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非店舗型ビジネスのローカルSEO ―― 実店舗のないビジネスのためのローカルSEO【2021年版】(中編)

非店舗型ビジネスのローカルSEOを、「ローカルマーケティング」「オーガニックマーケティング」「ペイドローカルマーケティング」に分けて解説する。
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この記事は、前中後編の3回に分けてお届けしている。今回から、それぞれの非店舗型ビジネスモデルについて、ローカルSEO戦略を見ていく。中編ではまず、「非店舗型ビジネス」について説明する。 →まず前編を読んでおく

1. 非店舗型ビジネスのローカルSEO

Image Credit: Nacho

所在地を公開していない非店舗型ビジネスには、ローカルマーケティングの機会が豊富にある。実際に、2020年のグーグルのガイドライン更新によって、非店舗型ビジネスには以前よりも好都合なシナリオができた。

ここでは、非店舗型ビジネスのマーケティング活動を次の3つのセクションに分けて解説していく:

  1. ローカルマーケティング
  2. オーガニックマーケティング
  3. ペイドローカルマーケティング

1-1. 非店舗型ビジネスのローカルマーケティング

成功への道の第1歩は、グーグルが非店舗型ビジネスに対して特に求めていること(こちらこちら、どちらもリンク先は日本語説明)を理解することだ。全文を読むべきだが、特に重要なポイントを抜き出してみる。

対面の接触が必要

ガイドラインでは、非店舗型ビジネスがGoogleマイビジネスのリスティングの資格を満たすには、お客との対面の接触がなければならない

とはいえ、COVID-19が蔓延しているあいだは、接触がないサービスへの移行で資格を失う心配はしなくてよい。マーケティングしているビジネスが家の塗装や食事のデリバリーなら、ソーシャルディスタンスを守っていてもやはり非店舗型ビジネスだ。グーグルはこの点がもっと明確になるようにガイドラインを更新する必要があるだろう。

住所を非表示にすることが必要

非店舗型ビジネスはGMBのリスティング作成にあたり、オーナー確認のために住所を登録する。自宅住所でも倉庫の場所でも、一般の人に訪ねてきてほしくないその他の施設でも、なんらかの住所がなければならない。

それでいて、グーグルのガイドラインによると、非店舗型ビジネスのリスティング作成時には、住所を表示しないように設定しなければならない。新しいビジネスリスティングの設定時に「店舗やオフィスなど、ユーザーが実際に訪れることができる場所を追加しますか?」という質問に「いいえ」と答えれば、グーグルが自動的に住所を非表示にしてくれる。

ビジネス側がこの要件に反対する理由はたくさんある:

  • 住所の非表示がビジネスリスティングのローカル検索順位に影響するのかを巡っては昔から議論がある。

  • 順位への影響がなかったとしても、住所が非表示のビジネスリスティングだと、実店舗のリスティングと異なりグーグルマップにピン/マーカーが表示されない。視覚効果の点で明らかに不利だ。

  • 公開住所がないことは、本当に地元のビジネスだとお客が信頼するのかにも影響する可能性があり、通話やリードの獲得にマイナスになるおそれがある。

とはいえ、グーグルの姿勢は「非店舗型ビジネスは住所を非表示にすべし」というものだ。以前に住所を公開した非店舗型ビジネスは、GMBのダッシュボードから住所を削除すること。

サービス提供地域の設定が可能

以前のGMBのリスティングには、サービス提供地域を半径で設定する機能があった。しかし、新しいリスティングでは、非店舗型ビジネスのサービス地域を表すには都市名か郵便番号を入力しなければならない。こうした地点は最大で20か所まで入力できる。サービス提供地域は、ビジネスの拠点から車で2時間程度の範囲に収まるようにしなければならない。

サービス提供地域として入力した内容が何らかの形でローカル検索順位に影響することを明らかにした研究はまだない。サービス提供地域の設定を選ぶなら、それは顧客の便宜のためだ。

モデルによっては複数のリスティングも可能

マーケティングする非店舗型ビジネスに拠点が複数あるのならば、複数のビジネスリスティングが許される。ただし、次のような場合に限る:

  • 各拠点が互いに2時間は離れている
  • 各拠点のスタッフが異なる
  • サービス提供地域が重ならない

可能なら拠点ごとに電話番号を用意することを強くおすすめする。

このトピックにまつわるこれまでの混乱を要約するすばらしい仕事を、ジョイ・ホーキンズ氏が成し遂げている。グーグルはかつて、「非店舗型ビジネスは1つの州に1つまでしかビジネスリスティングを作れない」と主張しながら、この規則をフランチャイズに適用している様子がなかったのだ。2時間という条件が新たに加わったことで、ガイドラインは改善されより明確になった。

とはいえ、非店舗型ビジネスが提供サービスごとに複数のビジネスリスティングを作成するのは禁止されている。たとえば、HVAC(暖房、換気、空調)の会社が「ヒーターの修理」と「エアコンの修理」でビジネスリスティングを別々に作ってはならない。この場合、グーグルは1つのブランドと見なすので、1つのビジネスリスティングしか作れない。

非店舗型ビジネスのその他の注意点

最後にいくつか覚えておくべき点を挙げる:

  • グーグルは大きな新興分野であるゴーストレストランを非店舗型ビジネスに分類しており、ゴーストレストランにはこれまで説明してきたすべてのガイドラインが適用される。

    ※Web担編注 「ゴーストレストラン」とは、客席がなく宅配だけでサービスを提供するスタイルのレストラン、
  • 非店舗型ビジネスのGoogleマイビジネス(GMB)リスティングからのリンク先は、次のどちらでもいい:

    • ビジネスのウェブサイトのトップページにする
    • その地域に合わせたランディングページにする

    ページオーソリティはトップページがいちばん高いのが一般的なので、前者は検索順位の上昇につながるかもしれない。顧客のユーザー体験は後者の方が優れているだろう。

  • GMBのダッシュボードでサービスのメニューを作成できるのを忘れてはならない。マーケティングするビジネスが提供しているさまざまなサービスをすべて書きだそう。

  • グーグル以外に目を向けてみると、ほかのローカルビジネスのリスティングプラットフォームは、非店舗型ビジネスのリスティングは住所が非表示にしなければならにというややこしいことを言っていない。これはうれしいところだろう。

    ほかのサイテーションサイトでは、そのサイトが特に禁止していない限り、望むなら自由に住所を表示できる。これを活用して、本当に地元のビジネスであることを検索ユーザーに証明しよう。

  • 住所を公開したくない場合、住所を非表示にできるディレクトリのリスト掲載にはMoz Localが役立つかもしれない。

1-2. 非店舗型ビジネスのオーガニックマーケティング

当然ながら、非店舗型ビジネスはできるだけ質の高いウェブサイトを公開するように努めるべきだ。実店舗型ブランドとまったく同じでモバイル対応のセキュアなウェブサイトが必要だし、そこには次のものが欲しい:

  • すばらしいユーザー体験
  • 強力なサイト内リンク構造
  • 消費者中心の説得力があるコンテンツ

時間をかけて被リンクを獲得し、ドメインオーソリティを着実に向上させたい。可能な限り多くの重要検索語句で検索順位のできるだけ上位を獲得しよう。

非店舗型ビジネスのオーガニックマーケティングで混乱してしまう部分はたいてい、ランディングページの考え方に関係している。これはSEOのフォーラムで常に議論されるテーマなので、ここで詳細に見ていこう。

実店舗型モデルでは、店舗ごとにランディングページを作るのがベストプラクティスだ。この場合、ランディングページは、店舗のある場所に結びついたニーズに合わせたコンテンツを作成し、地元のオーディエンスに提供することを目指す。そうすることで検索順位は自然と上がり、複数拠点を持つモデルのGMBリスティングで、ランディングページのURLとして使える。

複数のオフィスがある非店舗型ビジネスは、お客がオフィスに来ることはないとしても、地元であることの証明として同様のページを作成してよい。

では、拠点のある場所に縛られることなく広範囲にサービスを提供する非店舗型ビジネスはどうすればいいのだろうか? サービス提供地域ごとにその地域に向けたランディングページを作るべきなのだろうか?

答えはイエスだ。非店舗型ビジネスは、見てもらいたいものが都市ごとに異なる場合や、サービス提供の対象をある程度の範囲に限定している場合には、サービス提供地域ごとのランディングページを作ることを考えるべきだ。

たとえば、サンフランシスコ湾岸地域の家屋塗装業者は、たとえオフィスを置いていないとしても、「サンフランシスコ」「オークランド」「バークリー」「サンマテオ」「ミルバリー」といった都市については個別にランディングページを作り、いずれも各都市で塗装した家を取り上げてコンバージョン率が高い美しいページにするといいだろう。都市ページごとに、それぞれ次のようなコンテンツを掲載するのも良いかもしれない:

  • その都市でのプロジェクト紹介
  • その都市の設計スタイルの歴史の情報
  • その都市のお客の喜びの声
  • 都市ごとの細かい気候条件に基づく住宅メンテナンスのコツ

こうしたページをよく考えて作ることで、検索上位の獲得も顧客のコンバージョンも可能になるだろう。

非店舗型ビジネスのマーケターが避けたほうがいい点を2つ挙げる。

  • 都市が異なっても実際にはサービスや顧客に大きな違いはないからといって、サービス提供地域のランディングページとしてまったく同じかそれに近いページを作成するのは避けるべきだ。

  • 所在地が1つだけの非店舗型ビジネスが、10を超える郡や州をまたがるような広い範囲で検索上位を獲得するため、膨大な数のランディングページを作るのは避けるべきだ。

顧客からみて妥当なアプローチを選び、顧客の疑問に答え、顧客のニーズを満たすコンテンツの作成に力を入れることだ。そういったページに対するサイト内リンク構造をしっかり構築し、良質な被リンクの獲得に努めよう。希望する重要検索語句のオーガニックなローカル検索結果の順位を追跡しよう。

1-3. 非店舗型ビジネスのペイドローカルマーケティング

非店舗型ビジネスのマーケティングをしている人は誰もが知っていることだが、サービス提供地域全体で検索上位を獲得するのは難しい。これはグーグルがユーザーとビジネスの距離の近さを重視することが原因で、以前からの大きな泣き所だ。非店舗型ビジネスは、ルールは別に用意されているものの、実店舗型のお店と同じように扱われる部分が多いままで、検索順位決定にはたいてい拠点の住所が重視される(表示されない住所だ!)。

ローカルマーケティングやオーガニックマーケティングの取り組みでは、サービス対象地域の全体で必要なビジビリティを獲得できない場合は、グーグルのローカルサービス広告にお金を出してそのギャップを埋めることができる。

マーケティングするビジネスの業界と地域が対象となっているのなら、カバーしたいサービス提供地域でやりたい仕事の広告を出し、得られたリードに対して料金をグーグルに支払えばいい。

※Web担編注 ローカルサービス広告の提供地域と対象サービス種別に関してはこちらを参照

また、並行してGoogle広告に有料広告を出すのもいいだろう。

ただし、ローカルサービス広告とGoogle広告の利用には、次のマイナス面がある:

  • 費用が必要な点(ローカルパックとオーガニック検索結果では無料でビジビリティを得られる)
  • ローカルブランドにとって売上をグーグルに依存する割合が高まる点

グーグルから得たそれぞれのリードが、グーグルによるリード生成の輪の外でリピーターになるようしっかり取り組まなければならない。

一方、有料のGoogle広告のプラス面としては、次のものがある:

  • お金を出せば、ほかのやり方では得られないビジビリティを獲得できる

マーケティングするブランドで投資対効果がプラスになるなら、投資する価値はある。

今回は「非店舗型ビジネス」のローカルSEO戦略について紹介した。後編となる次回は、「在宅ビジネス」と「バーチャルビジネス」のローカルSEO戦略を見ていく。→中編を読む

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