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EC売上の49%がモバイルに。購入前の複数デバイス利用も47%と、複数の導線が重要に

モバイル売上比率が高い上位4分の1では、モバイル比率は81%に
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モバイルEC動向に関する調査レポート「モバイルコマースの現状」の2015年第4四半期版を、Criteo(クリテオ)が2月17日に発表した。

日本を含む12か国以上を対象に、「モバイルEC」(スマートフォン/タブレットによる商取引)を中心にオンラインショッピングの最新状況を調査した内容で、Criteoが所有する2015年10月~12月の購買データをもとにしている。

日本のモバイルEC、クロスデバイス使用が顕著に

日本のモバイルECは、全ECにおける取引額の49%を占めた(2015年第4四半期)。前の四半期から2ポイントの上昇だ。

これだけを見るとさほど多くないように見えるが、モバイル売上比率が高い小売業者上位4分の1に限ると、EC売上の81%がモバイル経由だった。

日本の小売分野のeコマースにおけるモバイルのシェア

また、日本でモバイル売上比率が高い製品カテゴリとしては、「ファッション」「美容・健康」「スポーツ用品」などがある。

モバイルECの89%にはスマートフォンが使われており、スマホが購入デバイスとして一般化しつつある現状が明らかとなった。背景には、日本におけるスマホの高い普及率、大画面採用スマホの増加、取引アプリの充実といった面があると見られる。

ECにおけるモバイルECのシェアを国別に見ると、もっとも高いのは日本で、以下イギリス、韓国、オーストラリア、オランダが続く。上位3か国は40%を超えている。

国別のeコマースにおけるモバイルのシェア

47%がショッピングに複数のデバイスを利用

また、オンラインショッピングのあらゆる段階で、クロスデバイス(PC/スマートフォン/タブレット)の使用が進んでいることが明らかとなった。

ここでいう「クロスデバイス」とは、ECで商品を購入したユーザーが、「購入前に」「別のデバイスで」同じ小売業者のサイトを閲覧していたことを指している。

具体的には、日本のECのほぼ47%が、クロスデバイスで行われていた(2015年第4四半期)。

クロスデバイス利用で購入に至ったユーザーを、最終的にどのデバイスで購入したかで分けると、最終購入がPC(デスクトップ/ラップトップ)だったのが55%、最終購入がモバイル(スマートフォン/タブレット)だったのが45%だった。

クロスデバイスのシェア、そのうちのPC/モバイルのシェア(日本、2015年第4四半期)
(ユニバーサルIDやハッシュメールに基づき、複数デバイスでマッチングを行った消費者を含む)

最終的に購入を行ったデバイスごとに、クロスデバイス利用状況をみると、最終購入がスマートフォンの場合で40%、最終購入がタブレットの場合で53%、最終購入がPCの場合で50%がクロスデバイス利用だった。

とくにタブレットユーザーが、購入前に別デバイスで閲覧を行う傾向が強く、単一より複数の導線が効果的だといえる。

最終購入に利用したデバイスごとにみた、購入段階での複数デバイス利用状況
(ユニバーサルIDやハッシュメールに基づき、複数デバイスでマッチングを行った消費者を含む)

ただし、最終購入がモバイルで購入段階でのマルチデバイス利用があった場合でも、その67%が、購入段階でも他のモバイルデバイスだけを利用しており、デスクトップは一切利用していなかった。

日本のクロスデバイス・モバイルショッピングで、購入前のサイト訪問に使われるデバイスのシェア
(ユニバーサルIDやハッシュメールに基づき、複数デバイスでマッチングを行った消費者を含む)

アプリが購入ハードルを下げる、閲覧はブラウザの4倍近くに

また、モバイルECにおけるアプリとブラウザのシェアを比較すると、引き続きアプリが優勢で、全体の54%を占めている。

モバイルショッピングにおけるアプリとブラウザのシェア比較
(eコマースの売上全体の25%超がモバイル経由で、モバイルアプリを使った商取引がモバイル経由の売上の10%を超えている小売業者)

モバイルアプリを使用する購入客はブラウザでの購入客より286%も多く商品を閲覧し、買い物かごに入れる割合がモバイルブラウザよりも90%高くなる。

アプリはモバイルブラウザに比べて、すべてのコンタクトポイントにおいて高い効果をあげているといえるだろう。

コンバージョンレートの比較
(eコマースの売上全体の25%超がモバイル経由で、モバイルアプリを使った商取引がモバイル経由の売上の10%を超えている小売業者)

モバイルECの4つのトレンド

Criteoでは、今後のトレンドとして以下の4つを予想している。

  1. モバイルECの成長は今後も続く
  2. スマートフォン利用はシェアを拡大させ、PC利用に並ぶ
  3. アプリが、小売業界の業績の拡大を加速させる
  4. 顧客データとデバイスデータを活用する高度な戦略で、消費者とのつながりが生まれる

調査データは、CriteoのサイトからPDFとしてダウンロードできる。

参考リンク

Web担先生と初心者君のやさしいニュース解説

初心者君

モバイル売上比率81%ってすごいですね!

Web担先生

1つ目の図の右側だね。あれは「モバイル売上比率が高いほうから上位4分の1」のだから、高いのは当然なんだよね。

初心者君

あ、「売上が高い上位4分の1」じゃないんですね。

Web担先生

なので、とらえ方としては「全体としては売上額の半分弱がモバイルから。ただし、ほぼ完全にモバイル売上中心にシフトしていっているサイトも、それなりにある」ということだね。

初心者君

なるほどー。

Web担先生

あと、「モバイルショッピングにおけるアプリとブラウザのシェア比較」「コンバージョンレートの比較」の図も、モバイル比率がそれなりにあり、アプリからの売上がそれなりにある事業者に限定したデータだというのも、注意が必要だ。

初心者君

ありゃ、んじゃ、都合のいいデータだけ見せてるってことですか?

Web担先生

そうではなく、「全体平均値にすると、本当の姿が見えにくくなるから」と考えるほうがいいかな。

初心者君

というと?

Web担先生

モバイルに力をぜんぜん注いでいなかったら、モバイルからすごく使いづらいから、おのずとモバイルで利用されなくなるよね。

初心者君

そりゃそうですよ。

Web担先生

でも、その企業も、モバイルにもっと力を入れれば、モバイル経由の売上がぐっとあがる可能性がある。

初心者君

あー、だから「モバイルがんばったらこうなるはず」というのを見せてるんですね。

Web担先生

そういうことだね。いずれにせよ、特にB2Cではモバイルの重要性がどんどん高まっているのは間違いないね。

初心者君

当たり前じゃないですか! 何をいまさら。

Web担先生

……。

※「はじめてWEB」のオリジナル版は掲載を終了しました

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