Twitterキャンペーン認知&販促型 7つの実例+8つの企画チェックポイント
Twitter上でこんなキャンペーンを見たことはないでしょうか。
Twitterでつぶやいて
ヨーロッパ行き航空券を当てよう!
普段からTwitterを活用されている方なら、こうしたTwitterキャンペーンのツイートをタイムライン上で見かけたことがあるでしょう。ところで、この旅行会社のキャンペーン、約2週間でフォロワーは何人増えたと思いますか?
- 約500人
- 約1,000人
- 約5,000人
- 約10,000人
紹介したキャンペーンは、実際にエールフランス航空で行われたものですが、かつて、この連載で紹介した企業のTwitter活用5つのパターンにおける「PR型」と「販促型」に分類される利用パターンです。
今や日本企業の4割以上が「広報活動」「企業全体のブランディング」「キャンペーン利用」のためにTwitterを利用しているといいます(第3回「企業におけるソーシャルメディア活用状況」に関する調査結果)。この記事を読んでいるWeb担当者の方は、これからTwitterを活用しようと考えていたり、すでに当たり前のようにTwitterを使いこなしている方ではないでしょうか。なかには情報発信のスタイルを確立されている方もいるでしょう。
しかし、上記のようなTwitterキャンペーンは実際に効果があるのか、どのようなキャンペーンにすれば効果が上がるのか、実際にやってみないとわからないところも大きいでしょう。果たしてエールフランスのTwitterキャンペーンの結果はどうだったのでしょうか。
そこで今回は、ソーシャルメディア入門の続編として、過去に実施されたTwitterキャンペーンの成功事例をいくつか紹介しながら、少しでもTwitterキャンペーンを検討している方にヒントになるような話を伝えていきます。
Twitterキャンペーンの王道2タイプ
まずTwitterキャンペーンは、大きく次の2つに分類可能です。
- ブランディング&認知パターン
- 販促パターン
ブランディング&認知パターンは、新商品や新サービスが出た時、また新しくTwitterを始めた時など、クチコミで会社や商品認知を高めたいといった時に使われるパターンです。「Twitterでお題に答えて◯◯を当てよう!」「あなたにぴったりの◯◯は? 診断してみよう!」などのケースが多く、フォロワーを増やしたり、自社や自社製品の認知を高めたい場合などに使われます。
販促パターンは、ECサイトなどの販促目的で行われ、直接売上を上げるために行われるものです。基本的には「◯◯をしてTwitter割引クーポンをゲットしよう!」「〇〇人にRTされたら◯%オフ!」のようなキャンペーン設計になります。
今回はこの2つのパターンに沿って、成功事例を紹介していきます。
- フォロワー10,000人増のエールフランス
- 8,000人のフォロワー増、18,400ツイートのH.I.S.関西
- 3,500以上の商品アイデアを集めたファミリーマート
- 376件のユーザー投稿、フォロワー3割増のワントピ
- 17倍にフォロワー数を伸ばしたZOZOTOWN
- ユニークな割引制度で話題を集めたドミノピザ
- Amazonの在庫がなくなるまで売れたEye-Fiキャンペーン
ブランディング&認知
1. エールフランス「あなたにぴったりのヨーロッパ都市診断」
- キャンペーン期間:2011年12月5日~18日
- キャンペーン内容:Twitterアカウントを入力し、その人におすすめのヨーロッパ都市診断を受けてその結果をツイートとする。ツイートしたユーザーの中から毎日1人当選者が発表される。
- フォロワー10,000人以上増(フランス本国を除くと、日本のフォロワー数は米国に続き世界2位になった)
- 2週間のキャンペーン終了時には1日あたり4,000人以上の参加者になった
- ヨーロッパ往復航空券合計10枚という豪華な賞品
- 簡単な診断コンテンツで、参加ハードルが低い
- 当選者を翌日にすぐTwitter上で発表、当選者の声もリツイートすることでキャンペーンへの参加モチベーションを上げさせた
- エールフランスというとフランスのイメージが強いが、豊富なネットワークでフランス以外の都市に行く際にも便利だと知ってもらうために実施した
- 今までとは違う新しいファン層も取り込めた
ブランディング&認知
2. H.I.S.関西「WE LOVE HAWAII」
- キャンペーン期間:2011年5月9日~6月29日
- キャンペーン内容:キャンペーンサイト内のゲームで「チェックイン後」に、ハッシュタグ含むツイートをして応募。当選者はハワイ往復航空ペアチケットが当たる。
- フォロワー8,000人以上増
- 18,400の総ツイート数(キャンペーン関連)
- ハワイ往復航空ペアチケットという豪華な賞品
- クリックしていくだけで簡単にTwitterで応募できる参加ハードルの低さ
- ツイートのテンプレート「ビジネスクラス〇〇便を予約しました!」という言葉が、フォロワーに対する注目を与えやすく、バズ効果を生んだ(「え、この人ハワイ行くの? しかもビジネスクラスを予約?」と思わせる)
ブランディング&認知
3. ファミリーマート「twitter on おむすび」
- キャンペーン期間:2010年9月7日~9月20日
- キャンペーン内容:Twitter上で「食べたいおむすび」のアイデアを募り、その中から人気のあったアイデアを反映したおむすび3種類を販売する。
- 総数3,500件を超えるアイデアが応募された
- フォロワーとコミュニケーションをしながら商品開発をする斬新さが話題になり、さまざまなメディアで取り上げられた
- 消費者の声を吸い上げる場所としてTwitterを活用、商品開発と販促の2つの側面で効果があった
- さらに2011年11月には同様のキャンペーンをFacebookで展開した
ブランディング&認知
4. アイティメディア「スマホあるある!5万円キャンペーン」(ワントピ)
- キャンペーン期間:2011年9月13日~9月20日
- キャンペーン内容:「スマートフォンでやらかしちゃった」プチ失敗談をツイートして応募、抽選で1名にAmazonギフト券5万円分が当たる。
- 期間中の1週間で投稿数が376件
- フォロワー数が約30%増加
- Kloutスコア(ソーシャルメディアの影響力を示す)が約10ポイント上昇
- お題をユーザーにとってなじみのあるものにし、参加ハードルを下げた
- ツイートをキャンペーンサイトにも表示して盛り上げるようにした
- 賞品目当てでなく、企画自体が単純に面白いと思って参加してくれたユーザーが多かった
販促パターン
5. ZONOTOWN「ZOZOナンバー」
- キャンペーン期間:2011年12月20日~27日
- キャンペーン内容:エントリーのナンバーによって3人に1人に「ZOZOTOWN」で利用できるポイントが当たる。1等は100万円相当のポイントが当選。エントリーすると自動的に「ZOZOTOWN」のTwitterアカウント(@zozojp)をフォローする。
- 参加者数が40万人を突破
- フォロワー数は17倍の約35万人に激増
- 参加ハードルが低い(くじを引くだけ)うえに、参加してすぐに結果が得られる
- 100万円分(のポイント)というインパクトのあるインセンティブ
- 当選率が高い
- くじ引きの結果がそのままユーザーのタイムラインにシェアされるので、フォロワーの興味を引きやすい
販促パターン
6. ドミノピザ「アメージングクーポンフェスティバル」
- キャンペーン期間:2011年11月28日~12月18日
- キャンペーン内容:9種類のクーポンからあてはまるクーポンを選択し、Twitter/Facebookからクーポン使用の旨をコメントすると、ネット特典と合わせて25%OFFのクーポンがもらえる。
- 「インコ割」「メガネ割」など、ユニークな割引制度が話題に。メディアでも多数取り上げられた
- ピザの25%オフは魅力的な割引率だった
- 割引インセンティブ自体が、ソーシャルメディア場で、さりげない自己アピールになっているのがよくできている(「実は私はインコ飼っているのよ」「俺メガネかけてるよ」)
(詳細:おさげ割・課長割・中二割・インコ割……ドミノ・ピザがSNSで割引クーポン発行)
販促パターン
7. Eye-Fiカードの割引キャンペーン
- キャンペーン期間:2009年12月11日(少し古い事例ですが)
- キャンペーン内容:割引販売を告知するツイートが50人以上にRTされたら2,000円引きにする。
- 約3,000人のフォロワーから9,500以上クリック
- 商品はAmazonの在庫がなくなるまで売れた
- 財布のひもが緩みやすいと言われる12月第2週の金曜日の夕方にツイート
- 「自分がRTすることで誰かが得をする」というテイクアクションを誘発
- 在庫の状態などをなるべくリアルタイムでつぶやき、リプライはこまめに行った
(参考:http://blog.dtanaka.jp/?p=971)
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