SES(Search Eneine Strategies)とは、英語圏では検索エンジンマーケティング関連で最大のイベントだと言われているもの。
SES
この記事で記述されているのは、2007年2月13日~15日にロンドンで行われたSESに関すること。
日本ではIDGが実施している。
SES(日本)
ただし、主要メンバーだったDanny Sullivan氏とChris Sherman氏が2006年末にSearch Engine Strategiesからの脱退を決めたため、今後どのようなイベントになるかが注目されている。
SEOmozチームメンバー全員にとって、ロンドン滞在はちょっとばかり目まぐるしいものだった。最初の2晩はどちらも、以前のロンドン訪問(あれとかこれとか)と同じく、スリリングな眠れぬ夜となった。幸いなことに今は休息も十分で、かき集めた情報の多くはちゃんと咀嚼できる状態だ。
この3年間にSES(Search Engine Strategies)カンファレンスの開催もかなりの回数を重ね、そろそろ得るものが少なくなりつつあるのは間違いない。特に僕がセミナーの多くを何度も体験したことや、オンラインで入手できる業界情報が増えたこと、そして発見の少ない辛さを助長するイベントが多数催されることもあり、できるだけ多くのセミナーに出席しようというモチベーションは、確かに欠如してしまっている。
しかし、初めての参加者はもちろん2回目の人たちにとっても、昨年来SESカンファレンスの価値は大きくなっているというのが、僕の印象だ。人々の参加率も高く、カンファレンスもあまり拡散していない。そして、見識の高い人たちが多く集まっている。
昨日のオーガニックリスティング(アルゴリズム検索によるリンク表示)のフォーラムでは、基本的なことから高度なものまで、数多くのすばらしい質問が行われていた。もちろん僕はその中で、真っ当な検索エンジン最適化(SEO)屋さんの1人だった。
社交面について言うと、ロンドンでのパーティは少し規模が小さく、割と私的な雰囲気だが、それでも楽しいものだ。同僚のScottとRebeccaはホテルのバーで夜中の2時3時まで過ごし、ロンドンの警察官ら(一番の酔っ払い)と大騒ぎした。昨晩は、僕にとって初めてのドンペリニョン(かぎづめ足のバスタブを作っている男からの婚約祝い)を飲んだり、酔っ払いの腕相撲大会、たくさんのお祝いの握手、史上最も「リンクベイトな」プロポーズをしたことに対するたくさんの冷やかし(NaylorとBoser両氏が僕をいじめるのを止めるころには、沢山のカンファレンスが過ぎ去っていることだろう)といったことがあった。
これらの仲間たちが、プロポーズを「マーケティング的な企み」とか「やらせ」だと思っていたことに対して、多少頭にきたことは認めるけど、この分野ではつきものだと思っている。
SEO戦略の面に関して言えば、多少の価値をもたらす議論をいくつか仲間たちと行った。昨晩、Frank Watson氏(オーストラリア育ちのウェブマスター)と僕は、「GoogleBomb対策アルゴリズム」を肴に雑談し、その働きについて、とても良いアイデア(少なくとも優れた理論)を思いついた。それはこのようなものだ。
- あるページへのリンクがすべて同じアンカーテキストを含んでいたら、フィルタ処理にかける。
- リンクのアンカーテキストがページ上に現れないものだったら、フィルタ処理を継続する。
- 該当ページ内の語句の適合性と、リンクのアンカーテキストとの相関性が低ければ、フィルタ処理を継続する(もちろん、どこまで絞り込めばいいかという確信があるわけじゃない)。
- GoogleBomb行為っぽいパターンの語句を含むリンクのアンカーテキスト効果を取り除く(自信はないが、ページランクやトラストランクといったリンク要素の有効性は変わらないと思う)
これらは、なぜほとんどのGoogleBombがなくなるのか、説明するのに役立つかもしれない。しかし、「click here」「homepage」「will you」など、いくつかのキーワードでは、まだ上位近辺に該当テキストのないページが出てくる。
GoogleBomb以外には、とりわけ技術面にまったく注力しない業界にとって、一般的に通用するリンクベイトがどんなものになり得るのか、なんて話も少しした。もちろん、ロブスターの人権(エビ権?)を考えさせられるブログがdigg.comのトップにあるのを見たとき、僕の言うことはもう何もないと思った。ロブスター漁ほどdigg志向に欠けるものもないが、この人物はリンクベイトに撒き餌を使っていない。
SESカンファレンスで仕入れたその他の話も書いておこう。
- MSNは展示ホールにブースを構えていたが、GoogleとYahoo! がブースを出していなかった。これは最近の記憶にある中でも初めてのことだ。
- 検索トラフィック解析サービス会社Enquisite SoftwareのCEOを務めるRichard Zwicky氏が、同社のサービスEnquisiteを使って2億件以上の検索クエリを追跡したところ、奇妙な傾向が浮上した。昨年12月以来、ゆっくりながらもYahoo!が市場シェアを獲得しつつあるという。
- イギリス人は、僕が理解できないようなユーモアのセンス持っているけれど、理解の一助として僕のプレゼンにこんなサイトをいくつか入れようと考えている。
- 今朝の基調講演には、Danny Sullivan氏の亡霊が現われ(同氏は昨年末Search Engine Watchを離れた)、同じく今年同社を離れたChris Sherman氏がGoogleのMatt Cutts氏と対談している間に、2枚の垂れ幕が壁から落ちた。1枚はIncisive Mediaのもので、もう1枚はSearch Engine Watchのものだ。僕はぞっとするほど不吉なものを感じた。
ロンドンからの情報はまだこれだけじゃない。同僚のRebeccaは、彼女の専売特許の漫画に取り組んでいて、面白いこと請け合いだ。明日僕は分析論について話す予定だが、奇妙なことにリンクベイトのパネルに入ることはできなかった。
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