動画広告市場に関する2016年の予測を、米News Corp傘下の動画広告企業であるアンルーリーが、1月29日に発表した。
日本でも影響がありそうな予測としては、次のような項目がある。
- タテ型動画ブームが到来する
- “音なし”動画コンテンツの展開が進む
- VR(バーチャルリアリティ)が現実的な選択肢になる
「タテ型動画」に関しては、「Snapchat」「Periscope」「Meerkat」など、スマホ向けのビデオ配信プラットフォームが登場したことで、消費者間でタテ型動画が急速に普及。現在、動画広告の29%がタテ型で視聴されているが、ヨコ型動画広告より完全視聴率が9倍も高いという。ここ最近、音楽アーティストのプロモ動画でもタテ型動画が登場しており、今年大きく広がりそうだ。
「“音なし”動画コンテンツ」に関しては、音声が聞こえても聞こえなくてもストーリーを伝えて視聴者とエンゲージできる動画が積極的に展開されるという点で、従来の動画広告からの見直しがあるという。背景には、80.4%と多くの消費者が広告動画を無音で視聴しているという現状がある。すでに一部ブランドは、字幕付き無音動画などを配信し、消費者の反応を調べている。
「VR(バーチャルリアリティ)」に関しては、2016年には「Oculus Rift」「PlayStation VR」などの、バーチャルリアリティ向けヘッドマウントディスプレイがいよいよ発売開始。ボルボ、ザ・ノース・フェイス、ロウズ、マリオットホテル、パトロンといったブランドは、すでにVRプラットフォームを使った360度動画を提供しており、今年は、さらに多くの企業が活用し始めるとのこと。
そのほかでは、以下のような項目があげられている。
- より多様な感情を表現できる、【絵文字】の大流行
- 「強い風刺」「ブラックユーモア」といった、【感情に訴える映画作品の影響】を、広告が受ける
- ウェアラブル端末の普及で、【「自分の状況・行動を定量化する」コンテンツ】作りが進む
- メディア企業やアドテク企業の【提携】が進む
- 【広告ブロックソフト】がさらに一般化する
- 【メッセージングアプリ】への動画広告配信が注目される
また、夏季オリンピック、アメリカ大統領選挙、UEFA欧州サッカー選手権といった巨大イベントによって、2016年には世界の広告費が5.6%上昇するという。とくに米国では大統領選が過熱し、候補者キャンペーンの広告費総額は10億ドルに上ると予測している。
参考リンク
アンルーリー
Web担先生と初心者君のやさしいニュース解説
元LINE社長の森川氏が立ち上げた女子向け動画メディア「C CHANNEL」も、タテ型動画だよね。
ふだんスマホを縦で使ってるんですから、動画もタテ型のほうが自然ですからねー。
「音なし動画」も納得だよね。電車のなかや会社では、だいたい音を出してないからね。
それにしても、動画が多くなりましたねー。
Facebookでは、ユーザーの動画視聴時間を合計すると1日あたり1億時間にものぼるということだ。
へー、すごいですね。
ソーシャルメディアなどで断片的な大量の情報にさらされているユーザーの興味をひこうと思ったら、やはり動画が効くんだろうね。
でも、動画って作るの大変ですよね……。
そうなんだが、昔に比べれば簡単に作れるようになったよ。スマホが1台あれば、とりあえず始められるからね。
確かに……。
※「はじめてWEB」のオリジナル版は掲載を終了しました
「タテ型動画」かー。