ここが変だよWebマーケティング

ここが変だよウェブマーケティング第2回 成功者はアクセス解析をこう活用する!

ここが変だよウェブマーケティング

[コラム]
ここが変だよ
ウェブマーケティング

株式会社デジタルフォレスト 清水昌浩

集客のためによかれと思ってやっている、さまざまなマーケティング手法。なのに結果がついてこない、アドバイスを聞いてもなんとなく納得いかない……とお悩みの方は多いのではないだろうか。もしかしたらそんなあなたと、あなたの周囲のウェブマーケティングは、どこかが「変」なのかもしれない。

デジタルフォレスト 清水昌浩氏が、実話をもとにウェブマーケティングの問題点とその解決策を読み解くシリーズ。

「ここが変だよウェブマーケティング」、前回の記事では、ある会社の執行役員の事例を紹介して、勘と経験、周囲のアドバイスに頼るサイト改善が危険であること、そして集客力向上とコンバージョン誘導力向上の「合わせ技」が重要であることを説明した。

さて今回は、間違いだらけのウェブマーケティングと縁を切り、正しいページ分析を身につける極意をお教えしよう。

ウェブサイトも病気も、まずは診断

コンバージョン数の伸び悩んだサイトを分析して、どうやって課題を発見し、どこを改善すべきと判断するか。勘の良い方は気づいたであろうが、問題発見のためにはアクセス解析を活用することが有効だ。勘や経験に頼るのではなく、アクセス解析で得られたデータを元に、定量的に問題を特定することが、適切な改善施策の判断の役に立つのだ。

アクセス解析はPV(ページビュー)やUU(ユニークユーザー)、平均閲覧ページ数を調べて上司に報告するためだけのツールではない。先の事例のように、うまく活用すれば、集客施策やサイトのどこに問題が潜んでいるかを発見し、その原因を分析できる便利なツールなのだ。

しかし残念なことに、時間がなかったり、どう使えばよいかわからなかったりして、アクセス解析ツールの能力を十分に活用できていないケースが多い。

ここでちょっと考えてみてほしい。仮にあなたは今、非常にお腹が痛いとしよう。そんなときに、家の近くの病院に行ってその症状を医師に伝えたところ、医師が診断もせずに「盲腸ですね、手術をしましょう」と言ったらどう思うだろうか? 「ちゃんと診断して原因を明らかにして、適切な処置をしてくれ」と思うに違いない。

そんな医者はいないだろうと思うかもしれないが、ウェブマーケティングにおいてはこれとまったく同じことがまかり通っているのではないだろうか。アクセス解析などによる現状分析を行わずにどんな施策を行うか決めるマーケティングは、診断もせずに手術をしろと言う医者と同じことをしているのではないだろうか。

勘と経験による判断に別れを告げ、アクセス解析による事実に基づく判断をしてみてはいかがだろう(図1)。

問題に応じて、適切な診断(分析)をしよう
図1 問題に応じて、適切な診断(分析)をしよう。

成功した人はアクセス解析をこう活用している

では、効果を出すためのアクセス解析のポイントを2つ紹介したい。その2つとは、次のものだ。

  1. ユーザー行動のプロセス化
  2. ウェブマーケティングのPDCAサイクル

それぞれのポイントについて詳しく解説しよう。

効果を出すためのアクセス解析のポイント(1)
ウェブマーケティングのPDCAサイクル

ウェブマーケティングにはPDCAサイクルが重要であるといわれるようになって久しい。しかし、適切なPDCAの流れについて具体的に言及している人はウェブ業界にもあまりいないので、ここで明らかにしておこう。PDCAサイクルを回すためには、以下の6つの段階を踏んでいくことが重要だ。

  1. 問題箇所の発見

    第1回で示した事例のように、まずはアクセス解析ツールを使って問題箇所を発見する必要がある。

    このときに大切なのは、「広告媒体で効果の悪いものがあるはず」「直帰率が問題だろう」といった先入観で問題箇所を決めつけてしまわないことだ。先入観にとらわれると、本当の問題箇所を見落としてしまう可能性があるからだ。問題箇所の特定のためには、ある程度全体を俯瞰して、コンバージョン(サイトの目的達成)を阻害している箇所を明らかにする必要がある。

    この部分の具体的な手法に関しては、次の「ユーザー行動のプロセス化」で詳しく解説する。

  2. 問題箇所の優先順位付け

    次に行うことは、いくつか発見した問題箇所の改善優先順位付けだ。ボトルネックすべてを改善しようとしては時間がいくらあっても足りない。目的達成を阻害する度合いの大きい箇所を絞り込む必要がある。絞り込む条件は、PV数の多さや離脱数の多さ、ユーザーの想定導線上のページかどうかなどがある。

  3. 優先度の高い問題箇所の原因分析

    改善優先順位付けをしたら、優先度が高い箇所の原因分析を行う。原因分析はアクセス解析によって行うものもあれば、ユーザビリティなど定性的に行うものもある。

  4. 改善のための施策の検討

    ここまできて初めて、改善のための施策の検討を行うことができる。

  5. 施策の実行

    そしてその施策を実行に移す。

  6. 施策の評価

大切なのは、この流れを1回で終わらせないことだ。PDCA「サイクル」というように、この手順を繰り返すのが大切なのだ。施策を実行したら、再度アクセス解析を行い、改めて評価することをお勧めする。施策をやりっぱなしにしては、その施策の効果が出たのかでなかったのか、正しかったか間違っていたのかを判断することができないからだ。

施策の効果が出なかった場合には、上記の手順(3)に戻り、その原因を明らかにして適切な施策を実行することになる。施策の効果があった場合でも、改めてデータを解析すれば、さらに改善するべき点が見つかるものだ。

このような流れは少々面倒に感じるかもしれない。しかしウェブマーケティングで成果を挙げている企業は、程度の違いはあれ、間違いなくアクセス解析を活用してPDCAサイクルを継続的に回しているのだ。PDCAサイクルを「回す」ことにより、マーケティングの効果を徐々に最大化したり、さまざまなマーケティング施策の効果を比較したりできるようにすることが肝要なのだと覚えておいてほしい。

効果を出すためのアクセス解析のポイント(2)
ユーザー行動のプロセス化

ウェブマーケティングのPDCAサイクルの重要性を理解し、実践しようとした場合、必ずぶつかる壁がある。それは、アクセス解析をどのように行えばよいかの具体的な方法論だろう。アクセス解析ツールの機能に従って、ページビュー数やユニークユーザー数、平均閲覧ページ数や検索ワードだけを見ているだけでは、残念ながら問題箇所はなかなか発見できないものだ。実はアクセス解析の仕方にもコツがあるのだ。

第1回で示した事例の分析がまさにそれであるが、私がアクセス解析をもちいて問題箇所を特定する場合、ユーザーの動きをプロセス化することにしている。ここでいう「プロセス化」とは、ユーザーの動きをいくつかの段階に分けることを意味している。ユーザーの動きは、多くの場合、次の4つに分けることができる(図2)。

  1. サイト訪問

  2. エントランスページ

  3. サイト回遊

  4. コンバージョンプロセス

図版(2)
図2 ユーザー行動のプロセス化により問題を究明

第1回で説明したコンバージョンの方程式に照らしてみると、1つ目のプロセスの「サイト訪問」が「集客力」に相当し、他の3つのプロセス(エントランスページ、サイト回遊、コンバージョンプロセス)が「コンバージョン誘導力」に相当する。

各プロセスについて、もう少し詳しく解説し、アクセス解析ツールでどのように分析すればいいかを説明しておこう。

  1. サイト訪問

    集客経路。ユーザーが何をきっかけにサイトを訪問したかの部分。検索エンジンの検索結果からなのか、キーワード広告からなのか、どこかのサイトからリンクをたどってきたのか、などをチェックする。集客のために広告を出稿しているならば、実際に広告が集めたユーザーの数をここでチェックできる。

    Google Analyticsならば[トラフィック]の各項目だ。バナー広告やメールマガジンなどからの誘導を区別してチェックするには、Google Analyticsヘルプセンターにある「リンクにタグを設定するにはどうすればよいですか」のようにする必要がある。

  2. エントランスページ

    入り口ページ。ユーザーがまずどのページに流入したかの部分だ。未だ「ユーザーはトップページから入ってくる」と思っている人もいるかもしれないが、実際のところ、トップページが入り口ページであるのは全体の20%~40%程度で、多くのユーザーが検索エンジン経由でトップページ以外のページに直接飛んできている。逆にいうと、トップページの入り口率が高い場合は、サイト内のコンテンツ数が少ないのか、検索エンジン対策が足りていないことを意味する。もしコンバージョンページへの誘導が弱いページが入り口ページとなっている場合が多いならば、そのページでの直帰率とそのページからの誘導などを見直さなければいけない。

    Google Analyticsならば[コンテンツ]>[閲覧開始ページ]だ。

  3. サイト回遊

    閲覧経路。ユーザーがどのようにコンバージョンプロセスに到達したかの部分。ウェブサイトは「ユーザーがこういう経路で動くだろう」と想定して作るものだが、実際のところ、想定したとおりに行動しないユーザーは予想以上に多いものだ。運営側の思い込みにとらわれず、実際にユーザーがどんな動きをしているのかをデータで把握し、問題箇所を改善していこう。

    Google Analyticsでは、[コンバージョン]>[目標到達遷移]で、コンバージョンに至ったユーザーのたどった経路を確認できる。コンバージョンに至らなかったユーザーも含めて経路を調べたい場合は、[コンテンツ]>[サマリー]のページで、[ナビゲーションの分析]にある[ナビゲーションサマリー]や[ページ遷移]を使う。

  4. コンバージョンプロセス

    目標到達プロセス。ユーザーがコンバージョンに至る必須経路でどのように移動したかの部分。コンバージョンページへのリンクがわかりづらかったり、途中の入力フォームが使いづらかったりすると、そのページから次の段階への遷移率が低く(放棄率が高く)なるので、わかるはずだ。

    具体的には、まず、多くのアクセス解析ツールが備えている「目標設定」を使ってゴールとそこに至る途中のページを指定する(Google Analyticsならば[Analytics設定]>[プロファイル設定]>[コンバージョン目標と目標達成プロセス])。目標を設定した状態でしばらくデータを蓄積してから、目標の各ステップのデータを解析する(Google Analyticsならばレポートの[コンバージョン]>[目標到達プロセス])。

ユーザーの動きをこの4つに分けて把握することで、問題がどこにあるかが一目瞭然となる。また、このように体系立てて分析することにより、あちらこちらを分析をして結局何もわからないまま終わってしまうといった時間の浪費を防ぐこともできる。

第1回と第2回のまとめ

SEOやキーワード広告、LPOといった施策は、その施策の効果が出るプロセスに問題がある場合は、とても有効である。しかし、集客やランディングページには問題がなく、他の部分に問題がある場合は、ただの無駄な投資に終わってしまう。

どのような施策を実行するか判断する際は、まずはアクセス解析によってウェブマーケティングの現状を把握して問題箇所を特定し、その問題箇所を解決するために必要な施策を選ぶことが重要である。

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