ローカル検索情報の管理に役立つGetListed.org
今年、私を担当しているスポーツトレーナーが独立を決心し、TN Multisportsというトライアスロン・トレーニング会社をシアトルで立ち上げた。私は彼女のためにWebサイトを用意し、GetListed.orgを実際に使ってみることにした。
GetListed.orgは、デビッド・ミーム氏とパトリック・セクトン氏が手がける新しいサイトで、地元業者が、主だったローカル検索エンジンに情報を登録したり、自分たちの評価や引用を確かめたりできる。セクトン氏の説明はこうだ。
われわれがこのツールに望んでいるのは、小規模企業のオーナーたちにとって、オンラインで自社を売り込む無料の機会を知る助けになること、そして検索エンジンに関し、小規模企業の多くが感じている当惑を多少なりとも解決する手助けになることだ。
TN Multisportsは会社もWebサイトも出来たてなので、GetListed.orgを試してみる上で格好の事例になると思った次第。
TN Multisports社が、グーグル、ヤフー、Live Search、Best of the Webのローカル検索データベースに登録されていないことを、GetListed.orgは正しく認識した。
グーグルの欄にある「自社情報を登録」リンクをクリックすると、別ウィンドウでGoogleローカルビジネスセンターの登録ページが表示される。そこで、手順に従ってグーグル、ヤフー、Best of the Webの無料ローカル企業アカウント(BOTWには月額9.99ドルの有料アカウントもある)とLive Searchに、TN Multisportsを登録した。
グーグルでは確認手続きの方法を、電話か郵便を選択できる。事情を知らないトレーナーが確認の電話を受け取るのは避けたかったので、私は郵便での確認を選んだ。しかしミーム氏は、郵便物は紛失することもあるため、電話による確認手続きを推奨している。ミーム氏によると、グーグルは実際の企業オーナーが会社情報の登録申請をすることを望んでいるという(SEO業者が確認するのではなく、という意味)。Live Searchも郵便で確認手続きを行うと謳っているので、こちらも私の方で手続きできるだろう。ヤフーの場合、この種の確認手続きを行わないので、どの程度きちんと登録してもらえるのか首をひねってしまう。
というわけで、とりあえずのところ待つ以外にやることがない。数週間して、確認の書類を受け取り、登録情報を確認できるようになってから、もう一度GetListed.orgで調べてみよう。それが済んだら、自分の登録情報に関して何か引用がないか調べたり、レビューがあったかどうかを調べたりできる。ここでいう「引用」とは、登録した企業の社名と住所または社名と電話番号について他サイトが言及しているものを指していて、GetListed.orgによると、「グーグルなどの検索エンジンが使用し追跡している」情報だそうだ。こうした引用は、データプロバイダ由来のものや、主にデータプロバイダが情報を提供し、グーグルが抽出しているサイト由来のものだ。SEOmozを例に取ると、グーグルで引用が2件あるとわかる。
1つ目の引用はSEOmoz自身のサイトで、2つ目はマイケル・バンデマール氏のブログだ。バンデマール氏の引用は好意的なものではないが、残念ながら引用を削除する手段はない。検索結果ページにおける評判管理と同じように、私たちは否定的な結果を他のコンテンツで押し下げなければならないだろう。
引き続きSEOmozを見ていくと、グーグルには登録を申請してあるものの、他の検索エンジンについてはどこにも申請していないことがわかる。
「登録状況スコアとは?」というリンクをクリックすると、登録状況スコアに関する説明が現われる。そこには、どうすればスコアを改善できるか詳述した、便利なチェックリストへのリンクも掲載している。
前の画面に戻り、「詳細チェックを試す」というリンクをクリックすると、SEOmozに関する登録情報が複数出てくる。それぞれ、以前の住所のものだ(私がSEOmozに勤め始めてから2回は引っ越してる)。
これは把握しておくべき実に重要な情報だ。ミーム氏も「検索エンジンで表示するデータを統一するために、住所の古いものの内容を確認し、情報を更新することが大切だ
」と言っていたしね。それに、SEOmozの古い登録情報の1つには引用が何件か付いているから、それを取り込むことで、上手く行けば、一番最近の住所の登録情報にくっついている否定的な引用を追い払ってくれるかもしれない。もう1つ注意してほしいのは、社名のうち2件が「SEOmoz」となっていて、1件が「SEOmoz.org」になっていることだ。ミーム氏は「会社に関する情報の一貫性を保ち、毎回同じ名称を使用することが重要だ
」と強く語っていた。
個人的にこうした情報を見るのは好きなのだけど、「詳細チェックを試す」をクリックしようとは思わない。なぜなら、そのリンクの上には「別の会社について調べてみる」と書いてあるからだ。SEOmozの現住所で調べた結果は、まさに予想通りのものだったので、あえて詳細チェックはしなかった。もし登録状況で、「関連がありそうな類似の会社の情報が××件見つかりました」なんて表示が出てきたら、クリックして古い登録情報を更新せずにいられなかっただろうに。
他にGetListed.orgで良くできていると思えるのは、ローカル検索エンジンで上位にランクインする方法や、ローカル検索マーケティングに関するアドバイスや情報やヒントなどを満載したすばらしいリソースセンターなどだ。同サイトはまた、該当の会社に関する最新のローカル検索エンジンのレビューも提供しているが、TN MultisportsやSEOmozについては何も情報がなかったので、今後ぜひともこの機能を試してみたいと思っている。
全体的に見て、個人的にはGetListed.orgのコンセプトが大変気に入った。小規模の会社にとって、特に、SEO業者を雇う余裕がなかったり、大規模なマーケティング予算を用意できなかったりするものの、オンライン上の露出をある程度獲得するうえで、できることを実施したいと考えているような会社にとって、特に有用なツールだと思う。
以前、ローカル検索で自分たちがどう扱われているのか気にも留めていなかった「HoneyHole Sandwiches」について記事を書いたけれど、これはローカル検索に関して、いかにGetListed.orgが役に立ち得るか示す好例だろう。また、私のようにローカル検索に精通しておらず、ローカル検索におけるランキング向上にはどの指標が重要で何をすべきなのか、それを理解するための集中特訓が必要なSEO担当者にとっても、GetListed.orgは最適だ。
さらに言えば、ローカル検索マーケティングに着手し、適切な方向へ進むための支えとして、みんなに紹介できるすばらしいリソースだ。
GetListed.orgに関して残念だった点の1つは、会社の登録情報を確認するために、同サイトに何度もアクセスし直さなければならない点だ。たとえば、グーグルとLive Searchから郵便で確認書類が届くまで、数週間ほど待たなくてはならないが、特に手紙が紛失した場合など、GetListed.orgで調べ直すのを忘れてしまいかねない。ある種の連絡メールや状況追跡機能などがあれば、忘れっぽい企業オーナーにとってぴったりのツールとなるだろう。パトリック氏は、iGoogleに追加できるGoogleガジェットを作成したけれど、こうしたものを使わなければ、GetListed.orgのツールを使って、自分の会社の情報を手作業で確認せざるを得なくなる。
だが、こうした「繰り返し作業問題」を除けば、GetListed.orgはローカル検索を補強するすばらしい新ツールで、ローカル検索に関して多数の地元企業やSEO担当者たちの助けになる可能性を持っている。サイトの状況監査や疑問の解決を目的として、TN Multisportsや友人の小規模会社のためにGetListed.orgを使い続けるのは間違いないし、ミーム氏とセクトン氏がどのように同サイトの改善を続け、さらに有益なものにするのか、楽しみに見守るつもりだ。
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