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title要素のSEO:サイト名やカテゴリをtitleから削除すると、検索トラフィックは増える? 減る?【衝撃の実験結果】

「title要素は、コンテンツのタイトル+カテゴリ名+サイト名とすること」、そんな運用ルールのサイトで、主要タイトル以外のテンプレ的に付けている要素を削除すると、検索順位やCTRは変わるのだろうか。Mozの興味深い実験結果をお届けする。
筆者の見解はすべて筆者自身のものであり(ありそうもないことだが、筆者が催眠状態にある場合を除く)、Mozの見解を反映しているとは限らない。

君のウェブサイトが他の多くのサイトと大差ないものであれば、title要素には、かなりたくさんの「余分なもの」が含まれているだろう。たとえば次のようなものだ:

  • カテゴリ名・コーナー名
  • ブランド名
  • 複数のページに繰り返し表示されるボイラープレートテキスト(定形の語句や文章)

title要素には、これらの要素を無条件で含めるべきだろうか?

※公平を期すために言うと、ほとんどのサイトは含めている。

あるいは、title要素に含める情報をむしろ減らすほうがSEOに役立つということはないだろうか?(少なくとも特定の状況では)

いくつかの調査から、次のことがわかっている:

title要素は一定の長さの方が高い効果を発揮する傾向がある

Etsyのエンジニアチームによる今ではよく知られるようになった調査では、短いtitleタグの方が、長いtitleタグより効果があったという。SEO担当者らはその理由として、

  • title要素は短いほうがより対象を絞って関連性を高められる(コアキーワードに集中するため)
  • クリック率を上げられる可能性がある

といったものや、あるいは僕たちには想像できない他の理由があると推測している。

では、titleタグを短くするには、どうするか。文字や単語を削るしかないだろう。

ではtitle要素のどの部分を削って短くするか。間違いなく、削る対象として選ぶのは次のようなものだろう:

  • ブランド名
  • ボイラープレートテキスト
    ※これが何かは後ほど解説する

しかし、それが自分のSEOでも検討すべきことであるかどうかは、どうすれば判断できるだろう?

title要素のボイラープレートとは? 具体例で理解

多くのサイトでは、すべてのtitle要素の最後にブランドのサイト名が付けられている。たとえば次のような感じだ:

サイト名「AM Leonard」がすべてのtitle要素についている

このようなサイトは誰もが見たことがあるだろう。というより、ほとんどの人が自分のサイトでもこのようにしているのではないだろうか?

問題は、すべてのtitle要素の最後にブランド名やサイト名を付けることが実際に役立つのか、それとも害になるのか、ということだ。

また、他の種類のボイラープレートについても検討する必要がある。

ボイラープレートとは何だろう? 「ボイラープレート」とは、標準化された定形のテキストのことで、あちこちで繰り返し使用される。ボイラープレートには次のようなものが含まれることが多い:

  • カテゴリ
  • 製品カテゴリ
  • authorタグ
  • キャッチコピー
  • (などその他)

たとえば次の例では、すべてのtitle要素のボイラープレートテキストに、次の語句が含まれている:

  • Tomatoes - Vegetable Seeds - Shop
    (トマト - 野菜の種 - 購入)

ボイラープレート部分がかなり長くなることもある。コミック本のレビューサイトMajor Spoilers(「大いなるネタバレ」とは、素晴らしい命名だ!)では、多くのページで同じ65文字のボイラープレートが含まれている。

  • Major Spoilers – Comic Book Reviews, News, Previews, and Podcasts
    (Major Spoilers – コミック本のレビュー、ニュース、プレビュー、ポッドキャスト)

もちろん、これでは長すぎるので、グーグルはすべてのtitle要素を次のように省略している。

ボイラープレートがSEOに引き起こし得る問題は、3つある:

  • 関連性 ―― 不要な言葉が入っていると、検索エンジンとユーザーの双方にとってtitle要素の関連性が低下しかねない。検索エンジンへの影響として、表示順位が下がる可能性がある。ユーザーへの影響としては、クリック数が減少する可能性がある。

  • 独自性 ―― 複数のページのtitle要素で同じテキストが多く、言葉が1つか2つ違うだけでは、あまり独自性があるとは言えない。これは必ずしも問題とはならないが、独自性がカギを握る大多数のSEOのベストプラクティスとは相容れない。

  • 長さ ―― ボイラープレートを使うということは、title要素に他の言葉を表示する余地が減るということだ。一定の長さを超えるテキストはグーグルで表示される際に切り捨てられてしまうことが多い。

title要素のボイラープレートから要素を削除する実験

僕たちは、SEO向けA/BテストツールSearchPilotのチームと協力し、ここMozで2つのボイラープレートを実験してみることにした。その目的は、title要素で繰り返し使用している部分の一部を削除することで、検索順位を上げたりトラフィックを増やしたりできるかを確認することだ。

※Web担編注 SearchPilotとは(クリックで説明が開きます)

SearchPilotは、SEO向けのA/Bテストを行えるサービス(旧名称DistilledODNからブランドが変更された)。CDNとして動作し、特定のセクションのコンテンツ群を使って検索エンジンでの評価をA/Bテストする仕組み。

通常のコンテンツ向けA/Bテストツールとは、テストの原理が次のように異なる:

  • 通常のコンテンツ向けA/Bテスト

    特定のURLに対する訪問者をセグメント分けして、同じURLでもテスト群に割り振られたユーザーにはテストバージョンのコンテンツを表示する。

    そのため、テスト群に割り振られたユーザー(ブラウザ)でアクセスすると、そのコンテンツは常にテスト版で表示される。

  • SearchPilotによる検索エンジン向けA/Bテスト

    サイト内のあるカテゴリ(ブログや製品情報など)内のコンテンツを「通常表示コンテンツ群」と「テスト表示コンテンツ群」にセグメント分けして、テスト表示コンテンツ群のほうはテスト用の修正を行って表示する。

    そのため、だれがアクセスしても各URLは同じ表示だが、各コンテンツが割り振られたセグメントによって表示が変わる。

もちろんコンテンツが異なれば検索評価も変わるため、厳密なテストが行えるわけではないが、季節変動や検索エンジンアルゴリズムの変更なども加味してテストを行える仕組みのようだ。

実験1:title要素からカテゴリを削除する

まずは、ホワイトボード・フライデーのブログ記事から始めた。Mozでは以前より、ホワイトボード・フライデーの新着記事を公開するたび、title要素に「Whiteboard Friday」を含めていた。

title要素からこれを削除したら、どうなるだろうか?

上が通常表示版のtitle要素
下がテスト表示のtitle要素

A/Bスプリットテストの手法(title要素の50%でテストし、残りの50%を対照群とする方法)を用いたところ、この実験では何と20%もの上昇効果があった。

下側のグラフは、オーガニック検索トラフィックに対するテストの累積効果を表している。

  • 中央の青い線は、変更を加えた方のページが、何の変更も加えていない場合に予想される結果と比べてどのような効果を上げるかを最も正確に予測している。

  • 水色で塗られた領域は、95%の信頼区間を表している。つまり、実際の結果は95%の確率でこの領域内に収まるということだ。

  • 水色の領域が横軸より完全に上または下にある場合、それは統計学的に有意なテストであることを示す。

正直に言って、結果は僕たちにとって驚くべきものだった。ホワイトボード・フライデーは人気のあるブランドだが(だと僕たちは思っていた)、title要素からこのボイラープレートを削除したところ、それらのページへのトラフィックが大幅に増加したのだ。

この時点で、僕たちは調子に乗ってしまった……。

実験2:title要素からブランド名を削除する

ホワイトボード・フライデーの記事からカテゴリ名を削除することでトラフィックがこれほど大幅に増加するのなら、すべてのtitle要素からブランド名を削除したらどうなるだろうか?

僕たちはこのA/Bテストで、まさにこれをやってみた。50%のtitle要素から「Moz」という言葉を削除して、結果を測定したのだ。

やりすぎだと思われるだろうが、「Whiteboard Friday」を削除してうまくいったのだから、「Moz」を削除しても同じように増加するはずではないか?

残念ながら、グーグルの反応は違った。

このA/Bテストは完全には統計学的有意に達しなかったが、title要素からブランド名を削除すると、トラフィックはむしろ4%減少した。

なんてことだ!

では、このテストではなぜ、同じように増加しなかったのだろうか? 実のところ、他のサイトのtitle要素からブランド名を削除して、トラフィックが20%も増加した例を僕は目にしたことがある。

ボイラープレートを削除した場合に効果があるかどうかを知る方法

結局のところ、ブランド名やボイラープレートを削除することがSEOに役立つかどうかは、いくつかの重要な要因にかかっていることが分かる。こうした要因は、あらかじめ測定できるものだ。

僕は10年以上の経験と実に膨大な数のtitle要素を通じて、title要素からボイラープレートを削除することが有益なのかどうかに影響を及ぼす要因が主に4つあることを発見した。

  • ブランド力

    title要素に人気のブランド名が入っていれば、ユーザーが特に君のブランドに限定して検索しているわけではない場合でも、知られていないブランド名と比べてほぼ間違いなく効果がある。

    たとえば、アマゾンはブランド認知度が高いため、特にアマゾンを検索しているわけではない場合でも、すべてのtitle要素に「Amazon」を含めることでトラフィックは大幅に増加すると見込まれる。

    しかし、あまり知られていないブランドの場合は同じように増加するとは限らない。

    • 関連性
    • 長さ
    • クリッカビリティ(クリックしてもらう仕組み)(後述)

    によっては、トラフィックが減少する可能性もある。

  • 関連性

    君のボイラープレートやブランドキーワードは、ユーザーが検索しているものと関連しているだろうか?

    たとえば、テレビの修理に関するサイトであれば、title要素に

    • Brad's TV Repair
      (ブラッドのテレビ修理)

    というボイラープレートを追加すると、単に次のようにしただけのボイラープレートよりはるかに関連性が高くなる:

    • Brads
      (ブラッド)

    (ボイラープレートのブランド力や関連性を判断する方法については、次のセクションで詳しく説明する)

  • 長さ

    一般に、長いボイラープレートは、短いボイラープレートやブランドキーワードよりマイナスの効果をもたらす可能性がある。ボイラープレートが長ければ、title要素の関連性が希薄になってしまいかねない。

    だから、次のようなボイラープレートを使っているのならば、再考するほうがいいかもしれない:

    • Buy Brad's TVs, Television Repair, High Definition Servicing, Audio and Visual Equipment for Sale in Houston Texas and Surrounding Areas
      (テキサス州ヒューストンとその周辺地域におけるブラッドのテレビ購入、またはテレビの修理、高精細サービス、オーディオ機器やビジュアル機器の販売)
  • クリッカビリティ

    関連性がそれほど高くない場合でも、ボイラープレートを利用して、よりクリックされやすいtitle要素にできる。

    クリック率(CTR)の上昇につながる可能性のある言葉は、たとえば、

    • 「Sale」(セール)
    • 「Solved」(解決済み)
    • 「Free」(無料)
    • 「2020」
    • 「New」(新)

    などが挙げられるが、他にもたくさんある。

    テストしてみるまではわからないケースもあるが、多くの場合、クリックされやすい言葉をボイラープレートに追加することでCTRが大きく上昇する。

ブランド力やボイラープレートの関連性を判断できる簡単なテクニック

実験では、title要素から「Whiteboard Friday」を削除するとトラフィックが増加したのに、「Moz」を削除しても同じ結果にはならなかった。この理由は、次に示す簡単なテクニックによってわかる。

そのテクニックとは、ボイラープレートごとに、それらのキーワードで検索結果に表示されるか、またはトラフィックを受け取るサイト上のURLの件数を明らかにするものだ。具体的な手順はこうだ:

  1. Google Search Consoleにログインする。

  2. メニューから[検索パフォーマンス]>[検索結果]を選ぶ。

  3. 上部フィルタの[+新規]から「検索キーワードで」のフィルタを追加し、[次を含むクエリ]にボイラープレートまたはブランド名を入力する(ボイラープレートが長い場合は分割する必要があるかもしれない)。

    Search Consoleの検索パフォーマンスで、検索キーワードのフィルタで絞り込む
  4. フィルタしたら表を「ページ」に切り替える

    これで、そのキーワードが含まれるクエリに対してトラフィックを受け取っているURLの件数が表示される。

    たとえばブランド名「moz」が含まれるキーワードで絞り込むと、検索結果に表示される多くのURLが表示される。

    「Moz」の検索キーワードでトラフィックを得ているURLは数千に上る。かなり協力なブランドのようだ。

    「Moz」は数千ページ!つまり、強力なブランド
    ※図では示していないが、この表の右下を見れば対象のURL数がわかる。
  5. さらに表を「クエリ」に切り替えて調査すると、ユーザーは、次のようなキーワードで検索していることがわかる:

    • Moz DA Checker
    • Moz Pro
    • Moz SEO
    • Moz Blog
    • その他

    僕たちのブランド名は非常に多くのクエリの中の1つであり、膨大な数のページの中から訪問してもらう手がかりになる。このことから「Moz」が非常に強力なブランドであり、title要素に含める方が賢明であろうことがわかる。

    また、「Moz」はわずか3文字で非常に短いため、検索結果で邪魔にならない。

では、検索キーワード「Whiteboard Friday」に関してこれと同じテクニックを試してみたらどうなるだろうか? 「Whiteboard Friday」は、削除したらトラフィックが20%増加したボイラープレートだ。結果は、「Moz」の場合とまったく異なるものだった。

検索キーワード「Whiteboard Friday」でそれなりにトラフィックがあるURLはわずか数ページ

この場合、「Whiteboard Friday」という検索キーワードのトラフィックはほぼすべてが、わずか1~2ページに向かっている。

ここからわかるのは、次のようなことだ:

  • Whiteboard Fridayコーナーのほとんどの記事で、このキーワードは関連性がない(ユーザーが検索して求めている情報は「Whiteboard Friday」ではなく、そこで解説しているSEOの各トピックだ)
  • Whiteboard Fridayのブランドにトラフィックを押し上げるだけの力はない

また、17文字もあるため、このボイラープレートによって各title要素が大幅に長くなるだけでなく、キーワードに対する記事の関連性が低下してしまった可能性もある。

最終的な見解と、title要素に関する無料のオンライン特別セミナー

これらのヒントでは、自分のtitle要素にボイラープレートやブランド名を含めるべきか否かは断定できないが、試してみるべきケースについては有益な手がかりが得られるはずだ。

SEOのいかなる変更も、恒久的なものにする前に必ずテストして評価することを忘れないでほしい。少なくとも、変更することで生じる影響は知っておこう。

また、title要素のボイラープレートはすべて削除するべきだという印象は持ってほしくない。特に、次のような特徴をもつボイラープレートならば、積極的にtitle要素に使うほうがトラフィックの増加につながることもある:

  • 認識できる: 強力なブランドなど
  • 関連性がある: 適切なキーワード
  • クリックされやすい: 高いクリック率を促す
  • 簡潔: 長すぎない

ヒントに価値を見出し、title要素を最適化する方法をもっと知りたいという人のために、無料のオンラインセミナー「SEO Master Class: Advanced Title Tag Optimization (For Any Site)」(SEOマスタークラス:title要素の詳細な最適化(あらゆるサイト向け))を用意した。40分ほど時間があるなら、間違いなく見る価値はある。

君のSEOがうまくいくよう、幸運を祈る!

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