3分で理解する「ローカルパックの基本」と、最新版ローカルパック順位決定7つの要因(前編)
この記事では、「ローカルパックの表示順位に影響を及ぼす7つの要因」を解説しながら、そのなかで、「Google検索のローカルパックに表示される検索順位を引き上げる実践的なヒント」をお伝えしていく。
2017年からローカル検索順位決定要因の調査を実施しているダレン・ショウ氏のおかげで、誰もがこの高く評価されている年次レポートから恩恵を受けられるようになった。このレポートには、表示順位に最も影響を与えていると思われる要因について、ローカルSEO専門家らの実践的な知識が蓄積されている。
地域で1番になれるように、これらをマスターすることは、ローカルビジネスの戦略的基盤として賢いやり方だ。
まずはその前に、ローカルパックについて説明しよう。
3分で理解する「ローカルパックの基本」
まず、ローカルパックとは何かを改めて理解しておこう。次のように定義できる:
「ローカルパック」とは、検索者のクエリがローカル検索(地域情報)を意図しているとグーグルが判断した場合に表示される、ローカルビジネスの検索結果の総称。
ローカルパックにはさまざまな形式がある。代表的な表示形式は次のとおりだ(これがすべてではない):
次のように、大きな地図と文字で結果が表示されるものもある。地図の左側に表示される各ビジネス情報には、「ウェブサイト」や「ルート」のリンクが表示されている。
次の場合も大きな地図が表示されるが、詳細な文字情報はなく「ウェブサイト」や「ルート」のリンクもない。
次の例では、地図の下にローカル検索結果が表示され、やはり詳細な文字情報はなく、「ウェブサイト」や「ルート」のリンクもない。
ローカルパックの表示バリエーションは、「クエリ」「業界」「デバイス」によってさまざまだ。
ローカルパックはオーガニック検索結果の上に表示されることが多いが、ページのずっと下のほうに表示されることもある。
ほとんどの場合、ローカルパックには3件の結果が表示されるが、この数は変更されることもあり、有料広告が含まれる場合もある。
Googleビジネスプロフィールの各要素は、グーグルのローカルパックやクリックした先の拡張リスト(ローカルファインダー結果と呼ばれる)に表示されるかどうかに明白な影響を与える。その影響は、君自身のウェブサイトやサードパーティのウェブサイトといった他のソースと併せて判断される。
ローカルパックの表示順位決定要因7つ【2023年版】
ローカルパックについてわかったところで、次に2023年に最も影響力のあるローカルパックの表示順位決定要因7つを紹介しよう:
- Googleビジネスプロフィールのメインカテゴリ
- Googleビジネスプロフィールのビジネス名におけるキーワード
- 検索地点との住所の近さ
- 検索する都市の物理的な住所
- スパム対策によるスパムリスティングの削除
- グーグルでの数値による高評価
- Googleビジネスプロフィールの追加カテゴリ
それぞれ詳しく見ていく。
要因1Googleビジネスプロフィールのメインカテゴリ
Googleビジネスプロフィールのメインカテゴリが最も重要だ。適切なカテゴリを選択しなければ、最も重要な検索フレーズに対して表示させられないのがローカル検索の現実だ。
通常、グーグルの検索結果にはGoogleビジネスプロフィールで指定したメインカテゴリが表示される(上図の場合は「Italian restaurant」、ただし必ず表示されるわけではない)。メインカテゴリを選択するには、次のようにする。 Googleアカウントにログインする。 Google検索で、登録したビジネス名で検索する 検索結果上部に「Googleに掲載中のあなたのビジネス」として登録済みビジネスが表示される(New Merchant eXperience(NMX)管理画面) この画面で「プロフィールを編集」というリンクをクリックする
メインカテゴリは、メインカテゴリのボックスに入力したカテゴリであり、カテゴリは合計10個追加できる。
自分のビジネスに最適なカテゴリを見つけるには、次の手順で進めていこう:
ローカル検索結果に最も表示させたいフレーズを検索し、上位に表示されているビジネスがどのカテゴリに登録されているかを調べる。
上位3件のビジネスのカテゴリがそれぞれ異なる場合は、自分のビジネスに最も近いカテゴリを確認する。たとえば、最も広義かつ最も正確なカテゴリは「イタリアンレストラン」か、それとも「高級レストラン」か?
作成しようとしているビジネスリスティングが、メインビジネスではなく、専門職(個人開業者)が複数いるビジネス(弁護士が3人いる法律事務所や、歯科医が5人いる歯科医院など)の中の専門職のものである場合は、選択するカテゴリを分散させて、その専門職のメインのリスティングと競合しないようにする。
作成しようとしているリスティングが複数の拠点を持つビジネスのものである場合は、すべてのリスティングに同じメインカテゴリを使用しても構わない。ただし、ある拠点が他の拠点の近くにあるために、拠点の1つがローカルパックでフィルタリングされて表示されないようなら、メインカテゴリを分散させることを検討しよう。
市場調査の結果、自分のローカル市場が特定のカテゴリで非常に競争が激しいか、競合相手が多いことがわかった場合(たとえば、ロサンゼルスで人身傷害を扱う弁護士を考えてみるといい)、次のどちらでいくか判断しよう:
- 上位の競合相手が登録しているのと同じカテゴリでローカルパックのビジビリティを競うことが合理的に可能かどうか
これが現実的でなければ、マーケティングしているブランドの足場を固めるまで競争の少ないカテゴリからビジネスの獲得を試みほうがいいか
後者の例を紹介しよう。次のビジネスのほとんどはメインカテゴリに「Italian」(イタリア料理)を選んでいるが、1つは「Northern Italian Restaurant」(北イタリア料理のレストラン)と、より具体的なカテゴリを選んでいることに注目してほしい。
このわずかな違いが、そのレストランが最も望む検索フレーズに対して表示させられるかにプラスの影響を及ぼすこともあれば、逆にマイナスの影響を及ぼすこともある。メインカテゴリを選んだとしても、それが足かせになっているかもしれないと感じたら、後日変更してみることを恐れてはいけない。テストしてみるのは賢いやり方だ。
カテゴリの選択というトピックについては、このあとの検索順位決定要因7で再度言及する。
要因2Googleビジネスプロフィールのビジネス名におけるキーワード
ローカルSEOの専門家たちは、Googleビジネスプロフィールのビジネス名がスパムのようになっている例をあげて警告をだしている。たとえばショウ氏は、ビジネス名がキーワードスタッフィングになってしまっている例を示し、Googleマップ上にゴミ情報を増やさないように呼びかけている:
ローカルSEOの観点で「ビジネス名に含まれるキーワードが非常に強力な表示順位決定要因である」ことがわかると、残念なことに、ビジネスオーナーやマーケターは、NMX管理画面の[ビジネス名]フィールドに実際のビジネス名以外の何かを入力するべきだと考えてしまう。これは誤った考え方だ。
このフィールドには、関係のないキーワードを含めず、表の看板に表示している実際のビジネス名のみを入力する必要がある。
たとえばMozのビジネスリスティングならば、ビジネス名には、
- 「Moz」
とだけ指定するべきであって、
- 「Moz Vancouver」(バンクーバーのMoz)
- 「Moz Seattle」(シアトルのMoz)
- 「Moz best SEO software company in America」(米国最高のSEOソフトウェア企業Moz)
などを指定するべきではない。
残念ながら、グーグルが検索結果を並べ替えるために使っているアルゴリズムの弱点が、スパムのようなビジネス名のリスティングにメリットをもたらす原因になってしまっている。キーワードを詰め込んだビジネス名にだまされてしまう点は、グーグルのシステムで最も洗練されていない点だ。
スパムめいたビジネス名にはユーザーがフラグを立てられるため、グーグルが編集することもあるが、ペナルティは決して厳しくなく、私の経験では、その後すぐにまた現れることが多い。
このシステムの問題があるために、ビジネスオーナーやマーケターは次の2つで迷うことになる:
- 正直であるべきか
- それともシステムのこの弱みに付け込むべきか
もちろん、長期にわたって良い評判を築こうとしている企業にとっては前者が最善の策だが、ここでは、かなり厄介なシナリオのなかで役立つヒントをいくつか紹介しよう。
事業所が複数あるビジネス(共同設置の事業所、個人開業者、複数の開業者がいる事業所など)のビジネス名の書き方が知りたい場合は、「Googleに掲載するローカルビジネス情報のガイドライン」で詳細な説明を確認しよう。
自分の市場で、ビジネス名がスパムのような競合他社がいたら躊躇せず報告しよう。グーグルは報告を受けて対応しないこともあるが、対応してもらえれば、スパムめいたビジネス名が表示される可能性を低下させ、正当な名前で登録した君のリスティングが上位に表示される助けになる。
将来の成長を制限するようなビジネス名を付けてはならない。たとえば、レストランをサンディエゴに開くとしても、将来いろんな州で支店を出す可能性があるなら「Tacos San Diego」(タコス サンディエゴ)と名付ける前によく考えよう。
実際のビジネス名が足かせになっているようだと認識した場合、名前を合法的に変更することは可能だ。この方針を取る場合は、今後何年にもわたって大いに役立つ名前を選ぼう。一時的な流行に注意してほしい。
たとえば、ニューヨーク市にある「Thai Food Near Me」(近くのタイ料理)という名前のレストランのように話題になったローカルビジネスもあるが、3年後に古くさく見えるようなフレーズを使わないように気をつけよう。
リブランディングする場合は、必ずすべての登記情報に記載されている旧名称を更新しよう。たとえば、次のようなものだ:
- ローカル検索エコシステムのローカルビジネスリスティング
- すべてのソーシャルメディアプロフィール
- 自分のウェブサイト
- サードパーティのウェブサイト
この記事は、前後編の2回に分けてお届けする。今回は7つのローカル検索順位決定要因のうち2つを説明したので、後編となる次回は残る5つの要因について解説する。
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