ネット広告関係者必見「デジタル広告詐欺の実態:ボットの現状」(全57ページ)を日本語で全公開
今日は、ネット広告の業界の人には必見の内容。ネット広告で、ボットに対する広告インプレッションによって、広告主のネット広告費がどの程度浪費されているのかに関する、全米広告主協会による調査レポートを日本語化しました。
レポートの後半には、広告主や広告関係者が、どうすればこうしたボットによる広告費搾取の詐欺被害を減らせるかを解説した内容もありますので、ぜひご覧ください。
以前にこのコーナーで記事としてお伝えした内容の完全版レポートを日本語化したものです。全米広告主協会とWhite Opsが協力し、全36社、181キャンペーンの、55億インプレッションに対して、広告インプレッションのボットによる消費(広告詐欺、ad fraud)がどの程度発生しているかを調査し、レポートとしてまとめたものです。
概要を記事としてはお伝えしましたが、その内容から、全文をお届けするべきだと判断し、全米広告主協会の許諾を得て、日本語版を作成したものです。
個人情報の入力など必要なく、リンククリックでそのままダウンロードできますので、広告主側でネット広告に携わっている方、ネット広告業界で働いている方、みなさんご覧ください。
レポートは、次のような目次で構成される、全57ページの内容で、すべて日本語化しています。
- 調査の概要
- ボットがデジタルメディアに及ぼす影響
- 思い込みは禁物:プレミアムサイトもボットの餌食に
- メディアサプライチェーン全体から見たボットの発信源
- ボットと人間の混在:ボットへのターゲティング、指標値の偽装
- ボット提供者の逃げ道:調査の回避
- ボットだけが愛用するサイト
- パブリッシャーも被害者に:広告インジェクション
- ボット詐欺の撲滅に向けて:行動の呼びかけ
- 付録A: 用語集
- 付録B: 制約・制限事項
- 付録C: 調査にご協力いただいた外部企業
- 付録D: 契約条項の例
もちろん、この調査は米国におけるもので、日本はまた状況が違うでしょう。特に、大きな広告詐欺のソースになっている「トラフィック誘導」については、日本ではほとんど耳にしません。
こうした「悪意のある者がボットを利用して、成果が出ないインプレッションに対して広告費を得る」ことに対して語られることは、日本ではこれまで、ほとんどありませんでした。
米国でも、こうした大規模な調査が行われたのは、今回が初めてだと思われます。
日本でも、そろそろ、この問題に目を向け、業界として取り組んでいくべきなのではないでしょうか。
グーグルやヤフーといった大規模なプラットフォーム事業者は、表では大きな声で言わなくても、実際には広告詐欺への対処を行っているはずです。
しかし、いまやネット広告というと、アドワーズやYahoo!プロモーション広告だけでなく、さまざまなDSPやアドエクスチェンジを介して配信していることが多いでしょう。そうしたネットワークでは、グーグルやヤフーほど対策がされているとは思えません。
「コンバージョン込みのROASで見ているから大丈夫」という場合でも、こうした問題に対処すれば、そのROASがさらに改善する可能性もあるはずです。
まずは広告主の方、代理店の方、サービス提供事業者の方が、こうした問題が日本でも起きている可能性があることに目を向け、意識するようにしましょう。
そして可能ならば、日本でも同様の調査を行うようにしたいものです。問題があるのならばそれを明確にするべきですし、問題がないのならば不要な心配をしなくてもいいということで安心できますからね。
米国では全米広告主協会とWhite Opsが調査を行いました。さて、日本では、どういう体制で調査を行うのが良いのでしょうかね。
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