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SEOのキーワード調査2015:キーワードプランナーを100%頼りにはできない時代の方法論(後編)

キーワードマッチがAdWordsで変わった今、SEOに従事する僕たちは、キーワード調査をどう行うべきなのか

AdWordsの世界で「類似パターンなしの完全一致」オプションがなくなったことにより、SEO担当者がキーワードを選定したりターゲットに選んだりすることにも問題が生じていることが、前編の解説でわかった。

では、SEOに従事する僕たちは、キーワードの調査や選定という観点で、何をどう考えて、どう行動するべきなのだろうか? 後編となる今回はどのような対策が考えられるかを見ていこう。→前編を読む

(再掲)

僕たちにできること

僕たちにも、いくつかできることはある。まったく無力というわけではない。この状況からそれなりの成果を引き出す力がある。

まず、キーワード調査をする際、今後はAdWordsだけに頼るのをやめよう。AdWordsだけでは十分ではない。せめてGoogleサジェストのようなものを使う必要がある。

僕のお気に入りのツールはSEMrushだ。Keyword Toolも気に入っている。どちらも非常に優秀だと思う。

1. Googleサジェスト

Googleサジェストでは、たとえば僕が「fish sauce」と入力し始めると、(位置情報の取得を有効にしていれば)現在地がシアトルであることを認識して、何らかのキーワードが表示される。

実際、「fish sauce Seattle」や「fish sauce Portland」が表示された。しかもPortlandの方がSeattleより上に表示されたと思う。ポートランド産の魚醤のほうが頻繁に検索されているらしい。

「fish sauce chicken wings」(魚醤 鶏手羽肉)というのも表示された。この辺りでは特に人気があるし、美味しい。

さらに、こんなものも表示された。

  • 「fish sauce uses」(魚醤 用途)
  • 「fish sauce nutrition」(魚醤 栄養)
  • 「fish sauce versus oyster sauce」(魚醤とオイスターソースの比較)

これらのキーワードは、AdWordsの推奨リストにはなかったものだ。もちろん、800件ほどもある推奨キーワードすべてに目を通したわけではないが、Googleサジェストで表示されたキーワードのいくつかは、AdWordsで推奨されたキーワードとまったく違っていた

AdWordsは、“トランザクショナル”な検索キーワードに大きな重点を置く傾向にあると思う。人々が何かを購入したり、商業活動のようなことをしたりすると思わせるキーワードだ。だから広告主にとって価値がある。

Googleサジェストで表示されるキーワードの多くは、情報検索型検索で使われており、これはコンテンツマーケターやブロガーなど、誰であれSEOによって認知度を高め、ブランドへの注目やサイトへのリンクといったものを集めようとしている人にとって大きな意味を持つ。そのため、これらのキーワードは無視できない。

Googleサジェストでもう1つ素晴らしいのは、地理情報を指定するかしないかにかかわらず、人気の高い順番に表示される傾向があることだ。つまり、シアトルでは現在、「fish sauce uses」よりも「fish sauce chicken wings」のほうが人気の高い検索キーワードらしいことがわかる。これもすばらしい有益な情報だ。そうした情報の一部をAdWordsの数字と並べて、比較評価してみることができる。

とはいえ、Googleサジェストが常に完璧だというわけではない。場合によっては地理情報が限定されすぎていて、自分の地域で検索されているものが他の地域とは少し異なることもある。ここには多くの一時的要因があるのだ。そのため、シアトルである日突然、魚醤の移動販売が始まったら、他の地域ではあまり人気がなくても、シアトルではこの検索キーワードが大人気になるかもしれない。

2. Googleアナリティクス/AdWords

2つ目に考えられるのは、Google AdWords、またはAdWordsと連携させたGoogleアナリティクスで直接データを追い、トラフィックを送り込んだ具体的なキーワードとそのコンバージョンに至るパフォーマンスを確認することだ。

すべてのキーワード参照データのうち、95%をグーグルが取り上げてしまうオーガニック検索と異なり、Google AdWordsのデータならば、依然として97%の情報を確認できる

今回の変更によって、実際には「sauces for fish」と検索された場合に、それをAdWordsのデータ上で「fish sauce」の検索だとレポートするとは思われない。今後も、トラフィックを送り込んだ実際のキーワードを報告すると見られるため、そこから、こうした優先順位の重要度を決めるプロセスを推測できる。

3. Bing/Yahooのリファラ

3つ目に、現在もリファラデータで検索キーワードを隠していないBingやYahoo!などの検索エンジンを利用できる。

グーグルのキーワードデータも、5%ほどは今でも報告されている。これらのリファラデータを利用して、少なくとも最重要キーワードについては、キーワードごとに相対的な検索ボリュームやパフォーマンスを推測するのに役立てることができる。

しかしこういった推測は、「ロングテール」や「ミドル」のキーワードでは難しい。ロングテールでは不可能だとさえ言えるかもしれない。

しかし、少なくとも「ビッグ」キーワードについては、こう言える。

確かに「Thai fish sauce」は、「Vietnamese fish sauce」ほどパフォーマンスが良くない。「Vietnamese fish sauce」は、僕たちが必要としている質の高いトラフィックをもたらしてくれることがわかった。まずは、これに注力していこう。

4. キーワードターゲティングを拡大する

こういったキーワードデータが手に入らなくなるといった状況のすべてを考慮すると、僕たちは基本的に、キーワードと検索意図をどう一致させるかという点で、グーグルがハミングバードへとアルゴリズムを進化させていったのに倣うべきなのだろう。

つまり、「完全一致のフレーズやキーワードでターゲティングする」というこだわりからは多少離れて、こんな風に考えるのだ。

「キーワード」単位で考えるのではなく、検索ユーザーの意図や、そのユーザーが関心を持ちそうなものや、意図していそうなもの、そのすべてを、もっと迫っていく必要がある。

僕たちはページ上の実際のコンテンツによって、より広範な潜在的検索ユーザーの求めに応じなければならない。

これも簡単なことではない。しかし、基本的には次のように問いかけてみたい。

こういったキーワードに関する情報をまとめて、意味のある有益な検索ユーザー体験を生み出すような、さらには意図の近いさまざまな組み合わせのキーワードすべてで検索順位を高められる力をもつような、SEOに適したコンテンツに活かすにはどうすればいいのだろうか。

これこそ、僕たちが検索やキーワード、キーワード調査やターゲティング全体において目指していくものだ。

グーグルが多くの便利で機能的なデータやパワーツールを、相次いで僕たちから取り上げていくのは残念だ。それをやめさせるために何かもっとできることがあればいいのだが、僕にはどうにもできない。せめてこの記事が、君たちのプロセスに役立つことを願っている。

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