Moz - SEOとインバウンドマーケティングの実践情報

SEOに標準規格は必要?(後半)――そのメリットとデメリット

この記事は前後編の後編となる。SEOの標準規格に関するさまざまな意見をお届けした前半に続き、後半では、こうした標準規格に対してRand自身はどのように考えているのかお伝えしよう。

オーケー、ここまで読んでくれば、知っておくべき情報はほぼ出揃ったようなものだ。ここからは、僕の個人的な意見を説明していこう。どの程度それを受け入れるかはあなたの自由だ。

最初に言っておくが、僕はこの問題に関しては全般的に、ジルの意見に賛成だ。検索マーケティングあるいはSEOに標準規格は必要ない

標準規格が必要だとする人たちの一部には、そのスタンスをとることで個人的に得をしそうな人がいるというのは事実で、それを無視することは難しい(そのことが彼らの意見には影響していないと思うことにしているけどね)。僕たちに必要なのは、顧客であり、検索エンジンであり、そしてたぶん、現場での訓練をもう少し重ねることなのだ。標準規格というのも選択肢の1つだし、それについては、他のあらゆるビジネス上の判断と同じように、じっくり検討するべきだろう。このことを念頭に置いたうえで言いたいのは、標準規格がもたらすプラス面もいくつかあるかもしれないという考え方を、僕は間違いなく受け入れるということだ。しかし、おそらくマイナス面もいくつかあると思う。以下、この両面を見てみよう。

検索マーケティング標準規格のプラス面

  • SEO業界に対するマスメディアの見方が好意的になり、それにより仕事が増える可能性がある。

  • 場合によっては、訴訟や法的問題に対する防衛手段として役立つ可能性がある(どの程度役立つものなのか、サラに教えてもらわなくちゃね)。

  • ひょっとすると、顧客とサービス提供者との間の信頼感が強まるかもしれない。

  • 業界外部の機関(政府など)が先に標準規格や規制を作るのを阻止できる。

標準規格によって生じる可能性のあるマイナス面

  • 標準規格によって境界線が生じ、その境界の外ではメンバー企業が活動できなくなる可能性がある(実験的取り組みや技術革新が制限される)。

  • 業界とその戦略は3~6か月ごとに変化するので、標準規格を継続的に更新、改正する必要がある。

  • 標準規格のあり方をめぐって、人々の間に衝突/紛争が生じる可能性がある。

  • 結局のところ、少人数の人たちが最終決定をすることになり、場合によっては業界内部に対立を(それから、自分は除け者にされたという疎外感も)生む可能性がある。

  • 標準規格を尊重する人としない人が、互いに敵意を抱く可能性がある。

  • 標準規格を支持する企業(あるいは競合する企業)の顧客に、企業に対して禁止措置や制裁措置を加える力を与えてしまうかもしれない。これにより、厄介な争いが生じる可能性がある。

  • SEO業界全体ではなく、「標準規格に従っている」企業のグループに所属するメンバーの活動を推進するために、資金や労力が使われるようになる。

  • SEOを議論するためのフォーラムが、SEOのガイドラインに違反する企業やサイトをあげつらう投稿で埋まってしまう(これらの企業が標準規格団体のメンバーでない場合、法的には何ら請求や懲罰を行えないとしてもだ)。

  • 標準規格団体のメンバーでないことを、「標準規格に従っている」企業よりも創造的で、実効性に優れている可能性がある証しとして、自ら宣伝するSEO企業はほぼ間違いなく出てくるだろう。

現在のところ、プラスに働く可能性よりもマイナス面の方が大きいと思うんだが、1つその例外かもしれないのは、プラス面の最後に挙げた、「誰か他の人たちが標準規格を作る前に自分たちで作る」という点だ。検索業界に何らかの規制がかけられそうな予兆など、まだ全然ないので、いささか恐怖をあおる方向に傾きすぎじゃないかっていう心配はしてるんだけど、僕としては間違いなく、米国政府(あるいは他国の政府)がSEOの標準規格を作るよりも、クリス・ボグズ氏やイアン・マカネリン氏にやってもらうほうが断然いいと思う。

正直に言うと、僕は特に標準規格に反対というわけじゃない。もし僕個人が標準規格に賛成するとすれば、あまり費用の負担が大きくなく、それほど時間を取られず、政治的問題が絡んでいない限り(この3つの条件がことごとく破られるんじゃなかろうかと、僕は心から心配しているんだけど)、たぶん標準規格団体に参加することに異論はない。

僕が考えている最大の問題は、個人も組織もこうした標準規格がどのようなものになるのか、その概要さえ実は提出していないということだ。ミキャナリン氏は自分のブログで、SEO標準規格に反対するホウェイルン氏の論点にいくつか弱いところがあると指摘した。しかし僕は、標準規格案が実際の文書にまとめられたのを見るまで、それを支持するのはかなり難しいことだと言いたい。まだ現実に存在しないものについて、やるかやらないか議論するなんて、ずいぶんばかげたことのように僕には思える。

だからこの記事は、役に立ちそうなもので締めくくりたいと思う。これは標準規格に関する意見を尋ねるアンケートだけど、標準規格が必要がどうかじゃなく、もし標準規格があったらあなた個人はどうするかという質問だ。

僕が懸念しているのは、政治の世界と同じように、実在しない標準規格の方が、現実の標準規格を目にするよりも、はるかに多くの人たちにとって受け入れやすいのではないかということだ。また現在、こうした標準規格の策定にあたるべき権威ある組織が検索業界にないことも不安だ。ダニー・サリバン氏とクリス・シャーマン氏なら、たぶんうまくやれるだろうが、彼らがこのようなプロジェクトに関心を示すかどうか、僕は相当疑わしいと思っている。また、SEMPO(Search Engine Marketing Professional Organization)は自ら標準規格団体でないことを公言している。SMXのセッションでは、検索マーケッターらがInteractive Advertising Bureau(IAB)やDirect Marketer's Association(DMA)に申し入れをして、標準規格の策定を支援してもらうという提案が出ていたが、これらの組織は検索業界での発言力がSEMPOよりもさらに弱いように思う。

やはり僕の意見は同じだ。まずはロードマップと、誰が標準規格を作るのか、そして実際の文書を明らかにしてほしい。受け入れるかどうか議論を始めるのはそれからだ。また、検索業界が自ら標準規格を作れない場合、外部から規制がかかる危険があるのかどうか、法律や業界規制に精通した人に意見を聞かせてほしいとも思っている。こういった作業のどれかをやってくれるボランティアはいないかな?

この記事が役に立ったらシェア!
みんなが読んでるWeb担メルマガで、あなたも最新情報をチェック
  • SEOやデジタルマーケの最新情報をゲット
  • 事例やインタビューも見逃さない
  • 要チェックのセミナー情報も届く
みんなが読んでるWeb担メルマガで、あなたも最新情報をチェック
  • SEOやデジタルマーケの最新情報をゲット
  • 事例やインタビューも見逃さない
  • 要チェックのセミナー情報も届く

Web業界の転職情報

もっと見る
Sponsored by

今日の用語

ユーザーテスト
Webサイトやソフトウェア、製品などの使いやすさ、使い勝手を実際にユーザーに試し ...→用語集へ

連載/特集コーナーから探す

インフォメーション

Web担のメルマガを購読しませんか?
Web担の記事がコンパクトに毎週届くメールマガジン「Web担ウィークリー」は、10万人が読んでいる人気メルマガ。忙しいあなたの情報収集力をアップさせる強い味方で、お得な情報もいち早く入手できます。

Web担に広告を掲載しませんか?
購読者数10万人のメールマガジン広告をはじめとする広告サービスで、御社の認知向上やセミナー集客を強力にお手伝いいたします。

サイトマップ
RSSフィード


Web担を応援して支えてくださっている企業さま [各サービス/製品の紹介はこちらから]