最近のユーザーの検索行動に変化はある?
ひとりで頑張るSEO担当者さんの悩みに答える本連載。今回の質問は「最近のユーザーの検索行動に変化はある?」です。この回答は「検索結果をクリックすることが減っています」です。

に対する回答は
「検索結果をクリックすることが減っています」です
減少を続ける検索結果のクリック率
今回の質問は「最近のユーザーの検索行動に変化はある?」というものです。ペンネーム「ぷに」さんが寄せてくださいました。いつもありがとうございます。
最近というより、もう10年以上も前から続いている傾向ですが、検索結果のクリック率はどんどん下がっています。転機は何度も訪れていて、2012年に導入されたナレッジパネル(Knowledge Panel)や、2014年に導入された強調スニペット(Featured Snippet)、それに2014年に導入されたあと2015年に表示頻度が高まったローカルパック(Local Pack:検索結果上の地図とローカルビジネス3件のリスト)、そして2024年に導入された「AIによる概要(AI Overview)」などが代表例です。
これらはいずれも、ユーザーがリンク先のウェブページを訪れることなく情報が得られる機能です。こうした機能の実装に合わせて検索結果のクリック率は下がり続けており、 ある調査結果では、2025年3月の時点でアメリカでは全検索の27.2%、イギリスでは26.1%がゼロクリック検索だったといいます。
現在のGoogle検索は、リンクではなく回答を提示するサービス
上で見たように、2012年頃から2014年頃までにGoogleは、ユーザーが検索結果画面から移動することなく検索意図を満たせる方向へと舵を切っています。この方向性は2024年のAIによる概要の導入で決定的になったといえます。
従来的な意味での「検索エンジン」はウェブ上のページを検索してリンクを提示するサービスですが、僕の私見では、現在のGoogleはリンクではなく回答を提示するサービスです。
従来であれば、検索エンジンのユーザーは、検索結果に並んだリンクをいくつもクリックして情報の取捨選択や比較検討をしていました。しかしそうした行動はだんだんと減り、AIがまとめた概要を参考にするようになっています。この結果、ユーザーはゼロクリックで検索を終えたり、またはAIがまとめた概要をヒントに次の質問へと移ったりするようになりました。
まとめ
ご質問にあった「ユーザーの検索行動の変化」ということでいえば「検索エンジンから外部サイトに移動しないことが増えた」というのが最大の変化です。これはユーザーの変化というよりはGoogle検索そのものが徐々に変化した結果です。このため、ユーザーが検索結果をクリックしない傾向はこれからも高まっていくものと僕は考えています。
この状況へのSEOとしての対応は、AIによるまとめだけでは満足できないニーズを満たしていく方策と、会社名や商品名など自社のブランドに対して好意的な文脈でAIに言及してもらえるように評判を構築していく方策が考えられます。これらの具体策については、また質問があればお答えしていきたいと思います。
P.S.
本コーナーでは、読者の質問にお答えしています。誰にも聞けずに困っていること、現場で感じるふとした疑問など、どしどし質問をお寄せください。
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