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ローカルSEOのクチコミへのいいね👍スパムについてGoogle担当者に直接聞いてみたら……!?

Googleマイビジネスのビジネスプロフィールでは、投稿されたクチコミ(レビュー)に「いいね!」できる。これをスタッフ100人に押させるとどうなるのだろうか?

Googleマイビジネスのビジネスプロフィール(GBP)には、1件あたり35個以上のコンポーネントがあった。ホテルのリスティングは、それ自体に情報量が多くて把握しきれないが、より「一般的」なGBPでさえ、下部にある機能は見落としやすい。多くの場合は、必要に迫られない限り、無視していることもある。

数週間前、ローカルSEOの担当者が、実際にあった興味深い話を持って私のところへやって来た。次のような件だ。

ある企業が、代理店のスタッフ全員に対し圧力をかけている。

その圧力とは、次のようなものだ:

グーグル上で自社ブランドに寄せられたすべての好意的なクチコミ(レビュー)に対して『いいね』ボタンをクリックするように。

クライアントはおそらく、それが何らかの形で自社のビジネスに役立つと考えたのだろう(このシナリオの詳細については後述する)。

私は最初、GBPのクチコミ機能自体をあまり重要でないものとして頭の片隅に押しやっていた。しかしこの話によって、クチコミ機能と向き合うことになった。

そこで私は数日かけて、次のようなことをより詳細に観察してみた:

  • クチコミの「いいね」ボタン
  • その使用や悪用
  • それに関する業界の意見

ごく小規模な調査を実施し、アンケートを実施し、グーグルの担当者3人に話を聞いた。こうしたことから私が学んだことを、この記事で皆と共有していきたい。

Googleマイビジネスのビジネスプロフィール(GBP)における、クチコミの「いいね」ボタンとは?

本題に入る前に、そもそも「いいね」ボタンとは何だろう?

簡単に説明しよう。2016年に導入されたこのシンプルな機能を使うと、グーグルアカウントにログインしている人ならだれでも、気に入ったクチコミに「いいね」をクリックできる(「いいね」と反対の意思を示して親指を下に向けたサムダウンの機能は存在しない)。

同じアカウントから、同じクチコミに対して「いいね」をクリックできるのは1回だけだ。ボタンを2回クリックすると、「いいね」が反転して無効になる(取り消される)。

グーグルは、クチコミ対象のビジネスのオーナーを含め、ボタンをクリックできるユーザーを限定していない。

グーグルのクチコミの「いいね」は何か効果があるか?

一見したところでは、グーグルのクチコミの「いいね」は何かに影響を与えているだろうか?

私は、同じチームのキャメロン・ジェンキンスと一緒に、20件のローカルビジネスをまったく無作為に選んでスプレッドシートに抽出した。これらのGBPのフロントインターフェースには、合計60件のクチコミが表示されている。

グーグルはGBPにクチコミを3件だけ表示しているが、私は次の2つのことを知りたいと思った。

  • 20件のビジネスのうち、GBP内のクチコミに対して「いいね」がクリックされているビジネスは何件あるか?

  • 「いいね」がクリックされたことで、グーグルがGBPのトップに表示しているクチコミの選択に影響を及ぼしたとみられるか?

この調査はごく小規模なものであり、規模を拡大して行うべきなのは確かだが、以下に私が確認できた結果をまとめた。

少なくとも1回は「いいね」されたビジネスの割合は?
「いいね」が少なくとも1回された:60.0%
「いいね」は1回もされていない:40.0%

GBP内のクチコミに対して「いいね」が少なくとも1回クリックされたブランドは、60%にのぼった。

「いいね」されているクチコミがビジネスプロフィールのトップに表示されているか?
「いいね」されたクチコミを表示した:85.0%
「いいね」されたクチコミは表示されない:15.0%

GBP内のクチコミに対して「いいね」がクリックされているビジネスでも、「いいね」が0件のクチコミだけが表示される割合は15%だった。

しかし、「いいね」が何回かクリックされているビジネスの場合、「いいね」が少なくとも1回クリックされているクチコミがGBPのトップに表示される割合は85%だった。

一見したところ、グーグルがどのクチコミを表示するかという点で、「いいね」がクリックされたクチコミは有利なようにみえる。これは、リスティング上で「いいね」がクリックされたクチコミの内容が肯定的なものかそうでないかによって、プラスのシナリオにもマイナスのシナリオにもなる。

そしてこれが、次のテーマにつながる。

クチコミの「いいね」機能の使用に関するグーグルのガイドラインは?

あまり期待しないでほしい。なぜなら、そのようなガイドラインは存在しないことがわかったからだ。

グーグルがこの潜在的影響力のある機能を導入してから3年が経つが、私がグーグルに確認したところ、この機能を使って何をすべきかや何をすべきでないかについて、実際には何も公開されていないということだった。

それではスパムを野放しにしているようなものだと思うかもしれない。もっともだ。

そういうわけで、正式なルールはなかったので、私は次善の策を探さなければならなかった。ツイッターのアンケートを利用することにしたのだ。

私は、クチコミに「いいね」をクリックしてもらうために金銭を支払おうとするクライアントの話をしてくれたSEOエージェンシーのことを考えていた。私は自分のフォロワーにこう尋ねた。

Miriam Ellis@Miriam_Ellis_)(6月18日)

#LocalSEOアンケート:

ビジネスオーナーが、グーグルに書き込まれた自社への好意的なクチコミに対して、関係者(従業員やマーケター)に「いいね」ボタンをクリックさせても問題ないと思いますか?

32% ダメ、それはスパムになる
53% はい、まったく問題ない
15% わからない

111票(最終結果)

ガイドラインはないため、当然のことながら、回答者の111人のうち15%は、ブランドのクチコミに対してスタッフやマーケターに「いいね」をクリックさせることが問題かどうかを判断できなかった。過半数の53%はまったく問題ないと答えたが、それをスパムと考える回答者の割合も32%にのぼった。

後者の人たちからは、続いて次のような意見が寄せられた。

「いいね」を「買い取った」みたい。ユーザーの役には立たない。気持ち悪い。

従業員に強制するのは、スパムよりタチが悪いかもしれない。

Tess VoecksさんやGyi Tsakalakisさん、そしてアンケートに参加してくれたすべての人に感謝したい。この後の成り行きをみると、こうした意見の相違は特に興味深いものになると思う。

グーグル担当者の判断は?

業界内でアンケートを取った後、私は電話、チャット、ツイッターの3つの手段でグーグルのサポートに問い合わせた。

クチコミに対して「いいね」をクリックするのに金銭を支払うことがスパムに当たるかどうか

この疑問について、SEO担当者に意見の相違があるかもしれないのは興味深いところだ。しかし残念なことに、この件については、グーグルのスタッフもブランド全体でコンセンサスがあるわけではなかった。

3つの窓口での対応は、以下の通りだ。

①グーグルの電話担当者の判断

グーグルの電話担当者は最初、「いいね」ボタンについてよく知らないようだったので、私からどういうものか説明した。それから、ビジネスオーナーがブランドのクチコミに対して「いいね」ボタンをクリックするのは問題ないか聞いてみた。

すると彼女は「問題ない」と明言した。これは意外でもなかった。

しかし、別の人に金銭を支払って同じ行為をしてもらうことについて尋ねたところ、次のようなやり取りとなった。

グーグル担当者

クチコミに対して、オーナー以外のだれかが「いいね」をクリックした場合、スパムとはみなされません

Miriam Ellis氏

ビジネスオーナーが従業員やマーケターなどにお金を払って、自社のクチコミに「いいね」をクリックさせている場合はどうですか?

グーグル担当者

スパムとはみなされません。

Miriam Ellis氏

そのようなケースでも?

グーグル担当者

はい。

②グーグルのチャット担当者の判断

次に、グーグル担当者とチャットでやり取りしたときのやり取りを紹介する。

Miriam Ellis氏

私はグーグルの担当者から、ビジネスオーナーが受け取った肯定的なクチコミに自ら「いいね」をクリックしても問題ないと言われました。

しかし、これらのクチコミに対してオーナーがスタッフや友人、またはマーケターにも「いいね」をクリックしてもらうことについて、グーグルの見解はどういうものですか?

複数の人にクチコミの「いいね」をクリックしてもらう行為を、グーグルではスパムとみなしますか?

グーグル担当者

だれでもクリックできます。スパムとはみなされません。

Miriam Ellis氏

では、受け取った肯定的なクチコミに対して、ビジネスオーナーがスタッフ100人に「いいね」をクリックさせても、問題はないのですか?

グーグル担当者

100人になると多いので、事情は変わってきます。

スパムになる可能性があります。

そうした行為はページに対してよくない結果を招くかもしれません。そのビジネスがすでにそのような好ましいクチコミを得ているのであれば、そうした状況になるのはまったく望ましくありません。

もちろん、そうしたければしてもらって構いませんが、推奨はしません。

最後の回答はむしろ愉快だった(つまり、「やりたければ、どうぞご自由に。ただ、私ならやらないけど」ということだ)。

③グーグルのツイッター担当者の判断

最後に、いつも有益な情報が得られるグーグルのツイッターでのサポート担当者と話した。

Miriam Ellis氏

こんにちは!クチコミについて質問があります。クチコミの「いいね」ボタンは、どういう人たちがクリックすると想定されているかという質問です。

クリックできるのは顧客だけですか、それとも、肯定的なクチコミを受け取ったビジネスオーナーが「いいね」をクリックしてもいいのですか?

また、グーグルはこの「いいね」機能の使用に関するガイドラインへのリンクを公開していますか? この機能が2016年に公開されて以来、何も見つけられないでいます。

ご回答よろしくお願いします!

グーグル担当者

ミリアムさん

お問い合わせありがとうございます。「いいね」ボタンは、そのビジネスについて書き込まれたグーグル上のクチコミに対して「いいね」と思ったお客様とビジネスオーナーの両方にご利用いただけます。

現時点で、この機能について説明したページはありませんが、クチコミに対して「いいね」をするには、Googleマップ上のクチコミに直接移動して、サムアップアイコンをクリックしてください。

さらにご質問がある場合はお知らせください。

カム

Miriam Ellis氏

カムさん、ご回答どうもありがとうございます!

そうすると、スパムの問題が出てきます。

私は、ビジネスオーナーから「従業員にも『いいね』ボタンをクリックさせるべきか」と尋ねられました。

代理店からは「クライアントに寄せられた肯定的なクチコミに対して『いいね』ボタンをクリックするべきか」と尋ねられました。

そうした行為には問題があると私には思えるのですが、そのような行為に対してグーグルは公式の見解を定めていますか?

グーグル担当者

ミリアムさん

お問い合わせ件数が急に増えたため、ご回答が遅くなり申し訳ありません。通常なら、これほどお待ちいただくことはありません。

さて、グーグルでは自動スパム検出機能を利用して、スパムと思われるクチコミを削除しています。ほとんどの場合、「いいね」の数が短期間で急激に増えたクチコミは、スパムの疑いを招く可能性があります。

こうした状況に該当すると思われる場合は、対象のクチコミをご報告いただければ、当社の専門家チームが調査します。

フリップ

グーグル担当者の回答を整理すると

3つのチャネルでそれぞれ得られた情報をまとめよう。

  • グーグルの担当者のうち1人は、他の人にお金を払ってクチコミの「いいね」をクリックしてもらっても大丈夫だと言った(おやまぁ!)。

  • しかしあとの2人はそのような行為に対して警告を発した。

公式のガイドラインはないとのことなので、ここでは多数決を採用し、私たち独自のガイドラインをまとめてみよう。

クチコミの「いいね」機能の使用に関する私製ガイドライン

これまでにわかったことに基づき、私から以下のような提案をしたい。

  1. ビジネスオーナーとして、うれしいクチコミを受け取ったら、迷うことなく「いいね」ボタンをクリックしよう。

    Googleマイビジネスのビジネスプロフィールで人目を引く「トップ」に表示される可能性が高まるかもしれないし、そうでなくても、オーナーからの返信を書き込むこととあわせて、顧客に「ありがとう」の気持ちを伝える手段になる。

    うれしいクチコミが届いたら、感謝の気持ちを込めて「いいね」ボタンをクリックしよう。これに議論の余地はない。

  2. 関係者に対し、自社ブランドのクチコミの「いいね」をクリックするよう求めない。

    ここで言う関係者とは、次のような人のことだ:

    • 従業員
    • マーケター
    • 従業員の扶養手当を当てにしている人たち

    グーグル担当者3人のうち2人がこれがスパムになるということで意見が一致しており、私のアンケートに回答してくれた人も32%がスパムに当たると考えていた。

    「いいね」を買収するのは、クチコミを買収するのと同じくらい嘆かわしい戦略だ。その行為が見つかって、築き上げたいと願っているまさにその評判が傷つけられるおそれがある。リスクを負うだけの価値はない。

  3. 競合他社への否定的なクチコミに対し、Googleマイビジネスのビジネスプロフィールで目立つように表示されることを期待して「いいね」をクリックしたくなる誘惑に負けてはいけない。

    そういうことはやめよう。私はこの点についてグーグルに具体的に尋ねることはしなかったが、これがうまいやり方だと考えたりする恥知らずな連中の仲間入りはしたくないだろう。

  4. 肯定的または否定的なクチコミに対して、だれかが意図的に「いいね」の数を増やそうとしていることが疑われる場合、グーグルのツイッター窓口担当者はそのクチコミを報告するよう提案していた。

    それも1つの方法だが、グーグルが実際に対応するかはあまり期待できそうにない。ただ、試してみることはできる。

ローカルブランドにとって、クチコミの「いいね」はどの程度優先すべきものか?

クチコミに対する「いいね」の優先順位は、ローカル検索マーケティングの取り組みという規模からすると、大局的にみれば低いと思う。すでに述べたように、私は人々がスパム行為によって賞賛を買い取ろうとしているとの現実に直面するまで、ここ数年にわたりこの機能にあまり注意を払っていなかった。

ブランドとして評判に重きを置いている場合(そうあるべきだ!)、私だったら、こうした「いいね」の数という小さなことを気にしすぎるよりも、次のようなことに多くのリソースを投じるだろう:

  • 店頭での優れた体験の創出
  • クチコミの獲得と管理
  • センチメント分析

ただし、時間に余裕があって、評判について深く追求できるなら、自社ブランドのクチコミに対して、次のようなことを分析してみるのも面白いかもしれない:

なぜ特定の種類のクチコミで「いいね」がクリックされるのか

それを積み重ねるためにできることはあるか

エンゲージメントを示すことが唯一の理由だとしても、肯定的なレビュアーには、うれしいフィードバックに対して「いいね」をクリックすることで、相手に報いることもできる。

あなたの見解はどうだろう? クチコミへの「いいね」について、私が知っておくべきことは何かあるだろうか? ぜひコメント欄で共有してほしい。

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