国内&海外SEO情報ウォッチ 「海外SEO情報ブログ」の鈴木 謙一氏が、日本と海外の検索マーケティング情報をさらっとまとめて毎週金曜日にお届け。
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グーグル「順位決定に“いいね!”の数は影響なし」では+1ボタンは? など10+2記事(海外&国内SEO情報)

グーグルの「QDD」アルゴリズムや、グーグルショッピング検索SEOのTIPS×13などの話題も

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今週のピックアップ

グーグル「順位決定に“いいね!”の数は影響なし」では+1ボタンは?
★★★★☆ すでに影響してたりして (Matt Cutts(mattcutts) on Twitter)

フェイスブックの「いいね」や「シェア」は、
グーグルではSEOの重み付け要因の1つとして扱っているのかい?

ツイッターでこの質問を受けたグーグルのマット・カッツ氏は次のように返信した。

グーグルは、(フェイスブックの)そういったデータにほとんどアクセスできない。
だから、我々の検索結果には影響しないだろう。

グーグルの上位表示ページとフェイスブックのシェアの多さに高い相関関係があるとのデータが出ているが、フェイスブックのデータを順位決定には使っていないとマット・カッツはカンファレンスでも明言している。そもそもフェイスブックのデータにアクセスできないのだから利用のしようがないとも言える。

一方で、グーグルが運用しているソーシャルメディアサービスの+1(プラス・ワン)はどうだろうか? 「ユーザーにとって有用だと判断できれば、+1ボタンが押された数を通常のランキングにも反映させていく」とグーグルは説明している。+1ボタンが押されたら突然ランキングが上昇したという報告がここにきてWebmasterWorldフォーラムのディスカッションで挙がっている。ひょっとしたら実験が始まっているのかもしれない。+1ボタンがランキングに与える影響に今後注目したい。

日本語で読めるSEO/SEM情報

グーグルのQDDアルゴリズムとは
★★★★☆ 検索意図も考慮してSEO (天照SEO)

検索エンジンがどんな検索結果ページを返すかを決定するアルゴリズムのうち、一部の検索キーワードに対してのみ動作する「多様な検索結果を返す」というアルゴリズム「QDD」について解説し、検索意図を考慮したSEOの必要性を解説する記事。

グーグルは、検索ユーザーがどんな意図で(何を知りたくて)検索したのかを、検索キーワードから探り、その検索意図に合った検索結果を返そうとする。しかし、どうしても検索意図があいまいな場合には、さまざまな切り口の検索結果を幅広く含めた検索結果を返すことがある。

たとえば「ラーメン 渋谷」という検索があった場合、この検索が「渋谷にあるラーメン店を知りたい」という意図だとわかる。

しかし、たとえば「ペット」という検索では、検索ユーザーが知りたいのはペットショップなのか、ペット用品店なのか、ペットの飼い方なのか、それともペットのおもしろ動画なのだろうか? この場合、検索エンジンは検索ユーザーがペットの何について調べているかを明確に判断するのは困難だ。そこでグーグルは、通常の検索結果の作り方とは少し変えて、ペットに関する多様なジャンルの検索結果を含めるようにし、「ペットの総合的な情報を提供するポータルサイト」「ペット用品のネット通販サイト」「ネットの百科事典サイト」などさまざまなジャンルのサイトからのページを表示する。乱暴に言えば、「検索意図がはっきりしない検索に対しては、いくつものタイプのページを返すようにして、できるだけユーザーが求めるものが含まれる可能性を高める」といった感じだろうか。

このような多様性に富んだ結果を返すアルゴリズムを「QDD」(Query Deserves Diversity)と呼ぶ(日本語にすると「多様性を優先するべき検索クエリ」といったところ)。QDDは新しいアルゴリズムではなく、Web担では3年以上前にQDDについての解説記事を公開している。だがQDDの存在を知らないウェブ担当者も多いはずだ。知らなくても大きな問題にはならないのだが、QDDというアルゴリズムの仕組みやQDDが発動するようなキーワードでは上位表示が難しい場合もあるということを知っておくのもムダにはならない。

何よりも、「検索エンジンはユーザーの検索意図に合った検索結果を返そうとしている」ということを理解することは、SEOにおいて役に立つはずだ。サイトを作る側も検索キーワードとユーザーの検索意図を意識しておくことが大切だからだ。

再審査リクエストで手動スパム判定のクリア状況を教えてもらえるようになった
★★★★☆ 少しずつフレンドリーに (グーグル ウェブマスター向け公式ブログ)

グーグルが定めるガイドラインに違反した際には、違反箇所を修正したあとに「再審査リクエスト」を送信し、修正完了が認められるとペナルティを解除してもらえる。この再審査リクエストに対してグーグル側でどんな対応をしたのかの情報を、今までよりも具体的にフィードバックするようになったと、ウェブマスター向け公式ブログで説明している。

このコーナーの海外情報で1か月前にピックアップした記事の翻訳版に相当するが、全文日本語であるし、日本語記事で追加された「不自然リンクに対する警告を受けた場合のチェックポイント」に関した公式ヘルプフォーラムのディスカッションが紹介されているので、ひととおり目を通すといいだろう。

ただ渡辺隆広氏が疑っているように、すべてのケースにおいてまだ確実には結果を通知していないようだ。この公式アナウンスが出た後でさえ審査結果があいまいなメッセージを受けたサイト管理者を数人筆者は知っている。グーグルの社員に尋ねてみたところ、「まだ実験段階である」との回答がもらえた。「徐々に」ということなのであろう。

大問題発生!アクセス解析ツールで検索キーワードを分析できなくなる
★★★★★ パンダは早く来てほしいけど、これは永久に来なくていい (SEMリサーチ)

米グーグルは、SSL通信をウェブ検索のデフォルトにしたことを発表した(日本語での関連アナウンスはGoogleアナリティクス公式ブログで読める)。

通信がSSLで暗号化されることで、グーグル検索からの検索キーワードをアクセス解析ツールで取得できなくなるという事態が発生する。トラフィックやコンバージョンをもたらしたキーワードがわからなくなるのだ。米国の検索に関わる業界では大きな不平・批判が沸き起こっている。

SEMリサーチで渡辺氏が重要ポイントを次のようにまとめている。

  • Googleアナリティクスを含むウェブ解析ツールで参照キーワード情報の取得が不可能、媒体名(Google)は識別可能
  • 対象は google.com(米国版グーグル)で発生する検索のみ、日本ユーザーの大半が利用するgoogle.co.jp は影響なし
  • Googleアカウントにログインしているユーザーが対象、ログインしていないユーザーは影響なし
  • 検索連動型広告(AdWords)は影響なし
  • Googleウェブマスターツールのキーワード情報は今後も閲覧可能

また渡辺氏は社内の“敏腕スペシャリスト解析女子”の協力を得、検索キーワードが本当に取得できなくなっていることを検証している。

google.comだけでの導入、かつ(10%以下と言われる)グーグルアカウントにログインしたユーザーのみの適用ということで、日本人を対象にしたサイトに対しては直ちに大きな影響を及ぼすものではないと予想される。しかし将来的に日本のグーグル(google.co.jp)にも導入されることは否定できない。重大な変化があるかもしれないことを知っておいてほしい。

なおSSL検索の導入に関しては、Web担でも安田編集長が詳しく解説している。

Googleアナリティクスの「マルチチャネル」の疑問について答えます
★★★☆☆ アトリビューション分析はこれからのトレンド (Googleアナリティクス公式ブログ)

Googleアナリティクスで、コンバージョンに至るまでの経路を分析する機能「マルチチャネル」を解説するオンラインセミナーをグーグルが開催した。そのときに出た質問とその回答の日本語訳を日本版のアナリティクス公式ブログが公開している。

マルチチャネルは有用そうに見えるが、新しい機能なので使い方や使い道がわかりづらい人も多いだろう。参考にしてみてほしい。

そもそもマルチチャネルで分析できる「アトリビューション」そのものがアクセス解析においては比較的新しい概念で、浸透しているとは言い難い。先週先々週に開催された「CSS Nite LP, Disk 19 アクセス解析」セミナー(ちなみに司会はWeb担の安田編集長)で、「リアルアクセス解析」の小川卓氏がアトリビューションについて説明した。参加者から出た質問への回答をブログにアップしているのでこちらも参考にしてほしい。

グーグルの文章理解力がますます向上
★★★★☆ 「セマンティック」技術の進歩 (japan.internet.com)

内容的に難解かもしれないが、要は「グーグルが、どんどん文章を理解する能力を向上させてきている」ことを説明した記事。

上位表示を狙うキーワードだけを含んだ記事を書いても評価されない。よく一緒に使われる言葉、関連語、複数の単語のつながりも含めて今のグーグルは文章を理解できているからだ。とは言っても、そういった言葉を詰め込んで書けということでもない。そのページで取り扱っているテーマについてよく知っている人が普通に書けばターゲットと関わり深い言葉は自然に出てくる。検索エンジンを相手に文章を書くのではなく、訪問者を相手に文章を書くという根本は今も昔も変わらない。

用語集
AdWords / CSS / CTR / Google Webmaster Central / Googleアナリティクス / Googleウェブマスターツール / SEM / SEO / meta keywords / アクセス解析 / クリック率 / コンバージョン / ソーシャルメディア / ダウンロード / フィード / リンク / 検索エンジン / 検索連動型広告 / 訪問者

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