グーグルの「検索サジェスト」の仕組みとSEO的注目点
今回は検索サジェストという刺激的なテーマを取り上げる。オリジナル記事は動画だが、文章に起こして解説しているので安心してほしい。
検索サジェストとは、「グーグルインスタント」や「グーグルサジェスト」という名前でも知られている機能だ。実はBingにもあるし、DuckDuckGoなどの検索エンジンでも採用されているし、QuoraやWikipediaといったところでも導入が始まっている。
検索クエリを入力するとき、何か文字を入力すると、グーグルは僕が検索したがっていそうなものをサジェスト(提案)してくれるんだ。
たとえば、「Does anyone……」と打ち始めると、こんなものを提案してくれる。
「Does anyone still use MySpace?」(誰かMySpaceをまだ使ってる?)
―― そうだな、その質問の答えは僕も気になるかも。「Does anyone use MySpace anymore?」(誰かMySpaceを今後も使うのかな?)
―― ご丁寧にどうも、グーグル、少しくどいよ。「Does anyone live in Greenland?」(誰かグリーンランドに住んでる?)
―― うん、いるよ、少なくとも数人は。「Does anyone use Google+?」(誰かGoogle+を使ってる?)
―― いや、誰も……というのは冗談。願わくは、少なくともWhiteboard Fridayを見てくれているみんなは、Google+を使っているといいのだけど。
こうしたサジェスチョンは、次の2つの観点から興味深い。
- 企業名検索でネガティブな情報が表示される点
- ブランディング視点からの考察
それぞれについて解説しよう。
企業名検索でネガティブな情報が表示される点
1つ目は、企業名を検索しようとして、ネガティブな言葉が表示される場合がある点だ。企業名と一緒に「詐欺」や「ペテン」のような、とにかく違法行為や犯罪といった好ましくない言葉が表示される可能性がある。
SEO業者には、これを変えたいというクライアントやクライアント候補からの相談がときどきある。あるいは、自分の会社や名前の評判を管理しようという人もいるかもしれない。
ここに表示されるクエリ、つまりグーグルが提案する語句が良い言葉になるよう、検索サジェストがしっかり管理されるようにしたいというわけだ。
ブランディング視点からの考察
そしてもちろん2つ目は、実に興味深いもので、ブランディング視点からの考察だ。
おもしろい例を挙げよう。
これまで長年にわたり、検索するときに「SEO」で検索を始めると、どんなキーワードがサジェストされていたと思う?
少なくとも米国の大部分の地域においては、最初に表示されるのは「Seoul」だった。ソウルは、韓国の首都であり、空の旅の行き先としてごくごくありふれている。
それはそれでいいのだけれど、ほかに「SEO book」「SEO guide」などが表示されていた。それが、SEOmozがブランドになり始めると、「SEOmoz」がここにサジェストされるようになった。とてもすばらしいことで、僕らは本当に喜んだ。
SEOmozが表示されるサジェスト候補内の順位は、次第に上に移動していった。現在、少なくとも米国の大半の場所で、SEOmozはSEOの下に第1候補としてサジェストされる。
ただ、おもしろいことに、ここシアトルでは違うんだ(SEOmozの所在地)。シアトルはソウルと飛行機で行き来する韓国系米国人が多いからだ。直行便が飛んでいることもあって、シアトルはアメリカの他の地域に比べてソウルを検索する人が多いのだろう。
「SEO」からの検索サジェストで「SEOmoz」が第1候補になった結果、どんなことが起こったと思う? GoogleアナリティクスでSEOmozというブランドを含むキーワードからの検索トラフィックが、「SEOmoz」が第1候補になってから2日間の内に急上昇したんだ。
僕の記憶が正しければ、だいたい1年半から2年前に、第3候補から第1候補になった。これは最高に素敵で、本当に興味深いことだ。検索サジェストにはこのように影響力があり、サジェストされるワードやフレーズは、時間をかければブランディングで変更できる。
コメント
いい記事でした。 内容がわかりやすく述べられており、グーグ
いい記事でした。
内容がわかりやすく述べられており、グーグルサジェストとキーワードツールのちがいがわかりました。
キーワードツールの検索ボリュームは1か月くらいまえの情報なので、グーグルサジェストのほうが新鮮さがあることも理解できました。
疑問が解決しました。
ありがとうございました。