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「有料リンクは是か非か」GoogleのMatt Cutts氏も盛り上がったSES San Jose 2007

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カンファレンス関連の記事が続くけど、今日は有料リンクのセッションを紹介しよう。これまでところ、このSES San Joseカンファレンスの中で、期待も評判も感動も最大級だったセッションだ(ほかに、不正クリックのセッションもものすごく議論が盛り上がったらしい)。

この2~3年、Google(それにYahoo!とMSN/Live)は、カンファレンスやブログ、さらに可能な場合は検索結果の中で、有料リンクの広告と有料リンクのネットワークによるミクロ経済をしつこく問題にしてきた。検索エンジニア側、特にMatt Cutts氏が提起している基本的な議論はこうだ。

有料リンクはインデックスの不正操作や汚染に相当している。

有料リンクはリンク先ページの品質や妥当性を「編集の立場で保証」するものではなく、経済的報酬という隠された動機によって検索結果の品質に悪影響を及ぼしている。

セッションのパネラーの顔ぶれは次のとおりだ。

  • ExactTargetのJeffrey K. Rohrs氏(モデレータ)。
  • Matt Cutts氏――Googleで検索の品質を担当するエンジニアで、MattCutts.comのブロガー。
  • Michael Gray氏――自称「トラブルメーカー」で、Wolf-Howl.comのブロガー。
  • Todd Malicoat氏――「有料リンクの擁護者」でStuntdubl.comのブロガー。
  • Todd Friesen氏――「元トラブルメーカー」でRangeのオンラインメディアディレクタ(またの名をOilman)。
  • Greg Boser氏――「リンク購入者」であり、WebGuerrillaの最高経営責任者(CEO)。
  • Andy Baio氏――Upcoming.orgの創始者で、現在はYahoo!の人。
Todd MalicoatとMichael Gray
対戦を控えたTodd Malicoat氏とMichael Gray氏

モデレータのJeffrey Rohrs氏は、パネルディスカッションに先立ち、RentVineのDavid Dugdale氏によるビデオを上映した。後に議論の中で取り上げられるから、ビデオを貼り付けておこう。

このビデオはとあるパネルディスカッションをおもしろおかしく紹介したもので、ひどく否定的な部分が含まれている。

Matt Cutts氏が考える「有料リンク」

Matt Cutts氏は「有料リンク」という、そのものズバリのタイトルでプレゼンを開始した。まず初めに、Mattは聴衆に対し、パネルのタイトルになっている「有料リンクは悪か?」という問いが間違っていると語った。彼によると、「PageRankを渡す有料リンクは検索エンジンの品質ガイドラインに違反しているのか?」とすれば、より適切な問いになるという。そしてMattによれば、2005年以来、「違反している」という見解をGoogleが明確にしていることが、この問いの答えということになる。

Mattは、オフラインの世界において、お金が払われるあらゆるマーケティング活動についてその旨を開示するように米連邦取引委員会(FTC)が求めていることを指摘した(Mattが準備した証拠のPDFファイル)。Mattによれば、この開示をウェブに適用する際は、人への開示とマシンへの開示がどちらも必要になる。つまり、広告本文や画像という人間に見える形で「スポンサーリンク」や「広告リンク」であることを記載するだけでは不十分で、報酬と引き換えにソースにリンクをする場合は、次のうちのいずれかの方法でそれを明確にするべきなのだという。

  • robots.txtでブロックされているURLへリダイレクト。
  • 302を使ってURLへリダイレクト。
  • JavaScriptを使ってリンクを指示。
  • リンクに「rel="nofollow"」属性を適用。
  • ページのヘッダーに「<meta name="robots" content="nofollow">」を追加。

Mattは続けて、Googleは確かにリンクの購入を推奨していないが、実際は、次のソースを利用しているリンク購入者なら構わないのだと語る。

  • AdBrite
  • Quigo
  • IndustryBrains
  • Microsoft AdCenter
  • Yahoo! Publisher Network
  • その他、PageRankを渡さないサイト

Mattが言うには、nofollowのないリンクの利用は、カープール(相乗り)の車線を乗員1人で運転したりゴミをポイ捨てしたりするのに相当する行為で、社会(この場合はウェブ)に悪影響を与える。Mattはまた、有料リンクを発見し排除する仕事をGoogleはがんばっていて、企業や検索マーケティング担当者が有料リンクを購入して効果を上げるのは非常に難しくなっていると語った。Mattが指摘する有料リンクの落とし穴は次のとおり。

  • 有効期間が短いリンクの購入(価値が長続きしない)。
  • Web担編注

    「ROS(run of site)」とは、特定のカテゴリなどの指定なしに、サイトのどのページにでも表示される広告メニューを指す。

  • 「ROS(run of site)」のリンク。すぐにGoogleが見つけて排除する。
  • 悪質なサイトやその近隣にリンクしている「ずさんな売り手」からのリンク購入。
  • 購入者に対してのみリンクをクローキングする売り手からのリンク購入。Googleがリンクを認識することはない。
  • 購入したリンクが競合相手に見つかり、報告されてしまう可能性がある場合。

Mattは、先ほど上映されたDavidのビデオに触れて、頭を使い関心集めることでリンクをサイトに引き寄せるには、どんなことができるのかを示す良い例だと話したうえで、SEOの人が何と言おうと、レーダーをかいくぐるのは考られているよりずっと難しいと釘をさした。

最後に、Mattは僕が投稿した数か月前の記事、「使えば疑われ、使わなきゃ損する、それが有料リンクのジレンマ(リンクは日本語版記事)」の話で締めくくった。Mattによると、そこで取り上げた検索のうち、ある1つを除いたすべてについて、Googleはすでにアルゴリズムを使ったリンクの検出と無価値化を実施しているという。MattはWashington Post紙や米連邦通信委員会(FCC)や自分のブログなどのソースをさらに研究していて、近い将来、それを題材にして記事を書くことを約束した。

用語集
Google / JavaScript / PageRank / SEO / nofollow / robots.txt / アドワーズ / インデックス / クローキング / スパム / セッション / ディレクトリ / バイラル / リンク / 広告 / 有料リンク / 検索エンジン

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