独学のアクセス解析に限界を感じています。どうすればいいですか?
当クリニックの代表。
イケメンの研修医。
優しい天然ボケの研修医。
ここ「アクセス解析5分クリニック」には、Webサイトについてさまざまな悩みを抱えた患者が、毎日のようにやってくる。研修医の来栖と綾瀬はデコボココンビだが、院長の丸山先生がとにかく名医。たった5分ですべての悩みを解決する!というのだ……。(登場人物紹介を詳しく見る)
今回のお悩み
独学のアクセス解析に限界を感じています。どうすればいいですか?
独学の限界
そういえば先週、同期の友人に会ったんだけど、「独学のアクセス解析は、もう限界!」って嘆いていたわ。
僕達は先生がいるからいいけど、いきなり企業で実務に携わったら大変だよね、きっと。
私もアドバイスを求められたんだけど、うまく具体的な話ができなくて……。
何が問題なのか?
そのお友達と似たような話はよく聞くよ。自分のアクセス解析の手法に自信が持てないのだよね?
はい。「本を読んだら?」とアドバイスしたのですが、もう読んでいるって。
実はこの問題は奥が深い。なぜなら、本人の問題だけではないからだ。結論を言うと「周りと連携していない」のが、本当の理由であることが多いんだ。
どういうことですか?
じゃあ、逆に聞くけど自分のアクセス解析に自信が持てないのは、どんなときだろう?
「サイトの結果が悪いとき」だと思います。しかも「アクセス解析から導き出した結論がことごとく当たらないとき」ですね。
そういう場合の本人の心理状況は?
周りから責められている気になるでしょうね。自分でなんとかしなくては、と思います。
そこ! その「自分1人で」というのが根本問題なんだよ。
解析に自信が持てないときというのは、結果が出ていないときだ。でも、1人で必ずWeb事業を成功させる方法ってあると思う?
もし100%確実な手法があるなら、僕はこっそり自分で起業しますね(笑)。
そうなんだ。だから結果に関しては自分1人で責任を背負うことじゃないんだよ。みんなで考えるしかないんだ。
なのに、担当者は自分だけで解決策を探ろうと思ってしまう。そして、周りもWebがよくわからないから担当者に丸投げしてくる。そりゃ限界を迎えるよね。
つまり、社長でもないのに、結果に責任を持つこと自体が間違っているということですね。
解決策
アクセス解析に行き詰まりを感じた場合、まず自分1人では限界があることを受け容れることだ。そして周りの人を巻き込もうという姿勢が大切だ。
そんなこと可能なのですか?
3つのステップで考えようか。
- アイデアを出す
- データを集める
- 報告して巻き込む
1つずつ説明していこう
- アイデアを出す
とにかく、今の状況でどこが悪いのか? またどうすれば突破口が開けるのか自分1人でアイデアを出す。
このアイデアを出すところで困っている人は多いね。ここは、どちらかというとマーケティングや行動心理学などを学んだ方がよい。
でも、臆することはない。アイデアが出ない場合は、まずは本の通りやってみることだ。だからアイデアが出ない場合は迷わず次のステップへ行こう。
- データを集める
1でアイデアを出したら、どんなデータを収集すべきか、ある程度考えがあるはずだ。あとはそのデータを集めてみよう。
アイデアが出なかった人は、先ほど言ったように、本などを参考にデータを集めよう。参考になる本は本当にたくさんでているんだよ。
- 報告して巻き込む
さぁ、ここが本番だ。レポートにまとめたデータから、自分なりの考察をつけてレポートを提出するんだ。
この時、ユーザーによっては欲しいデータが違うことに注意しよう。たとえば経営者は、全体アクセス数と売上件数しか見たくないということもあるだろう。「あとはお前に任せた」という人たちだ。
しかし、今回の大切なポイントは「巻き込む」ということだ。
この場合、まずは適切な人選をする必要がある。経営層がいいのか、それとも直属の上司がいいのか。よりいっしょになって考えてくれそうな人を選ぼう。
人選が終わったら、なるべく2、3枚の短いレポートを持参して報告した上で、「この数値があきらかに悪いです。私の推測では○○なのですが、どう思われますか?」と素直に聞いてみるのが手だ。
アドバイスを求められて嫌な人は少ない。おそらく、何かしらのアイデアをもらえるだろう。
つまり、ようやくステップ1のアイデアがたくさんでてくることになる。そうすると、2の収集すべきデータが増えるんだ。
なるほど……。
後はこの繰り返しでレポートの精度を上げていくんだよ。つまり自分1人で限界を迎えているなら、他人と協調するべきなんだ。
プロの場合は…
理屈はなんとなくわかりました。でも僕達のようなプロは、そういったアイデアがない人から依頼されるわけですよね?
つまり自分1人でやらなければならない。そうなると八方塞がりじゃないですか?
その場合は、自分が経営や心理学も抑えたスーパーマンになるしかない。まぁだからプロなんだけどね。
でも、巻き込むというか、お客さんといっしょに考えるのはいっしょだよ。結果を出す方法は、やはりお客さんが一番知っている。だから良いところを引き出すというのはプロの重要な仕事なんだよ。
まとめ
独学のアクセス解析に限界を感じる人は、とにかく根本を思い出す必要がある。Webで結果を出すというのは、学生のテストのように100%の回答があるものではない。
限界を突破するには、よいアイデアが必要だ。では良いアイデアはどうやって手に入れるか?
他の人の意見であったり、他社の成功事例であったり、経営の勉強も大切だし、他人と協調することも大切だ。また、そのためには素直な姿勢も必要だ。
アクセス解析をする人の場合、自分がくだらないと思った意見を受け容れなかったり、自分の意見が否定されると、自分へのバッシングと捉えてしまう傾向もある。しかし、それでは伸びない。
Web事業で結果を出すというのは、決して論理的な話だけではないんだ。些細なところにヒントがあることもあるんだよ。柔軟に人の意見から学ぼう。そして、再度データを見直してみよう。そうすれば、きっと新しい知見を得ることができるよ。がんばって!
※記事末尾の筆者からのお知らせ「WEB担当者通信 ~全国のWeb担当者といっしょに学ぶ成長講座~」もぜひご覧ください。
お悩み独学のアクセス解析に限界を感じています。どうすればいいですか?
アドバイス独学で限界を感じたならば、周りと協調して突破しましょう。
以下3ステップで進めましょう。今回は考える仕事が多く、時間が決まった処方箋ではないので、自由に時間を使ってください。
- アイデアを出す。
今の問題点はどこに原因があるのか? またどんなデータを取得するべきなのか? いろいろアイデアを出してみましょう。 まったく思いつかない人は、次のデータ収集のステップに入りましょう。
- データを集める
アイデアを出した人は、そのアイデアを捕捉するようなデータを集めましょう。この時、以下の問題点が発生します。
- どうやって目標のデータを取得すべきかわからない
- すべてのデータを収集する時間がない
目標のデータ取得の方法としては、グーグル検索が役に立ちます。たとえば「ボタンクリック数 計測方法」といった検索を行いましょう。Googleアナリティクスであれば、JavaScriptやアドバンスセグメントの使い方をマスターすると、必要なデータを取得できることが多いです。
時間不足に対しては、抜本的な対策はありませんが、あくまで3の報告会で使用するデータが取れればよいと割り切りましょう。報告するデータに対して、自分の中の不安が無くなるまで事実を調査できればOKとします。
- 報告して巻き込む。
2で作成したレポートを2~3枚にまとめましょう。
なぜ2~3枚がよいかというと、レポート閲覧に不慣れな人は、データをたくさん見ても飽きてしまうからです。
あくまで目的は意見をいただくことですから、要点に絞ったレポートを提出し、アイデアをもらいましょう。
WEB担当者通信 ~全国のWeb担当者といっしょに学ぶ成長講座~
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※キャラクターイラスト(来栖、綾瀬):「コミPo!」にて制作
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