なりすましECサイトへの対策方法をまとめた「なりすましECサイト対策マニュアル」を、一般社団法人セーファーインターネット協会(SIA)が4月6日に公開した。
ECサイト事業者向けに、さまざまな注意点を取りまとめた内容で、PDFファイル(全15ページ)がサイトよりダウンロード可能だ。
同マニュアルでは、「なりすましECサイト」について、次のように規定している。
実在するサイトの外観(屋号、商標、サイト意匠・構成、使用している画像など)を模倣することにより、あたかも当該サイトである又は当該サイトと関係のあるサイトであるかのように消費者を誤認させ、商品代金をだましとったり、模倣品、海賊版その他購入しようとした品とまったく別個の物を送り付けるサイト
また、クレジットカード決済ができるかのように見せかけて、カード情報を詐取するようなサイトも、「なりすましECサイト」に含めるとしている。
そのうえで、こうしたサイトは、利用者だけでなく、ECサイト事業者にも、売り上げ減少・信用失墜・被害者からのクレームといった被害を与えると指摘。なりすましECサイトの特徴、被害実態(アンケート結果)、当事者たちの責任関係、対処法・予防法を紹介している。
アンケート結果では、「自社のサイトがなりすまされた経験がある」と44.2%が回答。29.7%が「被害を受けた自社サイト利用者/顧客からの問い合わせ対応」、24.4%が「自社サイト利用者/顧客への被害」に困っていると回答している。
一方で自社サイトの「なりすましECサイト」を発見するために何か対策をとっているか尋ねたところ、62.3%が「ない」と回答している。
アンケートは、2014年10月に、協議会参加団体であるECサイト運営者1,208社に調査を行っている。
こういった背景を受け、同マニュアルでは、対処法・予防法を解説。対処法としては、以下をあげている。
- 利用者の被害状況に即した問い合わせ対応
- ホスティングプロバイダへの削除要請
- 都道府県警察サイバー犯罪相談窓口への連絡 など
また予防法としては、以下をあげている。
- サイトの目立つところに、注意喚起のお知らせを掲示する
- 検索サイトやアラートサービスなどにより、なりすましが発生していないか確認する
- 商標権を取得して、商標権侵害として侵害を証明しやすくする
- 電子証明書(SSLサーバー証明書)を活用する
- サイトや運営者情報を、信頼された第三者機関に登録する など
同協議会では、ユーザーからの問い合わせ対応文、プロバイダへの削除依頼文などのテンプレート、都道府県警察サイバー犯罪相談窓口一覧などの情報も公開中。URLが同マニュアルに掲載されている。
参考リンク
一般社団法人セーファーインターネット協会
Web担先生と初心者君のやさしいニュース解説
自分のサイトをどうにかするだけで対策できる話じゃないから、たいへんだよね。
その人は、なりすましの警告をサイトに掲載したら、その警告までそっくりまねられたって……。
そうなるんだよね。なりすましECサイトのような犯罪行為をする人は、常識やモラルでは対応できないから、常に監視して、見つけたらすぐに対応するしかないね。
常に監視するって、どうするんですか?
まずはGoogleアラートに、自社のサイト名や取り扱いブランド名、社名などを登録しておくといいね。少なくとも、それで検索経由での偽ECサイト被害の可能性を見つけられる。
対応というのは?
まず、Googleの「フィッシング攻撃への対策と報告」のページで報告して、さらに「著作権侵害の報告: ウェブ検索」で削除を申請、そしてすぐに警察の「サイバー犯罪相談窓口」に相談かな。
なるほど。
偽サイトの振込先として指示される口座の銀行に連絡して、口座を凍結してもらうという手もあるようだ。でもね、口座情報を知るには注文しなきゃいけないんだけど、購入する意思がないのに注文するというのは、正しい行為だとは言えないんだよね。
むずかしいところですね……。
うむ。リアルの世界で犯罪がなくならないのと同じように、いや、それ以上に、ネットでの犯罪をなくすのはむずかしいんだよね。
※「はじめてWEB」のオリジナル版は掲載を終了しました
偽ECサイトで困っているという人の話、聞いたことがあります。