カスタマーエクスペリエンスで道は開ける~フォレスター・リサーチのWebサイト方法論

日本のSNSのユーザビリティを悪く (良く) しているポイント――フォレスターの調査結果より

今回は、ソーシャルネットワークにおけるユーザビリティのお話をしましょう。
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ジョナサン・ブラウン

[コラム]カスタマーエクスペリエンスで
道は開ける
~フォレスター・リサーチのWebサイト方法論
by ジョナサン・ブラウン

フォレスター・リサーチのシニア・アナリストであるジョナサン・ブラウン氏によるウェブコラム。

主にカスタマーエクスペリエンスとマーケティングの側面から企業のビジネスをサポートしているジョナサン氏が、企業サイトにおけるユーザー志向の考え方や方法論をさまざまな切り口で解説します。

みなさん、お久しぶりです。今回は、ソーシャルネットワークにおけるユーザビリティのお話をしましょう。

ご存知のとおり、この2~3年間、ソーシャルネットワークがトレンドになっています。どのソーシャルネットワークが人気なのかは、国よって異なり、英語圏ではMySpace(マイスペース)やFacebook(フェースブック)がリードしていて、ポルトガル語圏ではorkut(オーカット)が人気です。

日本でもmixiをはじめ、複数のソーシャルネットワークが爆発的に人気が出ています。

フォレスターが今年第二四半期(4~6月)に行った調査“Asia Pacific Technographics Survey, Q2 2008”によると、日本人の18歳から24歳のインターネット利用者の約60%がソーシャルネットワーキングサイト(SNS)を訪れており、約40%が実際に自分のプロファイルを掲載しています。

以下のグラフを見ると、若い世代ほどソーシャルメディアにアクセスしていることがわかるでしょう。

このSNSの流行を受けて、多くのニュースや記事で、SNSサイトの機能や社会的な役割が取り上げられていますが、今回フォレスターではSNSサイトをユーザビリティの観点から評価をしようと考えました。そして、3つのSNSサイトのPC向けインターフェイスと2つのSNSサイトのモバイル向けインターフェイスを評価しました。

評価の結果は、

  • Japan's Social Networks Need Usability Improvements
    (日本のソーシャルネットワークにはユーザビリティの改善が必要)
  • Japan's Mobile Social Networks Need Some Usability Tweaks
    (日本のモバイルソーシャルネットワークには多少のユーザビリティ調整が必要)

という2つのレポートにまとめました。

このレポートはつい先日リリースされましたが、Web担当者Forumの読者の皆様に、いち早く内容の一部をご提供しましょう!

またまだ改善が必要――PC向けSNSの評価

PC向けSNSサイトの評価に関しては、以前ご紹介したフォレスターのウェブサイトレビューと同じ手法で、ユーザーのゴールを決めて、シナリオにそってサイトを利用しました。

今回設定したユーザーは、20歳の女子大学生。彼女はよくPCや携帯電話を使って、オンラインで情報を調べたり、ビデオを見たり、友達とやりとりをしたりしています。友達がSNSのコミュニティに入っているので、オンラインを通じて友達との関係を深めたいと考えています。そこで、SNSサイトでメンバー登録を行い、高校や大学の友達を調べて連絡を取りたいというのが彼女のゴールです。

このユーザーのゴールとシナリオにそって、フォレスターのウェブサイトレビュー25項目のうち、SNSサイトにとって重要な10項目について評価を行いました。

評価点は

  • -2(大きな問題あり)
  • -1(問題あり)
  • +1(良い)
  • +2(ベストプラクティス)

の4段階で、最高得点は20点。合格ラインは10点となります。

今回レビューしたサイトは、まずPC上のSNSサイトとして、mixi、GREE、カフェスタの3つ。結果から言うと、mixiは+3点GREEは+2点カフェスタは-3点で、どこも合格点には至りませんでした。

問題のあった例を挙げてみましょう。

まずmixiではタスクフロー(作業の流れ)が非効率でした。PC上の申し込みサイトで登録する場合にも携帯アドレスの入力が必要で、今回フォレスターのテストユーザーは入力項目を間違ったり(PCと携帯のアドレスを逆に入力してしまったり)、携帯のメールフィルタに引っかかって確認メールが受信できなかったために次に進めないという障害に遭遇したりしました。PCと携帯の両方の確認メールを受信して承認しないと次に進めなくなる構造になっているのです。

逆に、mixiはベストプラクティスも提供しています。「ユーザーが必要とするコンテンツが提供されているかどうか」については+2を獲得しました。mixiは紹介制なので、スタートポイントは友達からのメールです。そのメールのレイアウトは非常に良く、友達の情報やメッセージが最初に出てくるので、ユーザーに安心感を与えるのです。

意外と悪くないユーザビリティ――モバイル向けSNSの評価

携帯サイトの評価についてもご紹介しましょう。

ユーザーゴールとシナリオは上記のPCサイト向けのものとほとんど一緒ですが、唯一違うのは「携帯から」登録を行って、友達とつながることです。

今回は、mixiモバイルとモバゲータウンの2つをレビューしました。結果は、mixiモバイルが+6点モバゲータウンが+7点を獲得しました。

これは私にとって驚きのスコアでした。普通、携帯デバイスのためにデザインするのはとても難しいと思います。しかし、意外にも、小さな限られた画面にコンテンツを掲載するために、シンプルかつわかりやすいデザインになっていたのです。

良かった点を挙げてみましょう。

mixiモバイルは携帯だけを使って登録ができるようになっており、タスクフローに関して+1点を獲得しました。

モバゲータウンでは、申込フォームで入力を間違えた状態からの復旧が優れていました。あるフィールドに入力し忘れた状態で[進む]ボタンを押してしまっても、次に表示された画面の上のほうに説明が表示されていて、さらにフォームの中で間違っている場所がハイライトされているので、ミスを直すのが楽でした。

◇◇◇

今回のリサーチで、SNSサイトのユーザビリティに複数の欠陥があるにもかかわらず、若者にとって人気のあるサイトであることがわかりましたが、今後、ソーシャルネットワーキングという動きが、年齢の高い人やより時間のない人に拡大していくのであれば、サイトでより高いユーザビリティを提供することが新しいマーケットにPRするのに良いポイントになるでしょう。

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