【続報】寄生サイトの営業は絶対に拒否すべし。グーグルも「全くお勧めしない」【SEO情報まとめ】
SEO目的でのメディアや企業サイトのホスト貸し・ディレクトリ貸しの問題について、so.la辻氏が「サイト全体の評価に悪影響」と強く問題視し、さらにグーグルの金谷氏も「前から言ってるけど、全くお勧めできない」とコメントした。
前回に続いて、業界として改善していくべきこの問題について改めて警鐘を鳴らす。読者のみなさんも、いまいちど認識を確認していただきたい。
ほかにも、「SEOの第一原則」「コア アップデートはペナルティではない」「内部リンクにrel="sponsored"」などなどなど、SEOに関するトピックをぜんぶで10+2件、まとめてお届けする。
寒さに負けず、最新のSEO情報を得て仕事に役立ててほしい。
- SEOの第一原則×10
- コア アップデートはペナルティではない! グーグル社員が誤解を解く
- 内部リンクのアフィリエイト記事にrel="sponsored"をつける必要はあるか?
- 【CWV改善 成功事例】Lighthouseスコアが 78⇒96 にUP⬆
- 2位・4位・6位に同時に表示されたときに記録される検索パフォーマンスの順位は?
- アップデートの最中に新規サイトを公開して大丈夫か?
- SCのリンクレポートで再確認しておきたい4つの仕様
- ドメイン名移転+AMP停止⇒トップニュースから消えた
- 2021年にグーグル社員が最も印象に残ったことは何?
- GoogleがPC検索結果にサムネイル画像を表示。テスト?正式導入?
- 「コア アップデートの詳細をGoogleはもっと提供すべき」ゲイリーが主張するも、現状では担当チームにその気なし
今週のピックアップ
【続報】寄生サイトの営業は絶対に拒否すべし。グーグルも「全くお勧めしない」
手口の詳細と潜在的な危険性を解説 (web > SEO) 国内情報
SEO目的でのメディアや企業サイトのホスト貸し(サブドメイン貸し)・サブディレクトリ貸しの横行が問題になっている。前回は、サイバーエージェントの木村氏が警鐘を鳴らした記事をトップで取り上げた。今回は、so.laの辻氏がこの問題について手口の詳細と潜在的な危険性を解説した記事と、グーグルの金谷氏が「全くお勧めできない」としたコメントを紹介する。
グーグルの評価がある程度高いサイトを間借りして展開するサイト(大多数はアフィリエイトサイト)を「寄生サイト」と辛辣な言葉で辻氏は呼んでいる。
記事の内容は次のようなものだ:
- 寄生サイトがグーグル検索で上位表示されてしまう理由
- 寄生サイトと関係を結ぶリスク
- 効果が短期間
- 長期的にはサイト全体に悪影響
- 検索品質も損なう寄生サイト
具体的なデータも示してくれているので、寄生サイトがなぜ良くないのかを理解できる。寄生サイトを運営してはいけないのはもちろんのこと、寄生サイトの営業は絶対に拒否してほしい(すでに扱っていたら早急に契約打ち切りを検討してほしい)。自社のサイトの一部を他人に貸し出すことによって、自社サイトが損害を被るかもしれないからだ。
辻氏の警告記事を読んだグーグル金谷氏は次のようにコメントしている:
オフィスアワーでも何度か取り上げていると思いますが、このような施策は全くお勧めできないですね。いくつもご報告頂きますが長く続いているようなケースはほとんどないと思います。仮に上位に表示されてもそれが不当に上位であれば何らかの改善の対象になり、適切な対応が行われますので。 https://t.co/uIB3zOaU8f
— 金谷 武明 (@jumpingknee) January 5, 2022
寄生サイトが成功しているのは、全体としてはごく一部だ(一部だからといって許容できるものではないが)。仮にすり抜けられたとしても、最終的には相応の対応を受ける。
- すべてのWeb担当者 必見!
グーグル検索SEO情報①
SEOの第一原則×10
これだけで十分でないが知っておくべき (kevin-indig.com) 海外情報
SEOに取り組むうえで認識しておくべき10個の第一原則をケビン・インディグ氏がまとめた。SEOの問題が発生したときや、SEOの戦略を計画するときに役立ててほしいとのことだ。
検索は、クエリ/キーワードによって始まる
検索エンジンは外部リンクを、「検索結果での順位を決定するため」と「新しいサイト/ページを発見するため」の基本的なシグナルとして使う
キーワードで上位表示するには、ユーザーの意図をページが満たしていなければならない
ブランドクエリ(企業名・サイト名・製品名などの固有名詞の検索)に対しては、そのブランドのサイト/ページをグーグルは優先する
インデックスされなければ上位表示されないし、クロールされなければインデックスされない
グーグルが優先して提供したいのは、高速で安全でスパムのない検索結果
1つのページは数千のキーワードでも上位表示できる
その国/地域の言語での検索結果を、グーグルは上位表示する
タイトル・内部リンク・alt属性・コンテンツは、そのページが何について書かれているのかをグーグルが理解する手助けになる
モバイル検索とPC検索では結果が異なることがある
これらだけを知っておけば十分ということではないが、たしかに知っておかなければならない基本的な原則ではある。
- SEOがんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
コア アップデートはペナルティではない! グーグル社員が誤解を解く
アルゴリズム変更は関連性と品質の改善のため (Search Off the Record) 海外情報
コア アップデートは処罰を与えるものだ。基本的には、サイトに罰を与える。
こうしたコア アップデートに関する考え方は誤解であると、グーグルのゲイリー・イリェーシュ氏が指摘した。グーグル検索の裏側をジョン・ミューラー氏・マーティン・スプリット氏とともに3人でやりとりしながら紹介するSearch Off the Record(サーチ・オフ・ザ・レコード)と名付けたポッドキャストのなかでの話だ。
イリェーシュ氏は次のように話している(17:08あたり、文字起こしもある):
コア アップデートについて次のような誤解がある:
コア アップデートは処罰を与えるものだ。基本的には、サイトに罰を与える。
そうではなく、関連性のアルゴリズムを僕たちは最適化している。たとえば、サイト・ページ・コンテンツの品質を評価するアルゴリズムだ。僕たちがやろうとしているのは、より良い検索結果をユーザーに提供することだとも言える。
コア アップデートで悪い影響を受けたサイトは実際には悪いことは一切しておらず、単にアルゴリズムが変化したたけかもしれない……どう変化したのかを説明するのも難しいし、そうした説明で納得してもらえるとは限らないとも思うが。
だって、5年もサイトでコンテンツを公開してきていて土台となるリピーターを獲得していたのに、アルゴリズムが変わったら突然順位が下がって競合が自分よりも上位表示するなんて、受け入れがたいのは理解できる。
イリェーシュ氏のこうした指摘に、ミューラー氏は次のように続ける。
別の側面もある。別のサイトがより上位に表示されたとき、私たちの観点から見て全体的な関連性や品質を改善できているなら、上位表示できたサイトに対して私たちはこんなふうに言うだろう。
あなたは本当によくやっている。その成果に対して適切な順位が確実に与えられるようにする必要がある。
順位が上がったサイトもたくさんあるときには、順位が下がったサイトにいつも意識が強く向いてしまっているように感じる。
この会話は、次のような話題を前提としているものだ:
グーグルは、ガイドラインに沿ったコンテンツやサイトにしておくことでコア アップデートの大部分に対応できるものであると言っている
アップデートがあったからといって全サイトが影響を受けるわけではないが、アップデートがあると「すべてが変わった」「何が変わったんだ?」と騒ぎになる
アップデートの影響を受けてしまったサイトの担当者は「ちゃんとガイドラインに沿っているのに変わってしまった」と感じている
グーグルの検索アルゴリズムには、たしかに評価を下げるものがある。代表例はページエクスペリエンスアップデートだ。モバイルフレンドリーでなかったりページの表示速度が遅かったりすると、評価が下がることがある。見方によっては、罰を与えるようなアルゴリズムだ。検索者のユーザー体験を損ねるからという理由で罰を与えるのはそれなりに納得できる。
しかし、コア アップデートは性質が明確に異なる。コア アップデートは検索結果の関連性と品質を改善するためのアルゴリズム更新だ。コア アルゴリズムを構成するシグナル(評価基準)の一部が調整されたり新しいシグナルが採用されたりする。結果として、同じページの評価が以前よりも下がったり、逆に以前よりも上がったりする。
「下がったページに悪い点があるから罰則を与えた」のではなく、「評価基準が変わったから以前ほどの評価を与えられなくなった」だけなのだ。一方で、評価基準が変わったために、以前よりも評価が高くなるページもでてくる。そういうページはランキングが上昇する。
特にソーシャルメディアでは、順位下落に関するネガティブな変化にどうしても関心が集まる。コア アップデートで順位が上がったサイトも実際には多くあるはずなのに、「順位が上がった!✌️」という投稿はあまり目にとまらない。
順位が下がるという点のみに視点を合わせれば、コア アップデートはペナルティを与えるものであるかのように見える。しかし、根本的な原因はまったく異なる。コア アップデートでランキングに変化が起きるのは、サイトがガイドラインに違反するような悪いことをやったからではなく、グーグル側の評価基準が変わったことが原因だ(多くの場合は)。
- 基本として理解しておきたい
内部リンクのアフィリエイト記事にrel="sponsored"をつける必要はあるか?
サイト内のリンクであれば必要なし (John Mueller on Twitter) 海外情報
報酬を目的として商品やサービスを紹介するいわゆるアフィリエイトのリンクには rel="sponsored"
属性を追加することを、グーグルは推奨している。リンク先との関係性を示し、ランキングの評価にそのリンクを使わないように指示するためだ。
では、サイト内リンクの場合はどうだろうか。次のような質問がツイッターであった:
サイト内に次のようなページがある:
- 広告として掲載料を得ている商品レビューページ
- ページ内にはアフィリエイトリンクもある
- そのページが存在する目的はアフィリエイト
サイト内の他のページからこのページにリンクするときは、
rel="sponsored"
属性をつけるべきでしょうか?
ジョン・ミューラー氏によれば、サイト内リンクであれば rel="sponsored"
をつける必要はないとのことだ。
サイト内ならば(
rel="sponsored"
をつけなくても)問題ない。単にサイト内のある場所から別の場所にリンクしているだけだから。
rel="sponsored"
を使うべきなのは、他サイトへのリンクの場合だけで、サイト内リンクの場合は気にしなくていい ―― 覚えておこう。
Nah, within the site is not really an issue, since you're just linking from one part of your site to the other part.
— 🐄 John 🐄 (@JohnMu) January 4, 2022
I will try not to think about this when I'm not fully awake though. How recursive is a sponsored link? o_O
ついでに補足すると、rel="nofollow"
も内部リンクにつける必要は通常はない。基本的に、rel="sponsored"
と rel="nofollow"
(と rel="ugc"
)は外部リンクで利用する属性だ。クロールバジェットの制御に rel="nofollow"
を使う方法もあるが、やり方と効果を熟知している人だけが利用する特殊なケースに限られるだろう。
- ホントにSEOを極めたい人だけ
【CWV改善 成功事例】Lighthouseスコアが 78⇒96 にUP⬆
成功の秘訣は技術的施策だけではなかった (SMARTCAMP Engineer Blog) 国内情報
コア ウェブ バイタルの改善事例を、スマートキャンプのエンジニアがブログで共有した。たとえば、Lighthouseスコアが78から96に改善できたそうだ。改善に際しては、LighthouseやSearch Consoleのようなグーグルが提供するツールのほかサードパーティ製ツールも利用している。
具体的な施策に加えて、次のようなプロセスも、特に規模が大きいサイトを管理している人には役立つだろう:
- メンバー間でコミュニケーションをとる
- タスクの洗い出し、調査方法をドキュメント化する
- 優先順位をつける
- 定点観測する
- 1人だけでやろうとしない
- (チーム内だけではなく)組織全体に改善結果を報告する
- 喜びを共有する
- CWV改善がんばってる人用(ふつうの人は気にしなくていい)
- 技術がわかる人に伝えましょう
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