マーケターが消費者に対して守るべき10の倫理原則(米国クチコミマーケ協会)
今日は、米国のクチコミマーケティング協会(WOMMA)が出している、「マーケターがブロガーとやりとりする際に守るべき10の倫理原則」を紹介します。
ペイパーポストに限らず、ブロガーイベントなどでも、企業のマーケターがブロガーさんと接触することが増えているかと思います。その際に、WOMMAの倫理規定を外れないために守るべきことが示されています。
注意点:何よりもまず消費者が大切。誠実さはオプションではなく必須。嘘やごまかしは必ず暴かれる。
私は決して嘘をいわず、偽りの情報をそれと知って伝えることをしません。だれに対しても、私のためにブロガーをだますことを依頼することは、私は決してしません。
ブロガーと接触したりブログにコメントを書いたりするときは、私がだれであって、だれのために働いているのかを(自分の所属と提携先)、接触の最初の時点から完全に情報開示します。
私は、ブロガーによって定められた範囲を越えて行動することは決してしません。私は投稿したりコメントしたりする先のコミュニティのすべてのガイドラインを尊重します。
私のために嘘をつくことを、私は決してブロガーに依頼しません。
私は、未成年者とやりとりするとき、または未成年者が読むと思われるブログにおいては、特に十分すぎるほどの注意をします。
私は、広告やアフィリエイトプログラムを利用してブロガーの所得に影響を与えることはしません。
私は、コメントを投稿したり情報を伝播させたりするための自動化システムを利用しません。
私は、ブロガーに対して費用の補償をすることは利害衝突のように見えることを理解しています。そのため、ブロガーに対して提供する補償やインセンティブに関しては、そのすべてを情報開示します。
私は、レビュー用に商品をブロガーに送ったとしても、ブロガーはその商品に対してコメントする義務がないことを理解しています。商品の返却も、ブロガーが自らの裁量で行えます。
私が送った商品について言及したブロガーに対しては、その商品の出所について情報開示するように、私は積極的にブロガーに働きかけます。
このリストはガイドラインの草稿として示されているものですが、マーケターがブロガーに対して行っているコミュニケーションに問題がないか確認し、将来にわたって健全な関係を保っていけるよう出されたものです。「クチコミの倫理」を概念から実践にもっていけるようにするためのツールですね。
利用方法としては、
- ブログを書く人・読む人・コメントする人が、このリストとWOMMAの倫理規定を参照できるようにする。
- ブロガーと連絡をとる前にリストを確認する
- 守られていることを確認できる仕組みを組織のなかに作る
などが示されています。
これは法律ではなく倫理を保つためのガイドラインだということに注意してください。書かれたことを守るのではなく、書かれていることの意味を理解して行動に反映するのが大切なのです。もし、「あのリストには無形サービスに関する言及はなかったから、サービス関連のクチコミでは守る必要がない」というような考え方をする人がいたら、その人はネット時代のマーケに携わらないほうがいいと思います。
日本でも、「WOMマーケティング協議会」という組織の設立準備会が作られ、業界団体の設立を目指して活動しています。そういったなかで、このようなガイドラインが作られていくといいですね。
- WOMMAマーケターがブロガーとやりとりする際に守るべき10の倫理原則
→ http://womma.org/bloggerethics/guidelines/ - WOMMA倫理規定
→ http://womma.org/ethicscode/code/ - 日本のWOMマーケティング協議会
→ http://womj.jp/
この記事は、メールマガジン「Web担ウィークリー」やINTERNET Watchの「週刊 Web担当者フォーラム通信」に掲載されたコラムをWeb担サイト 上に再掲したものです。
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