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コンテンツ戦略の基本的な考え方とストーリー作りのポイント

コンテンツ戦略に含めるべき3大要素とそれぞれで考慮すべき項目、そしてコンテンツ戦略で大切な「ストーリー作り」とは

この記事では、Webコンテンツ戦略の基本的な作り方を解説する。コンテンツ戦略に含めるべき3大要素「コンテンツの今・あるべき姿・ガバナンス」と、それぞれで考慮すべき「ペルソナ」「ギャップ分析」「コンテンツ構成」「オフサイトコンテンツ」「ガイドライン」「ワークフロー」などの項目、そしてコンテンツ戦略で大切な「ストーリー作り」について、簡潔に紹介する。

想像してみてほしい――部屋には、クライアントになってもらえるとは思ってもみなかった企業の幹部たちが勢揃いしている。彼らは椅子から身を乗り出して熱く語っている。最高経営責任者(CEO)は質問したがっているように見えるが、明らかに、あなたの進行を邪魔したくないと思っている。

これこそ、コンテンツ戦略担当者が夢見る瞬間だ。

しかし、私のように、慣れない分野の新しさにたやすく圧倒されてしまって、「そもそも、このやり方でいいのだろうか?」と思ってしまう人もいるかもしれない。

そういう人には、『How to Build a Content Marketing Strategy(コンテンツマーケティング戦略の立て方)』や『Content Strategy: You're Doing it Wrong(コンテンツ戦略:間違ったやり方)』など、参考になる記事がたくさんある。さらに、コンテンツ戦略を策定するための包括的なガイドもある。コンテンツ戦略に関する膨大なリソースを集めたサイトも公開されている。また、書籍もある(私のお気に入りは、クリスティーナ・ハルヴォーソン氏とメリッサ・ラック氏の共著『Content Strategy for the Web(ウェブ向けのコンテンツ戦略)』だ)。

とはいえ、誰か他の人の具体的な戦略を覗いて、何か学べることはないか見たくなることもあるだろう。社内SEOとして働いていて、アイデアを出し合える相手がいない場合は特にそうだ。

コンテンツ戦略とはどのようなものか

コンテンツ戦略には、50ページのワード文書から1時間かかるパワーポイントのプレゼンテーションまで、さまざまな形式がある。

これから紹介するコンテンツ戦略に関する私の基本的な考え方と記事の最後で紹介するテンプレートでは、コンテンツ戦略を構成する多くの流動的要素について知ってもらうとともに、ストック写真からSaaSまで、あらゆるコンテンツ戦略のコンサルティングをしてきた私の経験に基づいて、私ならどう戦略を立てるかという一例を示している。

私の戦略を参考にして、次に策定する戦略に取りかかってみるのもいいし、あるいは、他の人がどのように戦略を立てているのか覗いてみるだけでもいい。この考え方をベースとして、あなたなりのテンプレートを作ってみてほしい。

ちなみに、この記事と記事の最後で紹介するテンプレートでは、「クライアント」という言葉を使っている箇所がある。代理店の視点から書かれたものであるためだが、1人の極めて重要なクライアント(つまり上司)のために戦略を立てる社内SEO担当者にとっても、同じように役立つはずだ。

コンテンツ戦略の内容

私のコンテンツ戦略テンプレートでは、コンテンツ戦略の3大要素について調査し、それに基づいて戦略を立てている。その3大要素とは、次の3つだ。

  • 今あるコンテンツの状況
  • コンテンツのあるべき形
  • 作成するコンテンツのガバナンス(いわゆるコンテンツ・エコシステム)

今あるコンテンツ

戦略では、クライアントの既存のコンテンツを評価するとともに、競合相手のコンテンツを深く理解する必要がある。そうした評価の作業には、次のいずれか、またはすべてが含まれる。

  • ペルソナ
  • 関係者のインタビュー
  • コンテンツインベントリ
  • コンテンツ監査
  • ギャップ分析
  • 競合分析

コンテンツのあるべき形

次に、コンテンツによって生じる変化や、その過程で利用できるさまざまなチャネルをクライアントに示すべきだろう。コンテンツはさまざまな場所に存在する。以下はその一部だ。

  • オンサイトコンテンツ
    • トップページ
    • ランディングページ
    • カテゴリーページ
    • 製品説明ページ
    • ブログ
    • エラーページ
    • その他
  • オフサイトコンテンツ
    • Eメール
    • ソーシャルメディア
    • パンフレット
    • パッケージ
    • 送り状
    • ボイスメールメッセージ
    • その他

作成するコンテンツのガバナンス(いわゆるコンテンツ・エコシステム)

最後に、コンテンツを作成する環境、つまりコンテンツのガバナンスについて考えたい。これには以下が含まれる。

  • ブランド、メッセージの内容、文体のガイドライン
  • ワークフロー分析
  • ウェブに載せる文章のベストプラクティス
  • SEOのヒント
  • 編集カレンダー

これらすべての要素に関するさらに詳しい説明や、この種の処理に使える私のお気に入りのツールは、記事末尾で紹介するコンテンツ戦略のテンプレート(英語のみ)を見てほしい。

繰り返すが、これらの情報は、あなたなりのコンテンツ戦略の基本テンプレートを作成するために使ってほしい。戦略はそれぞれ個別に手直しする必要があるだろうが、こうしたフレームワークは、この新しい分野で自分らしさを発揮する助けになるだろう。

コンテンツ戦略の物語を作る

私のコンテンツ戦略の立て方は、(テンプレートにも若干反映されていることに気づいてもらえるだろうが)コンテンツ戦略を物語に見立てる、というものだ。

この点をより深く理解するには、私が先ごろ公開したウェブセミナー「The Storytelling of Content Strategy(コンテンツ戦略におけるストーリー作り)」をチェックしてみてほしい。

基本的に、私が提唱する方法は、フィクションの要素を用いて、目標に向かうブランドジャーニーの新たな視点を得るやり方だ。

物語の5つの要素は、次に示すとおり、コンテンツ戦略の基本に当てはまる。

コンテンツ戦略におけるストーリー作り
ストーリー
主人公
基本設定
理想の結末
かたき役
プロット
コンテンツ戦略
あなたのブランド/顧客
あなたの現在の状況
あなたのビジネス目標
あなたの競合相手
あなたの戦略

1. 主人公はブランドと顧客

コンテンツ戦略の内容は、おもに次の2つに関するものだ。

  • 顧客を獲得するためのブランドジャーニーに関するもの(ブランドが新しい場合や、方向性を見失った場合には有益だ)
  • カスタマージャーニーや、ブランドがどう役に立てるかという点に関するもの

それぞれの例は上述のウェブセミナーを見てほしい。

2. 基本設定はあなたの現在の状況

主人公の出自を知らなければ、戦略に着手することはできない。

初期段階の調査のほとんどは、関係者のインタビューからコンテンツインベントリおよびコンテンツ監査にいたるまで、戦略の出発点を理解することに費やされる。ここから物語が始まるのだ。

その後の成果はすべて、この状況について積み上げた理解を基にして評価することになる。

3. 理想の結末はビジネス目標

ブランドがどの方向に成長したいかを知らずに、戦略を立てることはできない。

目標はブランド自身が設定するべきものだが、ブランドに多少コーチングが必要だと思うこともあるかもしれない。

ビジネス全体の目標とコンテンツの目標は分けて考えると有益だ。両者は関連しているが、中には目標を達成するうえでコンテンツの果たす役割が極めて小さい目標もある(従業員の離職率低減など)。

コンテンツ戦略で具体的な目標を設定すると、コンテンツが大きな役割りを果たす目標(Eメールの開封率向上など)をはるかに詳細に設定することもできる。

4. かたき役は競合相手

最近では、「TAGFEE」(透明、信頼、寛容、楽しさ、共感、非凡)という言葉がよく使われるようになっている。

かつてないほど「TAGFEE」なコンテンツ戦略を立てようとしている場合でも、どこに競合がいて、いかに相手の戦略から学べるかを考える必要があることに変わりはない。

ただし、検索エンジンの仕組みを考えると、ビジネスにおける競合相手とSERPにおける競合相手は別かもしれない点を肝に銘じておこう。欲を言えば、両方の競合相手に対処するコンテンツ戦略が理想だ。

5. プロットは戦略

物語のこの時点で、登場人物や、機能しているものと機能していないものは明確になっているはずで、これらの目標を達成するために前進するにはどうすればいいか、いくつかアイデアも浮かんでいるだろう。

戦略を立てる際、私は小説のプロットを仕掛けるように考える。それぞれの戦術やチャネルは、ブランドを目標に近づけるための手段だ。

  • その過程で、どういった障害に直面するだろうか?
  • 同じ分野で競合する相手は誰だろうか?
  • 相手はこの戦術やチャネルをどう使いこなしているだろうか?
  • コンテンツの力を借りて目標を達成し、ハッピーエンドを迎えるにはどうすればいいか?

そういったことを考える。

コンテンツ戦略を自分のものにする

ではここで、テンプレートをダウンロードして、コンテンツ戦略で伝えようとしている物語を確認してみよう。

※Web担編注 残念ながらこのテンプレートは日本語訳できていない。今後機会があれば、日本語版も提供するようにしたい。

提示しようとしている戦略に確信が持てたら、会議室にいる幹部全員の注目を完全に引き付けることができる。さらに、運がよければ、幹部たちは友人にもあなたのことを話してくれるだろう。

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