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SESカンファレンスの新たな方向性/新代表Kevin Ryanインタビュー

カンファレンスの演壇に立つ人物の半独占協定について、僕が書いた無責任な記事に対し、先週Search Engine Strategies(SES)カンファレンスと、その運営会社であるIncisive Mediaから、やんわりと誤りを訂正する指摘を受けた。

僕は自分が間違っていたと理解し、それを訂正したいと思い、ちょうど先週SESのトップ就任が明らかになったばかりのKevin Ryan氏にインタビューを求めたんだ。ラッキーなことに、Kevinはインタビューに同意してくれたので、僕は質問事項のリストを彼にメールで送った。さらにKevinとは、SES Torontoの開催中に1時間ばかりコーヒーを飲みながら、SESやKevinの新しい立場について議論する時間を持つことができた。

Kevin Ryan & Rand Fishkin at SES Toronto
Kevin(左)とRand(右):SES Torontoのエキジビジョンホールにて。

まずは、Kevinへのメールインタビューから始めて、それから実際に彼に会って話した内容についての僕の感想(および、これまで公になっていないSESのおもしろいニュース)を書き、この記事を締めくくりたい。


●RAND:まずは、あなたの新しいポジションについてお話を伺いたい。実際に、どんな仕事をしていくのですか? SESカンファレンスでは議長を務めるのですか? だとすれば、全体的に? それとも一部について? カンファレンスプログラムの作成もするのですか? セッションのテーマとか形式とか。講演者の選択も? 開催都市や日程も、あなたが決めるのですか? こうした件については、たくさんの人がとても気にしているので、できるかぎり詳しく、自由に話してください。

わたしは、世界中のカンファレンス議長と協力し、カンファレンス内容の決定や指揮に取り組んでいきます。「議長」という表現は、わたしの役割を正確に表すものではないかもしれませんが、(講演者や議題を決めるといったような)これらのことにすべて関わることになります。

●RAND:あなたはこの数年間、相当数の役職を経験して、現在の地位に就かれましたね。これまでに所属した会社の話、そしてそこでの役割を(手短かに、ポイントだけかいつまんで)説明してください。また、複数の協会にも所属し、さまざまなグループで公式/非公式の職務に就いていると聞き及んでいます。そちらのほうも、主なものについて話してもらえますか?

ご存じのとおり、この業界は非常にダイナミックで、何度かおもしろい経験もしてきました。経歴の大半は、企業の広告代理業務です。小さな新興会社から、巨大な持株会社まで手がけましたが、それぞれ利益のありかは違います。

わたしは、時間の許すかぎり業界に還元しようと努力してきました。IAB(Interactive Advertising Bureau、インタラクティブ広告協会)やAAAA(American Association of Advertising Agencies、全米広告業協会)やSEMPO(Search EngineMarketing Professional Organization)で、さまざまな委員会や活動グループと仕事をしたこともあります。

歴史を重ねていない業界では、発展の初期段階において手引きが非常に重要です。わたしが最も気に入っていた仕事は、おそらくiMedia Communicationsの検索エディタという役職と、ad:techの顧問委員でしょう。この2つの仕事の経験がなければ、Incisiveで働くという決断はしていなかったと思います。

●RAND:一連のSESカンファレンスに関して、内部における(つまり他所との競争ではなない)最大の脅威は何だと思いますか? 今すぐ、あるいは近い将来改善の必要がある面は何でしょう?

どのカンファレンスやイベントにおいても、最も重要なのはオーディエンスです。新鮮で話題性のあるコンテンツを提供し続けることが、何よりも優先します。わたしに関して言えば、幸いなことにIncisiveにはたいへん強力なチームがあり、市場におけるわれわれの地歩を守り、そして拡張していくのを助けてくれます。

どこかと競り合って勝つといったことに、わたしはあまり多くのエネルギーを注ぎません。相手のことを監視するのは、正しいビジネスのやり方ではありません。わたしはIncisiveのスタッフとともに、必要に応じて変化を加え、オーディエンスの話に耳を傾けるつもりです。

●RAND:一連のSESカンファレンスの戦略について、何かすでにアイデアはあるのでしょうか? 大きな変化があるのか、あるとすればどんなものに? 開催都市を増やす予定は? それとも規模を拡大するとか? 参加者が1万人規模に達することになるでしょうか? それとも垂直市場により特化して、ニッチなカンファレンスにしていくとか?

はい、アイデアはあります(注:この点については、あとでもう少し詳しく書こう)。

●RAND:たとえば、講演者の顔ぶれが大きく変わるというようなことは? これまでSESで講演したことのなかった人にも、声をかけたりするのでしょうか? あるいは、過去にオーディエンスの反応が良くなかった講演者を、今後メンバーから外すようなことも?

検索業界には、ちょっと見たところ数え切れないほどの専門家がいます。そして、過去何年にもわたって、SESの成功に時間とエネルギーとリソースを注ぎこんでくれた講演者の方々に感謝しています。しかし、業界に変化が生じれば、新たに人気を得る人物が現れるでしょうし、その人たちが、今日のSESを作り上げてくれた話題をもたらし注目を集める人々とともに、SESを代表する存在になってくれることを期待しています。

●RAND:業界で最も話題になっていることの1つに、今年初めてSES ChicagoとPubConの開催予定が重なっている、ということがありますが、これについて何か気になることはありませんか? 両カンファレンスは相当重なる部分があるのでは? それとも、どちらもそんな心配など無用なのでしょうか? 差別化を図るために、SES Chicagoの方針転換を図るつもりはありますか(たとえば、アルゴリズム検索とか技術的な話題ではなく、広告/メディア関連の話題に重点を置くというような)?

シカゴはたいへんすばらしい市場で、わたしはいつも、シカゴで過ごす時間を存分に楽しんでいます。われわれは、当地のオーディエンスにとって最も関連性が高く、そして当然のことながら、彼らの持つ独自の要求に合ったカンファレンスを企画する予定です。

●RAND:今のあなたのポジションですが、他にどんな人が候補に上がっていたかご存じですか? ご存じなら、それは誰か教えていただけませんか?

人選は、長い時間をかけて熟考を重ねたものだったと信じています。

●RAND:Danny(検索業界の大御所でKevinの前任者)について話をするのは、今日だけにするとお約束します(笑)。Dannyに関して僕が一番気に入っていること(おそらく多くの人も同じだと思う)は、SESやSEWの組織における広告掲載歴の有無にかかわらず、ブログやフォーラム、ディスカッションなどにおける活動の内容に基づいて、講演者を選ぶことでした。たとえば、誰かがめざましい活躍をすれば、Dannyはその人たちのことをまったく知らなくても、次のカンファレンスに招いて講演して貰うという具合です。たしかに、これが必ずしも成功していたとは言えず、平凡な講演者のなかに、何人かのすばらしい講演者がいる程度でしたが、こうしたことが環境に躍動感を与えつつ、公平な活躍の場をもたらしました。あなたがイベントを企画するうえで、これを踏襲したいと考えますか? それとも、(他の多くの業界と同様に)SESやSEWに多額の広告費を支払ってきた人が、より多くステージに立つことになるのでしょうか?

わたしは、Incisiveのコンテンツチームの協力を得てイベントを企画していきます。Stewart QuealyやMarilyn CraftsをはじめIncisiveのチームのメンバーは、世界中でわれわれのグループと協力して仕事をしていますし、マーケットリーダーの意見を聞くのが重要なことは、われわれの誰もが了解していると思います。かなりの数の人々が、大手プロバイダや広告代理店はどんな仕事をしているのか知りたがっていますが、一方で、われわれの業界では多くのすばらしい人たちが、数百万ドルの予算さえ与えられていないこともよく知っています。

話したいことがある人は誰でも、わたしに連絡するよう勧めていますし、われわれのチームも最大限の努力をして話を聞く時間を作ります。たしかに、すべてのアイデアやコンテンツが、われわれの心を射止めるとは限りませんが、誰にでもチャンスはあります。もしそうでなければ、SergeyやLarry(グーグルの共同創設者)の夢は最初の一歩すら踏み出していなかったかもしれません。

コンテンツと売上は、別次元の話です。以上、それがすべてです。

●RAND:この地位に就くためには、明らかにあなたも数多くの検索カンファレンスに出席してきたと思いますが、これまでのカンファレンスで、特に気に入ったセッションや講演者のことを少し話してもらえますか?

Rand Fishkinらしい話の流れだ! わたしはこれまで、iMedia Summit、ad:techのカンファレンス、そしていくつかの地方イベントのほか、相当数のSESカンファレンスに参加してきました。その中から1人の講演者を選び出すなんて、とうてい不可能です。通常、論争の的になる話題のセッションがわたしの好みです。そこには、いつも活気が溢れ、興味深い有益な話が出てきますから。

●RAND:わかりました。最後の質問です。あなたが指揮を執ることで、SESカンファレンスの朝食と昼食の質が上がる可能性はありますか? それから、夕方5時ごろ小腹がすいてくる問題には対処してもらえるのでしょうか?

朝食と昼食の改善は全面的にお約束しましょう。どんなものがいいですかね? リストアップして教えてください。それから夕方5時ごろには、アルコールとスナックを出せば、多くの人が喜びそうですね。

●RAND:Kevin、今回のインタビューについて大変感謝しています。SESカンファレンスに参加してほしいというあなたの気持ちは、わたしにも、SEOmozのコミュニティにも十分に伝わったでしょう。


みんなすでに気づいているだろうが、Kevinがメールで返信してくれた回答は、その多くが短くて簡単なものだった。とてつもなく大きな責任を責任を与えられ、新しい地位に就いたばかりなんだから、これは仕方ないことだよね(ほら、僕の表現もすでにカナダで過ごしたあの時間が影響してるよ)。幸いにもKevinは火曜日の午後に1時間ほど時間を作ってくれて、自分の経歴や職務、自分がSESで計画していることなんかを僕に話してくれたんだ。それを、間違った形で引用しないよう注意しながら、ここで紹介したいと思う(ちなみに、彼の言葉をそのまま引用するつもりはまったくないよ)。

Kevinと僕は、まず彼の経歴の話から始めた。Kevinのキャリアは、Zunch Worldwideを皮切りに、その後Kinetic Results(現在のDexterity Media)を経て、iMediaの検索エディタとなり(iMediaにおけるKevinの別れの言葉)、それからad:techカンファレンス役員の座に就いた(SES代表という立場との利害の対立から、この職も辞すことになるそうだ)。Kevinは、検索業界の中で広告およびキーワード広告という面の経験が豊富で、知識もあると自負しているが、アルゴリズム検索の方面ではあまり経験がないと、自ら語っている。Kevinに初めて会ったとき、検索業界全般の概略を把握したジャーナリスト兼エディタだと、真っ先に自己紹介していたよ。

僕らは次に、Kevinの新しいポジションと目標に関する話に移った。就任後まだ6日しか経っていないのだから、難しい話題だったに違いないんだけど、それでもKevinはある程度、戦略の話もしてくれた。Kevinによると、(少なくとも今のところ)カンファレンスの数や開催都市を増やするつもりはないという。Kevinが現在、主に気にかけているのは、市場とカンファレンスの性質を掴むこと、カンファレンスの企画および意思決定(この点については後でもう少し解説する)を助けてくれる強力なチームを編成すること、そして既存のカンファレンスを質と量(出席者および参加者の人数)の両面で拡大することだ。Kevinは、地理的な意味で唯一増やすとすれば、地域市場で成功を続けられると彼が印象を持つ、垂直市場に的を絞った、より小規模なカンファレンスだと付け加えた。ほかにもKevinは、カンファレンス前にトレーニングセミナーを追加するのも、なかなかいいアイデアだとの考えを示し、これらが有効そうなカンファレンスを選んで、実行に移す計画だと語った。

そして最後に、SESカンファレンスの細部に話題が移り、僕が書いた講演者の半独占協定に関する記事の元となった噂の出所と思われる話についても、少し触れることができた。Kevinは、SESが成功を続けていくうえで、新鮮なコンテンツが重要だと強く感じており、コンテンツの質を正しく評価し、コンテンツに関するルールをしっかり適用するため、講演者やセッションの進行役について、注意深く気を配るつもりだと述べた。Kevinは会話のなかで、ある週にad:techやPubConやSMXのカンファレンスで同じ講演をし、その次の週(あるいは次の次の週)に、SESでも同じ講演を行うような講演者は、実際のところこれらカンファレンスに何の価値ももたらさない、と話してくれた。そこで、この件について少し解説して、僕も同感だと述べたい。たとえば、気の毒なNeil Patel氏は、僕といっしょにSMX SeattleとここSES Torontoでまったく同じプレゼンテーションをして、聴衆のみんなにもそのことがばれてしまうという苦い経験をした。だって、会場にいた人のなかには、Neilがその前にやったプレゼンテーションにも参加していた人がいたからね(Neilの名誉のために言っておくと、会場のうしろから僕らのセッションをじっと見ていたKevinは、特に気づいた様子がなかった。けれどもおそらくはNeilに、SES MiamiとSES San Joseで何か新しい話をするように言うんじゃないかと思う)。SES Torontoで使った58枚の新しいスライド(容量5MBのPowerPointファイル)を、この場でまとめてお見せできるのは、実に光栄の至りだね。

Tim Walsh氏、Matthew McGowan氏、Kevin Ryan氏から発表の許可が下りた新しいお知らせをここで1つ。Kevinは、検索および検索マーケティング業界の専門家を最大12人集めて委員会を組織し、SESカンファレンスの方向性決定に意見を出してもらうんだそうだ。Kevinは僕に、1人の人間にとって検索業界は大きすぎ、SESカンファレンスを効果的に発展させ、業界全体を可能なかぎり最高のものにしようとするなら、1人が舵取りするより、多くの人間がかかわったほうがいい、との考えを明らかにした。Kevinはまた、6人から10人程度の委員がすでに決まっているか、参加を持ちかけている最中で、メンバー全員を発表できる日もそう遠くはないだろうと話していた。

さて、ちょっと別の話を。僕はボウリングが下手くそなんだ。いやいや、これが恥ずかしいことだってのは理解しているよ。そして、このひどいボウリングの腕前のおかげで、僕はIncisiveに借りを作ってしまった。どんな話かって? 僕は先週、SEOmozのボウリング/ビリヤード/シャッフルボード大会で、Matthew McGowan氏と紳士の約束(賭けとも言う)を交わしたんだよ。もし僕が負けたら、僕はSESの仕事をするつもりだとMattに話し、Mattが負けたら、彼は罰としてSMXカンファレンスの仕事に精を出す、というもの。僕のスコアが驚くべき低さ(たしか81だったと思う)だったのは言うまでもなく、僕は今Mattの組織に借りがある状態なんだ。願わくば、ここトロントでの講演と進行役としての働きっぷりで借りをチャラにしてほしいんだけど、それを決めるのはMattとTimだからどうなることやら。

僕はTimとMattとKevinに、しばらくの間このブログで質問に答えてくれるようメールで依頼するつもりだ。だから、何でも気軽に質問や意見などを書き込んでほしい。Incisiveのみんなには、寛大な気持ちで僕の無責任な記事を許してくれたことにとどまらず、彼らのサポートと関与にも大変感謝している。そうそう、講演者の独占協定が存在すると主張する人は、僕らが相手になるぜ。

Rand Fishkin, Jeffery Rohrs & Tim Walsh Poised for a Rumble
ファイティングポーズをとるRand FishkinとJeffery RohrsとTim Walshの3人。

追伸:Rebeccaは今日、シアトルに飛んで帰ったけど、僕はクライアントとの打ち合わせで東海岸(ニュージャージーとワシントンDC)に留まっている。戻りは今度の木曜日になるので、申し訳ないけどメールとコメントへの返信は遅くなる。

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