企業担当者に聞くFacebook&Twitter運用の現場

Twitterでお得なキャンペーン情報を一目でわかりやすく、電子マネー20周年のビットキャッシュに聞く運用術

既存ユーザーへのお得情報の発信、新規ユーザーの認知拡大のためにTwitterを活用する
企業担当者に聞くFacebook&Twitter運用

電子マネーのパイオニアとして、20周年を迎えたビットキャッシュ。オンラインゲームユーザーの決済手段として広く利用されてきたが、時代とともに音楽・動画・電子書籍など、利用シーンを広げている。

Twitterでは、パブリッシャーと連携したキャンペーンの情報発信に積極的だ。キャンペーン中心の運用は、フォロワー増減の山と谷が生まれやすいものだが、日常的な会話を挟むことで継続したコミュニケーションを築こうとしている。

eスポーツ専門メディアの立ち上げなど、新たな挑戦にも取り組む同社に話を聞いた。

ビットキャッシュ運営の主なソーシャルメディアアカウント

新規事業を担う部署でSNSを使った情報発信も行う

――事業内容について教えてください。

ビットキャッシュ株式会社
事業開発部
マーケティングソリューション課 課長
石川 龍 氏

石川弊社は、電子マネー黎明期だった1997年から事業を展開している電子マネーのパイオニア的な存在です。ユーザーにコンビニなどの販売店でビットキャッシュを購入していただき、ゲーム、電子書籍、音楽などのデジタルコンテンツ購入の支払いに使っていただけます。コンテンツを提供するゲームパブリッシャーなどは、加盟店様と呼んでいます。

電子マネーの会社は他にもあります。そのなかから弊社を選んでいただくために、販売店様や加盟店様と趣向を凝らしたタイアップキャンペーンなどを実施しています。

こうしたキャンペーンは毎月20本ほど用意しているのに加え、毎年8月と年末には全社を挙げた横断キャンペーンを実施しています。

ビットキャッシュでは毎月20本ほどのキャンペーンが実施されている

――Twitterアカウントは、どういう目的で運用されていますか。

ビットキャッシュ株式会社
事業開発部
マーケティングソリューション課
古矢 恵 氏

古矢目的は大きく2つあります。1つは、すでにビットキャッシュを利用されている方に向けて、キャンペーンのお知らせをすること。キャンペーン内容をまとめたランディングページも用意していますが、そのページだけでは伝わりにくい情報を発信しています。

もう1つは、ビットキャッシュをまだご利用いただいていない方に知ってもらうことです。ビットキャッシュにはコアなファンも多いのですが、まだまだ知っている方が少ないので、Twitterの拡散性を活かして少しでも認知度を上げていきたいと思っています。

既存ユーザーへの情報発信、新規ユーザーの認知拡大のためにTwitterを活用

担当者の決め手は情報感度

――本格的な運用を開始したのはいつごろですか。

石川アカウントを登録したのは2012年2月ですが、アクティブな運用を始めたのはここ1年です。

私たちが所属する事業開発部は、1年半前に発足した新しい部署です。電子マネービジネスはすでにスキームとして成り立っているので、事業開発部のミッションは、「電子マネー事業の枠組にとらわれず新しいことにチャレンジする」ことです。情報発信も部署の役割となっており、その戦略の一環としてSNSがあります。

古矢今は私がTwitterの専任担当になっていますが、ここまで来るには紆余曲折がありました。最初は、営業の担当者がツイートしたい内容を個々に申請して、それを投稿していました。しかし、特にルールを決めなかったため、担当者によって口調が異なりキャラクターが統一されていなかったのです。

そこで、Twitterアカウントの人格を決めてツイートすることになりました。設定したキャラクターは、ゲームにあまり詳しくない20代の女性です。ところが、今度は男性の営業が女性言葉を使おうとして不自然なオカマ口調になってしまいました(笑)。

そうした経緯から、私が営業担当から聞いた情報をもとにツイートする体制になりました。

――古矢さんがTwitterの担当に選ばれた理由はどこにあると思いますか。

石川彼女はTwitter世代ですし、フットワークが軽く、情報収集能力が高いからです。アンテナ感度が高いことは、情報発信をしていくうえで重要だと考えました。

古矢初めて知りました(笑)。運用を開始した当初は、私が作ったツイート内容をチェックしてもらってからツイートしていました。しかし、Twitterはリアルタイム性が重要で、承認を待っている間に情報が古くなってしまうので、現在は自由に運用させてもらっています。

石川最初は教育とディレクションも兼ねてチェックや修正をしていましたが、これなら大丈夫というレベルになったので、今は安心して任せています。

Twitterだけのお得情報でフォロワーの関心を引く

――投稿内容はどのように決めていますか。

古矢キャンペーンについては、「キャンペーンの開始直後」「中間」「終了直前」の3回ツイートしています。Twitterは情報が流れていってしまうので、複数回投稿することで、1つ見逃してもキャッチしてもらえるようにしています。あとは、休みの前日や、給料日前後のタイミングでツイートすることもあります。

他には、ゲームに関連するような軽いトピックですね。先日は、スーパーファミコンミニが発売されるということで、さっそくそれをツイートしました。あと個人的にスタバが好きで新作が出ると必ず買っているので、それをツイートすることもありますね。

1日に数回ツイートをしています。というのも、つぶやかないと、フォロワーのタイムラインに表示されないからです。何もつぶやかないでいると、1日で20~30人フォロワーが減ることもあるので、ツイートすることでフォロワーの離脱を防いでいます。

石川キャンペーンの応募条件としてTwitterアカウントのフォローを必須としているケースもあるため、キャンペーンの前後でフォロワーが増えたり減ったりする傾向があります。毎月、上がっては下がっての繰り返しなので、平常運行時も少しでもフォローを維持してもらいたいですね。

――基本的にTwitterのリプライは返していないようですね。

古矢原則としてお返事はしていませんが、ビットキャッシュのことを話題にしているツイートがあれば、引用リツイートをしています。「こんなところでビットキャッシュが使えた!」というようなユーザーの声などですね。ビットキャッシュを利用可能なサービスはWebサイトに掲載していますが、すごく種類が多いんです。全部を調べるのは大変なので、Twitterを通じて少しでも知ってもらいたいと考えています。

ビットキャッシュが使えるサイト(サービス)は累計10,000以上。加盟店の数は現在も増加しており、日々ビットキャッシュの利用シーンは拡大している

運用を開始してわかった3つの課題

――効果測定はどうしていますか。

石川Twitterのアナリティクスでインプレッションとエンゲージメント率を見ています。宣伝が多いと、どうしてもエンゲージメント率が下がるので、ときどき古矢が投稿する日常的なツイートをフックにしながら、フォロワーの離脱率を減らしています

古矢運用ツール「つぶやきデスク」のフォロワー分析で、フォロワーの活動時間帯を見て、その時間にあててツイートすることもあります。

――運用ツールはどういう経緯で導入されたのですか。

古矢担当するようになって3か月ほどたったとき、感じていた課題と解決策を社内で提案し、導入をすることになりました。

もっとも大きな課題が、キャンペーン当選者へのダイレクトメッセージの発送です。当選者にひらがなのコード(プリペイド番号)を送る必要があるのですが、そのために営業担当者の稼働が必要でした。また、間違ったコードを送ってしまうという失敗もあり、この課題をどう解決すればいいのかが一番大きかったですね。

他にも、当時は石川に承認をしてもらっていたので、承認がスムーズにできること、フォロワー分析機能などがあることを要件に探し、つぶやきデスクが使えそうだと思い、社内で提案をしました。

キャンペーン当選のダイレクトメッセージ配信、スムーズな承認や分析機能を要件にツールを選定

――ツールを導入して運用スタイルは変わりましたか。

古矢ダイレクトメッセージの配信に関しては、対象者抽出と一斉配信ができるようになり、運用負荷が軽減しとても助かっています。

新規メディアをTwitterとともに育てていきたい

――Twitterを運用していて悩むことはありますか。

古矢私自身があまりゲームに詳しくないので、キャンペーンの情報を見ても、どこがゲーム好きの人に刺さるのかわからないことがあります。そういうときは、営業担当のところに行って相談しています。

キャンペーン対象のゲームのことをすごく語ってくれるのですが、逆にゲーム好きにしかわからない言葉に寄りすぎてもよくないので、そのバランスを考えながら運用しています。

――今後やっていきたい施策などはありますか。

石川今のところ、フォロワーにはゲームファンが多いのですが、音楽や電子書籍に関心がある人もお客様になってもらえる可能性が高いので、新しい属性の人たちにもファンになってもらいたいですね。フォロワーの目標を3万人においているのは、ゲームファンだけでは頭打ちになってしまうからです。

また、事業の1つとしてeスポーツに注目しており、eスポーツ専門のメディア「SHIBUYA GAME」を2017年5月に立ち上げました。あわせて専用のアカウント(@SHIBUGAME)も立ち上げています。

メディアの業界評価は高く、順調に成長していますが、Twitterのフォロワー数などはまだまだです。今後、eスポーツ好きな人をフォロー、フォローバックしながら育てていきたいですね。eスポーツは、Instagramとの相性もよさそうなので、挑戦してみたいです。

古矢ビットキャッシュの夏のキャンペーンとして、今年で3回目となるゲームの「キャラクター総選挙」を開催中です。掃除機や、お肉なども当たるので、ぜひ、いろいろな方に参加していただきたいです。

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