カスタマーエクスペリエンスで道は開ける~フォレスター・リサーチのWebサイト方法論

ad:tech基調講演のジョシュ・バーノフ氏に聞くソーシャルマーケティング【独占インタビュー】

ad:tech Tokyo 2009でオープニングの基調講演を行うジョシュ・バーノフ氏

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ジョナサン・ブラウン

[コラム]カスタマーエクスペリエンスで
道は開ける
~フォレスター・リサーチのWebサイト方法論
by ジョナサン・ブラウン

フォレスター・リサーチのシニア・アナリストであるジョナサン・ブラウン氏によるウェブコラム。

主にカスタマーエクスペリエンスとマーケティングの側面から企業のビジネスをサポートしているジョナサン氏が、企業サイトにおけるユーザー志向の考え方や方法論をさまざまな切り口で解説します。

ad:tech Tokyo 2009

9月2日~3日に開催されるad:tech Tokyo 2009 “interactive & digital marketing in Japan”まであと1か月を切りました。このコラムを読んでくださっている読者のみなさんも多数参加されることと思います。

ad:tech Tokyo 2009関連情報

今回私は、イベントに先駆けて、ad:tech Tokyo 2009でオープニングの基調講演を行うジョシュ・バーノフ(フォレスター・リサーチのアイデア・デベロプメント担当、シニア・バイスプレジデント)にインタビューを行いました。

ad:tech Tokyo基調講演と書籍『グランズウェル』

ジョシュ・バーノフ氏
写真提供:ジェレマイア・オウヤン

●ジョナサン 今回の来日が、ジョシュさんにとっての初めてのアジアの体験ですよね。

●ジョシュ そうですね。今回の来日の主な目的は、ad:tech Tokyo 2009での基調講演です。「マーケティングの未来像 デジタルによる広告の転換期」と題して、なぜ今デジタルメディアが重要なのか、そして、それをどのようにマーケティング戦略に取り入れていくべきか、事例やデータを用いながら日本のみなさんにわかりやすくメッセージを届けたいと思っています。

ちなみに、8月の終わりから9月の第1週にかけて日本に行きます。基調講演以外にも、滞在中に何社かの方とミーティングする予定ですし、ソーシャルメディアに関心のある人たちとのカジュアルなネットワーキングイベント「Tweetup in Tokyo with @jbernoff」も開催します。日本のみなさんがTwitterなどのソーシャルメディアをどのように利用しているのかとても興味があり、みなさんとお話することをすごく楽しみにしています。facebookで参加登録を行っていますので、ご関心のある方はぜひご参加ください。

また、日本滞在後は韓国にも行く予定です。今回、私にとって新しい2か国でさまざまな人とお話しができることをすごく楽しみにしています。

グランズウェル

●ジョナサン 約1年前に出版されたジョシュさんの著書『グランズウェル』では、企業がどのようにソーシャルコンピューティングをビジネスに取り入れて成果を出しているか、わかりやすく紹介されていたと思います。もしジョシュさんが今、優れたソーシャルコンピューティングの活用事例を紹介する本を書こうと思うのであれば、どの会社の事例を最も優れたものとして紹介しますか?

●ジョシュ 我々がこれまで見てきた中で最も洗練された事例だと思われるのは、コンピュータメーカーのDell、ソフトウェアメーカーのIntuit、家電量販店のBest Buyです。というのも、これら企業では個別のアプリケーションを利用するに留まらず、ビジネスのどの部分においてもソーシャルインタラクションを取り入れているからです。最初は1つだけの活動だったけれども、今ではそれを社内のどの部分においても活用しているというわけです。

ソーシャルマーケティングで達成する5つのビジネス目的

●ジョナサン 『グランズウェル』では、企業がソーシャルコンピューティングを何のために利用できるか紹介されていたと思います。その利用目的の中で、どれが一番大事で、どれが一番成功していると思いますか?

●ジョシュ 企業がソーシャルコンピューティングを利用するにあたって設定可能な目的は5つあります。

耳を傾ける(Listen)」つまり、顧客の会話に耳を傾け、顧客のニーズを理解すること、
話をする(Talk)」つまり、顧客との会話に参加し、会話を促進すること
活気づける(Energize)」つまり、熱心な顧客を支援し、他の顧客に影響を及ぼすこと
支援する(Support)」つまり、顧客同士が助け合えるようにサポートすること
統合する(Embrace)」つまり、顧客からアイデアを得て製品開発やイノベーション生み出すこと

の5つです。企業のソーシャルコンピューティング戦略には、この5つの目的がどれもよく使われており、それぞれ成功事例もたくさんあります。

私は仕事上、主にマーケティング部門の人たちとよくやり取りをしますが、マーケティング部門の人たちは「話をする」ことと「活気づける」ことに取り組んでいることが多いですね。一方、カスタマーサポート部門などでは、コミュニティを「支援する」ことにとても興味を持っているようです。また、カスタマー・イノベーションのためにコミュニティを「統合する」こと、そしてお客さまのリサーチのためにコミュニティに「耳を傾ける」ことは、多くの企業が使っている効果的な戦略です。企業の戦略によって、うまく使い分けることが大事でしょう。

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