【EC決済の後払い利用調査】中高年・シニア層で高い利用率。支払い時の安心感が後押し | ネットショップ担当者フォーラム

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ニッセンの子会社で後払い決済事業のSCORE(スコア)と、デジタルガレージの子会社で決済事業を手がけるDGフィナンシャルテクノロジーは、全国20~90代の男女を対象に後払いに関するアンケート調査を実施した。

中高年・シニア層のECサイトにおける後払い決済サービスの利用動向を明らかにする目的。中高年・シニア層は「支払い時の安心感」を重視して後払いを選択する傾向がある一方で、後払い手数料に対しては抵抗感が強い一面も持っているようだ。

調査結果のサマリー
  • 年代を問わず約4割の人がECサイトで後払いの利用経験あり
  • 後払いを選ぶ理由は、全年代で「届いた商品を確認してから支払いたい」が1位。中高年・シニア層ほど、支払い時の安心感を重視する傾向
  • 後払いを利用しない理由は、全年代で「他の決済方法を利用している」が圧倒的。若い年代は後払いの手間を避ける傾向も
  • 後払いの利用意向は1000円から1万円未満の商品購入時に高い    
  • 後払い利用層は300円を上限に手数料を許容する傾向が見られるが、年代が上がるほど手数料への抵抗感が強い
  • ECサイトでの支払い方法TOP3はクレジットカード、ID決済、後払い。後払いも主要な支払い方法として定着
  • 分割型の後払い(BNPL)は78%が知らない。知っていても、利用したい消費者は3割強に留まる
年代問わず約4割がECで後払い経験あり

ECサイトの支払い方法として後払いの利用経験を確認したところ、各年代で大きな差はなく、43.9%が「利用したことがある」と回答した。

年代別では40~50代の中高年層の割合が高く、60代以上は38.6%と他の年代と比較して4割を切ったものの、中高年・シニア層にも後払いが利用されていることがわかった。

ECサイトでの後払いの利用経験に対する年代別の調査結果ECサイトでの後払いの利用経験に対する年代別の調査結果
年代が上がるほど支払い時の安心感を重視

後払いを選ぶ理由は、全年代で「届いた商品を確認してから支払いたい」が1位だった。この傾向は年代が上がるほど顕著に現れ、60代以上では55%と半数以上が選択している。

50代以上の年代ではクレジットカードのセキュリティを懸念する理由が2位となっており、中高年・シニア層ほど、ECサイトなど非対面取引での支払いに安心感を重視する傾向が見られる。

中高年になるほど後払い決済の理由に「商品を確認してから支払いたい」をあげる人が多い結果に中高年になるほど後払い決済の理由に「商品を確認してから支払いたい」をあげる人が多い結果に
後払いを利用しない理由「他の決済方法を利用している」が最多

後払いを利用しない理由は、全年代で「他の決済方法を利用している」が最も多かった。各年代ともに他の回答に大きく差をつけている。

クレジットカード保有率の高い50代、シニア層は8割以上が「他の決済方法を利用している」を選択。一方で、20~30代は他の年代と比較して67.7%と低く、クレジットカードを持たない若い年代が後払いを選択するケースが多いことがわかる。

20~30代は「支払いを忘れてしまうから」「現金で払わないといけないから」「払込票をなくすかもしれないから」という理由の割合が40代以上の年代と比較して高い。3位には「コンビニ・郵便局に支払いに行くのが面倒」がランクインしていることも含め、支払い時の手間を避けたいという意向がうかがえる。

後払いを利用しない理由には手数料がかかることや「支払いが面倒」という意向もみられた後払いを利用しない理由には手数料がかかることや「支払いが面倒」という意向もみられた
後払い利用率が高い商品価格帯は「1000円~1万円未満」

後払いの利用意向は「1000円~1万円未満」の価格帯の商品購入時に高く、年代による大きな差異は見られなかった。後払いで購入したことがある商品・サービスは、各年代ともに「ファッション」「化粧品・美容用品」「健康食品・サプリ」がトップ3を占めた。後払い利用率が高い価格帯は、これらの商品が影響しているものと推測される。

後払いの利用はいずれの年代も100円~1万円未満の価格帯の商品が多い後払いの利用はいずれの年代も100円~1万円未満の価格帯の商品が多い
ファッション、化粧品・美容用品、健康食品・サプリの購入時に後払いを利用する人が多いと想像できるファッション、化粧品・美容用品、健康食品・サプリの購入時に後払いを利用する人が多いと想像できる
手数料への抵抗感は年代が上がるほど強い結果に

後払いの利用層、非利用層の双方に、許容できる後払いの手数料額を質問したところ、非利用層は9割が「手数料が発生するなら利用しない」を選択した。この一方、利用層は300円を上限に手数料を許容する傾向が見られた。

20~30代の後払い利用者は52.9%が手数料を支払うことを許容しているが、年代が上がるほど割合は低下。購入金額以外のコストが発生することに抵抗感を覚える様子がうかがえる。

手数量の許容範囲は中高年のほうがシビアな意見をもっていることがうかがえる手数量の許容範囲は中高年のほうがシビアな意見をもっていることがうかがえる
ECの支払い方法に後払いも定着

ECサイトでよく利用する支払い方法のTOP3は、全年代ともに「クレジットカード」「ID決済」「後払い」となった。

中高年・シニア層はクレジットカードの利用比率が高いが、後払いも各年代で16~21%の割合で利用されている。ECサイトでの主要な支払い方法として定着していることがわかる。

2位となった、PayPayや楽天ペイなどのID決済は、実店舗でのQRコード決済の普及や各種Pay事業者のプロモーションによる利用者の増加に伴い、ユーザーがECサイトでも使い慣れた支払い方法として利用しているためと考えられる。

後払いはECの支払い方法で主要な手段の1つになっている後払いはECの支払い方法で主要な手段の1つになっている
分割型の後払いは78%が「知らない」。

分割型の後払い(BNPL)は海外を中心に注目を集めている。BNPLは「Buy Now Pay Later」の略称。この調査では、手数料がかからず購入代金を分割払いにできる後払いとして定義している。

調査結果によると、BNPLは対象者の78.1%が「知らない」と回答した。メディアで取り上げられる機会が多いものの、一般消費者の認知度は日本ではまだ低いようだ。

BNPLを知っていても、「利用してみたい」という回答者は32.5%に留まった。「他の支払い方法での支払いに慣れている」「支払いを先延ばしするのが嫌」などが理由にあげられた。

BNPLは「知らない」「利用したくない」が大半。支払い方法として定着するのは時間がかかるとみられるBNPLは「知らない」「利用したくない」が大半。支払い方法として定着するのは時間がかかるとみられる
調査概要
  • 調査内容:ECサイトでの支払い方法に関するアンケート調査
  • 調査方法:インターネット調査
  • 調査対象:全国20代~90代の男女
  • 有効回答数:4401人
  • 調査期間:2022年10月5日〜同年10月9日

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オリジナル記事:【EC決済の後払い利用調査】中高年・シニア層で高い利用率。支払い時の安心感が後押し
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