、またリンク先のページが目的を達成するために適切かを確認しましょう。

記事に集中していると見落としがちですが、読んでもらうだけではなく、その先の問い合わせ増やオウンドメディアの信頼度アップなど本来の目的達成にとって大切なチェックポイントです。

6. 問い合わせ方法が明確になっているか?

問い合わせが少ないWebサイトの共通点として、問い合わせ方法が不明確なことがあります。問い合わせフォームの設置箇所や導線、入力項目が適切かを確認しましょう。

また、オウンドメディアは運営会社よりもサイト名が前面に出ているケースが多いですが、必ずしも問い合わせの際に運営会社のサイトを確認するとは限りません。情報を提供しても大丈夫かどうかを読者が判断できるよう、オウンドメディアでも個人情報保護方針を掲載しておくと親切です。

◇◇◇

これで、すべてのステップは完了です。いかがでしたか? 最初はチェックポイントが多くて大変に見えるかもしれませんが、慣れればスムーズにできるようになります。記事で解説したことができているかどうかを確認するためのチェックシートも用意したので、ご利用ください。

チェックシート
チェックシート

大切なのは、オンライン上でもオフラインと同じように読者の課題解決やコミュニケーションができるようにすることです。ぜひ、利用者から見たときに「課題が解決できる」コンテンツを目指してください。

用語集
BtoCサイト SEO / SEM / SEO / SNS / インデックス / オウンドメディア / コンバージョン / ソーシャルメディア / ダウンロード / リアルタイム検索 / リンク / リンク切れ / 検索エンジン / 訪問
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