インタビュー

ソーシャルメディア戦略成功3つの法則/フォレスター・リサーチ

『グランズウェル』の著者、ジョシュ・バーノフ氏にソーシャルメディアの効果測定方法や成功ポイントを聞いた

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注目企業のネットビジネス戦略

フォレスター・リサーチ

企業のソーシャルメディア戦略への取り組みのポイントは3つ
「目的の明確化」「経営層のバックアップ」「スモールスタート」

取材・文:青山 祐輔
写真:渡 徳博

9月に日本で初開催されたad:techの講演のために、米フォレスター・リサーチのアイデアデベロップメント担当 シニアバイスプレジデントのジョシュ・バーノフ氏が来日した。Twitterやブログなどを活用した、ソーシャルメディア戦略に取り組む企業が増えている今、企業はソーシャルメディアとどのように対面すべきか。ソーシャルテクノロジーに関するベストセラー書籍『グランズウェル』の著者でもある同氏に伺った。

フォレスター・リサーチの基本的な情報は記事末尾を参照。


何を測定すべきか、効果測定方法をあらかじめ決めておく

米フォレスター・リサーチ
アイデアデベロップメント担当
シニアバイスプレジデント
ジョシュ・バーノフ氏

●編集部 ソーシャルメディアの効果測定の基本的な考え方やデータの集め方、どのように分析すべきか教えてください。

●ジョシュ 私がよく言うことなのですが、ソーシャルアプリケーションを利用するときには、あらかじめ効果測定のことを考えておかないと、必ずや大きなミスを犯すでしょう。

実際に何を測定するのかというと、それぞれの会社の目的によって異なります。ビジネスにおいては、ソーシャルアプリケーションを使ったことによって、実際に売り上げの向上につながったのか、Webサイトのクリックスルーが増えたのかどうか、それから、ブランドや会社に対する人々の意見が良い方向に変わったのかどうか、といったことなどをきちんと分析しなければならないと思います。

●編集部 ソーシャルメディアの効果測定に際して、どのようなデータを取ったらいいのでしょうか。

●ジョシュ ニールセンの「バズメトリクス」とか、ビジブルテクノロジーなどのツールを使い、ネット上で人々が企業やブランドに対して、どんなコメントしているかをモニタリングできます。

それらのツールでは、ディスカッションフォーラムやブログ、またTwitterやYouTube、SNSなどを対象としています。そういったところでの人々の発言を観察し、全体的にプラスに変わっているのか、マイナスに転じているのか、または若い人たちの考え方が変わっているのかといった傾向を知ることができます。

これらのツールは、ブランドに関してどういう言葉が頻繁に使われているのかを自動的にトラッキングすることによって、ネット上で急激にネガティブなコメントが広まりつつあるときに、いち早く察知し、対処をすることができます。

いくつかのツールは日本語に対応し、日本のソーシャルメディアをモニタリングしているので、日本企業でもすぐに利用できます。

ソーシャルメディアのモニタリングツール一覧
フォレスター・リサーチの専門アナリスト、Suresh Vittal氏によると、次のような日本語対応ツールがあるという。

●編集部 Webサイトの効果測定は、アクセス解析ツールの普及にともない統一的な指標が存在しますが、ソーシャルメディアに統一的な効果測定のプラットフォームは存在するのでしょうか。

●ジョシュ ソーシャルメディアの使い方自体が非常に多様的なので、今の時点では効果測定のための統一的なプラットフォームというものは存在しません。

これから測定ツールの成熟度が進むにつれて、たとえば、マーケティングによってmixiの中でどういう効果があったのかを測定できるようになるかもしれません。ですが、ソーシャルメディアの効果測定というのは定性的な側面が強いので、そういう意味では一般のバナー広告やコンバージョン率と同じレベルで語ることは時期尚早だと思います。

まだ新しく、今まさに標準になりつつあるものを測定するというのは難しいことです。ソーシャルアプリケーションは強力なものほど独自性が強いため、逆に測定が難しいと言えます。

●編集部 マーケターが集めて分析したデータを、上司や経営者にレポートするにはどういう形で行うのがよいか。

●ジョシュ その考え方が、そもそも間違っていると思います。ソーシャルアプリケーションに取り組むときは、あらかじめ測定のことを考えておくことが重要です。

たとえばマーケターが上司に対して「オンラインコミュニティを始めたいが、12万ドルの予算が必要。この初期投資によってクリックスルーを20%改善したい」ということを先に言っておくべきです。

逆に、それをしないとただ実施しただけで、レポートして、うまくいったのか、行かなかったのかという判断をする際に問題が起きます。なぜなら、ソーシャルメディアの効果を後から説明するというのは非常に難しいからです。

ソーシャルメディアの世界では、もちろん想定外のことが多々起こると思います。想定以上に良い状況になれば、その段階で測定方法そのものを代える必要があるかもしれませんし、逆にひどいことになった場合は臨機応変に対応しなければいけないかと思います。

ただし、はじめから期待値の話しをしないまま、半年間ただ漫然と実施して、その結果今こういう状況になりましたというだけでは、決してソーシャルメディアは上手くいかないと思いますね。

成功法則1
目的を明確にし、効果測定の方法をあらかじめ決めておく
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