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ファッションレンタルECの「airCloset」、「月額料金まとめ払い」を全プランに適用+「過去アイテムの色違い購入機能」の提供を開始

2 years 11ヶ月 ago

エアークローゼットは、月額制ファッションレンタルサービス「airCloset(エアークローゼット)」で、数か月分の月額料金をまとめて支払える「月額料金まとめ払い」を全プランに適用した。また、過去にレンタルしたアイテムの色違いを購入できる「過去アイテムの色違い購入機能」の提供を開始した。

「月額料金まとめ払い」を全プランに適用

2016年に提供を開始した「月額料金まとめ払い」は、数か月分の月額料金をまとめて支払いできるサービス。これまで「レギュラープラン」のみ対象だったが、2023年春から「ライトプラン」「ライトプラスプラン」への適用を開始した。

エアークローゼット airCloset 月額料金まとめ払い 全プランに適用
「ライトプラン」「ライトプラスプラン」にも適用

3か月・6か月・12か月の3パターンで展開しており、12か月プランは1か月分の月額費用分が割引となる。1か月プランで申し込み中でも、途中で「月額料金まとめ払い」に変更できる。

エアークローゼット airCloset 月額料金まとめ払い 各プランの利用費用
各プランの利用費用(画像は「airCloset」サイトからキャプチャ)

ユーザーからの要望で過去アイテムの色違いを購入できるように

「airCloset」では、手元にある「今回のアイテム」もしくは過去に届いて一度返却したアイテムが購入できる。

2020年には「今回のアイテム」の色違いを購入できる機能を提供している。「過去のアイテムでも色違いを購入したい」というユーザーの要望を受け、「過去アイテムの色違い購入機能」の提供を開始した。

エアークローゼット airCloset 過去アイテムの色違い購入機能
過去に届いたアイテムの色違いを購入できる「過去アイテムの色違い購入機能」
藤田遥

ベルーナが総合通販サイト「ベルーナオンラインストア」にレビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」を導入

2 years 11ヶ月 ago

ベルーナは、総合通販サイト「ベルーナオンラインストア」にレビュー・口コミ・Q&Aエンジン「ZETA VOICE」を導入した。

商品評価の可視化、Q&A機能を実装

アパレル商品の購入で重要な要素となる「サイズ感」をグラフで表示し、視覚的にもよりわかりやすいレビュー情報を提供する。

また、レビュー投稿者のパーソナルデータを表示することで、サイトに訪れたユーザーが自分の体型に近い人のレビューを参考にして、購入を検討できるようにした。

ベルーナ ベルーナオンラインストア ZETA VOICE サイズ感をグラフで表示
サイズ感をグラフで表示し商品の評価を可視化

Q&A機能の実装により、購入を検討しているユーザーから寄せらせた商品単位の質問に対して、スタッフと購入済みユーザーから回答できるようになった。

また、Q&Aのやり取りはサイト上に公開されるため、ユーザーの購入判断を後押しすることが期待できるという。

ベルーナ ベルーナオンラインストア ZETA VOICE Q&A機能の実装
スタッフとユーザーの双方向から回答できるQ&A機能を実装

「ZETA VOICE」とは

サイト自体や提供する商品・サービスに対して、複数の評価軸を用いた多面な評価によるレビューコンテンツをサイトに実装できるエンジン。点数による評価やフリーコメント、スタッフレスポンスなどの機能を有するほか、投稿レビューデータの分析、A/Bテストでの活用ができる。

ZETA VOICE 主な機能
「ZETA VOICE」の機能の一部(画像は「ZETA CX」サイトからキャプチャ)
藤田遥

アプリDL数300万突破のクラシコム「北欧、暮らしの道具店」。その背景は?

2 years 11ヶ月 ago

クラシコムが提供するライフカルチャープラットフォーム「北欧、暮らしの道具店」のスマホアプリが、2020年4月の提供開始から約3年で300万ダウンロード(DL)を突破した。

クラシコムが提供するライフカルチャープラットフォーム「北欧、暮らしの道具店」のスマホアプリが、2020年4月の提供開始から約3年で300万ダウンロード(DL)を突破
アプリDL数の推移

スマホアプリのDL数拡大は売上高にも寄与。アプリ提供前の2019年7月期売上高は27億4000万円だったが、アプリ提供後の2021年7月期の年間売上高は約1.7倍増の45億3000万円、2022年7月期の売上高は51億円に拡大している。

スマホアプリ経由のEC売上高は2021年3月度の100万DL時点で44%、2022年6月度の200万DL時点で59%、2023年5月度の約300万DL時点で65%に拡大している。

クラシコムが提供するライフカルチャープラットフォーム「北欧、暮らしの道具店」のスマホアプリが、2020年4月の提供開始から約3年で300万ダウンロード(DL)を突破 EC売上推移
アプリ経由のEC売上の割合

スマホアプリの重要性が高まっていることを踏まえ、2023年2月にマーケティングチームを発足。主にスマホアプリに関連した数値分析や広告出稿などを行い、専任スタッフを含め3人が在籍する。DL後のユーザー体験や主要アクション率などの効果分析と検証を進めることができるようになったという。

2023年4月にテレビ東京系列の「カンブリア宮殿」でクラシコムの特集が放送され、同月内の月間DL数は過去最高の12万DLに達した。放送直後にDLされたアプリユーザーの初回購入転換率は通常の2倍だったという。

テレビ放送の影響で、スマホアプリだけではなく、Instagram、YouTubeなどのエンゲージメントチャネルでもフォロワーが増加、売り上げも継続的に伸びている。マスメディアの影響力で、エンゲージアカウント数は約560万人に、累計会員数は約51万人に達した。

クラシコムはこれまで、日常的に接触頻度が上がるSNS、スマホアプリ、Webを通したエンゲージメントチャネルの獲得に注力してきた。今回、マスメディア露出によるビジネス面への相乗効果を実感。マスメディアとWeb上のエンゲージメントチャネルを連携することで、中長期的に事業成長を支える資産になると見ている。

クラシコムのビジネスモデル
クラシコムのビジネスモデル

 

石居 岳

米サブスクEC企業の事例に学ぶリピート率・客単価向上につながるコミュニケーション施策・効果的なマーケティング手法 | 海外のEC事情・戦略・マーケティング情報ウォッチ

2 years 11ヶ月 ago
犬用商品のサブスクリプションサービスを展開する米国事業者の成功事例から、アップセルやクロスセルにつながる具体的なマーケティング施策を紹介します

サブスクリプションサービスを展開する事業者にとって、継続率の向上は重要な課題です。犬用のグッズや食品をサブスクリプションで販売するBarkは、長期にわたって継続購入してもらうため、アップセルやクロスセルの施策を模索しています。顧客とのコミュニケーション、効果的なマーケティングを検証する方法などから、Barkの成功事例を解説します。

記事のポイント
  • Barkは、犬向けの歯みがきおやつ「Durable Dental Chew」の発売にあたり、2023年1月に2種類のEメールキャンペーンをテスト。それぞれ16%と30%、コンバージョンアップを実現
  • Barkは、2022年7月にSMSを開始。テキストメッセージを受信している顧客は17万5000人となっており、この人数は四半期ごとに35%ずつ増加している

アップセル、クロスセルにつながる顧客コミュニケーションに課題

Barkのエド・ワロガ氏(ライフサイクルマーケティングおよびEコマース担当副社長)は「顧客を長期的に維持する方法を試すと同時に、定期購入ボックスを注文する顧客向けには、さらに商品を追加するように促している」と話します。

これまで、「顧客1人ひとりのニーズに応えられるようなコミュニケーションを効率的に行う必要がある」という課題がありました。

Bark ライフサイクルマーケティング Eコマース担当副社長 エド・ワロガ氏
Bark ライフサイクルマーケティング Eコマース担当副社長 エド・ワロガ氏

Barkは、犬用のおもちゃとおやつをそれぞれ2個ずつ同梱して毎月届ける「Bark Box」事業を、2012年に開始しました。2020年には、犬のおもちゃとおやつ以外にデンタル商品を提供するなど、商品を年々拡大しています。

Barkのサブスクリプションサービス「Bark Box」(画像は編集部がBarkのサイトからキャプチャ)
Barkのサブスクリプションサービス「Bark Box」(画像は編集部がBarkのサイトからキャプチャ)

アップセルとクロスセルを増やすために、消費者へのマーケティングは何が最適かを検討するため、米国のソフトウェア開発事業者Simonが提供するマーケティングツール「Simon Data」を導入しました。「Simon Data」によって、比較テストを検証し、マーケティングキャンペーンの効果を確認することができるようになりました。

平均受注額向上を実現した施策とは

2022年度第4四半期(2023年1-3月期)にBarkの平均受注額は2ドル増加しました。「アップセルとクロスセルの成功がこの増加分に貢献した」とワロガ氏は言います。

アップセル、クロスセルの大きな要因は、犬用のデンタルケアグッズ「Bark Bright」のコンバージョンを向上させることができたことがあげられます。「Bark Bright」は、犬の歯のケアのための歯磨き粉やおやつといった商品です。(ワロガ氏)

Barkが展開する犬用のデンタルケアグッズ「Bark Bright」(画像は編集部がBarkのサイトからキャプチャ)
Barkが展開する犬用のデンタルケアグッズ「Bark Bright」(画像は編集部がBarkのサイトからキャプチャ)

サブスクリプション販売を展開する事業者にとって、顧客の生涯価値(LTV)を維持・構築することは重要です。Barkはどのように継続率を伸ばし、平均受注額のアップを実現したのか。具体策を見ていきましょう。

顧客グループで異なる反応、だからこそ「A/Bテスト」による検証は重要

Barkは2023年1月、「Bark Bright」がラインアップする商品の1つである犬向けの歯みがきおやつ「Durable Dental Chew」の発売に向けて、2種類のEメールキャンペーンをテストしました。

Barkのコアサービスである「Bark Box」を定期的に購入している顧客層に商品案内のメールを配信。同時に、「Super Chewers(スーパーチューワー)」と呼ばれる丈夫な犬用のおもちゃを定期的に購入している顧客にもメールを配信しました。

A/Bテストは「各グループで数十万人、 50:50の割合で均等にテストした」(ワロガ氏)と言います。

より丈夫な犬用のおもちゃを定期的に購入している顧客「Super Chewers」向けのサイトページ(画像は編集部がBarkのサイトからキャプチャ)
より丈夫な犬用のおもちゃを定期的に購入している顧客「Super Chewers」向けのサイトページ(画像は編集部がBarkのサイトからキャプチャ)

A/Bテストは別名で「スプリットテスト」とも呼ばれ、顧客の一定割合を対象に2種類のメールキャンペーンを実施し、どちらがより多くの開封やクリックを得られるかを検証することができるテストです。また、画像や文言を変えてテストし、反応が良い方を比較することもできます。

A/Bテストの結果、「Bark Box」の顧客は単体での告知に反応しやすいことがわかりました。また、単体告知のコンバージョン率は、「Super Chewers」購入客よりも「Bark Box」購買者の方が16ポイント高かったのです。

一方、「Super Chewers」の顧客は、商品のコレクション(ラインアップ)を強調したマーケティングに反応する傾向がありました。コレクション告知の場合、このコンバージョン率は「Bark Box」購入客よりも30ポイント高くなりました。

これは意外な結果でしたが、だからこそこういったテストをして顧客の反応を確かめる必要があるのです。(ワロガ氏)

「Super Chewers」は、ほかの顧客よりも特殊な商品を購入しているため、新商品と、従来購入している丈夫な犬用のおもちゃを比べているからこその結果であるとBarkは考えています。

SMSによる通知は販促だと感じにくい

ワロガ氏によると、「Bark Box」を利用する顧客は毎月200万人にのぼると言います。Barkは毎月送付する「Bark Box」に追加で同封できる商品を顧客に案内しています。案内方法には、SMSでプッシュ通知を送ることも含まれています。

プッシュ通知を積極的に行っています。SMSは、熱心な顧客とコミュニケーションできる機会だと捉えています。顧客接点にSMSを活用すれば、顧客は企業からの販促通知のように感じることはありません。(ワロガ氏)

Barkは「Simon Data」を利用して、2022年7月に顧客向けのSMSを開始しました。現在、テキストメッセージの受信をオプトインしているユーザーは17万5000人。Barkによれば、この人数は四半期ごとに平均35%ずつ増加しているそうです。

SMSを受信する人の数は堅調に増加している
SMSを受信する人の数は堅調に増加している

顧客がBarkのSMSに返信した場合はBarkの社員が対応します。カスタマーケアチームが直接やりとりをしています。(ワロガ氏)

SMSの登録者には、商品の在庫状況などのお知らせが届きます。そのなかには、発送前に「Bark Box」に追加できる限定おやつやフード用トッピング、おもちゃに関する案内も含まれています。

また、顧客はSMSを通じて、注文した商品の出荷確認やアカウントの更新なども通知で受けとることができます。また、顧客にはメキシコのお祝い「シンコ・デ・マヨ」や、毎年5月4日の「スター・ウォーズの日」など、タイムリーなメッセージも配信します。

最も顧客の反応が大きかったSMSテキストの1つは、顧客に「次の『Bark Box』に商品を追加できるのは、今から24時間以内」だと知らせた内容だったそうです。

アプリ経由の顧客エンゲージメントも

また、Barkはアプリを使って消費者とエンゲージすることに取り組んでいます。

Barkのアプリから直接、通知するというテストをしたいと思っています。顧客の大半は、スマホなどのデジタルデバイスでBarkのアプリを活用しています。(ワロガ氏)

デジタルマーケの中核はメール

ワロガ氏によると、Barkのサブスクリプションサービスを利用する顧客は通常、6か月または12か月のいずれかで購買期間を選択するそうです。Barkはデータを精査し、どの顧客が最も離脱の危険性が高いかを特定すると言います。

Barkを改めて想起させるために、離脱しそうな顧客に対してメールでのコミュニケーションを展開しています。(ワロガ氏)

このようなメールには、購入履歴やお気に入り商品も記載するそうです。また、パーソナライズしたメッセージの内容に加え、インセンティブを付けることもあります。「これにより、Barkは定期購入の更新率を好調に保つことができている」とワロガ氏は言います。

Barkのデジタルマーケティングツールの中核をなすのは、やはりEメールです。

Eメールは、顧客に向けたマーケティングテストの繰り返しを最も早く行うことができる方法の1つです。メールのため、告知するためのスペースにも少し余裕があります。しかし、販促チャネルとしてEメールだけが優れているわけではありません。(ワロガ氏)

きちんとパーソナライズされたコミュニケーションは、顧客のロイヤルティを高めます。Barkが試したテストのなかには、ロイヤルティの向上に焦点を当て、Barkのブランド価値を顧客に再認識させる狙いを持つものもありました。

「的を絞った、パーソナライズした会話を心がければ、顧客は反応を示してくれる」とワロガ氏は言います。

北米ECトップ1000社では、サブスク実施企業は減少傾向

米国のEC専門紙『Digital Commerce 360』発行の「北米EC事業 トップ1000社データベース」にランクインしている小売事業者のうち、2022年にサブスクリプションサービスを提供したのは5.6%でした。この数字は2021年の6.5%から減少しています。

ただし、この割合はカテゴリーによって異なります。トップ1000社のうち、食品・飲料小売カテゴリーの事業者は、36.1%が2022年にサブスクリプションモデルを導入。前年の27.8%から増加しています。

また、健康・美容カテゴリーの小売事業者は28%が2022年にサブスクリプションを導入。Barkのような専門小売事業者は10.1%でした。

この記事は今西由加さんが翻訳。世界最大級のEC専門メディア『Digital Commerce 360』(旧『Internet RETAILER』)の記事をネットショップ担当者フォーラムが、天井秀和さん白川久美さん中島郁さんの協力を得て、日本向けに編集したものです。

Digital Commerce 360

通販からECへ、10兆円の成長市場に。売上データとランキングで振り返る通販・EC市場の変遷

2 years 11ヶ月 ago
黎明期の80年代は1兆円に満たなかった通販市場はいまや10兆円規規模に成長している。過去40年間の売上高調査から、市場をけん引してきた事業者などこれまでの変遷をまとめた

通販新聞社が実施している「通販・通教売上高ランキング調査」の結果によると、「通販新聞」創刊時の1983年度に5743億円だった調査対象企業の合計売上高は22年度に10兆4535億円と10兆円台へと拡大している。40年間で18倍の規模まで伸びたことになる。

マス媒体やカタログでの販売を中心に成長を続けていた通販市場だが、2000年代に入りECが市場をけん引し始めると急成長し、さらに20年からはコロナ禍という特殊事情により一層の伸長を見せた。市場の成長を40年間におけるランキング調査からたどる。

過去40年間の通販売上高の推移
過去40年間の通販売上高の推移

1984年からスタート「通販売上高ランキング」

通販売上高ランキングは、84年1月発行の「通販新聞」新年特集号で上位60社を対象に初めて掲載。その後、参入企業の増加などからランキング企業数を増やし、11年以降の調査は上位300社まで拡大している。さらに生協の宅配、旅行や保険といった役務の通販を除くなど通販事業による実績だけを算出するようにし、回数を重ねるごとにより実態に即した通販の市場規模を捉えられるように調査を行っている。

【1983年度~】DINOSを筆頭に千趣会、ムトウ(現スクロール)、高島屋、ニッセンなどが初期の市場をけん引

83年度の第1回調査は、フジサンケイリビングサービス(現DINOS CORPORATION)が1位で、売上高は547億円。同社以外に千趣会やムトウ(現スクロール)、高島屋、ニッセン、三越、セシール、日本通信教育連盟、ハイセンス(現フェリシモ)なども上位30位入りし、以降、しばらく通販市場をけん引するプレイヤーが勢ぞろいした。

【1986年度~】セシール、ベネッセが次々とトップに躍進

86年度以降はセシールがトップを占めるようになる。同社の86年度の売上高は1038億円と、調査開始4年目で1000億円プレイヤーが誕生した。セシールは決算月を変更した89年度を除いて97年度まで1位の座を守った。

通販企業上位30社の合計売上高推移
通販企業上位30社の合計売上高推移

セシールが1位を続けた時期は、同社と共に千趣会、ベネッセコーポレーション、ニッセンでベスト4を形成する年度が多い。そして88年度以降しばらく1位を維持したのがベネッセで、同社は05年度に初の2000億円突破企業となった。

【2009年度~】ミレニアム・イヤーに参入、アマゾンジャパンが頭角を現す

08年度までの11年にわたり1位だったベネッセを追い抜き、09年度に1位となったのがアマゾンジャパン。ミレニアム・イヤーの00年に日本市場へ参入してから9年目でトップの座を獲得。以降、22年度まで1位を維持するアマゾンだが、07年度から22年度までの調査では増収率が1桁となったことがなく、2桁増収を続けている。売上高は17年度に1兆円を超え、21年度には2兆円を超えた。

売上上位10社と売上高

2011年と2019年の売上上位10社と売上高(推定値含む/単位:百万円)
※通販新聞社が2011年12月発表した「第57回通販・通教売上高ランキング」と、2019年7月発表の「第72回通販・通教売上高ランキング」をもとに編集部で作成し追加

コロナ禍で成長した企業は? リアル回帰、鍵は“顧客体験向上”

10年代はアマゾン一強という様相が強まったが、一方で20年、21年のコロナ禍にあった2年で同社以外に躍進した企業も見られる。ビックカメラは20年度に37.0%の増収、ヨドバシカメラが21年度に60.3%の増収など大幅に伸長した。

コロナに関しては5月8日に5類感染症に移行し、リアル回帰の動きが顕著になりつつある。22年度以降、コロナ特需の反動も見られようになっている。

一方で、コロナ禍を通じ通販・ECの利便性を享受した利用者は増え、利用層の裾野は確実に広がっているだけに、顧客体験を向上することなどが今後の市場成長には欠かせない

通販新聞 2021年ネット販売実施企業の売上高ランキング 上位30社
EC売上ランキング2022年版(ネット販売実施企業の売上高ランキング上位30社、画像は「【EC売上ランキング2022年版】1位はアマゾン、2位はヨドバシ、3位はZOZO」からネッ担編集部が追加)
通販新聞

「ChatGPT」など生成AIを活用・検討している企業は6割超。回答者から「新たに有益な相談役が加わった感覚」の声

2 years 11ヶ月 ago

帝国データバンクが実施した「ChatGPT」など生成AI(人工知能)の活用状況に関するアンケート調査によると、「自社の業務で活用している」「活用を検討する」と前向きに捉えている企業は6割超に達している。一方、4割弱は活用意向はあるものの、自社の業務での具体的な使い方や活用場面が想定できていない。

生成AIの活用状況
生成AIの活用状況

生成AIを「活用・検討」している企業は6割超

生成AIを「業務で活用している」と回答した企業の割合は9.1%。内訳は「利用に関する社内ルールあり」(1.2%)「社内ルール等はない」(7.8%)。

「業務での活用を検討」している企業は52.0%。内訳は「活用を具体的に検討していく」(14.2%)「現時点では活用イメージが湧かない」(37.8%)。

生成AIを「活用・検討」している企業の割合は6割を超えている。

生成AIの活用状況の詳細な内訳
生成AIの活用状況の詳細な内訳

「業務での活用を検討していない」企業は23.3%。内訳は「今後も活用するつもりはない」(17.7%)「業務での利用が認められていない」(5.6%)。「知らない」(4.3%)「わからない」(11.4%)という回答もあった。

「活用を検討しているが、現時点では活用イメージが湧かない」という企業の割合は4割弱。回答企業からは「業務とのつながりがイメージできない」「使用したいが、使い方がよくわからない。詳しい社員もいないのでしばらくは静観するしかない」といった声があった。

企業規模に比例して生成AI活用の割合が高まる

企業の規模別に見てみると、「業務で活用している」は「大企業」が13.1%、「中小企業」が8.5%、「小規模企業」が7.7%。

利用に関する社内ルールがある企業は、「大企業」は3.4%、「中小企業」は0.9%、「小規模企業」は0.4%。

「業務での活用を検討していない」という企業で、会社から業務での利用を認められていない企業でも、「大企業」(11.4%)が最も高く、「中小企業」(4.7%)「小規模企業」(4.3%)と続いた。

「情報漏えいリスクが懸念されており、グループ全体で使用禁止になっている」など、規模の大きい企業やグループを中心に利用ルールが定められているケースが多い一方で、利用を認められていないケースも少なくないようだ。

「企業規模別」業務で活用を検討している企業の生成AI活用ルールの有無(左)と、検討していない企業の生成AIを活用しない理由
「企業規模別」業務で活用を検討している企業の生成AI活用ルールの有無(左)と、検討していない企業の生成AIを活用しない理由

「活用あり」「活用したい」生成AIは「ChatGPT」がトップ

生成AIを活用・検討している企業に、「活用したことがある、または活用したい生成AI」について聞いたところ、「ChatGPT」などを含む「文章・コード生成AI(総合型)」(93.1%)が最多。「画像生成AI」(14.3%)「音声・音楽・動画生成AI」(7.4%)が続いた。

「活用したことがある」または「活用したい」生成AIの分類
「活用したことがある」または「活用したい」生成AIの分類

「文章・コード生成AI」を見ると、「ChatGPT」(87.9%)、「Bard」(27.2%)「Smartling」(4.7%)と続いた。

「文章・コード生成AI」のうち、「活用したことがある」または「活用したい」生成AI
「文章・コード生成AI」のうち、「活用したことがある」または「活用したい」生成AI

回答者からは「利用の制限はデメリット」「有益な人物が加わった感覚」などの声

アンケートに回答した企業からのコメントは次の通り(一部を抜粋)。

業務で活用している

  • 小規模な会社のため、ルールの策定はせずに対応できている。社内のアイデア出しやビジネスチャットにおける雑談相手、教育用途ではそのままの状態で十分実用になる。個人情報や非公開情報を入力しないなど一般的な注意事項を守れば、社内での利用を厳しく制限するのはデメリットの方が大きい (不動産)
  • アイデアに困ったときのヒントとして利用。社外秘情報や個人情報を含む質問は行わない(機械・器具卸売)
  • 自分が相談する人脈のなかに、新たに有益な人物が加わったという感覚(不動産)

業務での活用を検討している

  • 「ChatGPT」を試しに利用しているレベル。文書作成やアイデア出しのたたき台としては使えそうな感触を得ている(専門サービス)

  • まずは社内のFAQ的な部分から活用してみたい(金融)
  • 生成AIによってエンジニアをはじめとする社員の能力が低下するのではないかという懸念点がある(情報サービス)

業務での活用を検討していない

  • 生成AIで得た情報が正確なものであるか、公序良俗に反してはいないかなどを確認する必要があり、信頼できるレベルにはないと思っている(建設)

調査概要

  • 調査対象:有効回答企業数は1380社(インターネット調査)
  • 調査期間:2023年6月12日~15日
  • 調査機関:帝国データバンク
高野 真維

ムラサキスポーツのECサイト刷新のポイントは「OMO」。エンドレスアイル、店舗受け取りなど展開

2 years 11ヶ月 ago

ムラサキスポーツは6月23日、自社ECサイト「ムラサキスポーツオンラインストア」をリニューアルし、グランドオープンする。

ECサイトリニューアルのポイントはOMO。オンラインストアと全国展開している約150店舗をシームレスにつなぐことで、利用者の利便性と買い物体験の向上をめざす。

リニューアル後のECサイトでは、実店舗の在庫確認から店舗での商品取り置きをオンライン上で行えるようにするほか、オンラインで購入した商品の店舗受け取りを提供する。店舗での受け取り時には専門スタッフが商品を説明するという。店舗受け取りは送料無料。

直営店舗で消費者が求める商品の在庫切れ、サイズ・カラーバリエーションが欠品している場合、売り場に設置している接客用端末からECサイトで在庫を確認・注文できる「エンドレスアイル」を全店舗で導入する。

その他、店舗スタッフのスタイリング機能、ムラサキスポーツ契約選手のブログ機能、アクションスポーツアイテムを含め、アイテムページを並べて比較検討できる機能、サーフボードのカタログサイトや初心者には難しいサーフボードリッター計算機能など、商品購入以外のコンテンツを充実。アクションスポーツの総合サイトをめざす。

2023年秋には新機能の追加を予定している。

石居 岳

ゲスト購入者の利用2.6倍、新規購入金額1.5倍に拡大! ナラカミーチェジャパンが自社ECで成功した「Amazon Pay」の活用事例

2 years 11ヶ月 ago
自社ECの強化を進めるナラカミーチェジャパンが「Amazon Pay」を活用することで、売り上げ拡大だけでなく、ゲスト購入者の獲得、高単価商品の販売、会員登録の促進といったさまざまな成果を出している、具体的な取り組み事例を解説する
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高価格帯のシャツやブラウスを販売するナラカミーチェジャパンは、自社ECサイトの離脱率改善とコンバージョン率向上を目的にしたサイト改善で、ゲスト購入者の利用促進や新規会員獲得を実現した。この改善効果を引き出したのがAmazonのID決済サービス「Amazon Pay」の活用だ。ここでは、ナラカミーチェジャパンの事業概要と、サイト改善を成功に導いた「Amazon Pay」の特徴を解説し、さらに、ナラカミーチェジャパンの末吉聖人氏(執行役員CSO販売本部本部長)とアマゾンジャパンの井野川拓也氏(Amazon Pay事業部 カントリーマネージャー)による対談から、「Amazon Pay」の活用法や導入効果などを紹介する。

ナラカミーチェジャパンの末吉聖人氏(執行役員CSO販売本部本部長)とアマゾンジャパンの井野川拓也氏(Amazon Pay事業部 カントリーマネージャー)による対談

自社ECとモールでMDを変えるEC戦略

RIZAPグループのナラカミーチェジャパンは、ビジネスシャツやブラウスを中心にイタリアから仕入れた衣料品を販売している。直営店や百貨店への出店など合計25店の実店舗を展開するほか、ECでは、自社EC、仮想モールへの出店など合計8店舗を運営している。現在のEC化率は30%台。

EC売上は、注力している自社ECがEC全体の約7割を占めており、残り3割がECモール売上。コロナ禍では自社EC売上が前年比40%増程度で増加したという。

ナラカミーチェジャパンは自社ECとECモールでMD戦略を変え、自社ECの強化につなげている。自社ECではイタリアの高価格帯のこだわりのアイテム、自社EC限定商品を展開する一方、ECモールではモールに適したアイテムを強化。価格競争力を重視して、アウトレット商品のラインアップも強化している。こうしたEC戦略で、それぞれ異なるニーズの顧客を獲得している

自社ECサイトの課題は決済時のページ遷移数

ナラカミーチェジャパンが自社ECサイトを運営する上で抱えていた課題は、決済時に商品をカートに入れてから画面を3回遷移しなければ決済が完了しないこと。これを2回に減らすことで購入時のストレスを減らし、離脱の抑制、コンバージョン率の向上につなげようと考えた。

「ページ遷移が増えると離脱率が高くなるだけでなく、サーバーの負荷も高くなります。移動数は絶対に減らした方がいい。そこは多くの企業が同じ考えを持っているはずです。カート内の遷移ページ数を減らすことで、売り上げと顧客体験が大きく変わると考えました」と語る末吉氏が、この課題を解決するために採用したアプローチが、Amazonが提供するID決済サービス「Amazon Pay」の導入だった。

ナラカミーチェジャパン 執行役員CSO 販売本部本部長 末吉聖人氏
ナラカミーチェジャパン 執行役員CSO 販売本部本部長 末吉聖人氏

「『Amazonアカウント』を使い自社ECサイトで買い物ができる」「住所や支払い情報の入力が不要」「『Amazonアカウント』へのログインと注文確定の数クリックで決済が完了する」――顧客の利便性向上につながり、決済までのページ移動数を減らすという目標も実現できる「Amazon Pay」の導入は、ナラカミーチェジャパンのECサイトが抱えていたさまざまな課題を解決していくことになる。

やはりページの遷移数が増えれば増えるほど、コンバージョン率が下がっていくのは間違いありません。「カート離脱率を改善したい」「CVRを高めたい」「顧客の利便性を向上したい」――。EC事業者が抱えるこのような課題を数クリックで決済が完了する「Amazon Pay」を、さまざまな事業者さまがマーケティングツールとして導入されています。(井野川氏)

アマゾンジャパン AmazonPay事業部 カントリーマネージャー 井野川拓也氏
アマゾンジャパン AmazonPay事業部 カントリーマネージャー 井野川拓也氏

「Amazon Pay」の特徴・強み

Amazonアカウントに登録した住所情報と支払い情報を利用して自社ECサイトで商品を購入ができるID決済サービス。「もはやマーケティングツール」とEC事業者が「Amazon Pay」を支持する機能や特徴は次の通り。

  • 支払い機能
    • Amazonアカウントを使って、Amazon以外のECサイトで買い物できる
    • 住所や支払い情報を入力せずに買い物できる
    • Amazonアカウントへのログインと注文確定の数クリックで決済が完了できる
    • 「Amazonギフトカード」や「あと払い(ペイディ)」を使って、クレジットカードがなくても支払い可能
    • 「Amazon Pay」も通常の与信保持期間は30日。再オーソリ機能を実装し、再度与信を取り直すことにより180日まで延ばすことができる。さらに180日を過ぎる商品を取り扱っている場合には別途設定によって最大13か月まで延長可能
    • 「Amazon Pay」では、不正利用防止の観点から、決済時に審査を実施。Dynamic Authorizationおよび非同期オーソリを利用することで、審査に時間を要する場合でも、注文機会ロスを最小限にできる
      ※単体での実装は不可。すでに「Amazon Pay」を導入済みの事業者を対象とする
  • セキュリティ
    • アカウントやクレジットカードの不正利用を24時間365日監視する不正検知システムを採用
    • Amazonアカウントへのログイン時に2段階認証を採用するなど厳格な情報管理を実施
    • チャージバックが発生した取引に関して、要件を満たしている場合に、事業者への入金額を保障する支払保証ポリシー。事業者向けの支払保証ポリシー(参照:https://pay.amazon.co.jp/help/201212410)と購入者向けのAmazon マーケットプレイス保証を用意している(参照:https://pay.amazon.co.jp/help/201751470?ld=APJPLPADirect
  • マーケティング効果
    • 「Amazonギフトカード」で支払うと、支払い額の最大1%を「Amazonギフトカード」で購入者に還元するプログラムを用意(還元額はAmazonが負担)
    • 商品をカゴに入れたまま購入していないユーザーに対してメールで再アプローチする際、メールの文面に「Amazon Pay」ボタンを配置し、「Amazon Pay」を利用しているユーザーであればそのまま直接購入できるメール型機能(メールによる再アプローチ機能)も実装可能
    • ECサイトで会員登録をせずに購入に進んだユーザーに対して、入力フォーム画面で「Amazon Pay」の利用を勧めるポップアップを表示する「Web接客型Amazon Pay
      ※「Web接客型」「支払い救済型」「メール型Amazon Pay」は単体での実装は不可。すでに「Amazon Pay」を導入済みの事業者を対象とする。また、「メール型Amazon Pay」は別途審査あり
  • 利用料金
    • 初期費用・月額費用・トランザクション料は不要で決済手数料のみのシンプルな価格体系
    • 決済手数料は3.9%。デジタル商材は4.5%

ナラカミーチェ末吉氏とAmazon井野川氏の対談~「Amazon Pay」でゲスト購入が増加

「Amazon Pay」導入で、ナラカミーチェジャパンの自社ECサイトはどのように変わっていったのか。末吉氏と井野川氏の対談から、ナラカミーチェジャパンが抱えていた課題を「Amazon Pay」がどのように解決していったのか、「6つの導入効果」の切り口で見ていく。

「Amazon Pay」を使う人はリピート購入しやすいという傾向が見えてきた

末吉氏:ナラカミーチェジャパンは2017年に「Amazon Pay」を導入しました。現在、自社ECの決済のうち「Amazon Pay」が利用されている割合は20%。クレジットカードに次いで2番目に利用される決済手段になっています。

井野川氏:「Amazon Pay」を導入している他の事業者さまも、20~30%程度の利用割合というところを多く聞きます。初めて購入するショップでも情報入力の手間が省けるので、新規顧客獲得に効果が期待できるという特長があります。会員登録する手間を省略できるので、ゲスト購入を選択するお客さまにも「Amazon Pay」は選ばれています。

AmazonPay ナラカミーチェジャパン AmazonPay導入効果 実装位置前後の購入ページ 視認性向上
「Amazon Pay」実装位置改善後の購入ページ。「Amazon Pay」ボタンの視認性が上がり、ログインのしやすさにつながったと考えられる

末吉氏:ナラカミーチェジャパンの自社ECでは、ゲスト購入の利用が顕著です。2023年1~3月を見ると、ゲスト購入者が「Amazon Pay」を利用した件数は、前年同月比で1月は146%増、2月は273%増、3月は127%増で、1~3月累計では160%増で推移しました。

「新規購入」「リピート」「ゲスト購入」に分けて見ていますが、ゲスト購入のほか、「Amazon Pay」を使ったリピート数は1~3月で70%増、新規購入も同53%増でした。LTVも3か月間で同10%増と好調に推移しています。「新規購入」「ゲスト購入」に対する効果は想定していましたが、「Amazon Pay」を使う人はリピート購入しやすいという傾向が見えてきたのは驚きでした。

「Amazon Pay」経由の売り上げも好調に伸びています。2022年4~12月を見ると、「Amazon Pay」経由売上はすべての月で前年同月比プラス成長を達成しました。クレジットカードも前年実績を上回っていましたが、「Amazon Pay」はそれよりも高い伸び率を記録しています。

「Amazon Pay」導入効果①

  • 「Amazon Pay」を使って「新規購入」「ゲスト購入」する顧客が多い。また、「リピート」購入しやすいという傾向も見えてきた

高単価商品の購入も「Amazon Pay」で。利用者には60代の顧客も

末吉氏:「Amazon Pay」の利用者は顧客単価も高い傾向にあります。ナラカミーチェジャパンの商品は、たとえばブラウスだと2万円から2万円台後半の価格。そのような高価格商品も、お客さまは「Amazon Pay」で購入しています。

「Amazon Pay」利用者には60代のお客さまも多く、私たちが思っていた以上に「Amazon Pay」は幅広い年齢層で使われており、比較的高齢層にも決済に「Amazon Pay」が使われているのはうれしい発見でした。

井野川氏:自社ECサイトで買い物する際に「Amazon Pay」「Amazon」のマークが自社ECに掲載されていることでお客さまに安心感を与えることができ、商品が欲しいときに買いやすくなるのではないかという声は導入事業者さまから多く寄せられています。

「Amazon Pay」導入効果②

  • 高齢者の顧客が「Amazon Pay」を使って購入も。「Amazon Pay」「Amazon」のマークが安心感を与える
AmazonPay ナラカミーチェジャパン 対談 AmazonPay導入効果

直近の会員数は15%増。会員登録につながる仕組みとは

井野川氏:「Amazon Pay」を利用する事業者さまに評価いただいているポイントとして、ゲスト購入だけでなく、「そのままAmazonアカウントの情報を活用して会員登録にまでつながる」という点があります。注文確定画面に会員登録やメルマガ購読の登録ボタンを配置すれば、Amazonアカウントの情報を利用して新規会員登録を促進することができ、その結果、会員獲得数が伸びたというお声をいただいていますが、ナラカミーチェさまではいかがでしたか?

AmazonPay ナラカミーチェジャパン AmazonPay導入効果 登録ボタン設置で新規会員登録を推進
注文確定画面で「会員登録する」「メルマガ」の登録ボタンを設置して新規会員登録を促進

末吉氏:「Amazon Pay」で注文を確定する際、お客さまの同意があれば顧客情報をマーケティングに活用できるのは、ありがたい機能です。その機能のおかげもあり、自社ECサイトにおける月次ベースの会員数は、直近では前年同月比15%増で伸長。2023年3月はセールを強化して広告費も投下したので、会員数の伸びがさらに高くなりました。「Amazon Pay」による決済金額を見ると、3月度は新規購入で前年同月比1.5倍を記録しています。

「Amazon Pay」導入効果③

  • 「Amazon Pay」を使った決済の注文確定画面に会員登録やメルマガ購読の登録ボタンを配置し、会員登録の増加に成功

「Amazonギフトカード」残高で決済すると購入額最大1%を「Amazonギフトカード」で還元

井野川氏:2021年から「Amazon Pay」では、「Amazonギフトカード」の残高で決済すると、購入額の最大1%を「Amazonギフトカード」で還元するプログラムを実施しています(還元率はAmazonプライム会員には1%、通常会員には0.5%)。事前登録などは必要なく自動的にギフトカード残高に還元する仕組みです。この還元プログラムの還元費用はすべて「Amazon Pay」が負担しており、販売事業者さまの負担はゼロの施策となっています。

末吉氏:「Amazonギフトカード」残高で支払いできるのはとても便利ですよね。「Amazonギフトカード」還元プログラムに関するバナーをご提供いただけるため、ナラカミーチェジャパンでは、過去に「Amazon Pay」を利用して購入した既存顧客を抽出し、「Amazonギフトカード」の残高を「Amazon Pay」での買い物時に使えることで、より利用しやすくなったことをアピールするような案内を送ったりしています。

AmazonPay ナラカミーチェジャパン AmazonPay導入効果 バナーを自動的に更新 キャンペーンの訴求
バナーはAmazon側が自動で更新するため、バナー掲載に関する手間がなく最新のキャンペーンの訴求が可能に

「Amazon Pay」導入効果④

  • 「Amazon Pay」主催の還元プログラムがあり、事業者は費用負担ゼロで販促に活用することができる

不正取引対策に有効な「Amazon Pay」

末吉氏:2022年10月頃から不正注文が増加し、数百万円規模にのぼりました。ただ、10~11月時点では購入者の名前が明らかにおかしく、不正な注文であることが事前にわかったため防ぐことができました。しかし、12月に入ると実在しそうな人物の名前で不正注文が入るようになり、手口は巧妙化してきましたが、対策にかけるリソースと時間にも限界があるのが現実でした。

こうした状況下、世界水準のシステムで不正取引を検知し、事業者側の不正取引対策の手間やコスト、時間などを大幅に削減できる「Amazon Pay」を導入したことのメリットを感じることができました。「Amazon Pay」の決済の割合が増えたことにより、不正取引に関する確認作業などを軽減することができているんです。

井野川氏:Amazonにとって、セキュリティは最優先される事項で、大規模な投資を継続して行っています。クレジットカード決済に関する独自の不正検出ルールに加え、Amazonアカウントやカードの不正利用を24時間365日監視する世界水準の不正検知システムを採用しています。

グローバル化する不正取引に対しては、米国やヨーロッパ、インド、中国、南米などさまざまな国で事業を展開している強みを生かし、情報をいち早くキャッチして対応しています。また、「Amazon Pay」を利用すれば、セキュリティのメリットである、クレジットカード情報の非保持化を実現できます。

AmazonPay ナラカミーチェジャパン AmazonPay導入効果

末吉氏:自社ECサイトにおける手の込んだ不正取引を1件1件確認していくことは非現実的なんです。世界水準のシステムで不正取引を検知する「Amazon Pay」の決済割合が増えていくと、チャージバックによる損失の軽減に役立てることができると感じています。また、購入者に対してはAmazonが購入者に対して保証している「Amazonマーケットプレイス保証※」の対象であることから、お客さまにとって安心・安全に買い物ができると思わせてくれる決済手段ですよね。

※「Amazonマーケットプレイス保証」とは、Amazonにおいて顧客に販売事業者の出品商品を安心して購入してもらうために、購入商品のコンディションや配送を保証するもので、一定の条件を満たす場合、配送料を含めた購入総額のうち、最大30万円まで保証を受けられる制度。「Amazon Pay」を利用した購入においても、同等の保証対象となる(ただし、一部の条件の場合は対象外となる)。

井野川氏:「Amazon Pay」で発生した不正取引には、Amazonが一定の条件のもとでお客さま、事業者さまそれぞれの損害を補填(ほてん)する仕組みがあります。Amazonアカウントから連携された配送先住所への取引であれば、万一チャージバックが発生した場合でも、必要な手続きを経ることで支払保証ポリシーの対象になり、事業者さまの取引リスクの軽減につながります。

「Amazon Pay」導入効果⑤

  • 「Amazon Pay」は世界水準のシステムで不正取引を検知するため、事業者側の不正取引に関する確認作業などを軽減できる
  • 「Amazon Pay」経由の注文は、クレジットカード情報の非保持化を実現できる
  • 「Amazon Pay」はAmazonマーケットプレイス保証の対象。「Amazon Pay」で発生したチャージバックは、Amazonが一定の条件のもとで事業者への対象取引の入金を保証する

Amazon Payの新バージョン「CV2」への移行がもたらしたさまざまな効果

井野川氏:以前のバージョンはウィジェットとして住所情報・クレジット情報をサイト内に埋め込む実装が必要でしたが、「Amazon Pay」の新バージョン「CV2」では、「Amazon Pay」が実装されている事業者さまのサイトでは、Amazon側で表示するページ上で「配送先住所」も、「支払い方法」を、確認(または変更)するという購入フローに統一されました。

また、「Amazon Pay」のUIに関するエラーメッセージも、統一した内容をご案内し、購入者の方がどのサイトで購入した際にも同じUXを提供しています。これらの結果として購入者の買いやすさにつながり、ひいては、事業者さまの売り上げをしっかりと担保できるようになります。

末吉氏:ナラカミーチェジャパンではすでにCV2への移行を終えました。以前は「Amazon Pay」ボタンのサイズは4種類からの選択でしたが、CV2では事業者側で自由にサイズの変更が可能になりました。以前はカート画面内の「Amazon Pay」決済ボタンを目立たせることができませんでしたが、CV2によって目立つ形で表示できるようになり、「Amazon Pay」の利用が大きく伸びた一因だと感じています。

AmazonPay ナラカミーチェジャパン AmazonPay導入効果 CV2実装前の購入ページ
AmazonPay ナラカミーチェジャパン AmazonPay導入効果 CV2実装後の購入ページ
「Amazon Pay」実装前のナラカミーチェジャパンの自社ECサイトの購入ページ(上)と実装後のページ(下)。「Amazon Pay」ボタンの視認性が高まり利便性が向上

CV2移行に伴って、「Amazon Pay」利用促進につながるバナーを設置しました。このバナーは、Amazon側で表示されるコンテンツが管理されているので、新たなキャンペーンが開始されれば自動的にバナーも表示内容が切り替わるので運用の手間がないのも魅力的です。

また、「Amazon Pay」利用者に向けたメルマガも強化しました。メールの開封率は他のメルマガに比べてとても高い結果が出ています。今後もイベントやキャンペーンなどを展開する際には、メルマガを通じてしっかりと訴求し成果につなげていきたいと考えています。

「Amazon Pay」導入効果⑥

  • CV2実装により、UIの統一感が生まれ、顧客は直感的にわかりやすく・使いやすく・買いやすくなった
  • カート内に「Amazon Pay」利用促進を告知するバナーを実装。自動的に変わるため、運用に手間がかからない

新規顧客獲得や販売機会ロスの軽減をかなえる「再オーソリ機能」「Web接客機能」

井野川氏:CV2は再与信作業を自動で行う「再オーソリ機能」も備えています。再オーソリの期間は通常30日間ですが、ナラカミーチェジャパンさまが利用されているECプラットフォーム「ecbeing」では、「再オーソリ機能」を標準搭載しているので、注文から発送まで30日以上の期間がある予約商品でも「Amazon Pay」が利用できます。この機能によって、新規顧客の獲得や販売機会のロス・軽減などが期待できます。

AmazonPay ナラカミーチェジャパン AmazonPay導入効果 再オーソリ機能実装による与信期間延長のイメージ
再オーソリ機能実装による与信期間延長のイメージ

末吉氏:この機能が使えるようになったことで、予約注文の際に、お客さまが予約を取りやすくなるため、ナラカミーチェジャパンとしても先の売り上げを見通しやすくなるのは大きな利点になります。現在、「再オーソリ機能」の導入について検討しているところです。

井野川氏:このほか、「Amazon Pay」には「Web接客型Amazon Pay」という導入方法もご提案しています。たとえば、購入者が住所などの情報入力ページに遷移した際に、入力内容の多さから離脱しようとするのを防ぐために、ポップアップ画面でAmazonアカウントの情報を使って簡単にエントリーフォームを埋めて、すぐに購入ができる旨を伝える。これが「Web接客型Amazon Pay」です。

事業者さまのなかには、この機能を活用することで、2割から3割程度のお客さまの離脱を防げたという結果も出ています。「Amazon Pay」のさまざまな機能を組み合わせて、自社ECの事業成長に役立てていただきたいです。

AmazonPay ナラカミーチェジャパン AmazonPay導入効果 Web接客型「AmazonPay」のイメージ
Web接客型「Amazon Pay」のイメージ
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吉田 浩章

ECの現場で使える「ChatGPT」活用法。ネット通販担当者がビジネスシーンで利用するための基礎知識と事例を解説 | 中小企業診断士が解説する「ChatGPT」のECビジネス活用法

2 years 11ヶ月 ago
話題を集めている生成AIの「ChatGPT」。ECビジネスのシーンで活用する方法などを、現役中小企業診断士が解説【第1回】

注目を集める生成AI(人工知能)の「ChatGPT」。気軽に利用できるAIの登場に、利用者は急増し、官公庁や大企業でも導入が進むなど話題沸騰中です。メルマガ、商品説明など文章作成が必要なECサイト担当者のなかには利用してみたい方も多いのではないでしょうか。一方で、セキュリティへの懸念や「間違った回答なので使えない」と疑問視する声もあります。そこで、EC担当者の方々に、ChatGPTの概要や仕組みをわかりやすく解説します。

話題の「ChatGPT」とは

OpenAI社が開発したAIサービス。対話型で誰もが簡単に利用できるため、急速に利用者を伸ばしています。OpenAI社は、テスラで有名なイーロン・マスク氏や現CEOのサム・アルトマン氏らが2015年にAIの開発を目的として設立した組織です。

AIの開発は大きな投資が必要で、かつ「将来、AIが人間を支配してしまうのでは」といった倫理的な問題が絡むため、大企業にAI技術を独占されることのないようにオープンな非営利組織として誕生しました。

日本でその名が広く知れ渡るようになったのは2022年11月。対話型AIのChatGPTの公開です。1週間で100万ユーザ、2か月で1億ユーザに到達。世界最速で1億ユーザを獲得したサービスとも言われています。

  • ChatGPT……2か月(2023年1月)
  • TikTok……9か月(2017年6月)
  • Instagram……2年4か月(2013年2月)
  • Facebook……4年6か月(2008年8月)
  • Twitter……5年5か月(2011年8月)

短期間にこれだけのユーザを獲得できたのは、その性能の高さと使いやすさ。一度でもChatGPTを触ったことのある方は、これまで私たちがECサイトで触れてきたチャットボットと比べると、まるで人間と自然な会話をしているような感覚に驚いたことでしょう。

ChatGPTがEC担当者にもたらしたインパクトと活用例

EC向け活用例① 非エンジニアでもプログラミングができる

ChatGPTは、言語の壁を越えます多言語対応だけでなく、自然言語とプログラミング言語の壁も乗り越えてしまいました。つまり、自然言語でコンピュータに命令ができるのです。

しかも出力する言語も壁がありません。EC担当者のなかには、コーディングが苦手という方もいるでしょう。たとえば、「ECサイトのバナーを1列から2列にしたいのに見た目がよくない。頼りにしている制作会社は営業時間外……」といったシーン。そんな時は、ChatGPTに聞いてみましょう。日本語でお願いしても、HTMLやCSSなどの言語でちゃんと返してくれますよ。

ChatGpt 筆者が実施した2つのバナーを並べるためのプロンプトとその出力例
ChatGpt 筆者が実施した2つのバナーを並べるためのプロンプトとその出力例
筆者が実施した2つのバナーを並べるためのプロンプトとその出力例

ちょっとした作業効率化もお手のもの。著者は非エンジニアですが、Googleドライブに関する単純作業に飽き飽きし、日本語で指示をしたら、Google App Script(GAS)のコードが返ってきたことに驚きました。しかも、ちゃんと動作しますし、お願いすれば親切に解説文までつけてくれるのです。その結果、これまで20分かかっていた作業が、GASのボタン1つで完了し、驚愕しました。

EC担当者の皆さんは、ExcelやGoogleスプレッドシートを使った業務において、マクロやGASを活用することで日々の業務を効率化できるでしょう

ChatGpt Googleドライブ関連の作業に関して、効率化するためのGASが出力された例
Googleドライブ関連の作業に関して、効率化するためのGASが出力された例

EC向け活用例② EC担当者の文書作成を圧倒的に楽にする

販売促進において言葉のコミュニケーションはつきもの。たとえば、新商品を1つ取り扱うことになれば、プレスリリース、ECサイト上のお知らせ、トップバナーのキャッチコピー、テキストの広告文、SNS投稿、メルマガ、商品ページの紹介文、パンフレット、チラシ――など文章作成の連続です。

また、各種ABテストを実施するのであれば、さまざまなパターンの文章を複数作成しなければなりません。「とても大変……」。今まではそうでしょう。しかし、ChatGPTは24時間、脳が疲れることなく、文章を捻り出してくれます。たとえば、メルマガのSubject作り。以下のようなプロンプトで、ChatGPTにSubject作りを依頼してみました。

ChatGpt 筆者が実施したメルマガのSubject作成に関するプロンプト
筆者が実施したメルマガのSubject作成に関するプロンプト
ChatGpt 筆者が実施したメルマガのSubject作成に関するプロンプトに関する出力例
筆者が実施したメルマガのSubject作成に関するプロンプトに関する出力例

気に入らないな!と思ったら、条件にあなたのノウハウを足していけばいいのです。「倒置法を使って」「数字!数字!数字は絶対使って!」「新発売は絶対入れて」何度お願いしても、文句ひとついわず、何案も作ってくれますよ!

EC向け活用例③ チャットボッとでWeb上の顧客体験を大きく変える

これまでのチャットボットでは、定型文を交えた購入前後のサポートが中心でした。一方、ChatGPTでは、商品提案を含めた接客ができるようになります

皆さんもお客さまの立場で、店舗で店員さんと会話していたら「つい買ってしまった」という経験があるのではないでしょうか。

ChatGPTの登場で、消費者がチャットでAIの店舗スタッフと自然な会話をしながら商品を選ぶといった世界観が実現します。しかも、AIには感情がありません。クレームにも適切に消費者の感情に配慮した丁寧な対応ができ、多言語対応にも対応しています海外の消費者にも、言語の壁を越え、スムーズな接客ができるようになるでしょう

なお、ECサイトにChatGPTを実装するにはAPIを用いて、EC側のデータと連携し、学習やカスタマイズを行う必要があります。

「ChatGPT」の仕組み

ChatGPTが自然な会話だと感じるのは、技術に秘密があります。ChatGPTは、GPTというAIを使った言語処理のプログラムを使ったチャットサービスです。

ChatGptの仕組み
ChatGptの仕組み

GPTは大規模言語モデル「LLM(Large Language Model)」の1つ。LLMは入力されたテキストから、最も確率が高いと推論される次の文字列を生成します。たとえば、「日本の首都は」の次にくる文章が「東京」なのか「法律で定められていない」なのかを推論して、文字列を生成します。よくChatGPTにおいて「具体的な指示が大事だ」と言われるのは、推論を重ねて1つの成果物を導く過程で、具体的な指示をしなければ推論が違った方向に行ってしまうからです。

また、GPTは"transformer" という仕組みを採用しています。transformerの特徴は、文章全体を同時に見ることができること。つまり、前後の文脈を判断できるため、矛盾のない自然な回答が返ってくるのです。さらに、対話型のChatGTPでは以下のような手順で学習し、自然な会話を実現しています。

Step1. 事前学習

インターネット上の膨大なテキストデータを用いて学習し、知識や文脈の基本的な理解を身につけます。これよって、さまざまなテーマ、言語、表現に対応できるようになります。

Step2. 微調整

チャットサービスとして、自然な会話になるよう、以下のようなステップで微調整を図っています。

ステップ① 教師あり学習

データを読み込んで学習する段階です。チャットボットの導入に関わったネットショップ担当者の方がおられたら、質問例と回答例を大量に作った経験はないでしょうか。それが教師あり学習です。また、ChatGPTはユーザーとAIの「会話」のサンプルも学習をさせています。これにより、会話特有の砕けた表現でも意味を理解できるのです。

ステップ② 報酬モデルの学習

人間が「良い回答」と「悪い回答」を評価し、スコアをつける方法を学ぶ段階です。ChatGPTは、人間が回答を評価し、真実性、無害性、有益性の観点から、どんな回答がスコアが良いのか、また悪いのかを学びます。

たとえば、武器の作り方といった倫理的な問題がある質問は、害があり有益性も低く悪い評価を与えられるため、回答がなされないのです。

なお、ChatGPTの画面には「いいね」ボタンがありますが、これは即座に評価として取り込まれるわけではなく、OpenAI社が今後の開発の参考情報として利用するために収集しています。

ステップ③ 強化学習

スコアが最大になるような回答を見つけて、それを覚え込むステップです。これにより、より、適切で人間が好む回答とは何かを学習し、回答として提供することができるようになります。

このように、ChatGPTは、前後の文脈を適切に判断し、人が好む回答とは何かを学習しているからこそ、会話をしているような「自然」な回答を生み出せるのです。

間違った利用をしていないか?「ChatGPT」には苦手なことも

一見、万能なAIにみえるChatGPTにも苦手な処理があります。最初にやってしまいがちなのが「自分の名前を検索する」「近所のお店を検索する」などの「検索」です。結果、落胆した経験はないでしょうか。だからChatGPTは使えない、と考えるのは軽率です。ChatGPTの得手・不得手を理解しましょう。

最新情報、固有名詞、ローカルな情報の検索

よくクローズアップされているのが間違ったことを自然に回答してしまう点です。GPT-4では「私の知識は2021年9月までの情報しか持っておらず、それ以降の情報は提供できない」と回答する修正が加えられています。

ChatPptが持つ知識量についての回答例
ChatPptが持つ知識量についての回答例

では、2021年8月以前の情報なら正しいのかといえばそうとも限りません。確率上、ありそうな回答を返すにすぎず、ネット上の膨大なデータから、正誤を判断するのが難しいのでしょう。以下はGPT-4を使った出力例です。2021年8月以前も目黒の次は、五反田、大崎、品川が正しい順序ですが、順序を間違えるだけでなく、同じ駅が2度出てくるなど間違った回答をしています。正確な情報をアウトプットする必要がある業務では、ファクトチェックが欠かせないのが実情です。

ChatGpt 間違った回答例
間違った回答例

複雑な計算

GPT-3.5は計算が苦手です。3桁の計算でも間違えることがあります。「順序立てて計算して」という指示を加えることで、多少正解率はアップしますが、やはり苦手なことがわかります。

GTP-4は高性能になったとはいえ、間違った回答をします。これは、先ほどの仕組みを読んだ方は納得いただける結果でしょう。

インターネット上の情報からは特定の計算結果の学習は困難です。また、LLMは生成される文章が正しいかどうかよりも、自然でスムーズな会話を重視します。このため、複雑な計算で誤った答えを返すことがあるのです。

なお、以下の例の回答は、(1)は「3」、(2)は「1,376」、(3)は「19,404」、(4)は「908,682,210」、(5)は「45,211,784」です。

GPT-3.5の計算その1、正答数は2/5
GPT-3.5の計算その1、正答数は2/5
GTP 3.5の計算その2、正答数は3/5
GTP 3.5の計算その2、正答数は3/5
GPT-4の計算、正答数は3/5
GPT-4の計算、正答数は3/5

明確な答えのない問いへの回答

人の価値観や意見が分かれる問いへの回答も、ChatGPTは苦手としています。微調整の学習過程で、人が判断した良し悪しのスコアが分かれてしまうため、最適解の判断が難しいのです。

以下の例では、ギャグを生成してもらいましたが、面白さは主観であるため人の評価が分かれることの典型かもしれません。

また、日本の価値観や会話の学習が不足していることも一因でしょう。「日本語の例証は、多くても英語の10分の1程度」「ファインチューニング(微調整)もヨーロッパや英語にバイアスがかかっている」と2023年2月にOpenAI社の社員が述べています。

人の価値観や意見が分かれる問いへの回答例
人の価値観や意見が分かれる問いへの回答例
◇◇◇

ここまでChatGPTの概要や仕組みを踏まえ、ChatGPTが苦手な処理を解説してきました。「ChatGPTって、何がすごいの?」と思っている方は、このような使い方をしていなかったでしょうか。次回「後編」では、いざChatGPTを使う際に、ChatGPTが得意とする処理、業務で使う際の留意点などを解説します。

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