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SEOに標準規格は必要?(前半)――米国で起きている論争からわかること

検索マーケティング業界ではここのところ、SEOの標準規格に関するコンテンツをうんざりするほど見かけるんだけど、そういった記事を目にしたことのない人のために、その概要を説明しておこう。

ここに挙げたものをすべて読もうとすると本当に大変な労力が必要なので(検索業界というドラマに夢中になっている人たちは間違いなく読むだろうけどね)、僕が良いと思った見解や発言をいくつか紹介しよう。

  • ジル・ホウェイルン氏の意見:

    どんな業界にも、良い者と悪い者がいるわ。最終的には業界の市場の力と検索エンジン自体によって、何がベストプラクティスで、何がそうでないかが決まることになる。

    ……それが理解できない人たちなら、どんな定義や規定を持ってきても彼らを変えることなんてできっこない。そんな人たちは市場の力によって、やり方を変えるか、そうでなければ、結局は廃業するか、どちらかの道をたどることになるわ。

  • イアン・マカネリン氏の意見:

    私は反対だ。完全に自由放任にして、顧客の側が気をつければいいという考え方でいくのも、それはそれで結構だが、実際のところ、標準規格はSEO業者のためのものではない。

    一般の人々のためのものなのだ。

    SEO業者を他のSEO業者から保護する必要はない。検索エンジンも同様だ。

    弁護士、医者、消防士、エンジニアなど、ほぼすべての業界に標準規格があるのはなぜなのか?

    弁護士が他の弁護士からの保護を必要としているだろうか? 標準規格ができると、あなたが家を売却したり遺言書を作成したりするとき、弁護士の助けを借りられなくなるといった、重大な懸念があるだろうか? 疑うことを知らない情けない裁判官を、怪しげな弁護士がいいように利用するような事態になるだろうか? とーんでもない。

    標準規格が存在するのは、法律の訓練を受けていない一般の人々が自分の権利と責任について情報を得る権利を守り、サービスや専門的技術が一定の水準に達しているという当然の期待を持てるようにするためだ。

  • リサ・バロン氏の意見:

    検索エンジン最適化がきちんとした産業になるためには、まずは私たち自身が、この業界をきちんとした産業として扱う必要があるわ。実際、イアン・ミキャナリン氏は、冒頭で紹介した「検索マーケティングの標準規格を作るべき時が来たのか?」のセッションで、検索エンジン最適化が広告の一形態だということを私たちに再認識させてくれたけど、それはすばらしい指摘だったわ。もう規制すべきかどうかという問題ではないの。広告は規制「しなければならない」のよ。もし私たちがやらなければ、他のだれかがしゃしゃり出てきて規制をするでしょうね。私は自分たちでガイドブックを作成する方がいいと思うわ。

  • ジェシカ・ボウマン氏の意見:

    SEO標準規格の必要性に関する議論は、業界全体による明確な合意がないまま続いているわ。でも、間違いなく企業は、SEOに関する自社のスタンスを伝えるための、標準規格やガイドラインを持つべきだわ。つまり、容認できる実践方法を明確にすること、そしてこれはさらに重要な点だけど、サイトのトラフィックを増加させるかどうかにかかわらず、侵してはならない境界線を明確に引くことが必要だと思う。

  • クリス・ボグズ氏の意見:

    びっくり仰天だ。マーケターたちはSEOの威力をこれまで以上に認識しつつあるというのに、たちの悪いSEO業者の犠牲になる人も増えている。マーケティング管理者なら誰でも、グーグルや他のエンジンを検索して、SEOの体験に関する恐ろしい話をいくつも見つけられるはずだ……

    ……この件に関する多数の議論のなかに、「標準規格など必要ない」という姿勢を支持するコメントがたくさんあるが、こうした主張の大多数は、「何年間も標準規格なしで上手くやってきた」という根拠に基づいている。

    そんなのはたわ言だ! 繰り返すが、SEOは業界として発展し、「標準規格」を必要とする段階にさしかかったというのが私の反論だ。標準規格がないために、何が効果的で、何が容認できるリスクなのかについて、あまりにも多くの混乱が起こっている。

    こうした考え方を嫌うSEOマーケターもいるに違いない。なぜなら、仕事について説明する際に、より大きな保証とより明確な目標を約束する必要が生じるかもしれないからだ。他の業界のように、SEOマーケターも標準規格に従うべきだなどというのは、彼らにとってとんでもないことなのだ。

この最後の投稿には少々怒りを感じたので、コメントしておきたい。ボグズ氏はすばらしい指摘をいくつかしているし、いい友達でもあるけど、とんでもない状況になったりしていないことは確かだ。ボグズ氏は「たちの悪いSEO業者の犠牲にもなる人が増えている」と言うが、その主張を支える統計データを示す必要があると思う。正直に言うと、僕が個人的に経験したことからも、たしかに2004年から2005年の時点に比べて質が低下してきていることが窺えるけれど、根拠となるデータがあるわけでもないので、それを「事実」だと主張してボグズ氏の意見を支持するのも間違いだと思われる。また、率直に言って、SEOマーケターはあまりにも怠惰だから標準規格を受け入れることができない、などと匂わすのは、物事に取り組む姿勢としてあまり好ましいやり方ではない。

前後編の前編となるこの記事では、SEOの標準規格について、さまざまな意見をご紹介した。業界を取り巻く状況がわかったところで、後半では、こうした標準規格に対するRandの意見をお伝えする。→「SEOに標準規格は必要?(後半)――そのメリットとデメリット」を読む

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