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SEO歴15年のプロが振り返る「検索の潮流」① グーグルの基盤とIPO、すべてをインデックスする時代

SEO専門家の第2世代であるウィル・クリッチロー氏が、15年のSEO歴で印象に残った検索エンジンの出来事を振り返る
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SEO専門家の第2世代であるウィル・クリッチロー氏が、15年のSEO歴で印象に残った検索エンジンの出来事を振り返る。

前編では、

  • 検索における大きな時代の流れ

を確認してから、SEOの歴史で重要な場面として、次のようなトピックを振り返る。

  • グーグルの基盤技術
  • グーグルのIPO
  • すべてをインデックス化する

僕は最近、自分を見つめ直すことがよくある。

2020年に入り(2005年にDistilledを設立してから15年だ)、僕たちはSEOのA/BテストやメタCMS技術に注力するため、新会社としてSearchPilotをスピンアウトし(これまでの名称はDistilled ODN)、事業のコンサルティングやカンファレンス担当の部分をBrainlabsと統合した。

僕も今では(主にDistilledの株主が所有する)SearchPilotの最高経営責任者(CEO)になったわけだが、BrainlabsのSEOパートナーでもあるため、依然としてSEO業界に関わり続けていることはご了承いただきたい。

したがって、僕にとっては終着点というより節目にすぎないような気もする。とはいえ、この業界にいた15年の間に変わったことと変わらなかったことについて振り返ってみたくなった。

僕はSEO専門家の第1世代に属しているとは言えないが、1996年頃からウェブサイトの構築に携わり、グーグルの成長を設立当初から見てきたため、第2世代とは言えるかもしれないし、もっと後から入ってきた人たちにいくらか興味深い話ができるのではないかと思っている。

現在、ウェブの仕事をしている多くの人の役に立つ興味深い読み物になるであろう記事にまとめるため、当時、何が重要だと考えられていたかを必死に思い返してみたし、僕がこの業界にいた時代に起こった大きなトレンドについても振り返ってみた。

検索における大きな時代の流れ

僕は2018年に行ったプレゼンテーションの冒頭で、こんな冗談を言った。

検索の隆盛期には、

  • 検索エンジンが何かを指示する
  • ウェブマスターが実際に行っていることを目にした途端に、検索エンジンがその指示を撤回する

が振り子のように繰り返されてきた。

リンクは物事をランク付けする方法である
リンクグラフを操作するのはやめてほしい
インターネット上に公開されたものはすべてインデックス化する
インターネットにひどいコンテンツを上げるのはやめてほしい
ユーザーにとって最善のことをしてほしい
ただし、サイトマップ、hreflang属性、robots.txtは必要だし、Googleマイビジネス(GMB)や商品リスト広告(PLA)にフィードをアップロードしたり、グーグルマイページでコンテンツを作成したりもしよう

このスライドはやや冗談交じりだが、確かに、それぞれの時代について考えるべきことは、次のようにいくつかあると思う。

  1. ウェブサイトの構築: 君はウェブサイトを持っているだろうか。あるいは、ウェブサイトを欲しいと思っているだろうか。今では信じられないかもしれないが、ウェブが普及し始めた頃には、そもそも事業内容をオンラインで公開するよう多くの人を説得する必要があった。

  2. キーワード: キーワードの詰め込みや隠しテキストなどによってシステムを悪用できることにウェブマスターが気づいたために、基本的な情報検索をしても欲しい情報が得られなくなった。

  3. リンク: ウェブの規模がユーザー集約型ディレクトリでは間に合わなくなるほど成長するにつれ、リンクベースの検索アルゴリズムが優勢になり始めた。

  4. リンクと言ってもそういうリンクじゃない: ウェブマスターがリンクの交換・購入・操作をするなかで、リンクベースのアルゴリズムはそうしたリンクの影響を強く受けるようになってしまった。

  5. ロングテールのコンテンツ: こういった時代と並行して、ウェブマスターもグーグル自身もロングテールの長さをより深く理解するようになった。必要に応じて大量の(多くは目立たない)コンテンツを作成し、インデックス化されるようにすることは、両者の利益にかなっていた。

  6. コンテンツと言ってもそういうコンテンツじゃない: おそらくは予想されたことだが(トレンドのパターンが見えてきただろうか?)、検索結果で返されるコンテンツの平均的な質が大きく低下したため、(関連性やウェブサイトのオーソリティとともに)「品質」を評価しようとする形で、機械学習による検索順位決定要因が初めて登場する。

  7. 機械学習: この時点以降、すべては機械学習と人工知能(AI)について模索する日々と言ってよく、現在SEOに従事しているほとんどのマーケターのキャリアにおいてもそれは変わらない。この分野について書くのは大変好きなのだが、また別の機会にしておこう。

SEOの歴史:重要な場面

グーグル以前のSEO時代についても興味深い話はあるに違いないが、それを伝えるのに僕は適任ではない(とっておきの情報がある人は、ぜひコメント欄で教えてほしい)。なので、グーグル時代が始まった頃から話を始めよう。

グーグルの基盤技術

2020年にSEOに参入したばかりの人でも、機械学習による検索順位決定要因については、意外にも参照可能な初期の学術的研究に戻って一読してみることを推奨する。

この当時ウェブを使っていなかった人は、グーグルのPageRankベースのアルゴリズムが当時「最先端」の技術をいかに劇的に改善したかを想像するのは難しいかもしれない(ウェブを使っていた僕たちでさえ、あまり覚えていない)。

グーグルのIPO

さらに「はっきり思い出せない」こととして、グーグルが新規株式公開(IPO)を実施した2004年当時、同社が史上最も収益性の高い企業の1社になると予想した人はほとんどいなかった。

共同創業者たちは当初、広告に対して見下した意見を口にしていたし、キーワードベースの広告をしぶしぶ試していたと言っていい。こうした態度のために、グーグルの社内でも、ほとんどの従業員は自分たちが一体どんなすごいものを作っているのか理解していなかった。

この時代に関して、創業者たちのIPOレターを読んでみることをお勧めする(ダニー・サリバン氏によるこのすばらしい記事を見てほしい。皮肉にも同氏は現在、グーグルの@SearchLiaisonとして活動している)。

当社の検索結果は、われわれが知っている生成方法のなかで最良のものだ。偏向がなく客観的で、検索結果やそこへの表示に対して、あるいは更新頻度を上げることに対しても、金銭の支払いを受けてはいない。

Froogle(現在のGoogleショッピング)への表示には課金していないため、ユーザーは、当社が提供する結果の関連性が高く、偏向もないという確信を持って製品カテゴリーをブラウズしたり、製品を検索したりできる

提出書類フォームS1より

加えて、2011年には米ジャーナリストのスティーブン・レヴィ氏による読みごたえのある著作『In the Plex』が刊行された(邦題『グーグル ネット覇者の真実 追われる立場から追う立場へ』)。この本には、当時グーグルのCEOだったエリック・シュミット氏が(IPO実施の頃に)「隠ぺい戦略」と呼んだものに関する話が書かれている。

秘密を知っていた人々は、(……中略……)それについて黙っているように厳しく指示された

グーグルが隠していたのは、同社がインターネットで利益を上げる仕組みを解明したことだ

グーグルやユーザーだけでなく、オーガニック検索のマーケターにとっても幸いなことに、これは実際のところIPO以前からGoogleが掲げていた純粋な理想と矛盾しないことが明らかになった。というのも、レヴィ氏が指摘しているように、「繰り返し行われたテストで、検索ユーザーの反応は、検索結果ページに広告が表示されていようがいまいが結果に大きな違いはなかった」からだ。ああ、良かった!

すべてをインデックス化する

2003年4月、グーグルはApplied Semanticsという企業を買収し、グーグル史上最も過小評価されているのではないかと僕が思う一連の取り組みに着手した。

Applied Semanticsの技術とグーグル独自のコンテンツ連動型広告技術が統合されて、Google AdSenseが誕生した。AdSenseの売上は常にGoogle AdWords(現名称は「Google広告」)の足元にも及ばないが、SEOの歴史におけるその重要性は軽視できない。

ウェブ上に存在するコンテンツのマネタイズを民主化し、目立たなくてもコンテンツを作成するすべての人が報酬を得られるようにすることで、AdSenseは膨大な量に上るそうしたコンテンツの作成に資金を呼び込んだ。

ロングテール検索で素晴らしい結果を返せる優れた検索エンジンがなかったら、こうしたコンテンツのほとんどは誰の目にも触れなかっただろう。たとえ、ロングテール検索がほとんど行われていなかったり、誰にも知られていなかったりした場合でも、その状況は変わらない。

このようにして、グーグルの検索エンジン(と検索広告事業)は、AdSense事業とともに強力な弾み車となり、最大かつ最も完全なウェブインデックスによって自らを差別化するために必要なコンテンツ作成の資金供給を可能にした。

ただし、この記事で挙げている多くの要因と同様、これは低品質どころか自動生成されたコンテンツという形で化け物を生み出すことにもなり、最終的にはPRの危機や大規模な是正措置につながることになる。

すべてをインデックス化していた時代に興味がある人は、「From the Horse's Mouth」(確かな筋から)のスライド47以降で、これに関する僕の見解をさらに詳しく確認できる。



この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。後編となる次回は、今回に続き、2000年代初頭以降の検索の歴史を振り返る。→後編を読む

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