リピーターの心理を把握する | 売れるネットショップの法則83
リピート購入は自ら増やすものだと心得る
ここからは、いよいよリピート売上の獲得方法について紹介する。たくさんの新規購入客を獲得し、商品さえ良ければ、自然とリピートされると思っていないだろうか。実は、リピート客(継続客)を増やすには積極的に対策を講じる必要がある。放っておいてもリピートする程、ユーザーは甘くない。リピート発生の心理とパターンを把握し、自店にとって効果的な追客施策を検討し導入してほしい。
リピートは2通りある
- 店舗リピート
店舗の利便性やセンス、値頃感などを信頼して、同じ店で「前回と違う商品」をリピートするケース。背景には「探すのが面倒」「他店で注文して失敗するのが怖い」という心理もある。
アパレルや家具など、耐久財でのリピートはこちらのパターンになる。消費財であっても、スイーツなど嗜好性が強い場合は、同じ商品を繰り返し買うよりも、楽しみながらさまざまな商品をリピートするケースが多い。
- 単品リピート
商品自体を気に入って、同じ店で「同じ商品」を繰り返し購入するパターン。化粧品、健康食品、米、水、調味料などの消費財を売る店に多く、EC4タイプ理論(法則4)で言う、オリジナルブランドタイプでは特に重視される。
定期購入にも展開しやすく、定着すれば大きな利益が見込める。ただし、他店が同じ商品をより安く扱う場合は、他店でリピートしてしまう可能性もある。
リピート購入を促進する顧客心理
店舗リピートでも、単品リピートでも、購入を促進するには2つのコツがある。両方とも、しっかり実践しよう。
- 「前回購入への満足」を高める
商品自体への満足が大前提だが、店や商品のバックストーリーが好意的に理解されることで、感じられる価値や満足度が上がり、リピート率が高まる。例えば米自体の味だけではなく、そこに「無農薬」「家族経営の農家が魚沼から直送」といったエピソードも知ってもらえれば、より「良い買い物をした」「良い店を見つけた」と満足感が高まるわけだ。そのためには、店舗コンセプト(法則40)や、商品コンセプト(法則61)を伝えるのが有効だ。さらに、追客の育てる技術(法則77~82)や店舗紹介ページ(法則43)、なども使って徐々に浸透させていく。
- 「次回購入のきっかけ」を作る
商品に大満足して「これは絶対リピートだ」と思っていたのに、それ以後何のメールも来ないから、ついつい買うのを忘れていた……という経験はないだろうか。ちなみにこれは筆者の経験だ。どんなに商品に満足していても、人間の記憶は薄れやすいもので、日々の生活の中ですぐに忘れてしまう。時間がたてば立つほどそうだ。だから、メルマガ配信や店舗内イベント、期間限定商品、期間限定クーポンなどを使って、「次回購入のきっかけ」を積極的に提供しよう。法則84~91で、具体的な手法を解説する。
- 店舗リピートの促進施策
- イベントにより購入するきっかけを提供する(法則85)
- 新着商品の紹介や、「期間限定商品」の案内(法則86)
- 各種のトレンドや季節のギフト、生活提案など(法則87)
- 単品リピートの促進施策
- 当該商品の購入者に絞り込んでメール配信(法則88)
- 「ダイエットは継続が大切」などと、リピートの重要性を語る(法則77)
- 特典を用意して、より高額商品や定期購入へのスイッチも狙う(法則59)
記憶とリピートの間は密接な関係があります。記憶に強く残っていれば、特にメルマガが来ず、きっかけがなかったとしても、自主的に思い出して店舗を検索し、リピート購入するでしょう。アマゾンなど、ブランドの確立された大手ショップではこういう買い方をしているユーザーが多いはずです。満足のいく購入体験を積み重ねて頂いて、大手以上に「記憶に残る店」を目指しましょう。(川村)
- 売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。
- 坂本悟史 (@CommerceDesign)
川村トモエ (@cd_kawamura) 著 - ISBN: 978-4-8443-2837-7
- 発行: インプレスジャパン
- 電子書籍版はBookGateアプリでダウンロード購入可能。iPad/iPhoneにBookGateアプリをインストールしたら、アプリを起動して、「ストア」の「本一覧」→「出版社」→「インプレスジャパン」から。
- 筆者の所属するコマースデザイン株式会社のページ
※この記事は、書籍『売れるネットショップ開業・運営 eコマース担当者・店長が身につけておくべき新・100の法則。』の内容を、Web担向けに特別にオンラインで公開しているものです(序章もご覧ください)。
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事実、多くのネットショップ店長からそんなコメントを頂いています。
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