僕が最近訪れたサイトはどこもかしこも、SEOを目的としたサイト内リンク構造とアンカーテキスト最適化のためにフッターリンクを使う傾向を示していた。この手法はここ数年の間は有用だったけれど、現在僕がこれを誰かに奨めることはめったにない(SEOmozでもやはり、まもなくカテゴリ・リンクにフッターを使うのをやめる予定だ)。その理由を説明しよう。
- フッターリンクは検索エンジンによって自動的に低く評価される可能性がある
その証拠を見てみよう
ヤフーは、フッターリンクの評価を下げる可能性があると説明しているし、ビル・スワーブスキ氏はそのことを示すような特許をヤフーが出願したことを明らかにしている。
また、伝えられる状況を見ていると、グーグルも同じような(あるいはもっと踏み込んだ)対応をするかもしれない。
言うまでもなく、確実にリンクが最大の価値を渡すようにしたいのなら、フッターリンク(特にフッタークラス自体)を使わないようにするのが賢明だ。
- フッターリンクは多くの場合、そのページからあるURLへの最初のリンクではない
ページ上で最初に出てくるリンクのアンカーテキストが重視されることは知られている。そして、フッターリンクは多くの場合、そのアンカーテキストが最適化されていたとしても、すでにリンクが張られている対象ページへの2番目のリンクであることが多く、望んでいるような効果をもたらすことはおそらくない。
- フッターリンクのCTRは非常に低い
当然ながら、フッターリンクはWebページにおいて最も目立たないリンクなので、クリック率も低く、トラフィックも非常に少ない。したがって、BrowseRankなどのアルゴリズムや、その他のトラフィック指標が検索順位に影響を及ぼすようになると、おそらくフッターリンクはプラスの効果をもたらさない。
- フッターリンクによって、ページにおける好ましいリンク数を越えてしまうことがよくある
すでに80から100のリンクのあるページに、さらに30から50のリンクが埋め込まれたフッターを追加すると失敗することが多い。1つのリンクが渡すリンクジュースは減少し、個々のリンクの価値は低下する。
- フッターリンクの作成は、時間の無駄になる可能性がある
フッターで完璧なリンク構造を作るために費やす時間があれば、サイトのナビゲーションやコンテンツ間の相互リンクにおけるリンク構造をもっと最適化して、ユーザーからも検索エンジンからも歓迎されるサイトが作れるはずだ。
勘違いしてほしくないのは、僕は「フッターをきちんと作ることをお奨めしない」と言っているわけではないことだ。規模の大小を問わず、多くのサイトは今後も、リンクを配置する場所としてフッターを利用し続けるだろう。そして、色あせていく他のSEO戦略と同じように、フッターリンクにもある程度の残余価値があるのだ。
どのようなものが効果的かを理解するために、良い例と悪い例の両方をいくつか見ていこう。
良い例:
Shopper.com
構成、すっきりとしたレイアウト、見やすさ、そしてリンクジュースとランキング価値を渡すにふさわしいのはどのリンクか(ドロップダウンメニューと通常のHTMLリンクを使い分けることで)明確にしている点を、僕は評価している。また、フッター部分にある「Paris Hilton」(パリス・ヒルトン)というリンクには実際に目を奪われたが、単にCBSで人気のあるものの結果としてここにそういうリンクがあってもまったく自然だと考えれば、納得できない話でもない。
悪い例:
HAWAII-ALOHA.COM
これは、僕が最も嫌いなタイプのフッターだ。いくつものリンクをごたごたと詰め込んだだけで、明らかに、狙いは関連性ではなくてアンカーテキストだ。リンクは見づらく、読みにくいし、ユーザーに対する配慮がほとんどない。実際にマウスポインターを乗せてみるまで、本当にクリックできるのかどうかさえわからない。
良い例:
VIP Realty
「Dallas Condos」(ダラス マンション)で検索したとき、僕はきっと悪い例ばかり見つかるんだろうと思っていた。だからこそ、このサイトを見つけたときはとても興奮した。このサイトはさまざまなことを正しく行っていて、厳しいSEO市場において明らかに競争力を持っている。アンカーテキストへの最適化もそこそこ施されているが、決してやり過ぎてはいないし、ユーザーにとっても検索エンジンにとっても有用なリンクとなっている。さらに、レイアウトやデザインのクオリティもさらに好感度を引き上げている。検索エンジンにおいて手作業で評価される可能性を考えると、見栄えのよさが大事だということはいくら強調しても足りないくらいだ。
悪い例:
A Board Certified Plastic Surgeon
このサイトの場合、デザインはすばらしい。非常に魅力的なレイアウトとカラースキームだ。「Most Popular Regions」(最も人気のある地域)のリンクもそれほど悪くはない。気がかりなのはそのリンクの数だ。もし、(ほかにもさまざまなものが表示されているページに、さらにこれだけ多くのリンクを広げて表示したりせず)1段にまとめていたら、手作業での評価は難なく通過し、良好なリンクジュースを渡せるだろう。
だが、僕がほんとにいらいらさせられたのは、緑色のボックス中央に白抜きの文字で書かれた2行だ。2つの文の語句にいくつもリンクが張ってあるけれど、ポインターを合わせてみるまでリンクだということさえ気が付かなかった。厳密に言えば、検索エンジンのガイドラインに対する違反はないものの、こうしたリンクを低く評価する頭のいい方法を検索エンジンが考え出しても不思議ではないと思う。特にユーザーにとっての有用性ではなく、明らかにアンカーテキストを置くことが主眼になっている場合はなおさらだ。
良い例:
Yahoo! Food
このフッターも、すばらしい構成、優れた相互リンク(関連性を保ちつつ、他のネットワーク資産へと順次広がっている)、しっかりしたデザインを備えている。右端にある最も挑発的なリンクでさえ、自然かつユーザーにとって役に立つもののように見える。そのため、これらのリンクが大きな価値を渡すことについて検索エンジンが文句を付けるのは難しくなる。
良くも悪くもない例:
deviantART
これは巨大なフッターだ。本当に大きい。ユーザーにとっては有用だし、いくつか興味深いコンテンツも含まれているものの、実はフッターの役割を果たしていない。これはフッターというよりもむしろ、サイトに常設された巨大なコンテンツブロックのようなものだ。右端にある矢印でブロックを隠せるのは優れた機能で、デザインもしっかりしている。だが、実際のところリンク価値はないし、大きなブロックがサイト全体において重複コンテンツとなるんじゃないかと、僕は少し心配だ。
SEOの観点から見たフッターに関する一般的なルール
では、これらのフッターの分析から何が学べるだろうか? SEOの観点から見たフッターに関する一般的なルールをいくつか挙げてみよう。
- アンカーテキストにキーワードを詰め込みすぎない
- リンクは関連性が高く、役に立つものにする
- リンクの構成に頭を使う。大きなリストを放り込んではいけない
- 相互リンクはOK。ただし、自然に行うこと(単にSEOを目的としているのではないということを、手作業の評価でも信じてもらえるような方法で)
- nofollow属性については賢い使い方をすること。ウェブ上のほぼすべてのフッターには、リンクジュースを渡す必要のないリンクがいくつか交じっている。だから、利用条項や法的な注意事項を書いたページに、本当にリンクジュースを渡す必要があるのかどうか、よく考えてみよう。
- 品質評価において「不正な操作がある」と判断されないよう、見栄え良く、ユーザーにとって十分機能的なフッターにするようにしよう。
SEOの観点から見たフッターについて、みんなの意見は? 君はフッターをどのように使ってるのかな? あるいは逆に、どうやって使わずに済ませてる?
追伸:レイアウトやデザインの点からフッターを考えているのなら、マシュー・インマン氏の古い(しかし今でもすばらしい)記事「フッターが素晴らしい19サイトを参考に足もとを見直そう」を参照してみよう。
追追伸:感謝祭おめでとう! 今年は(他にもいろいろいい記事があったけれど)、検索エンジンにおけるスパム行為や不正操作に対して物申したダニー・サリバン氏のすばらしい記事に(そしてGoogleの対応にも)、感謝の意を表したい。
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