カスタマーエクスペリエンスで道は開ける~フォレスター・リサーチのWebサイト方法論

こんなに進んでいる! 米国最先端3社のVOC(顧客の声)活動と成果の事例

米国の進んでいる企業は、いかにして顧客の声を集めてカイゼンに役立てているのか?
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ジョナサン・ブラウン

[コラム]カスタマーエクスペリエンスで
道は開ける
~フォレスター・リサーチのWebサイト方法論
by ジョナサン・ブラウン

フォレスター・リサーチのシニア・アナリストであるジョナサン・ブラウン氏によるウェブコラム。

主にカスタマーエクスペリエンスとマーケティングの側面から企業のビジネスをサポートしているジョナサン氏が、企業サイトにおけるユーザー志向の考え方や方法論をさまざまな切り口で解説します。

顧客の声に応えるVOCプログラム

カスタマーエクスペリエンスフォーラム

6月22日(月)、フォレスター・リサーチは、ニューヨークで開催したイベント「カスタマーエクスペリエンスフォーラム」において、2009年に最も優れたVOCプログラムを実行した企業に贈られる賞「VOC(ボイス・オブ・ザ・カスタマー)アワード」を発表しました。

さて、VOCプログラムとはいったいどういうものなのでしょうか。

カスタマーエクスペリエンスを使って他社との差別化(Experience-Based Differentiation)を実現するために大事なことは、まずお客さまのニーズを常に考え、意識することです。それを実践するために、社内にVOCプログラムを導入する会社が増えてきています。VOCプログラムでは、定期的にお客さまアンケートを実施したり、各タッチポイントでお客さまの声を聞いたりお客さまの行動を観察したり、mixiのようなソーシャルネットワーク上でお客さまが会社のブランドについて何を話しているかを調査したりします。すでに存在する情報を調べるリアクティブな行動だけでなく、お客さまの声を積極的に聞きに行くようなプロアクティブな活動も含めて、すべてがVOCのプログラムに入ると考えていいでしょう。

また、お客さまの声を聞くだけで終わってしまうと、まったく意味がありません。VOCプログラムで大事なのは、お客さまからのフィードバックを収集して、それに応えるために体系的なアプローチをとることです。つまり、お客さまの声を聞いて、アクションを起して初めて、正式なVOCプログラムだと言えるでしょう。

フォレスターは、VOCプログラムはとても大事だと考えます。なぜなら、お客さまの声を聞かずして、お客さまのためのエクスペリエンスを作るのは無理だからです。そこで、今年VOCアワードを開設したのです。

フォレスターは4月からフォレスターのWebサイトやブログにて「優れたVOC活動の事例を教えてください」と公募を行ったところ、なんと米国の有名な企業40社からの応募があったのです。

応募いただいた事例は、フォレスターのカスタマーエクスペリエンスチームのトップ3人のアナリストが時間をかけて評価しました。評価のポイントは以下の4つです。

2009年フォレスターVOCアワードの4つの評価ポイント
  • VOCプログラムが組織にどのような価値をもたらしたか
  • VOCプログラムはカスタマーエクスペリエンスにどのような良い影響与えたか
  • アプローチ(やり方)の革新さ
  • 他の企業が同じような戦略(活動)を利用できるか

評価の結果11社がファイナルリストに残り、最終選考の結果、次の3社が今年のVOCアワードに選ばれました。

  • 信用情報サービス会社のExperian
  • 自動車保険会社のProgressive Insurance
  • 投資信託会社のVanguard

それでは、この3社のVOCプログラムがどのようにすばらしかったのかをご紹介しましょう。

Experian社(信用情報サービス会社)

Experian社(信用情報サービス会社)

Experianでは、「リレーションシップ・フィードバック」と「トランザクショナル・フィードバック」という2つの形態で、顧客からのフィードバックを取っています。

リレーションシップ・フィードバックでは、年に2回お客さまにアンケート調査を行い、アクションプランやスコアカードをレビューしています。トランザクショナル・フィードバックでは、各タッチポイントでお客さまが行ったことを日々トラックしています。満足度を調べるためのサトメトリックスというシステムと、CRMシステムのシーベルを連結させて、たとえば満足スコアが0~6の「会社にとって望ましくない意見をもっている人」が発生したときには、すぐにアカウントチームに警告がいって、48時間以内に対応しなければいけないことになっています。また、個々のお客さまのコメントが現場で働く人にとってとても需要であると考え、コメントに対して何か行動を決めた場合は、その情報を組織内ですべて見えるようにしています。

Experianは、ロイヤルティを高めるための11の主要な要素を発見し、それを利用して、リスニングプロセスにおいてロイヤリティを測定しました。測定にはネットプロモータースコア(NPS)を利用していますが、NPSは年々上がっています。2005年では10.3%でしたが、それが年々改善され、2009年には27.8%まで伸びました。

また、ExperianはNPSの改善と顧客の購買意識の向上との相互関係をはっきりと見ることができました。Experianの売上もNPSと同様に年々伸びており、売上と利益率は今日、競合社と比較して最も高くなっています。

Progressive Insurance社(自動車保険会社)

Progressive Insurance社(自動車保険会社)

Progressiveのミッションステートメントは、「優れたオンラインサービスと対面でのカスタマーサービスを提供することによって、お客さまのライフタイムを通して、個人向け自動車保険の第一選択肢になることを目指す」です。このビジョンを実現するために、お客さまからのフィードバックを聞き、分析し、実際にそれに対応してアクションを起すことがとても大事だと思っています。契約済みのお客さまだけでなく、まだ契約していない見込み客や、損害賠償を行っている人、あるいは販売代理店もみんなお客さまだと考えているProgressiveは、複数のツールを使ってお客さまの声を収集しています。

まず、ロイヤルティ・アンケート調査では、毎日ランダムにお客さまにアンケートを送っています。これによって、タイムリーに、かつ継続してお客さまの声を聞くことができます。この調査は2006年にスタートしましたが、2008年までに100万人からの回答を得ました。また、実際に取引を行っているお客さまを対象に行うアンケート調査もあります。損害賠償請求を行っているお客さまを対象にしたものや見積もりを請求した人に送るもの、あるいはオンライン取引を行った人を対象にしたアンケートも行っています。オンライン取引のアンケートでは、お客さまがWebサイト全体だけでなく、各ページについてもフィードバックを行えるようにしています。

これらのアンケート調査のほか、社員や販売代理店からのフィードバック、カスタマーサービスへの問い合わせ、口座解約時のアンケート調査、市場調査、ソーシャルメディアのモニタリング、そして外部の調査会社による分析など、さまざまな方法でお客さまの声やデータを集めています。

そして、集めたデータを分析して改善へとつなげた結果、目に見える改善が生まれました。カスタマーリテンション(顧客維持率)は11%向上し、2009年のNPSは2年前と比べて8.5%上昇しました。調査会社JD Powerが2008年に行った調査では、顧客満足度が28ポイント伸びました。これは保険会社でトップクラスの伸びでした。

また、お客さまのフィードバックによって、お客さまのニーズに合ういくつかの新しい製品を開発することもできました。たとえば、「アンブレラ・インシュアランス」という普通の契約内容よりももっといろんな保険が必要なお客さまのための製品や、ペットを愛する人たちのための「ペット保険」などを作成しました。さらには、エラーの改善や電子コミュニケーションの開発など、お客さまに対するサービスの改善も、お客さまのフィードバックにより実現できました。

Vanguard社(投資信託会社)

Vanguard社(投資信託会社)

Vanguardでは、「お客さまのニーズを把握する唯一の方法は、お客さまの声に注意深く耳を傾けることだ」と考えます。そのため、市場調査、フォーカスグループ、個別のお客さまのインタビューなどを通して、Vanguardの製品や競合社製品に対するお客さまの意見を積極的に聞いています。また、それをお客さまの個別のニーズに合う製品やサービスの開発に役立てています。

使っている手法は、従来からよく行われているアンケート調査やオンラインチャット、エスノグラフィックリサーチなどさまざまです。それらを継続して利用し、測定していくことで、重要な分野での改善を見ることが可能になりました。たとえば、2007年末に、VOCプログラムを通じて、問題が発生したときの対応サービスに課題があることがわかりました。Vanguardはそれを解決するためチームを配置し、何が課題なのかを把握して、問題解決サービスのプロセスのどこでお客さまが満足していないかを突き止めました。そして、2008年初めには、改善された新しい問題解決のプロセスを導入しました。その結果、サービスに対する満足度が59%伸びました。

また、2007年からの2年間、お客さまと社員の声を聞くことによって、約690万ドルのコスト削減や不必要な支出の回避ができました。

Vanguardでは、全社的にNPSを継続してモニタリングしていますが、2007年~2008年にかけて、これまで以上にお客さまのニーズにフォーカスし、カスタマーエクスペリエンスの改善に努めた結果、NPSは32%伸びました。

◇◇◇

今回の3社がどのような優れたVOCプログラムを行ったかについてのより詳しい情報は、以下のサイトにあるリンクから、各社のNomination Formをダウンロードいただくことによりご覧いただけます。

御社のVOCプログラムの参考になればと思います。

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