動画コンテンツによるリンクビルディング #3 ソーシャル、メール獲得、サイト内展開など
3回にわたってお届けしてきたこの記事も、今回が最終回だ。引き続き、動画でリンクを獲得するためのヒントを見ていこう。
- その1(前々回の記事で解説)
- その2(前回の記事で解説)
- その3(この記事で解説)
動画のシリーズ化を検討する
良い成果を出している動画があって、さらなる展開やスピンオフの制作が可能ならば、同じような動画を作ったり、同じスタイルによるビデオのシリーズを始めたりすることを躊躇してはならない。
たとえば、「Shit Girls Say」という動画からは、同じテーマの模倣作品が大量に生まれたが、中でもできのいい模倣動画には、オリジナル動画の制作陣によるものもある。
また、長編の動画をいくつかの「章」に分割して公開しているサイトもある。関連する動画を求めてサイトの中を動き回ってもらうのに、動画のシリーズ化は優れた方法だ。
メールアドレスの入力やSNSへの投稿を動画視聴の条件にする
ビデオマーケティングを始めたばかりという人が忠実なファン層を構築しようという場合ならば、このアイデアは必ずしもベストの方法ではないかもしれない。しかし、すでにたくさんの閲覧者を抱えていて、次のコンテンツを待ちきれないという定評あるサイトを持っているのなら、コンテンツを再生する前にメールアドレスの入力を求めることを検討してみよう。
シリーズのパート1は一般公開して、パート2の再生にメールアドレスを求めるという方法もあるだろう。ユーザーをいらつかせないように「スキップする」ボタンを提供してもいい。
これは、将来のマーケティングに役立つメールアドレスのリストを作る効果的な手段だ。似た手法として、先に進むのにFacebookの「いいね!」やTwitterの「フォロー」を求める方法もある。この方法が使えるかどうかは、コミュニティと培ってきた関係次第だ。
アドレス入力などの手続きが、グーグルによるインデックス化の妨げになってはならない。URLリダイレクトやそれに類するものを使うのは避けよう。YouTubeでできるのと同じように、自分のところでホスティングした動画にボタンやリンクを直接埋め込む「EasyVideoPlayer」というソフトウェアはどうだろう。「Overlay TV」も、検索エンジンによる動画ページのクロールに影響を与えずに似たようなことができる。
新旧のコンテンツに動画を加える
動画は、同じドメイン名にある他のコンテンツの中で再利用できるし、また、再利用すべきだ。
新しい動画でテコ入れできそうな古い記事があれば、そこから動画にリンクを張ってコンテンツを補強する。同様に、将来新しい記事を追加した際、他のコンテンツと同じく古い動画にリンクすることもできる。
ただし、同じ動画を複数のページに埋め込むのはやめよう。グーグルには元々の動画ページが正規のページだと判断してもらわなければ困るからだ。複数のページにある重複コンテンツや重複画像と同じで、動画の重複は何としても避けたい。
多様な動画サイトへの投稿を検討する
YouTubeを使うつもりがあるのであれば、どうしても欲しい露出が得られるかもしれない他の動画ホスティングサイトにも投稿しない理由はない。自分のところでホスティングしているビデオが、しばらく経っても一向にトラフィックを獲得できないようなら、YouTubeや以下に挙げるサイトなどの発表の場に投稿することを考えよう。
長期にわたってYouTubeに投稿した動画のケーススタディからDistilledが得たすばらしいヒントがある。ぜひ読んでほしい。
大手の動画サイトすべてに一手間で投稿する簡単な方法なら、OneLoad(旧TubeMogul)をチェックしよう。投稿するサイトによって使えるオプションが異なるので、自分のドメイン名へのリンクが動画自体や説明文など入れられるところにはちゃんと入っているように、できることは全部やっておこう。
さらなる訴求へ
動画のマーケティングでも、他のオリジナルコンテンツと同じように考える。インフォグラフィックや壮大なブログ記事に適用してきたのと同じ戦略の多くを適用しよう。連絡先リストをフルに活用し、できるだけ多くのインフルエンサーの目に留まるよう、やるべきことを実行する。
以下に、動画コンテンツの宣伝で検討に値する場所を列挙する。
- 君の動画に関心を持ってくれそうな読者を抱えているブログ
- メーリングリスト
- 君自身のソーシャルメディア・アカウント
- Follower Wonk、Klout、Muck Rackといったサービスで見つかる、トピックに合った影響力の強いTwitterアカウント
- Redditでのマーケティング方法を覚えてhttp://Reddit.com/r/Videosに投稿
- 地元が対象なら、地元の新聞、ラジオ、駅、雑誌を狙う
- トピックに合ったコミュニテイフォーラム
- 動画の投稿が多いブログを狙う
- StumbleUpon
- 笑えるような動画ができたら、 Bored At Work、At Work and Bored、Bored.comなどのヒマネタ系サイトに
- ブロガー、インフルエンサー、コミュニティのリーダーといった人たちとの現在の関係を活用する
- YouTubeを使っていて、YouTubeの動画にリンクしてくれた人がいた場合、その人に連絡を取って自分のドメインへのリンクを依頼する。
- 動画の種類によっては、Facebookやグーグルなどにある、有料の動画広告を活用する
- コンテンツを喜んで宣伝してくれそうな知人に直接会う(労を惜しまずやろう!)
- 動画ディレクトリに投稿する(Blip.tv、VideoJug、WonderHowTo、IMBroadcast、Bizuns.com/videos、Dailymotionなど)
- 動画を掲載してくれるかもしれないパブリッシャやインフルエンサーに、暖かみのある誠実なメールを書く
Grovoが提供している専門教育向けビデオシリーズで、Distilledのバイスプレジデントであるトム・クリッチロウ(「LinkLove Boston」で登壇した多くの講演者の1人)は、次のように説明している。
2012年の段階で動画を利用している企業は少し「時代の先を行っている」と考えられがちだが、年末になってもまだ抗っているならもう時代遅れだ。
リンクの構築、ソーシャルメディアにおける指標の強化、将来に備えたドメイン名対策などを、すばらしい動画コンテンツの制作とマーケティングを通して行いたい人に、役立つヒントを見つけてもらえたら嬉しい。
ソーシャルもやってます!