初代編集長ブログ―安田英久

Webコンテンツの正しい『かっこの付け方』教えます

かぎ括弧、二重かぎ括弧、隅付き括弧などの「括弧」の使い方や三点リーダー、ダーシなどの約物の使い方の基本を解説
Web担のなかの人

今日は、Webコンテンツ編集の話題を。「カッコの付け方」と言っても、格好良いコンテンツの作り方ではありません。かぎ括弧、二重かぎ括弧、隅付き括弧などの「括弧」の使い方や三点リーダー、ダーシなどの約物の使い方の基本を解説します。

リリースでもWeb記事(ブログ記事)でも、編集者から見ると「括弧」の使い方がよろしくない文章が、結構あります。そこで、基本的な括弧の使い方を解説します。

(タイトルに「正しい」とありますが、実際には「正しい」「正しくない」を論じているわけではありません、詳しくは記事末を参照)

二重かぎ括弧は使い方が決まっている。基本はかぎ括弧で

最も多い(と感じる)括弧のよろしくない使い方は、使うべきでないところに二重かぎ括弧『』を使うことです。

リリースや記事のタイトルなどで二重かぎ括弧を使っているのは、おそらく目立たさせようとしているのでしょう。

でも、何もなければ通常のかぎ括弧「」を使うのが原則です。

二重かぎ括弧は、以下のような場合にのみ使うものです。

  • かぎ括弧の中にかぎ括弧を入れる入れ子にするとき
  • 書籍・雑誌・新聞や作品集、映画のタイトルを示すとき

小説などでなければ、原則として上記以外に二重かぎ括弧は使わないと覚えておきましょう。

私はこんな話を聞いた。

(中略)

今から十年以前と今日とを比べると、卒業生の心組みに大変な差異が認められるのです。(中略)卒業間際になると、訓えるどころか先生何か仕事はないでしょうかと頼みに来る。(後略)

相馬愛蔵『私の小売商道』より

この間の消息は愚妻の自伝的随筆集黙移――本年六月出版――中に彼女が詳しく語っている。

相馬愛蔵『私の小売商道』より

隅付き括弧は強調に使う、ただし使いすぎに注意

括弧には「隅付き括弧【】」というものもあります。こちらは使うルールが決まっているわけではなく、「強調したいときに使う」ものです(辞書などでの用法を除く)。

ですから、強調したいときは、二重かぎ括弧ではなく隅付き括弧を使うべきですね。

とはいえ、こちらも使いすぎるとよろしくありません。本当に使うべき場合に限定して使うのがいいでしょう。

それ以外にも、「波括弧{}」や「角括弧[]」などさまざまな括弧がありますが、これらも決まった利用法があるわけではありません。丸括弧()の中で丸括弧を使うときにこれらの括弧を使うことがあるようですが、それ以外の目的では原則として使わないようにするのがいいでしょう。

三点リーダーとダーシは2つ重ねて使う

ほかに気になるのは、「三点リーダー(…)」と「ダーシ(―)」の使い方です。

これらは日本語の文章では、余韻を示したり、補足のための区切りを示したりといった用途で使うのですが、基本的に1つで使うことはありません。

三点リーダーとダーシは、基本的に2つ重ねて使いましょう。「……」や「――」ですね。

私の店でしている事は――今ではまだなっていないが、私は自分の店の商売経営が、出来ることなら、模範的に、むしろ芸術的に、世界のどこにも負けないものにしてみたいと思っている。

相馬愛蔵『私の小売商道』より

それもそのはず店では専門の料理人がつき切りで世話をやくのに、自宅の方はなれぬ女中がつくるのであるから……夏になると家族は行かなくても、店員達は全部を二度ずつ鎌倉の別荘へ海水浴にやることにしている。

相馬愛蔵『私の小売商道』より

ちなみに、記者・編集者のバイブルでもある共同通信社『記者ハンドブック』では、これらの記号を2つ重ねることは記載されておらず、用法でも単体で使うよう示しています。

おそらく新聞という限られた紙面を前提としていることとが大きな理由なのではないかと思われます。

疑問符と感嘆符のあとは、スペースを空ける

疑問符(?)と感嘆符(!)の使い方に関しても、気になることが多いですね。

というのは、疑問符や感嘆符の直後には空白を1つ入れることが基本ルールになっているからです(行末や直後に閉じ括弧がくる場合などを除く)。

まよって日本では商品切手なるものが非常に流行していると説明したところ「商品切手 紙幣じゃありませんか。そんなものを贈り物にしたら貰った人が怒るでしょう」と云われたのには赤面しました。

相馬愛蔵『私の小売商道』より

幻想、まったくだ わたしは自分の医者を馬鹿呼ばわりしているが、それでもなお、

キップリング Rudyard Kipling 岡本綺堂訳 世界怪談名作集 『幻の人力車』より

「ジャック!」と、彼女が微(かす)かにひと声叫んだのを耳にしたような気がしたが、

キップリング Rudyard Kipling 岡本綺堂訳 世界怪談名作集 『幻の人力車』より

ただし、これらは「ルール」ではありません

と説明しましたが、これらの決まりは、プログラミング言語のような「こう記述しなければいけない」というルールではありません。日本語の歴史のなかで、今はそういう記述をするようにしているというだけです。暗黙のルールですね。

たとえば「くぎり符号の使ひ方」(文部省、昭和21年)なんて資料もあり、今でも参考になる内容ではありますが、それとて上記のようなことを「決まり」として定めているわけではありません。

ですから、どの書き方が正しくて、どの書き方が間違っているというものではありません。特に二重かぎ括弧なんて、書き手によってさまざまな使い方があります。

ただ、「基本のお作法」を理解したうえであえて崩すのと、そうしたことを何も知らずに自由に書くのとでは、やはり前者のほうが良いですよね。

また、「だれかに伝える」ことを目的に文章を書くならば、その受け手が前提としている可能性のあるルールに従った形にしておくのは、良いことですよね(少なくとも記者や編集者は、おかしな書き方をしているリリースや記事を目にすると、少しだけため息をついてから読むような人種です)。

日本語の括弧や記号のルールを少しだけ、知っている人が増えてくれるとうれしいです。

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