重要な情報が簡単にわかるインターフェイス&アドバイスも魅力/Venture Factory+シビラ
Venture Factory/プレジデンツ・データ・バンク株式会社
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重要な情報が簡単にわかるインターフェイス
コンサルタントによるアドバイスも魅力
ベンチャー企業を支援するためのポータルサイト「Venture Factory」を運営するプレジデンツ・データ・バンクは、同サイトの開設とともにアクセス解析ツール「シビラ」を全社的に導入している。その導入背景には何があったのか、解析結果をどのように事業に役立てているのかについて、ネットワークインキュベーション事業部の松田真吾氏にうかがった。
プレジデンツ・データ・バンクの運営サイト「Venture Factory」の概要や今回導入したアクセス解析ツール「シビラ」の概要はこちらを参照。
野本 幹彦(フリーライター)
ベンチャー企業を支援するさまざまなビジネスを展開
「当社は“プレジデンツ”という名前があるように、社長、特にベンチャー企業経営者を対象とし、ビジネスマッチングやアライアンスの仲介によるビジネス支援を行う会社として設立されました。経営者のニーズをサービス化していくことで、今ではプロモーション、求人、資金調達や株式公開など、ご支援できる幅が広がってきました」
と松田氏が言うように、プレジデンツ・データ・バンクはベンチャー企業を支援するためのさまざまな提案を行っている会社だ。
「たとえば、ベンチャー企業の方々は特定の強みをもったサービスや製品を展開しておられますが、それらを販売する手段を持っていなかったりすることが多々あります。そこで、このような企業には、マーケティングに強い社長を引き合わせて、商品を販売できるように支援するのが我々の役目です。ベンチャー企業が持っている個々の“強み”を共有するようにご提案していくことを目指しています」
数年前からこのような事業を行ってきた同社だが、最近は広報業務を支援するビジネスが中心となってきているという。
「多くのベンチャー企業の方々と仕事をしてきて、最もニーズが高かったのはやはりプロモーションの部分です。そこで、広報サービスとしてニュースリリースの配信を代行したり、“ベンチャーファクトリーニュース”(VFN)というフリーペーパーを発行したりして、ベンチャー企業様の名前を広めていくサービスを開始しました。現在、最も大きな柱となっているのがこの広報サービスです」
同社が発行するVFNというフリーペーパーは、フジサンケイビジネスアイと提携して3万社を超える成長企業の経営者に配布されているものだ。
また、これらの広報サービスの一環として、「Venture Factory」というポータルサイトも立ち上げている。
「2005年7月に立ち上げたVenture Factoryは、広報サービスの中心となるサイトとして位置づけています。Venture Factoryは、プレスリリースの配信や、各企業情報を登録してトピックス更新ができるサイトで、ベンチャーに関連したコラムや企業紹介などのコンテンツも持っています」
低価格で導入できるのは新規事業には最適
今でこそ複数のサイト上でアクセス解析を行っている同社だが、Venture Factoryを開設するまで、アクセス解析ツールは導入していなかったという。
「我々は現在、コーポレートサイトやVFNのサイト、プレスリリース配信の案内サイトなど、いくつかのサイトを運営していますが、Venture Factoryを立ち上げるまでは、アクセス解析を行ってはいませんでした。以前もベンチャー企業の情報を掲載するサイトを開いて、経営者同士の情報交換の場を設けていたのですが、お客様がどれだけ見ているのか、お客様同士の交流があるのかといったことがまったくわからない状態でした。2005年からほかのサイトなども開設していく予定だったので、今後の戦略のためにもやはりデータを取っておかなければならないと感じました」
アクセス解析が重要だと感じた同社では、Venture Factoryの開設をきっかけに環の「シビラ」を導入している。
「シビラの開発会社である環とは以前から付き合いもあり、ツールの存在は知っていました。導入を検討するときにシビラを見せてもらったのですが、その際に、経路解析などのビジュアル化する機能がとてもわかりやすいと感じました。アクセス解析ツールの導入を検討し始めて話を聞いてみると、アクセス数による従量課金制で最初は低価格で導入できるという点が気に入りました。我々のようなベンチャー企業は、新たなサイトを立ち上げるのに、それほど大きなコストはかけられませんから。価格の面だけで見ると、フリーのアクセス解析ツールも考えられますが、企業として使う以上信頼の置けるサービスでないといけません。何かあった場合のサポート対応も必要です。その点、環は導入実績もありますし、コンサルティングも行っていますので信頼できます。また、30日間無料で利用できるということも導入しやすいですし、ASP型で複数ドメインでも運用できる点も便利だと思います」
広告効果測定の相談もオプションで受けられる
実際に導入してみると、感覚だけではわからない現実が把握できるようになったと松田氏は言う。
「アクセス解析をする前は、ベンチャー企業に役立つ、他サイトにはないデータなどを提供していたので多くの人に見てもらえていると思っていました。しかし、実際に解析してみると、お客様や身内の方々しか見ておらず、一般にはオープンになっていないことがわかりました」
その解析結果を受けて、より多くの訪問者を獲得するために検索連動型広告の効果測定をオプションで依頼しているという。
「フリーペーパー『VFN』のサイトへの集客は、紙面上で『“VFN”で検索してください』というように誘導しています。“VFN”で検索連動型広告も出していますが、現在は“VFN”の検索結果でもトップ(Google、Yahoo!)に表示されるようになりました。複数の検索連動型広告のサービスを利用していると、それぞれ管理画面などがバラバラで効果測定をしづらいのですが、シビラを使えば違う広告の測定結果を並列で見ることができるので、非常に便利です。また、有償オプションで検索連動型広告の効果測定コンサルティングもお願いしています。このコンサルティングによって、効果が出ていないキーワードや広告サービスが明確になったので、広告出稿の比率を変えて運用しています」
2年間利用してきて、サポート面での不満も特にないようだ。
「電話サポートもきちんとしているし、無料のセミナーを定期的に開催していて、これからアクセス解析を勉強するほかの社員が受講させてもらったこともあります。我々は、コンサルティングサービスも利用しているので、営業担当者と月に1回のミーティングを開いているのですが、その際に別の質問などをしてもいろいろと教えてくれるので助かっています」
機能強化の頻度が高く企業努力していると感じる
実際に使っていて良かったと思う点を尋ねると、「機能強化や改善が行われている点」という答えが返ってきた。
「管理画面に機能強化などのお知らせが掲載されているのですが、割と頻繁にシステムの更新が行われているので、それを見るのも楽しみです。利用者の声を聞いて機能強化や追加を行い、企業努力していることがうかがえます。先日もシビラのバージョンアップがあったのですが、何もしなくても強化された機能を利用できるのはASP型ならではですね。検索連動型広告の効果がグラフ化されるなど、インターフェイスもより見やすくなって、細かな配慮がされていると感じました」
では、松田氏にとって、どのような数値が非常に重要だと考えているのだろうか。
「現在は、さまざまなコンテンツを企画してそのためのページを順次制作しているのですが、そのためには訪問者のニーズがどこにあるのかを把握することが重要です。だから訪問者がどのようなキーワードで検索しているのかは非常に気になります。また、制作予定のページが複数あるときは、本当に簡単に作って公開しておき、それらのページへのアクセス数を計って、制作の優先順位を決めるといったこともしています」
検索キーワードについては、次のようなエピソードも話してくれた。
「シビラで調べてみると、社名の“プレジデンツ”を“プレジデント”と検索するお客様が結構いたのですが、検索結果に載らない状態だったのでHTMLのmeta情報に“プレジデント”も含めて検索結果に載るようにしたことがあります。また、さまざまな会社の情報をポータルサイトとして提供しているので、お客様の会社名で訪問される方が多いということも意外でした。実際、会社名で検索すると、お客様のサイトよりも検索結果が上位になることもあります。このような訪問者はお客様の会社のページを探しておられる場合がほとんどなので、我々のサービスを利用しようとするお客様とは違う方々ですが、Venture Factoryを通じて目的のページにたどり着けるのであれば、お客様にとっても動線が増えてお役に立っているのかな、と思います」
一方、アクセス解析ツールの効果として他の部署や上司から思わぬ攻撃を受けていると松田氏は言う。
「アクセス解析ツールのおかげで、幸か不幸か“問い合わせ件数をもっと増やせ”と詰め寄られることが多くなりました。ホームページ経由で問い合わせしてくださるお客様は関心をもっている方が多く、契約率が高いお客様になります。アクセスを分析するようになって問い合わせ件数が伸びてきているのですが、正確な数字として見えてくるので、後これだけ増やせ、という話になります。会社に期待されているところでもあるので、もっと改善していかなければと感じています」
上司に対するレポートを提出する役目がある松田氏にとっては、データを簡単に抽出できる機能も気に入っているようだ。
「週に一度、全体的なレポートを作成して報告しています。期間やサイトを指定してCSVデータを吐き出せば、週ごとのレポートやサイトごとのレポートを作成できるので便利です。データを規定フォーマットのエクセルに貼り付けるだけで、すぐにレポートを作成できますから」
アクセス解析によってウェブ以外の問題も発見
最後に、これまでアクセス解析ツールを利用してきた松田氏に、これからWeb担当者になろうとする人へのアドバイスを伺ってみた。
「ウェブサイトにだけでなくすべてのビジネスで言えることなのですが、やはりPDCAサイクルで計画を立て、実践し、検証して次の計画に役立てることが重要です。ウェブの場合は、アクセス解析ツールを入れることで、お客様の声や感覚でしか把握できなかったものが数値として見えたり、キーワードがわかってきたりします。これらのデータを活用することによってウェブサイトを改善することができますが、それだけでなく、会社が行うべきサービスやサービスの価値向上のために何を行えばいいかということも見えてくるはずです。お客様が我々の会社に何を求めているかということを把握できるのも、アクセス解析ツールの魅力だと思います。直接口には出してこなくても、PCやウェブを通じて本音が見えてくる場合もありますから」
プレジデンツ・データ・バンクは、人材紹介などにも事業を拡げ、そのためのサイト構築も計画しているようだ。
「プレスリリースの代行やフリーペーパーの発行でPR関連の手助けを行っていますが、今後は人材紹介などの事業も行って、ベンチャー企業の社長の事業展開に役立てられるようにしていきたいと思っています。ベンチャーに就職したいというニーズはやはり消えませんからね。また、フリーペーパーの発行で知り合うことができた会社とのマッチングも増やしていきたいと考えていますし、今後もお客様のニーズに合わせたサービスを展開していこうと思っています」
Venture Factoryは、企業のプロモーション支援を主軸としたベンチャー企業向けのポータルサイト。各種マスコミに対するプレスリリースの配信機能を備え、配信されたリリースは複数の提携ニュースサイトにも連動で掲載される。その他、企業情報や社長プロフィールの登録・検索、求人情報やトピックスの掲載など多方面からベンチャー企業のビジネスを支援する。ビジネスに役立つコラムや企業レポートなども掲載している。
アドバイス機能を搭載したわかりやすいツール
シビラ(株式会社環)
http://www.sibulla.com/
シビラは、「アクセス解析でどこを見ればいいのか、何をすればいいのか」といった悩みを解決するべく開発された、わかりやすく簡単な操作で利用できることが特徴のASP型のアクセス解析ツールだ。
アクセス解析ツールはさまざまなデータを収集して、マーケティングなどに役立てられるが、数値が示す意味を把握し、その結果で何を行うかを理解する必要がある。アクセス解析ツールに精通していて、マーケティングなどにも詳しい人なら問題ないが、特定の数値が上下することにより何が起きているのかを把握することは誰もができることではない。シビラでは、過去のデータと比較したアドバイスを表示させる機能が付いているので、これからアクセス解析ツールを使い始める人はもちろん、解析結果を分析する暇のない人にとっても役に立つだろう。また、複数のドメインの運用にも対応し、1万PV以下~600万PV以下までの段階的な料金設定がされているため、サイトの規模に応じた価格で運用できることも魅力だ。
シビラは、2007年4月にVer.4.0にアップグレードされ、検索キーワードやSEO/SEMに関する大幅な機能強化が行われている。ASPサービスであるため、これらの新機能は従来のユーザーもそのまま使うことができ、料金の変更などもないので安心だ。事例にあるように、大幅なバージョンアップだけでなく細かな機能強化も随時行われているようだ。
具体的な新機能としては、ユーザーが検索したキーワードの一覧や関連キーワードを分析できる「検索フレーズ別一覧」や「キーワードバリエーション分析」、特定期間を指定した訪問者の検索エンジンの利用率を比較できる「検索エンジンシェア」、検索連動型広告とオーガニックサーチ(自然検索、広告を含まない検索)との訪問率を比較する「SEO/SEM比較」などを追加している。また、設定した目的ページを通過したユーザーの動向分析をする機能に、登録URLをすべて含むようにするURL前方一致方式を新たに追加している。特に、検索連動型広告とオーガニックサーチの比較などは、広告をより効率的に運用するのに利用できるので、SEO/SEMの施策に大いに役立つだろう。
シビラは30日間無償で利用できるほか、操作や機能、活用法などに関する無料セミナーを定期的に開催しているので、興味のある人はまず環のウェブサイトを覗いてみよう。
※社名、所属部署、利用サービス、価格など、この記事内に記載の内容は、取材時点または記事初出時点のものです。
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