「職場でハラスメントを受けた」のに誰にも相談しなかった理由とは?【エン転職調べ】
総合転職サイト「エン転職」は、「ハラスメント」に関する調査結果を発表した。エン転職を利用するユーザー1,955人が回答している。
ハラスメントを受けた経験者の3割が「誰にも相談しなかった」
まず「これまで職場でハラスメントを受けたことがありますか?」と聞くと、63%が「ある」と回答。年代別でみると、年代が高いほど経験が多く、性別では男性のほうが高かった(男性:65%、女性:59%)。


「職場でどんなハラスメントを受けましたか?」と経験者に聞くと、「パワハラ」90%が最多。以下「セクハラ」「カスハラ」「マタハラ」が続く。
性別で見ると、男性は「パワハラ」が女性より多い(男性:96%、女性:84%)。一方女性は「セクハラ」が男性を大きく上回った(男性:5%、女性:41%)。年代別は「セクハラ」が20代36%なのに対し、40代以上は17%だった。
具体的なエピソードでは「昼夜問わず電話がかかってくる」「作成した資料が上司の考えと異なり、大声で長時間叱責」「社内のチャットツールを使用して猥談」「異性の幹部の隣に座ることやお酌を強要」「気持ち悪いとクチコミに書かれた」「妊娠中に毎回トイレ掃除をさせられてた」といったケースが報告されている。


ハラスメント経験者に「誰かに相談しましたか?」と聞くと、「上司」32%、「誰にも相談していない」31%、「同僚」25%が上位。性年代別では、男性や高齢者ほど「誰にも相談していない」が多い。


「誰にも相談していない」と回答した人に理由を聞くと、「相談しても解決にならないと思ったから」68%が最多だった。実際に上司、同僚、家族、社内の相談窓口などに相談した人に結果を聞くと「解決した」「解決しないまでも改善した」は27%(解決した:11%、解決しないまでも改善した:16%)。「解決しなかった」63%、「状況が悪化した」10%となり、状況が好転しないケースが多数を占めている。
好転しなかったエピソードとしては「労働組合に相談したがまともに取り合ってくれなかった」「相手が開き直ってきてどうにもならなかった」「上司が社長の親族だったため、周りは見て見ぬふり」「相談したら『メンタルが弱いだけだ』と逆にハラスメントを受けた」「相談したことがバレてより酷い扱いを受けるようになった」「社内通報窓口に相談したところ犯人探しが始まってしまった」といったケースが報告されている。

(複数回答可)

「職場のハラスメント対策」については「実施している」45%で前年より8ポイント上昇したが、「実施していない」31%もいまだ存在する。具体的な取り組み上位は「相談窓口の設置」77%、「ハラスメントに関する研修の実施」52%、「ハラスメントに対する自社方針の周知」50%などだった。

(※離職中の場合は、前職について回答)

調査概要
- 【調査対象】「エン転職」を利用するユーザー
- 【調査方法】インターネットによるアンケート
- 【調査時期】2025年8月4日~31日
- 【有効回答数】1,955人
ソーシャルもやってます!