「顧客すごろく理論」を数値で管理する | 売れるネットショップの法則3
3大施策の精度を、数値で把握する
ネット業界の用語では、クリック率をCTR(クリックスルーレート)、購入率をCVR(コンバージョンレート=コンバージョン率)と呼ぶこともある。楽天大学では「転換率」と呼ばれている。
法則1で説明した3大施策「集客」「接客」「追客」は、効果検証しながら継続的に改善していく必要がある。そこで、3大施策の精度を管理しやすくするための「3大指標」を覚えよう。
3大指標とは、検索結果や広告などを見た潜在客のうち何%がクリックして来店したかの「クリック率(集客力の評価)」、来店客のうち何%が商品を購入したかの「購入率」、そして、購入客のうち何%が再度商品を購入したかの「リピート率」の3つである。
これらの数値が、顧客すごろくの進みやすさを表すわけだ。各指標の相場は、取扱商品や状況に応じてまったく違うが、あえてイメージするとすれば、クリック率3%(リスティング広告の場合。リスティング広告については法則22で解説する)、購入率3%、リピート率30%を目標としてほしい。
なお、使用しているネットショップのシステムによっては、これらの数字が確認できないものもあるが、概念として理解するだけでも、施策の問題点を把握しやすくなるので覚えておこう。
集客力の評価「クリック率」
広告などを見た潜在客のうち、何%がクリックし来店するか
接客力の評価「購入率」
ページに訪れた来店客のうち、何%が購入するか
追客力の評価「リピート率」
一度買った購入客のうち、何%が2回目の購入に至るか
1万人に露出しても、9人しか購入しない
リスティング広告の場合は、通常はクリックに対して費用が発生するので、「1クリック30円」の設定であれば、30円×333クリック=1日あたり約1万円の費用で出稿できる。もちろん、予算に応じてより少ない露出に抑えるのも簡単だ。
月商50万円以下の店は、あまり数字にこだわる必要はない。数字をこねくり回すよりも、本書に記載した施策をとにかく実行してほしい。行動あるのみ。
検索エンジンにリスティング広告を出稿し、「1日あたり1万人」に露出できたとする。数字だけ聞くと、いかにも大規模で、大量に集客できそうなイメージがあるが、実際に購入するのはせいぜい10人以下だ。
実は、広告を目にするユーザーの中で、わざわざ広告をクリックして来店するのはごく一部で、前述の通り3%以下であることが多い。購入するのはそのさらに一部。当然、リピートとなるとほんのひと握りしかいない。結果として、1万人に露出しても9人しか購入しないということになる。
売上を上げるためには、購入客や継続客を増やす必要があるが、潜在客へ露出するには多くの場合、広告費などの費用がかさむものだ。費用対効果を高めるためにも、クリック率、購入率、リピート率を、検証を繰り返しながら向上させたい。
この法則の説明では割愛しましたが、商売ですから当然「利益率」も大切です。この法則で紹介した3大指標にこれを加えて4大指標と言ってもいいかもしれません。
ネットショップは価格競争が激しくなりやすい傾向にあるので、どのような商品を取り扱っていても、いかに利益率を高めるかについて常日頃から考えるようにしましょう。
具体的な手順は、接客の章の「品揃え」に関する法則55から法則60をご覧ください。
ネットショップはその特性として、数値管理が簡単です。ここに挙げた指標を常にチェックして集客・接客・追客がうまくいっているかどうかを確認するようにしましょう。(坂本)
- 売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。
- 坂本悟史 (@CommerceDesign)
川村トモエ (@cd_kawamura) 著 - ISBN: 978-4-8443-2837-7
- 発行: インプレスジャパン
- 電子書籍版はBookGateアプリでダウンロード購入可能。iPad/iPhoneにBookGateアプリをインストールしたら、アプリを起動して、「ストア」の「本一覧」→「出版社」→「インプレスジャパン」から。
- 筆者の所属するコマースデザイン株式会社のページ
※この記事は、書籍『売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。』の内容を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです(序章もご覧ください)。
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