Twitterだからこそできる傾聴とお客様サービス、対話を通じて未来をともに考えていく/日本科学未来館
気軽に質問をしてもらってそれに答えるのは、
Twitterだからこそできる重要なお客様サービスですね
Twitterはお客様の声を吸い上げるツール。
批判的な内容も含めて目を通し、業務改善に役立てています
このように話してくれたのは、東京お台場にある国立のサイエンスミュージアム「日本科学未来館」の運営スタッフである、科学コミュニケーターの桑子朋子氏と詫摩雅子氏だ。日本科学未来館では、公式Twitterアカウントとして@miraikanを2011年1月から運営している。
公的機関のTwitter運営スタイルは初めてのインタビューとなるが、一般企業との違いなどはあるのだろうか。Twitter運営について話を伺った。
名称:日本科学未来館 | |
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自己紹介 | |
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来館者との対話を通じて未来について考えていくための科学館
まず日本科学未来館はどういった施設なのかを伺った。
「未来館では、すべての科学に向き合う心を持っている人に先端の科学を伝え、ともに豊かな未来に向けて話し合っていく対話の場として、技術・情報・生命・宇宙・地球環境などの先端科学を伝える常設展示があり、芸術や文学もとりいれた様々な企画展やイベントなども行っています。
常設展示はエリアごとに常に改修の企画をしています。改修時には先端科学の現場で活躍している第一線の科学者を監修者として迎え、先端科学と社会について来館者のみなさまに伝え・共有したいメッセージは何か、企画段階から重要視して考えていることが大きな特徴です。科学館というと振り子の原理など基礎的な科学を取り扱う子供向けの場所と思われがちですが、未来館は世界トップレベルのサイエンスミュージアムとして、子供から大人までお楽しみいただける施設となっています
」(桑子氏)
未来館では、科学コミュニケーターと呼ばれるスタッフがTwitterで情報発信している。桑子氏は、展示物とともに、スタッフにも大きな特徴があると強調する。
「日本科学未来館の展示フロアでは、科学コミュニケーターと呼ばれる科学コミュニケーションの専門スタッフが常駐しており、展示物の解説、実験教室やイベントのファシリテーター、ワークショップの企画開発などを行っている点が未来館のもう1つの特徴です。様々なバックグラウンドをもつボランティアも多数活躍しています。館長の毛利衛(日本人初の宇宙飛行士)がスタッフの行動指針として『見てもらうのは物より人です』といつも話しているように、展示フロアでのお客様との対話を通じて未来について考えていくということを大切にしています
」(桑子氏)
「未来館は今年で10周年を迎えまして、次の10年に向けたつながりプロジェクトを始めています。震災の影響で3月の予定だったお披露目が6月にずれこんでしまいましたが、シンボル展示であるジオ・コスモスも新しくしています
」(詫摩氏)
Twitter活用の目的
科学コミュニケーション活動を広めていく
公式Twitterアカウント@miraikanの立ち上げ当初についてお話を伺った。
「公式アカウントは2010年には取得していましたが、実際の運営開始は2011年1月からですね。きっかけは、2009年に情報科学を専門とする科学コミュニケーターが、『未来館でもコミュニケーションツールとしてTwitterを使うべきだ』という館内プレゼンテーションを行ったことだったと思います。それから何度か検討されたのですが、当時は利用者も少なく私自身もTwitterに疎い状態で実現しませんでした。
その後、2010年に行われた南極の昭和基地と未来館を衛星中継で結ぶ南極授業というイベントで、南極と日本を結ぶテレビ会議の映像をUstreamで流しながらTwitterで実況中継し、ネット上の参加者からのコメントをイベント司会者がリアルタイムにひろうという方法で利用したのが、日本科学未来館としてのはじめてのTwitter活用だったと思います。これは面白いなと実感しました。それまでは、『批判的なツイートがきたらどうするのか』など否定的な意見も内部にあったのですが、お客様からの反響があったことや経営者層から『現場がやりたいならTwitterを利用してもよいのではないか』という声があがるようになり、公式のTwitterアカウントを設置しようという話になりました
」(桑子氏)
改めて公式アカウントを持とうと考えたのはなぜだろうか。
「未来館は情報科学も含めて先端の技術を紹介する立場にありますから、Twitterを利用していないのはおかしいというぐらいの考えを持っていました。館内外で日々行っている科学コミュニケーション活動をTwitterで効果的に広めていくために、しっかりと作成した運用ガイドラインを準備したうえで、正式運用を開始しました
」(桑子氏)
正式運用から1年近く経過しているが効果は実感しているのだろうか。
「そうですね、Twitterはリアルタイムに情報を発信できるので、速報性が重要視されるニュースに対応できるので、本当に役立っています。最近では10月4日からノーベル賞の発表があったのですが、あのときは受賞者の速報や受賞対象となった研究の紹介などをブログとTwitterを利用してリアルタイムに告知をしたことで、ブログ記事が1000以上リツイートをされるなど、大きな反響がありました。Twitter経由のアクセスも多かったと認識していますので効果を実感しています
」(桑子氏)
公式アカウントとしての運営開始からまだ1年弱の@miraikanだが、すでにTwitter運営の効果を十分に実感しているようだ。続いて、現場の運営体制について詳しく伺った。
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