検索エンジンが好むリンク獲得に成功している事例
普段から仕事の量が多すぎるのに、最近は輪をかけて超過密スケジュールになっているので、今夜の記事は短めに。落ち着いたらブログ執筆を本格的に再開したいと願っているよ。
ビギナーズガイドの最終回(解析に関するもの)や、最近アイスランドで開催されたRIMC(レイキャビク・インターネット・マーケティング・カンファレンス)に参加したときのすばらしい旅行について、さらには、ニックの斬新な「上位ページ」ツール(まじめな話、これはSEOの仕事を本格的に変える)の使用についても深く詳しく、いずれ書きたいと思っているんだ。
僕がよく観察する検索結果の1つは、グーグルで「SEO」というクエリを実行したときのもの。その主な理由は、SEOmoz自体の順位が7位から15位の間で頻繁に(ときには時間単位で)変動するからだ。検索順位を観察すべきではないというのはわかっているけど、僕も他のSEOマーケターと同じように、少し中毒気味なんだ (^^)
ごく最近のことだが、OpenCube.comという新しいWebサイトが、ずっとグーグルのトップ10圏内に顔を出すようになった。OpenCubeでは、CSSを使ったおしゃれなメニューをオンラインで作成できるサイトだ。作成ツールは使いやすく、何万ものサイトがそのすっきりした独創的なCSSメニューを採用している。このサイトのリンクを調べてみよう。
ページのmozRank(www.opencube.com):7.59(10点満点)
mozRankは、ウェブ上におけるページの人気度を表します。獲得している外部リンクが多ければ多いほど、人気度は高くなります。重要なページからリンクされると人気度が上がり、mozRankはさらに向上します。
ページへの外部リンク(www.opencube.com):110万8,916リンク
他サイトからこのページに張られた外部リンクの総数。サイト内リンクやmozRankに貢献しないリンクはカウントしません。
ページにリンクを張っているドメイン名:9,200ドメイン名
このページにリンクを張っているWebサイトの数。獲得している外部リンクの数と比較することで、ウェブ全体におけるリンクの分布状況がわかります。
ドメイン名のmozRank(www.opencube.com):6.90(10点満点)
ドメイン名のmozRankは、ページ単位ではなく、ドメイン名同士がどのようにリンクしあっているかをベースとしたリンク人気の指標です。ドメイン名としての人気度を表します。
Linkscapeはこの間インデックスを更新したばかりなので、ここで示した数字は間違いなく最新のデータだ。そして、これから話すのは、1万弱のドメイン名から張られている約110万のリンクについてだ。ヤフーの場合はさらにその数が多い(ただし、nofollow属性付きリンクについて、Linkscapeでは除外しているのに対し、ヤフーは勘定に入れている)。
最初僕は、OpenCubeが「SEO」というアンカーテキストを含む新しいリンクを数多く獲得し始めたに違いないと考えた。幸いにも、これを調べるには、SEOmozの新しい被リンクのアンカーテキスト分析ツールが役に立つ。
少なくとも上位3000のリンクにおいては、「SEO」という語がアンカーテキストに含まれているリンクは1つもないようだ。
これを確かめるために、僕はもう1つ、ヤフーで高度なクエリを実行した(ヤフーでは、こんな風に詳細に検索条件を設定した調査を実施できる)。僕が使用したのは、以下のようなクエリだ。
この検索で何がわかるのかというと、title要素やURL以外でSEOという言葉を使用しているopencube.comへのリンクすべてだ(Opencubeのサイト内リンクを除く)。検索結果には3000件ほどが表示されたが、これらを見ていくと、アンカーテキストに「SEO」を使用しているOpencubeへのリンクは1つもなかった(すべてのリンクをチェックしたわけではないけど)。
さて、公平を期すため、この結果を例として使い、いくつかのポイントを説明しよう。
僕らは、上記の例に限らず、多数の検索クエリにおいて、グーグルではアンカーテキストの効果がやや失われていることに気づいている(少なくとも、かつてのような圧倒的な影響力はない)。
同様に、多数のさまざまなルートドメイン名からリンクを得ているサイトの方が、対象を絞り込んだニッチなサイトよりも優位に立っているのを確認している(おそらく一部は、数週間前にSEOに関する議論で大いに取り上げられた、ブランド志向を強めた「Vince」アップデートのためだと思われる)。
自社の製品を使っているサイトに設置される埋め込み可能なウィジェットや短いコードは、最も有用で強力なリンク獲得ターゲットの1つだ。
考えてみよう。Opencubeは人手によらないリンクを1つも獲得していない。Opencubeにリンクを張っている個々のサイトやページは、「これはわれわれがが使用し、満足している製品である」と表明することによって、Opencubeの製品を暗黙のうちに支持している。リンク構築戦略に関して、これは確かに僕の好みだし、間違いなく効果もある。OpenCubeチームに喝采を送ろう。僕らはみな同社の見事な戦略の例から多くを学べるだろう。
追伸:「CSS Menu」「Pure CSS」さらには「Capable Navigation」などのクエリでも、OpenCubeが高い検索順位を獲得していることを確認してみよう。
追追伸:今朝になってOpenCubeの検索順位が下落しているのを指摘する声がコメント欄に数多くあった。昨晩、OpenCubeに関する記事を書いたとき、さらに徹底した調査をしなかった僕の落ち度だと思う。不幸にも彼らのリンクの多くは、リンクの埋め込み方のせいで、必要もないのに非表示になっている。たとえば、OpenCubeのメニューを設置する場合に使用するコードの一部を見てみよう。
<a href="http://www.opencube.com" style="display:none">
Infinite Menus, Copyright 2006, OpenCube Inc. All Rights Reserved.<a/>
OpenCubeは人手を経てこれらのリンクを獲得しており、決して「スパム的」ではないのだから、「display:none」という、リンクを非表示にするコードがまったく不要なのは明らかだ。なぜ彼らがこのような方法を取ることにしたのかわからないが、OpenCubeは僕が考えていたような、リンク構築の完璧なお手本いうわけではない。「display:none」の部分を削除すれだけでば、ずいぶん良くなるだろう(ついでに、アンカーテキストの最適化もちょっと必要かな)。したがって、OpenCubeに関しては、するべきこと、そして悲劇的にもすべきでないことの好例となってしまっている。
さらに追伸:OpenCubeは「SEO」という検索語で10位に返り咲いたほか、「CSS Menu」などのクエリでも上位にランクインしているようだ。コメント欄でMertが、「display:none」を使用しているリンクは限られており、さらにそれは意図的ではなかった(それは最適化されていないアンカーテキストからも明らか)と指摘している。僕もOpenCubeがスパムや不正操作を試みていたとは思わない。だから、彼らがその優秀な埋め込み戦略で今後も恩恵を得ることを期待しよう。
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