Web解析のためのKPI大全

ダウンロード完了率

ダウンロード完了率

ダウンロード完了率は、何かしらダウンロード可能な文書やアプリケーションを置いているサイトのみに関係する特殊な指標であり、正確な測定のためには、ログファイルの分析が必要になる。

  • 定義

    ダウンロード完了率は、ダウンロードを始めた訪問者と、ダウンロードが実際完了した訪問者の割合である。残念ながら、タグ埋め込み型のアクセス解析ツールでは、この指標を計測することができない。ダウンロードボタンの押された回数まではわかるけれども、その後のプロセスを追えないからである。この計測のためには、ダウンロード・ログファイル及び、文書全体(キロバイト(KB)単位で計測される)がいくつ最後までダウンロードされたかを知ることができる情報にアクセスしなければならない。これができれば、計算式は以下のようになる。

    {ダウンロードが完了した数}÷{すべてのダウンロード要求数}={ダウンロード完了率}

    繰り返しになるが、100MBの文書がダウンロードできるとして、知るべきなのは、ダウンロードのリクエストがあった回数と、100MBすべてを転送した回数の両方である。ダウンロード・マネージャの中には、この計算をさらに複雑に行うものもある。ダウンロードをいかに正確に計測するかについては、Jim MacIntyreが私の本『Web解析Hacks』のHack 79に書いた文章を読むことを勧める。

  • 表現形式

    あなたのサイトで複数のファイルがダウンロードできる場合、一つひとつのダウンロード完了率を明確に分けて表示する必要がある。個々のファイルごとのダウンロード完了率と同時に、サイト全体の平均ダウンロード完了率を計測するのも有用である。これらのダウンロード可能なファイルの責任者にレポートするときは、ダウンロード途中でキャンセルされやすいファイルの特定は重要な問題だ。

  • 想定される結果

    開始されたダウンロードは100%完了するのが理想である。しかし実際は、一定の割合でダウンロードのキャンセルが起こっている。一般的には、サイズの大きいファイルほど、途中で中断してしまう可能性が高いが、それも訪問者の接続速度によって変わってくる。

  • 行動

    ダウンロードが頻繁にキャンセルされてしまうファイルがあったら、そのファイルをもっと圧縮してサイズを小さくできないか、試してみよう。Zip形式や、その他の圧縮形式を検討しよう。さらに、訪問者の接続速度を確認し、ダウンロードをキャンセルしてしまう訪問者が、全員ナローバンドなのか、それともブロードバンドもいればモデム接続もいるのかを把握しよう。さらに、訪問者の地理的分布を調べることで、問題が距離に起因するものであるかどうかがわかり、その場合は地域別にミラーサイトを設けたり、Akamaiのようなサービスを利用したりすることで、ファイルを訪問者のより近くの拠点からダウンロードさせることができる。

この記事が役に立ったらシェア!
メルマガの登録はこちら Web担当者に役立つ情報をサクッとゲット!

人気記事トップ10(過去7日間)

今日の用語

インタラクティブ広告
ユーザーに能動的なアクションを起こさせたり、双方向のやりとりをしたりしてコミュニ ...→用語集へ

インフォメーション

RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]