購入者コンバージョン率
購入者コンバージョン率
注文コンバージョン率が、それぞれの訪問セッションが購入につながるかどうかの傾向を示すのに対して、購入者コンバージョン率は、訪問者が購入者になるかどうかの傾向を示す。
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定義
注文コンバージョン率の定義をふまえて、購入者コンバージョン率の定義は、
{購入者になった人の総数}÷{総訪問者数}={購入者コンバージョン率}
となる。このKPIは訪問者ベースの計測値なので、必ず同一の時間枠の中で比較するようにしよう。
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表現形式
注文コンバージョン率の項を参照。
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想定される結果
注文コンバージョン率と購入者コンバージョン率の関係は、複雑に絡み合いながら連携している。以下の3つの例を考えてみてほしい。
- 例1) ほとんどの訪問者はサイトを1回きり訪問し、その訪問中に購入を完了する。
- 例2) ほとんどの訪問者は、購入する前に何度もサイトを訪問する。
- 例3) 訪問者には、即購入する人と、何度も訪問して熟慮の上で購入する人の両方がいる。
第1のケースでは、2つのコンバージョン率はきわめて近い値を示す。2番目のケースでは、注文コンバージョン率は、購入者コンバージョン率よりも低くなる。3番目のケースの場合は、どちらの比率が大きいかによって値は変わってくる。
繰り返すが、どれほど多くの人がサイトを訪れようと、そのほとんどは購入意思がない、というのがインターネットの現実である。
2つのコンバージョン率を並置することで、購入者の思考サイクルをより深く理解できるだろう。購入者の癖を一度理解してしまえば、巧妙なマーケティングと、大胆な価格設定で、購入者の振る舞いに影響を与えることを試みることができる。
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行動
購入者コンバージョン率の低下が意味するところは、訪問者を購入者にコンバージョンさせるのに失敗することが多くなってきているか、購入までのサイクルが長い(注文コンバージョン率と値が離れる)か、あるいは分母の訪問者の方が大幅に増加したか、などである。原因はともあれ、購入者コンバージョン率に大きな変動があれば、問題を発見する必要がある。展開中のキャンペーン、価格設定の変更、精算プロセス、リピート訪問率の変動などを確認しよう。
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この記事の筆者
この記事は、Web Analytics Demystifiedの創設者でありシニアパートナーであるエリック・T・ピーターソン氏による書籍『The Big Book of Key Performance Indicators』の日本語版です。原著作者の許諾を受けて株式会社デジタルフォレストが翻訳し、同社の開催する「Web解析マネジメント実践講座」において参考書としているコンテンツを、Web担当者Forum向けに特別に公開しているものです。
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エリック・T・ピーターソン 著
株式会社デジタルフォレスト 手嶋進、入谷聡、清水昌浩 訳
Original Author: Eric T. Peterson, Senior Partner and Founder, Web Analytics Demystified