企業アカウントの管理が驚くほど楽になる、Twitter運用ツール7選(第3回)


このコーナーでは、企業がどのような方針でソーシャルメディア・マーケティングに取り組むべきか、企業規模が大きくないBtoB企業のソーシャルメディア担当者の1人として、わたくし高橋真弓がマーケティングへの活用方法に悩む企業の担当者のために、導入するにあたっての必要なステップや担当者としてもつべきスキル、アカウント運用に便利なツールなど、伝えていきます。
企業がTwitterで失敗しないための導入4ステップ+3指標(第2回) [1]は、企業のTwitter導入において、具体的に何から着手すればいいのかわからないという疑問や、社内調整や体制構築、従業員のリテラシー向上、そして効果測定について解説しました。ですが、リアルタイムでつぶやきが生まれるTwitterを管理するのは一苦労です。
Twitterの運営方針も決まり、社内の体制も整い、目標も定まりました! もう運用の準備万端です! ところでオススメのツールってないですかね?
そんな声にお応えして、この回では、実際にシックス・アパートで使っているツールをはじめ、企業のTwitter運用や解析に便利なツールを紹介していきます。
- HootSuite(フートスイート) [2]
- TwiTraq(ツイトラック) [3]
- socialOomph(ソーシャルウームフ) [4]
- TwitterFeed(ツイッターフィード) [5]
- Twitter counter(ツイッターカウンター) [6]
- meyou.jp(ミーユー) [7]
- CoTweet(コツイート) [8]
HootSuite(フートスイート)
複数のアカウント管理を効率化
オススメ度★★★★★ URLhttp://hootsuite.com [9]
HootSuiteはブラウザで利用できるTwitterクライアント。複数のアカウントを登録してタブで切り替えたり、つぶやきのタイムラインを並べて表示したりするなど、アカウント管理を効率化できます。ブラウザはGoogle Chromeで、拡張機能のFix Hootsuite Ext [10]を使えばさらに見やすくなって便利です。
絶賛愛用中です。最近日本語化され機能も強化し、ますます便利になりました。私の場合、HootSuiteを使って個人のアカウント、会社アカウント、そして期間限定運用の「Movable Type コンテスト2010」のアカウント、これら3つをHootSuiteのタブで管理しています。さらに@sixapartkk(Mentions)のカラム、自分が送信したつぶやきのカラム、「Movable Type」や「シックス・アパート」「タイプパッド」などの会社名や自社製品に関するキーワードの検索結果をカラムに登録して管理しています。また自社でイベントを行った場合などにイベント用にハッシュタグを設定するのですが、そのハッシュタグをカラムに追加して、随時参加者の声を監視・サポートする時にも便利です。
これで毎日自社製品に関するつぶやきをしていただいたユーザーを発見しては、手動でフォローをさせていただいています。また、つぶやく時、リプライする時に、都度「このアカウントは自動選択アカウントと違いますが、このアカウントで投稿してもよいですか?」とアラートがでるので、個人と会社でつぶやくアカウントを間違えることもほとんどありません。つぶやきの予約投稿も可能です。
TwiTraq(ツイトラック)
日本発の無料Twitter分析サービス
オススメ度★★★★★ URLhttp://twitraq.userlocal.jp/ [11]
TwiTraqは、最近正式版がリリースされたばかりのサービスですが、無料で使える企業Twitterアカウントの分析ツールの決定版でしょう。運営しているTwitterアカウントのつぶやきの分析(よく発言する時間帯やRTや返信の多かったつぶやきを可視化できたりする)、フォロワー分析(フォロワー数の推移をグラフで見ることができる、フォロワーの地域や男女比も分析できる)などが、優れたインターフェイス上で見ることができるうえに、csvでデータをダウンロードできるのが、企業ユーザーにはありがたいですね。
そして、国内・海外のTwitter分析系の中のサービスでも唯一といっても過言ではない、無料で「Twitterで発言された特定のキーワードの分析」が可能なのがTwitraqです。自社やライバル製品のサービスの評判のモニタリングや分析は、Twitter上における「会話の総量」がTwitterを運用する上での1つの目標となり得るのですが、それを可視化して分析できるのが、TwitRaqの最大の特徴と言ってもいいと思います。
socialOomph(ソーシャルウームフ)
フォロー返しを自動化するために利用
オススメ度★★★★☆ URLhttps://www.socialoomph.com/ [12]
socialOomphでは、自動フォロー返しや自動投稿などを設定できます。英語のツールでインターフェイスもちょっとわかりづらいのですが、自動フォロー返しの設定は、ログイン後の左メニューの「Social Accounts」>「Manage Accounts」から該当するアカウントのEditでAuto followをオンにしましょう。またフォローしてくれた人に自動でダイレクトメッセージを送れる設定もできますが、嫌がる人も多いので、企業アカウントなら控えておいた方が無難です。
他にも、フォローやフォロワーの管理、自動投稿の設定、クリック数の解析など、さまざまな設定ができます。
4. TwitterFeed(ツイッターフィード)
5. Twitter counter(ツイッターカウンター)
6. meyou.jp(ミーユー)
7. CoTweet(コツイート)
TwitterFeed(ツイッターフィード)
ブログの新着情報をツイッターで告知
オススメ度★★★★☆ URLhttp://twitterfeed.com/ [13]
TwitterFeedは、投稿したブログ記事を自動的にTwitterにツイートしてくれるサービスです。RSSのURLを入力し、巡回頻度を設定することができます。RSSは複数設定できますし、短縮URLサービスのbit.lyにも対応しています。PR目的で、自動的に最新情報をツイートしたいといったときに便利です。
同様のサービスに、FeedTweet [14]というものもあり、こちらは日本語のサービスです。
Twitter counter(ツイッターカウンター)
フォロワー数の推移を比較してグラフ表示
オススメ度★★★★☆ URLhttp://twittercounter.com/ [15]
Twitter counterはフォロワー数の推移を時系列でグラフ化してくれます。3つまでのアカウントを同時にグラフ化して比較できるので、競合他社との比較にも使えます。その他、1週間ごとのフォロワーの推移をメールで送る機能や、今現在ベータ機能ですが、1日にどれだけのRTを得ることができたか確認できる機能もあります。
meyou.jp(ミーユー)
つぶやき分析と、キーワードの一括フォロー
オススメ度★★★☆☆ URLhttp://meyou.jp/ [16]
meyou.jpは、特定のキーワードをつぶやいたユーザーを一括フォローしたり、日本国内のつぶやきのタイムラインを表示したりできるサービスです。通常のキーワード検索のほか、カテゴリ別人気アカウント、プロフィール検索、特定キーワードによる一括フォローなどができます。プロフィールの内容からユーザーを検索できるのが特徴の1つで、あるテーマに興味のある人を探して、まとめてフォローするといったことができます。また、指定したTwitterアカウントの、「つぶやき成分」や、「時間帯つぶやき」など、つぶやきの傾向を見ることもできます。
CoTweet(コツイート)
複数ユーザー利用に便利なビジネス向け管理ツール
オススメ度★★★☆☆ URLhttp://cotweet.com/ [17]
CoTweetは、メーラー感覚で使える企業ユーザー向けのTwitterクライアントです。複数の従業員で1つのアカウントを管理したり、複数のアカウントを管理したりできます。つぶやきは受信箱(Inbox)と送信箱(Outbox)で管理し、重要なつぶやきは受信箱にアーカイブしておけば、タイムラインに流されてもすぐに参照できます。
つぶやきの予約投稿や、キーワードのモニターも可能で、ビジネス向けのTwitter管理ツールだと言えます。
以上、企業でTwitterを運用するにあたって便利そうなツールを7つ、ご紹介しました。個人的には完全にHootSuiteがイチ押しで、HootSuiteを使うようになってからはTwitterのチェックが一気にラクになりました。
これまでの連載を通して、企業がTwitterを導入するにあたっての疑問となりそうなことを書いてきましたが、ここでみなさんに、企業のソーシャルメディア担当者として一言お伝えしたいと思います。
Twitterをはじめとするソーシャルメディア・マーケティングはこれという正解はなく、次から次へと新しいツールがリリースされ、次々に新しい活用方法が見出され、切磋琢磨な世界で、私たちもまだまだ手探りの状態です。
この記事を読んだ方は、「なぜブログの会社の人がTwitter使ってるの? 競合サービスなのでは? というか、なんでこんな記事書いちゃってるの?」などと思われるかもしれません。でもフロー型のTwitterが流行っている今だからこそ、ストック型のブログが生きるし、自社のウェブサイトへの情報掲載といった、従来型の情報の一方的な提供だけでは不十分で、ブログやTwitterなどのソーシャルメディアを組み合わせて、ユーザーの方と一番良い方法でコミュニケーションをし続けていく。これがこれからは必要不可欠だと思います。
もはや企業がソーシャルメディアを無視することは不可能な時代になったことは確かです。ここに書いてあることが、企業のTwitter導入や運用の参考になれば幸いです。でも、ソーシャルメディアはTwitterだけではありません。「Twitter以外のソーシャルメディアって他に何が使えるの? 企業はどう接していけばいいの?」と、お悩みの方もいらっしゃると思いますので、次回は自社の事例を含めて説明していきたいと思います。