国内&海外SEO情報ウォッチ 「海外SEO情報ブログ」の鈴木 謙一氏が、日本と海外の検索マーケティング情報をさらっとまとめて毎週金曜日にお届け。
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SEO Japanの掲載記事からピックアップ

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海外のSEO/SEM情報を日本語でピックアップ

  • グーグルがHTTPヘッダーでrel="canonical"をサポート開始
    ★★☆☆☆ 上級者向けトピック (Google Webmaster Central Blog)

    グーグルは、HTTPヘッダーでrel="canonical"によるURL正規化の提案をサポートし始めたことをアナウンスした。

    rel="canonical"はHTMLのタグとしてHTMLドキュメントの<head>セクションに記述するが、PDFや画像などHTMLを記述できないコンテンツがある。そういったコンテンツのURLを正規化する目的で利用する。

    たとえば、ニュースリリースをHTML版のウェブページとPDF版のファイルで配布することがあるだろう。このとき、PDFドキュメントのURLをHTMLページのURLに正規化できるのだ。たとえば同じコンテンツを、HTML版とPDF版の2種類で、次のURLで公開していたとする。

    • HTML版:http://www.example.com/white-paper.html
    • PDF版:http://www.example.com/white-paper.pdf

    PDFのダウンロード要求があったとき、HTTPヘッダーに次の情報が含まれるようにする(仕様で「<」「>」まで含めて記述するように定められている)。

    Link: <http://www.example.com/white-paper.html>; rel="canonical"

    ただし、HTTPヘッダーにrel="canonical"の指定を追加するには、サーバーの設定を変更するかCMSなどでのプログラミングが必要になる。そのため、一部のウェブマスターにとってはとても歓迎すべきrel="canonical"の拡張なのだが、大半のWeb担当者にとっては使う場面が想像できないのでピンと来ないかもしれない。

    一般のWeb担当者にとってHTTPヘッダーの加工は技術的に難易度が高いだろうが、(筆者にとっても)将来利用するケースがあるかものしれないためピックアップしておくことにした。

    なおWebmasterWorldでのグーグル社員のコメントによると、HTTPヘッダーでのrel="canonical"は今のところウェブ検索だけでのサポートで今後の使われ方を見て範囲を広げていくか検討するとのことだ。またrel="canonical"タグと同様に、クロスドメインでの利用もサポートしているそうだ。

  • 301リダイレクトでペナルティから逃げられるか?
    ★★★☆☆ 逃げられたら儲けもの (WebmasterWorld)
    グーグルにペナルティを受けたサイトを別のドメイン名のサイトに301リダイレクトしたら、ペナルティを回避できるのか? それともペナルティまで転送されてしまうのか。

    このような質問にWebmasterWorldのフォーラム管理者が回答した。

    逃げられることもあるが、たいていは無理だ。もとのサイトのペナルティがどのくらいひどかったかによる。

    このコーナーで同じようなトピックを何度かピックアップしたことがあり、筆者も同じ質問を海外のカンファレンスでスピーカーに質問したことがある。答えはほぼ同じだ。悪質な違反に対するペナルティの場合には、一時的に逃げられたとしても遅かれ早かれまた捕まる可能性が高そうだ。ただし、301リダイレクトで他のドメイン名に転送したことによって大幅な順位ダウンから復活したサイトの事例も筆者は知っていることを、参考までに付け加えておく。

  • サブドメインが受けたスパム判定がドメイン全体に波及
    ★★☆☆☆ 子供が犯した罪が親にまで (Google Webmaster Central Help Forum)

    ウイルスなどの悪質なソフトウェアが潜むサイトがサブドメインに大量にあったため、親ドメイン名のサイトと他のサブドメインのサイトまでスパム判定されてしまうという出来事があったようだ。

    無料でサブドメイン名を提供するcc.cuというサービスのドメイン名が舞台だ。このサービスを利用して非常に数多くのスパムサイトがcc.cuのサブドメインで展開されていたらしい。グーグルがその親ドメイン名に危険フラグを立てたということを、グーグル社員が明らかにした。親ドメイン名の持ち主はグーグルに対処を求めているが、対策としては、セーフブラウジングAPIを使うなどしてサブドメインをチェックしたうえで、サブドメインの悪用を防ぐ方策をとるしかないとのこと。

    一般的に言って、親ドメイン名が同じでもサブドメイン名が異なるサイトは別サイトとして認識され、ドメイン名に与えられる評価が相互に影響し合うことはない。今回のケースは例外的なパターンに思える。ユーザーブログなどでユーザーにサブドメイン名を使わせるサービスを提供しているとしたら、スパムサイトに利用されていないか監視しておいたほうがよさそうだ。

  • 同じコンテンツのサイトを異なる国別のドメイン名で公開したらスパムになるか
    ★★★★☆ グローバルサイト運営者向け (Google Webmaster Help Channel on YouTube)

    同じコンテンツを異なる国別TLDのサイトで公開すると、重複コンテンツとして扱われてしまうのだろうか?

    我々は世界中のいろいろな国でサイトを運営しているが、内容がほぼ同じで、いずれも英語で書いている。

    上の質問にグーグルのマット・カッツ氏が回答した。

    もし、すべて.comのドメイン名で、5、6個のサイトをほとんど同じコンテンツで公開していたとしたら、理論的には、グーグルのアルゴリズムは重複コンテンツだと判断して、そのうちのどれか1つだけを検索結果に出すだろう。

    でも.ukや.ca、.nzのように異なるccTLDで運用していたとしたら、コンテンツがみんな英語だったとしても、たとえば通貨が違ったりするから各ページに書かれている正確な内容によって重複とみなす時もあるし重複とみなさない時もあるだろう。

    ただ(今回のケースでの)ドメイン名は何百もあるわけではなく、4個~5個程度だろうから通常は問題にならないはずだ。スパマーは安いドメイン名を手にしてコンテンツを大量作成する傾向にあり、たくさんの国別のドメイン名を登録するということはしない傾向にある。国別ドメイン名を取得するのは面倒だし手間やお金がかかるから1つのトップレベルドメイン名に固執するんだ。

    したがって複数の国別のトップレベルドメイン名で同じコンテンツを公開していたとしたら、それは現実のビジネスの場合と思われ、必ずしも検索エンジンをだまそうとしているわけではないだろう。別々の国で同じドメイン名を買うよりももっと簡単にコンテンツを複製する方法があるはずだ。だからキミの場合は(スパム扱いされる)心配はない。

    ただし、スペルや通貨などは対象となる国に合わせることを確認しておいてほしい。

    複数の国を対象にしてそれぞれの国のドメイン名でグローバル展開するサイトを運営しているウェブ担当者もいるかと思う。数個の国別トップレベルドメイン名で運用している限りは、スパム判定されることはなさそうだ。同じ英語でも、それぞれの国のドメイン名を使い、各国にあった綴りや通貨単位にしておけば、グーグルは検索者がいる国に応じてどのドメイン名のサイトを検索結果に出すのが適切か判断してくれるはずだ。

  • 古いWordPressを使っているサイトの管理者にグーグルがアップデート推奨メールを送信
    ★★★☆☆ ハッキング対策 (Google Webmaster Central Help Forum)

    古いバージョンのWordPressを利用しているサイトの管理者に、最新バージョンのWordPressへのアップデートを促すメールがGoogleウェブマスターツールのメッセージセンター経由で送られてくるようになった模様だ。米国版のグーグルウェブマスター向け公式ヘルプフォーラムで、グーグル社員が明らかにしている。こうした通知は2009年の冬ごろから行っているようだ。

    日本語でのメッセージを、日本語記事でよくピックアップさせてもらっているパシのSEOブログの運営者、竹内氏からいただいたので転載する。

    http://XXX.com/ のウェブマスター様

    サイトで実行されている WordPress は、最新のバージョンではない可能性があります。最新版に更新されることをおすすめします。以前のバージョンやパッチを適用していないソフトウェアは、ハッキングやマルウェアの攻撃を受けやすくなり、ユーザーに被害が及ぶことがあります。WordPress のダウンロード ページから、最新版をダウンロードしてください。

    このメッセージが送られた詳しい理由については、ブログ記事にこの件についての詳細な経緯が記載されていますので、そちらをご覧ください。

    何卒ご理解とご協力賜りますようお願い申し上げます。

    Google サーチ クオリティ チーム

    SEOとは直接関係しないトピックであるが、WordPressの利用者はWeb担の読者にも多くいるはずで、古いバージョンのソフトウェアにはセキュリティホールが存在することもあり危険なので紹介した。転載したメッセージは、フィッシングメールではなく間違いなくグーグルから送られてきたものであるから、もし受け取っていたら速やかにアップデートしてほしい(注意:グーグルアカウントのIDやパスワードを聞いてくることはないので、そういった資格情報を問われたときはフィッシングメールとして疑ってほしい)。

SEO JapanSEO Japanの掲載記事からピックアップ

今週はSEO系の投稿がなかったのでソーシャルメディアの記事を1つピックアップする。

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