各社の事例でわかるオウンドメディア運営の「企画」「構築」「成果」ノウハウ

こんな悩みはあるある?Webメディア担当者に聞く現場のリアルな悩みとは?

オウンドメディア、Webメディアの担当者はどうやってスキルアップしているんだろう?そんな疑問を「withnews」河原さん、「コエテコ 」森島さんに聞きました!

聞こえますか……オウンドメディア、Webメディアの担当者のみなさん……この悩み、他のメディアの人はどうしてるんだろう……みんなはどうやってスキルアップしているんだろう……そんな疑問が浮かんだことはありませんか……その疑問を抱いているのはあなただけではないはずです……。

そこで今回は、朝日新聞社が運営するWebメディア「withnews(ウィズニュース)」編集・記者の河原夏季さん、GMOメディア社が運営するプログラミング教育メディア「コエテコ byGMO」編集・広報担当の森島かおりさんのお二人に現場担当者の悩みや、スキルアップ方法について聞いてみました。

人物紹介

佐々木美帆(写真左)
不動産情報サイト「SUUMO(スーモ)」のオウンドメディア「SUUMOジャーナル」や、ベンチャー企業にてクライアントのオウンドメディア支援を編集者として担当。2019年6月から事業会社にて、SEOコンテンツの制作やWebサイトのUI/UX改善の業務に携わる。

河原夏季(中央)
2010年、株式会社朝日新聞社に記者として入社。地方勤務や東京での紙面レイアウトを経て、2018年から「withnews(ウィズニュース)」の編集・執筆を担当。2019年4月から産休・育休中。

森島かおり(写真右)
2015年、GMOメディア株式会社に入社し、広報とIRを担当。2017年12月から約1年、広報・IRの業務に加え、プログラミング教育ポータル「コエテコ」にて編集を担当。

ゼロからの編集業務。ライターさんとどうコミュニケーションをとれば……

佐々木:今日はどうぞよろしくお願いします!まずはお二人の現在の業務内容について教えてください。

森島:わたしは2015年12月にGMOメディアに入社して、広報とIRを一貫して担当しています。現在は編集業務から離れているのですが、2017年12月から約1年間、プログラミングポータルの「コエテコ」の編集を担当していました。コラムや取材記事の企画を考え、ライターさんが執筆してくださった原稿を確認したり、取材に同行したりしていました。

河原:わたしは2010年に新卒で朝日新聞に記者として入社しました。大阪・愛媛などでの地方勤務の後、東京本社で紙面レイアウトを経て、2018年から朝日新聞が若い世代に向けて運営しているWebメディア「withnews(ウィズニュース)」の編集や記事の執筆を担当しています。2019年4月から産休をいただき、今は育児休業中です。

佐々木:ありがとうございます。企業のオウンドメディアと、新聞社のWebメディアという違いはありますが、お二人ともWebメディアの担当者になって、どんな課題や悩みがありましたか?

森島:わたしは編集部に編集経験がある人がほぼいなかったので、本当にゼロからのスタートでした。広報の業務のなかでプレスリリースを書いていたので、文章作成のスキルはある程度はあったのですが、記事の執筆はライターさんにお願いしていて、ライターさんとどうコミュニケーションをとったらいいのか悩みました。

佐々木:具体的にどんな点で悩んでいたのですか?

森島:原稿にどれだけ赤入れをしていいのか、それでライターさんが傷ついたりしないか等、ライターさんへのフィードバックの伝え方ですね。

佐々木:わたしもWebの編集者になりたての頃は、ベテランライターさんの原稿に「こんな若輩者が赤入れしていいのか……」と戦々恐々としながら赤入れしてたことを思い出しました笑。森島さんは、どうやってフィードバックのコミュニケーション方法を学んだんですか?

森島:当時は、編集経験のある方がいたのでその人に聞いたり、ライターさんとのコミュニケーションはSlack(チャットツール)でとっていて、みんなが見れるようになっていたので、他の担当者とライターさんとのやりとりを見て学んだりしていました。また、事業責任者が個別に「こうした方がいいよ」とアドバイスをくれたりしました。

佐々木:現在は編集業務から離れているとのことですが、現在の広報のお仕事で役に立った編集スキルはありますか?

森島:当社の編集部宛にはプレスリリースがさまざまなところから送られてくるんですが、媒体に合わない情報だと、編集部に少しマイナスの印象を与えてしまうんだなと思いました。広報として多くの媒体にリリースを送ることも大事なのですが、媒体の研究をして、媒体に合う情報を送ることは本当に大事だなと思いました。メディアの方に言われることではあるのですが、体感できたことは大きかったです。そこからはそれまで以上に媒体研究をするようになりました。

乱立するWebメディアのなかでいかに媒体らしさを出して、読んでもらうか

佐々木:河原さんはどんな課題がありましたか?

河原:担当しているwithnewsは自社サイトだけでなく、Yahoo!ニュースやSmartNewsなど外部のプラットフォームにも記事を配信しています。Webメディアが乱立しているなかで、読者の「可処分時間」をいかにwithnewsに使ってもらうかということに注力していました。

記事を読んだ人のなかにはYahoo!ニュースが記事を書いていると思ってることがあります。また取材先の方も「Yahoo!ニュースに載りました」とwithnewsではなくYahoo!ニュースのURLをSNSでシェアされることもあります。それだと、withnewsが配信した記事だと認識してもらえないので、企画段階でいかに「withnews」らしさを出していくかが課題でした。

佐々木:コメント欄で「(いい意味でも悪い意味でも)こんな記事をYahoo!ニュースが書くなんて」的な記事をみつけると、それYahoo!ニュースが書いたんじゃないよってそっと教えてたくなるときある……。

河原:弊社は新聞社なのでニュースで勝負をしているんですが、withnewsでは速報性が重要な生ニュースは扱っていないんです。とはいえ、新聞社らしく社会で話題・問題になっていることを、若い人に関心を持って読んでもらえる企画ってなんだろう?……と検討を重ねてきました。

そこで、昨年から、10代をターゲットにした「#withyou」というプロジェクトに取り組んでいます。2017年に神奈川県座間市で自殺志願者等9人が殺害された事件が起こりました。SNS上で「死にたい」「消えたい」と発信している若者がたくさんいて、その発信をきっかけに事件に巻き込まれてしまった。10代の生きづらさに注目して、新聞社としてなにかできないかと、同期の記者とともに、立ち上げたプロジェクトです。

若年層の自死が増えていますが、どうしたら踏みとどまってもらえるのか。メディアは「媒介者」です。悩んでいる若者と支援者をつなげる役割として、withnewsの「#withyou」があってほしいなと思ったので、このプロジェクトでは相談先とつなげることを目的の一つにしていました。記事の末尾には必ず相談先のリンクを張ったり、相談先の電話番号を記載したりしていました。

リンクにそれなりの数のクリックがありました。「自分では相談先を検索しない」という人も、記事がきっかけになって、相談先のページをみてくれたかもしれません。堅い記事ではあるのですが、新聞社だからこそできた企画かなと思っています。このプロジェクトは今年も継続しています。若年層の自死が多い夏休み明けに向けて、8月1日から毎日記事を配信するようです。

Webは数字が見える世界。読者に届けるため、読まれる工夫を考えるように

佐々木:プロジェクトの目的が読まれることではなく、生きづらさに悩んでいる人と支援者をつなげるというアクションに置いているのはめっちゃいいですね。

河原:新聞は戸別配達のメディアなので「届いたら読まれる」前提です。でも、Webの世界は記事ごとの閲読数が見えるので、読まれる工夫をしなければ……と意識が変わってきました。

今までは、記事を読んだ人が次にどんなアクションを起こすのかということについてあまり考えていませんでした。「#withyou」は次につなげることを目的にしたので、会社のなかでは挑戦的な取り組みだったと思います。

ただ単に閲読数を追うのではなく、プロジェクトでは「アクション」を重視していたので、SNSでの反応もみていました。「#withyou」というハッシュタグを活用して、みなさんのつぶやきを追っています。

森島:広く読まれたいのか、ターゲットを絞って読まれたいのかでいうとどっちだったんですか?

河原:この企画に関しては若年層、主に10代に届けたかったです。ただ、withnewsのメインターゲットと異なることや、Yahoo!ニュースなどのプラットフォームのユーザーの年代が異なるので、10代に届けるのはなかなか難しいなとも思いました。そのなかでも、10代に読まれたのはYouTuberのコラムやニコニコ動画の歌い手さんの記事で、インタビュー相手が10代の知っている・親和性が高い人だと読まれるんだなと思いました。

森島:何を言うかより、誰が言うかになってきてますよね。

河原:そうなんですよ~。なのでインタビュー相手の人選はどういう人が10代に届くか話し合いを重ねました。

スキルアップにおすすめの本は? SEOへのイメージを変えてくれた1冊

佐々木:それでは次にスキルアップに役立った本について教えてください。

森島:先輩におすすめしてもらった「いちばんやさしい新しいSEOの教本」(インプレス)はWebの編集をやる上で参考になりました。昔、SEO業者はテクニックを使って検索順位を上げるというイメージがあったので、正直、SEOに対してあまりいいイメージがなかった部分もあって……。いいコンテンツをつくりたいという思いがあったので、なんでSEO対策しなきゃいけないの?って思っていたんです。

ただこの本を読むと、SEOはテクニックではなく、いいコンテンツをつくると将来的には検索順位が上がっていくし、情報を必要としているユーザーに届けるために必要なんだよと書かれていて、だからSEO対策って必要なんだなと思わせてくれた本でした。

あとは広報をしていると、もう少し早く相談してもらえたらもっと世の中の人に伝えられたかもしれないと思うことがあって、広報を巻き込んで、メディアやサービスを広めたい人には「広報の仕掛け人たち PRのプロフェッショナルはどう動いたか」(宣伝会議)には多くの事例が載っているのでおすすめです。

広報担当者は、情報が集まりづらいもしくは情報が集まるのが遅いという悩みを抱えている方が多いと思うんですよ。たとえばイベントをやるとなったら、内容や日程が決まった段階ではなく、その企画段階から関わらせてもらえたら、PR観点でアドバイスができて、集客のお手伝いもできたんじゃないかなと思うことがあります。その点でいうと「コエテコ」は四半期に一度振り返りと今後の方針を考える合宿を1日かけてやっているのですが、今でもその合宿に参加させてもらえるのはありがたいですね。

「選ばれ続ける必然 誰でもできる『ブランディング』のはじめ方」はブランドがなぜ大切なのかを分かりやすく具体的に伝えくれていて、会社全体だけでなくサービスやチームづくりなどいろんなことに活用できると思います。

河原:わたしは新聞の編集をやっていたのですが、それは新聞のレイアウトや見出しを考えたりすることで、いわゆる記事の編集とは違います。そもそも編集ってなんだろうと思って手にとったのが「はじめての編集」(アルテスパブリッシング)でした。でも、こうしたらいいというテクニック的な答えはなくて、「編集とは企画を立て、人を集め、モノをつくる」、そこに尽きるんだな、美術館でも空間でもなんでも編集できるんだなと思いました。

数字やKPIの設定については雑誌の「Web Designing」(マイナビブックス)の特集を読んだり、企画の参考に「編集会議」(宣伝会議)を読んだりしてます。あとは、嶋浩一郎さんの「なぜ本屋に行くとアイデアが生まれるのか」(祥伝社)を読んで、本屋B&Bさんの例はWebサイトにも応用できるのではと参考になりました。

参加しているセミナーや勉強会は? まわりを知ることで自分の立ち位置・レベルを知れる

佐々木:おすすめの書籍の紹介、ありがとうございました。参加したセミナーや勉強会で役にたったものはありますか?

森島:編集に関してはフリーランス編集者のアミケンさんが主催する「アミケン編集塾 」だけなのですが、広報の勉強会は色々あるので、よく参加しますね。人と会って話して新しい知識を吸収すると、モチベーションアップにつながったりします。

河原:わたしもちゃんとWeb編集を学んだのは「アミケン編集塾」ですね。当時は新聞の編集だったので、そもそもWebの編集ってなんだ!?みたいな。読後感や次のアクションまで考えて企画を立てているんだと思いました。

その勉強会で横のつながりもあったので、自分の知識や意識がどれだけ足りないのか、相対化して自分の立ち位置を知ることができました。ほかには、横のつながりをつくりたいなと思って、本屋B&Bさんや、編集プロダクションのノオトさんが開催しているイベントに行ったり、メディアミートアップに参加したりしてます。

知識をインプットするためというよりも、Web業界の人と話をしたいというのが目的でした。共通言語がない状態だったので……。横文字分からない……みたいな。

佐々木:「KPIって何?」って言ってたよね笑。(実は河原さんとは大学時代の同級生で、今でもよく一緒にセミナーや勉強会に参加する仲なのです)

河原:一番はじめは本当にそこからで、「SEOって何?」「オウンドメディアって何?」からはじまりました。自分のアンテナが低かったというのもありますし、当時は部署内や周りの人とそういう話をしなかったので、「KPI」とか使ったこともないし、「SEO」も聞いたことがないような状態でしたね……。恥ずかしい笑。

佐々木:あの状態からのこの成長はずっとみてきた者としては感慨深い笑。お二人とも本日はありがとうございました!


撮影:若旅多喜恵 @takiyoro 
編集:鈴木健介 @amigoken 
執筆:佐々木美帆

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