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ニュースリリース配信サービス利用ガイド――9サービスの価格や特徴を比較・検討

雨宮 和弘(クロスメディア・コ... 2008/2/25(月) 8:00 | | |
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ニュースリリース配信サービス利用ガイド

このコーナーでは、ネットビジネスを強力に支援する製品について、それを支える技術や市場動向を説明し、さらに各社から提供されている製品を紹介する。競合がひしめく市場で、他社に差を付けるための武器として、ぜひ導入を検討してみてほしい。

今回は、企業の情報発信をより効果的にサポートする「ニュースリリース発信サービス」について、そのサービスの背景となるメディアリレーションの変化や今後の動向を踏まえ、各社から提供されているサービスの特徴やメリットなどを説明する。

TEXT:クロスメディア・コミュニケーションズ株式会社 雨宮和弘

ニュースリリース発信サービスとメディアリレーションの正しいあり方

企業がサービスや製品を告知する方法は大きく分けて2つある。新聞、雑誌、テレビ、ネットのポータルサイトなど、メディアの枠をお金を払って買い、企業が作成した文章や画像や動画を掲載して情報を伝える「広告」と、メディアの記者(あるいは編集者)に向けてプレスリリース文を送付したり発表会を行ったりし、それを元に記者が記事を自ら作成し、それぞれの媒体を通して記事として読者に届ける「広報・メディアリレーション」と呼ばれるものだ。

本来、この「広報・メディアリレーション」は、リリース文章を配信しただけで完結するものではない。企業の広報部としては、各メディアの特性を把握し、彼らの編集方針やスコープ(今何に着目しているか)を見極める必要がある。大手のメディアであれば、毎日、何十何百というリリースを受け取っているため、興味のない話題に付き合う暇はないのだ。企業は記者の興味をひきつけ、コンタクトを受けた上で記者のスコープに合った情報提供を行う。また日ごろの情報交換などによってコミュニケーションを行うことで、より効果的なカバレージ(記事)につなげることも肝要だ。

「広報・メディアリレーション」において、基本となるスタイルは数十年にもわたり大きな変化はなかった。だが、「インターネット」の影響により、ここ数年大きな変化が生まれている。ネットの特徴である「アーカイブ(蓄積)」「リンク(参照)」「検索」の機能により、企業は、テレビ・ラジオ・新聞・雑誌という、いわゆる4大メディアに頼っていた一過性の情報提供から、ステークホルダーとの相互関係構築まで実現できるようになってきたのだ。自社のウェブサイトに、メディア告知とほぼ同時にリリースがアップされる。そして、それらは長年蓄積され、だれでも過去にさかのぼって検索、参照することも可能になったのだ。

図1 広報・メディアリレーションの変化
図1 広報・メディアリレーションの変化
ネットの特徴である「アーカイブ(蓄積)」「リンク(参照)」「検索」などの機能により、マスメディアを使った一方的で一過性の情報提供から脱却し、メディアや読者と相互関係を、企業が構築できるようになった。

ネットによって構築されるあらたなメディアとの関係

逆に考えると、「企業が自身での情報発信能力をもつ」ということは、それだけ企業側の情報の取り扱いに対する責務や考え方も重要になってくるということに他ならない。また、メディアもその役目を終えたわけではなく、企業との新しい関係や役割を創出しなければ、今までのポジションに安住することはできなくなるのだ。

実際に今までのメディアリレーションでは、メディア側はどちらかというと「待ち」であった。毎日送られてくるリリースを峻別し、その中からピックアップしたものに対して取材し、記事化することが中心だったのだ。しかし最近では、ネットを活用して自ら情報収集に「動く」記者も多く、さらにはブログなどを活用して自分の言葉で情報発信するようになってきている。

たとえば近年、企業の不祥事や偽装犯罪などの発覚が目立つが、この傾向は、ブログやSNS(ソーシャルネットワークサービス)、ユーザー投稿型のニュースサイトなどの“ソーシャルメディア”の台頭が背景にあるといって過言ではない。ソーシャルメディアにより、企業に関わる情報が「企業→メディア→一般市民」という流れから「一般市民→メディア→企業」へと逆流しているのだ。企業の不正や不祥事は、今までも社員やユーザーの告発という形で世に出て行くことはあったが、それらが短時間に共有されたり参照されたりするようになったのは、このソーシャルメディアのパワーだ。

このような時代になった以上、記者だけでなく、企業側の広報担当者もメディアの特性を理解していることが必要だ。今まではリリース文でさえPRエージェンシーにお任せという広報担当者も少なくなかったが、これからは「今、世の中で何が語られているのか」「自社の業界にとって旬の話題とは何か」「訴えるべき前例のない本当の新規性があるのか」など、自らが徹底的に調査し、理論武装を重ねて戦略的な思考でリリースを出すこと、つまり「動く」ことが肝要になってくる。その「動く」ための負荷を下げて、よりタイムリーに広報活動を行うための補助ツールが、「ニュースリリース配信サービス」だといるだろう。

ニュースリリース配信サービスで何ができるのかの基本

有名企業のニュースばかりが目立つ時代から、情報価値優先の時代へ変わりつつある今、「ニュースリリース発信サービス」の有効活用が、企業のプロモーションの成否を決するといっても過言ではない。

ネットを中心とした「ニュースリリース配信サービス」は、いずれもほぼ同じような形態をとっている。基本は、SNSと同じだ。まず各企業は、自社の商品やサービス、担当者の基本情報などを無料登録する。これにより「マイページ」などと呼ばれる管理画面をもつことが可能になる。このあと配信機能を使うのであれば、そのままリリース文を書き込み、付帯資料をアップロードすれば、そのサービスが対応している方法でリリースが配信される。対応の早いサイトであれば、登録から30分ほどで配信可能と謳っているところもある。

リリースの配信方法としては、次のようなものがある。

  • 各種メディアへの電子メール送付
  • 各種メディアへのFAX配信
  • サービス内リリースポータルサイトへのページ掲載
  • 提携ニュースサイトのリリース一覧へのページ掲載

電子メールでの配信はほとんどのサービスで行ってくれる。PRエージェンシーなどを母体にもつ企業では、FAXでの配信も同額契約内で行うところもある。

契約方法もさまざまだが、大きくはリリース1本いくらというタイプと、月額固定料金で契約するタイプにわかれる。通常のPRエージェンシーのように年間契約でリリースそのものの作成からサポートしてくれるコースもある。ベンチャー育成やマッチメイク、経営者向け情報提供など独自のビジネスモデルをもっているサービスの場合、創業から一定期間のベンチャー企業に限って、リリース配信機能そのものを無料とするケースもある。

配信先のメディア数については、500から2000を超えるところまでさまざまだが、これらはあくまで「母数」であり、常にこの総数に対して配信するわけではない。そもそも効果的なリリース配信とは、自社の商品やサービスに興味をもつメディアに対して行ってこそ、良い結果が出るものである。そのため、どれだけ効果的なメディア選定を行えるかが配信の成否を握るカギとなる。

配信後には、紙メディアまでにおよぶクリッピングサービスやメディアリストの抽出、オフィシャルサイト上への更新反映まで行うサービスもある。これはオンラインメディアリレーションに慣れていない企業にとっては心強いサポートだろう。

図2 ニュースリリース配信サービスの流れ
図2 ニュースリリース配信サービスの流れ
各サービス会社や契約内容によって異なるが、大きくは図のようになる。リリース文の作成段階から、サービス会社が相談に応じてくれるようなコースもある。この他にもオプションとして、動画配信やサービス自体の構築、記者発表会のセッティングまで行うなど、“コミュニケーションアウトソーシング”として広報サービス全般を引き受けてくれるサービスも存在する。

オプションを組み合わせてパワーアップ

たいていのニュースリリース配信サービスが、数多くの豊富なオプションやサービスを用意している。

オプションとしては、リリース文のテンプレート提供、文章の校正チェック、メディアが採り上げやすい文章や構成のアドバイス、適正なメディアの抽出、さらにはリリースそのものの作成まで行うサービスもある。さらにはリリース配信活動を社内稟議に通すための提案書・見積書・請求書の雛形まで用意するサイトもある。

また、インターネットの特性を活かして、動画配信やライブカメラを利用した“オンライン記者発表会”など、さまざまなマルチメディア対応を行うサービスもある。これは地方企業にとっては活用し甲斐のあるものといよう。配信対象をメディアに限定せず、ブロガーなどソーシャルメディア側にまで広げているサービスもあるし、検索マーケティングの見地から効果を最大化するために、Googleアドワーズ広告などのキーワード広告と連動させるオプションをもつところまである。

効果測定によって「投げっぱなし」でない配信を

ニュースリリース配信サービスのもう1つの特徴は「効果測定」である。配信したリリースがどのようなメディアに掲載されたかトラッキングしたり、ポータル上で何回見られたか確認したり、またその結果を蓄積したりすることが可能だ。これらの結果を広告価値に換算してくれるサービスもある。活動結果を定量化しにくい広報担当者にとって、数字で結果を残せる価値は高い。

なお、記者側の登録機能をもたせている配信サービスもある。一見記者側から見ると煩雑な仕組みととられかねないが、これにより記者は、大量のリリースや重い添付ファイルがいきなり送られることがなくなり、要約の中から興味をもったリリースのみをサイトに見に行くことができるメリットがある。当然この行動も解析対象なので、企業担当者はどんな記事がどのくらい閲覧されたか、興味をもたれたか、追加の資料請求や取材に応じたかも把握できる。このように企業側にとっても、掲載結果だけでなくそこに至るプロセスがわかるメリットが出てくる。加えてこれらの情報を他社と共有できるのも特徴だ。

ポータル機能をもつサービスサイトでは、最新のリリース一覧に加え、数多くの記者が興味ももって閲覧し、記事やキーワードの注目度ランキングが公開されている。これらにより、自社のリリースの注目度や効果を客観的にチェックできる。このポータルサイトでは、サービス利用企業の配信情報を紹介するだけではなく、他ユーザーの活用事例紹介、利用企業やその経営者へ個別インタビューなどを行い紹介するコーナーをもっている。これらは相対的に、リリース記事との内部リンクが増えることにもなるので、検索結果が向上し相乗効果を望める。新規利用者にとっては広報の生きた教材にもなるだろう。

正しいリリース配信サービスの選び方

今までは「プレスリリースを配信する」というと、大企業の広報部がやることで、ベンチャーや中小企業には縁のないものという認識をもつ企業が多かった。専任担当者もいないしPRエージェンシーに頼む予算もないような企業にとって、どのようなリリースを打てばよいのか、その知識も参照事例もほとんどなかったわけだ。

ニュースリリース配信サービスは、わかりやすい機能と安価なサービス、豊富な参照事例でこのような古い認識を打ち破ったといえる。現在提供されているサービスも、無料から年間契約制までさまざまだが、将来はこのようなリリース配信に関わる機能提供のみならず、本質的な広報サポートにまで発展していくはずだ。

特にベンチャーや中小企業にとっては、ソーシャルメディア側も含め“変化するメディア”との対応をまだまだ理解しきれない場合が多い。これらを補完する“コミュニケーションアウトソーシング”としての可能性は、とても大きいのだ。ユーザー側としては自社なりのメディアリレーションのあり方を理解し、そのノウハウが蓄積しやすいサービスを選ぶことが肝要だ。そのためにも、同業他社の事例が多く学べるサイトや、自社に近い業容や企業規模に特化したサービスを見つけることも、効果を高める近道になるだろう。

リリース配信はあくまできっかけメディア共生から自立を目指そう

最後にもう一度繰り返すが、広報・メディアリレーションは、リリース配信とその結果のカバレージで完結するものではない。最終的には自社サイトをも充実させていくことが重要だ。リリースを受け取って興味をもったメディアが自社サイトを訪れたときに、そこにさらに記者の興味を喚起するコンテンツがあるかないかは大きな分かれ道となる。なぜならプロにとっては、それらから読み込む情報によって、独自の記事に編集できるかどうかが決まってしまうからだ。

しかしこのような自社サイトのコンテンツ充実は、一朝一夕にできるものではない。まずはリリース配信サービスを活用しながら反応を見て、少しずつ自社側に体力を付けていくというイメージだろうか。そういう意味ではオンラインコミュニケーションは、まだどの会社もスタートラインに着いたばかり、という状況だ。その可能性を活かすにはまずツールの理解、そして対象である「メディア」や「ユーザー」の理解が重要なのだ。

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