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オールドメディアが取り上げる「魔術師」と検索エンジンの微妙な間柄

検索マーケティング分野を取り上げようとする主要メディアのレポーターたちは、つくづく気の毒だと思う。

何がこの業界を動かしているのか、その概念を網羅するのは困難な仕事で、後ろ暗い策略やそれらを行う人たちが、その難しさをさらに倍にしている。これらが一緒になって気づかぬうちにGoogleのスパムフィルタを通過し、哀れなジャーナリストたちの机上に滑り落ちたら、僕ことRandが探偵帽をかぶり、(ここでドラムロール)暴露マンの登場だ! 僕こと暴露マンは検索結果の防人であり、SEOに関する誤りを正す人であり、自分たちのくだらないリンクファームを指して、こんな風に自称する連中に対峙する者なのだっ!

Googleなどの検索エンジンが用いる複雑で数学的なアルゴリズムに対し、優れた理解力を有する魔術師。

うむ。これは以下の記事から直接引用したものだ。さあ真実を暴いていこう。

ビジネスレポーターのクリス・ソレンソン氏はトロント・スター新聞で、どこからみてもすばらしいタイトルの「オンラインマーケティングのロビンフッド」という記事を書いた人物だ。ふん、この記事は楽しく読ませてもらった。カナダ人の僕の同僚たちもね。え、ギャングじゃないのかって? クリスはこの記事のなかで、マイケル・ヤック氏の地域ディレクトリポータルFabulousSavings.comの成功について、次のように説明している。

現在、FabulousSavingsは1100社の顧客を擁しており、そのうち240社は、主にトロントにある中小企業だ。これらの中小企業は、同社のプログラムに参加するため、それぞれ毎月180ドルを支払っている。

その仕組みを説明しよう。1999年に設立されたヤック氏の会社では、たとえば塗装工、レンタカー、家具小売業など、あらかじめ分類された複数のカテゴリに中小企業が登録し、www.fabulousavings.comに掲載する企業ごとのカスタムページを既存のテンプレートで作成する。これらのウェブページは、特定のサービスを探しているオンラインサーファーの間で人気のあるキーワードと属性を含むため、検索エンジンが認知するとヤック氏は説明した。

ヤック氏は意図的に、取引するクライアントの数を1つのビジネスカテゴリにつき2社に制限している。ヤック氏によると、たとえばGoogleで「Faux finishing and Toronto(フォー・フィニッシュとトロント)」と検索しても、FabulousSavings.comに関連する塗装業者が2件以上出てこないためだという。

大事な要素となっているのは、FabulousSavingsのクライアントが、皆そろってオンラインの割引クーポンを提供していることだ。これによって、オンラインサーファーらが該当サイトに関与することに納得し、業者側が後で働きかけるために使える名前と電話番号を残してもらえる。非常に単純に聞こえるが、このテクニックは競合における本物の優位性になることがわかっているとヤック氏は語る。

この企業の背景にある考え方について言及しておかなくちゃならない。それは、オンラインの中小企業に関心のある人々を、インセンティブによって実際の小規模ビジネスサイト利用に結びつけることだ。それは悪いことじゃない。実際問題、FabulousSavings.comがSEOに関して信頼できるのなら、僕はヤック氏を褒め称えるだろう。ところがこの場合、それは真実ではない。彼らがランキングで上位を獲得した手段について、クリスの記事がどう触れているか見てみよう。

ヤック氏は、FabulousSavingsの「検索エンジン最適化」サービスについて、率先して詳しく触れようとしない。Googleなどの検索エンジンが用いる複雑で数学的なアルゴリズムに対し、優れた理解力を有する「魔術師」を何人か雇っていると説明するだけだ。

「その多くは、検索エンジンのアルゴリズムとそれが求めているものに関連することだ」と、ヤック氏はあいまいに答える。もっと詳しい説明を求めると、同社は決して「いかなる法律も犯していないし、倫理にもとる行為もしていない」とヤック氏は強く主張した。

後ろ暗いテクニックの1つに、「リンク爆弾」というものがある。これは、ウェブページに隠しハイパーリンクを何百も配置する手法だ。このテクニックは、被リンクの数によってウェブページの重要度をランク付けするGoogleのアルゴリズムを騙そうという発想だ。しかし、Googleはこうしたトリックに気づいており、検索エンジンの悪用を防ぐために、アルゴリズムを定期的に変えているという。

しかし、FabulousSavingsのテクニックは公正なもので、検索エンジンが求める種類のコンテンツ提供に、より多くの力を注いでいるとヤック氏は説明する。そして、それは重要なキーワードを確実にウェブページに含めることと同じくらい単純なことだと語る。

またヤック氏によると、検索エンジンは、長い期間関連情報を提供するウェブサイトを好む傾向があるため、FabulousSavingsがすでに8年の歴史を重ねていることも有利に働いているという。

気味が悪くなったり、何かがおかしいとは感じないだろうか? もしそうなら、君は正しい道を歩んでいるということだ。ヤック氏のポータルが、検索エンジンからトラフィックを稼ぐ方法とその理由について調べてみよう。

調査に使える最高のツールが、Yahoo! Site Explorerだ。実際、もしこのツールがなかったら、検索業界がどのように自らを監視すればいいのか思いつかない。Site ExplorerでFabulousSavings.comを調べてみると、被リンクの数は全部で10万前後だった。この数は、さほどすごいとは言えないけれど、そんなに悪くもない。でもこれらのリンクを調べていくと、怪しさが浮かんでくる。

最初の数十件のリンクをざっと見ていくと、適切なアンカーテキストでリンクしているページが多数あるとわかる。これらは特に不正なものではないが、明らかに操作的で自然発生的ではない。とはいえ、著しく悪質とも言えない。単純に、FabulousSavings.comが仕事をしたすべての企業に対し、自分のウェブサイトにリンクを張るよう求めたように見える。さてそこで、相互リンクの様子を見てみよう。

parcsafari.qc.caより
parcsafari.qc.caより。

たくさんのページの下部に、驚くようなものがあった。これは、Googleにおける「Floridaの悪夢」に無数のウェブマスターを陥れたのと同じ「リンクファーム」型の手法だ。他にもいくつか挙げていこう。

cppterminsurance.comより
cppterminsurance.comより。
hiven.qc.caより
hiven.qc.caより。
cityknowitall.comより
cityknowitall.comより。

もちろん、こうしたリンクファームのパターンの多くに気が付けば、それらを把握しネットワークの全貌をあらわにできる。たとえば、Googleで「fabuloussavings」と「This webpage is available for a business offering」の組み合わせで検索してみるといった具合に。そしてこれは、目に見える策略の1つに過ぎない。ドメインを相互リンクし(あるいは、より多くの相互リンクを得るために価値のないがらくたサイトを作成するだけのこともある)、その利益を獲得しつつ、「クライアント」のためのサイト構築を中心にすべてが展開している。アルゴリズムを理解しているというこれらの「魔術師」たちについて、レポーターには、もう少し厳しく迫ってほしかったと思う。

このようなものを目にした以上、彼らが自分のリンクを隠そうとしていることくらい、もはや当然と思えるんじゃないかな。僕がもしFabulousSavings.comの立場にいても、自分の被リンクがどこ由来なのか、誰にも知られたくないだろうね。リンクファームと大量の相互リンクが再び戻ってきたんじゃないだろうか。少なくともカナダではね。

追伸:トロント・スター新聞はご親切にも、記事の中にヤック氏のサイトと思われるリンクを掲載している。しかし残念なことに、レポーターがタイプミス(2つあるべき「s」が1つしかない)をしているということは、一部のドメインスクワッター(類似ドメイン占拠者)がたった今大もうけしており、イライラした多数の新聞の読者がおそらく困惑しているということだ。これは宿業とでも言うべきなのか、はたまた単に単に校正が駄目なだけなんだろうか。

追々伸:僕ことRandは、どうしてスパムを暴露するんだろう。それは、主流メディアがこうしたえさに食いつき、そこから連想して検索業界やこの職業に悪評をもたらすのを見たくないからなんだ。FabulousSavings.comが失墜するのを見たいわけじゃない。調査の難しい分野とそれに対する誤った情報が相まって、SEOが何か別のものに見えてしまいかねないことを、もっと幅広く世間に知ってほしいんだ。

最新情報:7月19日、ヤック氏と電話で少し話をした。彼はそのリンク戦略を擁護しようとはせず、中小企業の成功を支援することに対して非常に熱心で、多数の企業や顧客が同社のサービスに満足していると語っていた。僕が非難しているのは、決してヤック氏個人や彼のビジネスモデルではなく、ドメイン相互リンク戦略なんだということを彼にわかってもらうため、僕はベストを尽くしたよ。

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